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ではこちらの番だ。
[ダイスを拾い上げ、ロールエリアへと投げ込んだ。
転がるダイスを目で追う]
【4】と【4】、8か。
「ははは、残念だったな。
だが良い勝負だ」
[一発で決まる勝負も盛り上がるが、幾度かの攻防もまた盛り上がるもの。
見物人も幾人か増え、ベットはしないものも勝敗予想をする者達まで現れる始末。
個別発生した客同士の勝負も、彼らにとっては娯楽となるようだ]
…どうぞ、そちらの手番だ。
「うむ、どれ」
[仲介人の太い指が2つのダイスを拾い上げる。
間髪入れずロールエリアへとダイスが放られ、壁に当たった1つが角を基点にしてくるくると回りだした]
「1つは【6】か、もう1つは……」
[回転が徐々に弱まり、ダイスがカランと音を立てて転がる。
数度転がり止ったダイスが示した数字は ───]
「──── 【4】だ、これで10。
儂の勝ちだな」
[ポイントと同じ数字。
1勝2敗となり、仲介人に軍配が上がった]
〜〜〜〜〜くっそぅ…。
[テーブルに肘を突き、両手で顔を覆う。
手の下では悔しげな表情が浮かんでいた]
「まー、そんな気はしたよね…」
[ただ一人、ドライだけは納得顔でいたとか]
「さぁて、それじゃあ約束通り商品を買ってもらおうか」
[仲介人はほくほく顔でスーツケースを取り出していた*]
[きっちりとした制服を着た男性がディーラーを務める『3ダイス』>>3:9。
クラップスやビッグ&スモールといった場所を始め、どの様なゲームがあるかの種類を見るよう回り、大体の雰囲気を掴み、時には遊び、熱気を浴びていったか。
ある程度見て回れば、ハイローラー達が集まる、ハイレートフロアへと足を踏み入れる]
……
[小さく溜息のような吐息]
ベル……
ここからは、空気違うからな
[ハイレートのフロアへ足を踏み入れれば、雰囲気が変わる。
深紅の上質の絨毯、鮮やかにゲームテーブルが並んでいる。
見るからにこの様な享楽に慣れ親しんでいると思しき者達がゲームに興じていた。
ディーラー達もまた、その様な客を相手にするのに慣れた者達ばかりか]
─ カジノ・ハイレートエリア ─
[落ち込んでても仕方が無い、と。
スーツケースを取り出した仲介人に応じるべく顔を上げる。
ふと、視界の端にやたらと目立つ3人組>>96の姿が見えた]
「うわー、どっかのお嬢様かな」
そわそわすんじゃない。
[隣で騒ぎ出したドライを一喝し、しばし3人組の姿を眺める。
顔は良く見えなかった。
随分目立つなぁ、と言う感想だけが浮かぶ。
あの3人組のうちの1人がヴェスだなんて、欠片も思いもしなかった*]
── カジノ ──
[そうして、ハイレートフロアも一頻り見終わったか]
…、大体回ったっぽいけど……
どーする?
[薄い蒼のサングラス越しにベルを見遣り尋ねる]
ブラック・ジャックだっけ……?
そっちの方で暫く遊ぶならそうでもいいし…
少し、俺、休もうかと……
[視線が緩く揺らいでいる。
ベルの返答はどうだったか?
まだ暫し共に行動するも良し、逆に暫し別行動をとる場合は、待ち合わせ場所なり、何なり定めて別れたろうか*]
─ ハイレートエリア ─
[ロールエリアが片付けられ、テーブルの上にスーツケースが開かれる。
現れたのは数多の梟人形。
年代は様々のようだ]
「さぁ好きなのを選んでくれたまえ」
…好きなのを、と言われてもな…。
[しかし賭けに負けたのだから買わざるを得ない。
仕方なく1つ1つ確認するように梟人形を見ていった]
[その中で、1つの人形に目が留まる]
………んん?
[数ある梟人形の中からそれを拾い上げた。
仲介人が満足げに笑っている]
おいドライ、これってもしかして……
「え? …………あー!?」
やはりそうだよな!?
[端末を取り出し、画像の梟人形と見比べる。
模様やデザインは寸分違わぬものだった]
「ミスター、これってどこで……」
「ここを出入りしている者が買い取って欲しいと言ってきてな。
4・5年前だったかねぇ、作られたばかりの割には汚れていたが、手入れすれば十分売り物になりそうだったのでね。
買い取ったのさ」
そいつ、他に何か言っていただろうか?
「そうだねぇ…オークションの種にもなりゃしねぇ、なんてことを言っていたかな。
宛が外れたような物言いだったぞ」
オークション……もしかして。
[これもまたCoCの仕業では、と。
大方プレミアものだと思って拾ったが、そうではなかったために売り飛ばしたと、そういったところだろう]
「それで、買うのはその人形でよいかね?」
……ちなみに値段は?
[一番気になるところを問えば、まだ5年しか経っていないものだから、とそこまで高い値にはならなかったよう。
リルは安堵の息を吐く]
「値切るのならばもう一勝負だな。
勝てば2割減、負ければ2割増だ」
遠慮しておく。
[負ける気しかしなかった]
[ともあれ、リルはノーマが所持していた梟人形を見つけ、手に入れることに成功する。
手持ちのキャッシュで支払いをし、安堵の息を吐くのだった*]
─ カジノ ─
[人の多さにやや目眩に似た感覚を味わいながら人混みを抜けていく。たどりついた卓は「ルーレット」。ヴェスから手ほどき>>58を受けて頷きはしたものの、飲み込むまでに時間がかかったのか、最初のゲームは周りの様子を見るだけだった。]
『赤の7!(セブン・レッド)』
[ディーラーの宣言に歓声と落胆の声が響く。]
なるほど、やっぱり7って縁起のいい数字なんだ。
[そんな気の抜けた発言をしながらもようやく仕組みは理解したらしい。比較的当たる確率の高いアウトサイド、黒にチップをおそるおそる差し出した。]
『黒の24!』
あ、やった、当たった!当たりましたよ!
[賭けに勝てば、ベルのもとへと配当が配られる。小額とはいえ、初めての勝利にベルは興奮気味にヴェスやハロルドへはしゃぎたてた。]
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