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武士の娘 紗都 は 舞姫 梨枝 に投票した。
名主の末子 成親 は 舞姫 梨枝 に投票した。
舞姫 梨枝 は 旅装束 風華 に投票した。
旅装束 風華 は 舞姫 梨枝 に投票した。
舞姫 梨枝 は村人達の手により処刑された。
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか。
現在の生存者は、武士の娘 紗都、名主の末子 成親、旅装束 風華 の 3 名。
[肉を貫く刃の感触、引き伸ばされた時間の中]
[ゆっくり、ゆっくりと深く、深く]
[肉を割り、心の臓を貫き…止まった]
[堂に満ちた清浄な気が薄れても身動きの1つもできない]
殺して…私、ころして、ぁ、っ
『殺す、あの男を、殺す…仇を…あの男を』
[ゆっくりと立ち上がる、血濡れの懐刀が鈍く光る]
『あの男を…』
わたしを…
[右、今までは俊敏に動いた右の半身鈍く動くことを拒否する半身を引きずって堂の扉を*開いた*]
[紗都に雨がかからないように上体を前屈みにしている]
駄目です…喋っては。
傷が開いてしまいますよ?
[何か話そうとする紗都にそう言って柔らかく笑った]
ああ、やっと着きましたよ。
早く体を暖めて、傷の手当をしなければ
[堂の入り口が見えるとほっとした様に階段に足をかけようとした]
[不意に中から開く扉]
[誰か出てくるのかと、そこで足を止めた]
あ…。
[中から姿を現したのは、風華だった]
[しかし纏う気配が違っている]
[ごくりと息を飲んで、風華を見上げる]
……。
[す、っと瞳を細めると厳しい表情を浮かべる]
[堂にはりえも居たはずだ]
[万一のことを考えて紗都の太刀を置いて行ったのだが]
…りえさんは、どうしました?
[少女の姿をした鬼に*問いかけた*]
[大丈夫かと問われれば、小さく頷く。
意識が朦朧としていて、腹部の痛みをあまり強く感じてはいなかった。
それでも、微かな振動が加われば、少しばかり顔を歪める。
堂へと連れ戻される中、何故死ねなかったのだろうと思う]
『何故、放っておいてくれないの…?』
[ほんの少しだけ、助けた成親を憎んだかもしれない。
それでも、真剣な眼差しの彼を…雨に濡れないよう身を屈めてくれる彼を見れば、次第に申し訳ない気分にもなっていく]
『……ごめんなさい。』
[その言葉は、口にしたか、それとも心の中でか。
やがて、堂に着いたと言われれば、成親のほっとした表情を見て、小さく微笑んだ]
―堂の入り口―
[入り口で、風華をすれ違ったようだった。
風華に話かける成親の声は、微かに低く。
顔を見れば、先程までとは違って険しい表情が浮かんでいた]
『成親さん……?』
[一変したようにも思える成親。
一体、何があったというのだろうか。
聞き出す力は今はなく、ただ成親の顔を間近で*みつめていた*]
[風華の手に小振りの刀が握られているのが見えた]
[その刀が、濡れたように鈍く光っていた]
…りえさんを、どうしたのですか。
[さらに低い声音で、再度ゆっくりと問いを放つ]
[紗都を抱える腕に力が入る]
[心臓の鼓動が早くなっていく]
[目を閉じずとも風華の体から鬼の気配がこれでもかというほどに感じられた]
[自分の腕の中から視線を感じて、目を腕の中へ向ける]
[紗都が不安そうな面持ちでこちらを見ていた]
最後の…鬼が。
あそこに。
[険しい表情を緩めることなどできなかった]
[抑揚のない声でそう言うと視線を風華の方へ向ける]
[男…あの男が居る…あの仇が居る…]
[憎悪、熱病にも似た憎悪に焦がされながら懐刀を掲げる]
ごめんなさい
『良い所に来たのぉ』
[右の凶笑と左の泣顔、要らぬ事を口走る左の面]
[その面を苛立ちのままに懐刀が切り裂く]
殺してしまった
『娘なら、今しがた、死んだところじゃ』
[噴出す鮮血にも構わず、血に塗れた面のまま]
[自ら付けた傷を気づかぬ様に艶やかに笑む]
『悲しまずとも良かろう?次は貴様じゃ』
私を…
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