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[被せられていたコートを頭から落とし。
まだ、ヴェスの腕がコートを巻き込んだままなら、コートは床に落ちることはない。]
……ヴェス…
[ヴェスの顔を見上げる。溢れるヴェスの言葉>>248を聞き、
名前を呼ぶ。ただ、慰めるような、そういった言葉は、かけなかった。]
……っ
[続いた問いに>>249。男も痛みを覚えたから。
ズキズキと。
また、ヴェスの服を、思わず、咄嗟に。
行くなというように、強く掴む。*]
[ユウヅキはヴェスを見つめる。
その目は探偵の目でもユウヅキの目でもない。]
『なんで』 ? 笑えてくるな
ここまで言ってもまだ分からんか?
貴様は無能か?ああいや無能だな、疑問形にすれば疑問符に失礼だ。
[ユウヅキはゆるりと答えた。]
お前の答えと『スティーブ』の答えが違うからだよ。
理解出来んか?今までの例え話の人物を『ヴェス』に変えて、スティーブに問えばこいつは全く違う答えを出す。
スティーブはお人好しだからな、お前のように純粋なまでに『ヴェス』に尽くす前に精神を壊して死に絶えるだろうな?
ヴェス、お前はスティーブに信用されてないんだよ。
[言い放った言葉は、事実とは関係ない。
それはただの推測、憶測、そして苦しめるための嘘。]
スティーブは、お前が出かける度にどこかで死ぬ可能性を考え恐怖し、お前が事件に巻き込まれるたびに無茶をしていないかと不審がり、お前の心になにか問題が起こればその心が崩れて消えてしまわないようひたすら祈り続ける。
スティーブは『お前が自分の元に確実に帰ってきて、またいつもと同じように笑ってくれる』とはこれっぽっちも考えてない。お前は全くもってスティーブに信用されていない。
理解出来んか?まだ理解は足りないか?
もっとわかりやすく言おうか?
『スティーブはお前にいつも通りに帰ってきて欲しいのに』
『お前はそんなこともつゆ知らずスティーブの知らないところで何かしら問題を起こしていて』
『スティーブは、いつお前が自分の日常を、自分の幸せを奪ってしまうのか、常に恐怖し続けてるんだよ』
[ユウヅキは言葉を紡いだ*]
ごめんなさい……
……
ごめん
…………ごめん
[ユウヅキに、反論のひとつも無く、謝罪がこぼれる。
それはどこか、反響の無い言葉として]
……っ、ぁあ、あ……ああ……
…ごめんな… さい ……
あ、会わなきゃ、良かったんだ
お前に、こんな…… つらいの ごめん あ…っ……ぅ…
[コートを握りしめてか、どちらにせよ顔を伏せ覆い、泣き崩れる*]
っ……!!!
[ヴェスの変化に、ユウヅキは目を見開く。
そして歯噛みする。ギリギリと奥歯が鳴った。]
……っ、なぜ…!!!
[理解せぬのか、理解出来ぬのか!!!]
[かつて『ここにいてもいい』と教えられて、もっと世界を見たいと彼女が言ってくれて。]
[ユウヅキにでさえ! それが出来なくなる恐怖を理解出来たというのに!!!]
巫山戯るなっっっ!!!!
何が、会わなければ、だ!!!!
何故貴様は!!!貴様の価値を理解しない!!!
貴様がいるだけで幸せになれる人間のことを考えない!!!
[ユウヅキは、ここでようやく初めて、激怒した。*]
だって……スティーブが幸せになれないなら
会わなきゃ良かったんだ
そしたら 幸せでいた……そうじゃないの
[しゃくり上げ泣きながら、途切れ途切れに言う]
信用…されてない……
のに 俺のこと…… 気にして…
スティーブ 可哀想じゃん……
……、…、……
[後は言葉にならないまま、泣いている。
ヴェスがユウヅキ>>260から受け取ったのは『ここにいてもいい』とは真逆の意味。
そして、ヴェスはスティーブの幸せに必ずしも自分が居なくてもいいと考えている、その差だろう。
一緒にいたくても、スティーブが嫌なら、それならそれで……仕方ないものだ/我慢する辛くとも*]
[『スティーブ』。例え話ではなく、自分の名前を出され>>254、男はびくっと反応する。]
……ちげぇよ。
[ぽつ、零した言葉は『死に絶える』にかかる否定。]
……っ
[『ヴェス、お前はスティーブに信用されてないんだよ。』その言葉に、目を見開く。呼吸が止まった。
そのまま、動かない。ユウヅキの言葉が、刺さる。
バクバクと心臓が、いつ止まってもおかしくないくらいに、うるさい。
でも。違う。何かが、違う。
でも、言葉にできない。]
………
[拳を、震える程に、強く握る。]
[ヴェスとスティーブが話をしている間、ハロルドはユウヅキの方へと移動し、その様子を見守っていた。
ユウヅキがヴェスへと語りかけ始めたなら人払いの役目を負い、レストルームの出入口を陣取る。
その場にいるだけで他の客は避けて別のレストルームへと移動していった。
雰囲気に変化が起きたのはそのすぐ後]
っ、 ユウヅキ。
[捲し立てるユウヅキに対し、制止するように名を呼ぶ。
スティーブからも制止があったが、ユウヅキは止まることがなかった]
ユウヅキ。
[激怒を込めて叫ぶユウヅキを、もう一度名を呼んで制止をかける。
彼の肩を掴む仕草も付随した**]
[やがて、落ちてきた言葉>>258
男は顔をあげる。]
………言いすぎだ。
『ナイトライン』
[そういうも、それ以上は彼へ何も言うことはできなかった。
コートは男が頭から取り払った後、床へと落ちているだろう。
男は、ヴェスを抱きしめる。
会わなきゃ良かった、その言葉に、
どこか痛みを覚え、傷ついたような、痛そうな表情をする。]
………ユウヅキ……
[激怒するユウヅキの声>>260に目を伏せ。]
……ありがとな。
お前は、俺が間違えないって、帰って来るって、
生きててくれるって。思ってくれてんのな。
ごめんな。でも、俺は、
やっぱ、お前が死にかけたりとか、危ない目にあったりとか。
死ぬかもしれないって、どっかで思ったり。
そういうの、何度も見てるから。
怖いんだよ。
生きてくれるって、分かってても、
怖いんだよ。
……俺は…俺より、お前が、幸せになるほうが、
ずっと、嬉しいんだって。
幸せになって欲しい奴が、そうなれないって。
俺だって、嫌だ。
[まとまらない言葉、ポツリポツリ]
…………ユウヅキの言う通り、
……俺は、お前がいて、
それだけで、十分、幸せなんだぞ。
[震えた声で、言葉を紡ぐ。]
……会わなきゃ良かったって、
言うなよ……*
スティーブ……
……スティーブ
[『会わなければ良かった』そう過去があったならば、誰かを失う恐怖も、心配も無く、心安らかにいれたのだろう、という言葉]
う、うぅ……
[長いこと、言葉にはならない]
生きるって、言ったし……
分からないけど、生きようって……思ってるのに
……つらいよ、スティーブ……
[やはり涙が止まらない]
ユウヅキ、そんなこと、言って……無いじゃん……
……お前が居なければって……う、うぅ……
[言葉は滅裂]
俺は……
お前に
会えて
…かったって……、よかったって
……会って無ければ死んでた し
だから
スティーブ……
[全く言葉にならず、体を震わせスティーブに身を委ねている*]
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