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ースラムの花ー
[男はだいたい、持ち込まれたものは買い取る。それがそこらの鉄屑だとしても。そして、たまに、スラムでは珍しいとされる、花も子供たちが持ってくることもある。のだが
男はそれを買い取りはするも、どうせ枯らすからと、欲しがる人間に渡してしまう。
そして、もの珍しさに、どこにあるのだと、場所を訪ねられたら、]
……さぁ?知らないですね。
[そう、答えるのだった。**]
── 少し前・スラム街 ──
その沈黙は何だよ。
俺だって綺麗なものを見れば綺麗って言うんですけど〜?
[スティーブの沈黙>>175が少々気に入らなかったのか、悪態]
……ま、しっかり見れてねえよ。
痛んじゃいなかったが、はぁ……夜だったし……
あ〜やだやだ。
眼鏡なんてかけたくねーなー。
[男の異能は、酷使すれば目が痛むものだった。
最近は、頻度がそうでもないのか、以前よりは痛みはない。
使い方を変えたところもあるが。
ともあれどちらにしても、今朝に治癒者の家に行ってきた所ではあり、どこか不調があることも無い]
気が向いたらな。
[気が向いたら声をかけるとも、行く気になれば声をかけるともとれるような返事>>177をし、その場を去った*]
── スラム街 ──
[両親を眼前で喪った後、スラム街に足を踏み入れ彷徨っていた所で出逢ったのが、「スティーブとその妹」だった。
何故か、ころころ名前を変える事をしており、初めて出逢った時は「ラルフとリーナ」という、今とは全く別の名前だった。
ふたりに感謝はしている。
いなければ、死んではいただろう]
[中層に家はあったが、よくスラム街に行っては、スティーブにはその度に飯を食わされた。
残飯というよりゴミみたいな物やクソ不味いドロドロスープ等を出されるまま食べていた結果、悪食で腹も壊さなくなってしまったのはどうかと思うが、スラム街を歩くには悪くない技能のひとつだろう]
[男はスラムを歩くのに慣れているのか、物が積んである道も、道端にドラム缶やゴミが落ちていても気にする素振りは無い]
盗んでンじゃねーぞ、クソ餓鬼が。
[体当たりして身に付けている物をスろうとする生意気な子供は、転ばせたり、腕を捻り上げたり腕を持ち上げて吊るし、顔を間近に近づけて凄ますくらいはしたが]
── スラム街・屋台 ──
[やがて辿り着いたのは、カラフルと言えば聞こえは良いが、その実揃いの布が無かった為に、てんでバラバラな襤褸布を幕のように張った屋台>>128だった。
その下で使い古しされたり錆だらけのフライパンや鍋があった。
ジュウジュウと、衛生など関係無いとばかりの食材が、ポイと投げ込まれ、料理されている。
中には、何の肉を煮込んでいるのかよく分からない、灰色のアブクと脂を浮かべた怪しげな大鍋もある。
座席は、元は酒瓶でも詰めていた箱を、どこからか拾ってきたものなどが置かれてあったか]
はぁ……
めんど。
[うんざりとした溜息を付けば、大柄の体をし、スラム街では見られぬ格好をした男に視線が向きもする。
その視線を払うように、睨み返せば、視線を向けた者は視線を逸らすか距離を開けるか]
[その中で、ひとり我関せず背を向け、怪しげな大鍋の肉を食べている男がひとり。
あぁ、阿呆らしいというような思いが浮かびつつ、男も空いている箱に座り、注文をひとつ]
適当なモン。
[通常ドームでは使われていない、代替通貨としてのトークンのコインを投げるように台に置く。
ついでに、何故か台の上に置かれている靴にも、トークンを数枚投入するように。
横の男ショーを見はしないが、早速酒を注文する声が聞こえる]
いい話あるか?
[変色してるのではと思える鈍い色の肉と、煮込んだ野菜の入った椀と、卵と野菜に火を通したような塊の皿が男の前に差し出された頃、ショーに問いかけた*]
─ 下層区域・倉庫街 ─
[イグナティウスとの会話。
傍から見れば独り言に見えるそれは、端末を操作するようなものとは全く異なった。
伝わってくる機械言語はドームで使われる単純な機会言語ではなく、マシンハックの能力を介してようやく理解出来るもの。
これまで培って来た知識など瑣末に見えるほどだった。
流れ来る情報量も尋常ではなく、そのまま端末に処理させたらパンクは必定と言えるものだった。
能力で読み取り、自分の言葉にしてから端末に入力しなければならない]
(とんでもねぇ存在だな)
[イグナティウスが言葉を発せぬ異能者、例えば同じマシンハックを有する者で、機械端末を介して言葉を伝えているのだとしたらこのような複雑な機械言語にはならないだろう。
機械でありながら知的生命体でもある機械生命体。
彼が、未だ解析しきれていない機械生命体そのものなのでは、と言う推測に至るには然程時間はかからなかった]
[イグナティウスから伝えられた内容は逐次自分の端末へと文字変換して転送している。
地図情報を開示された時>>164は、読み取った圧縮情報を端から解いて電脳世界に地図を編み上げるような作業になった。
解読した地図情報はモノクル型モニターに映し出し、端末に画像保存する]
特殊チームな。
動ける状態にありゃ良いが……ま、ドームの危機となれば流石に動くだろ。
機械生命体絡みでもあるしな。
[釘刺し>>171には、はいよ、と軽く返して笑うに留め。
ドームからの抵抗があるなら一体での全壊は難しいとの話>>172に、ふむ、と小さく唸る。
続く言葉には、問題なかろうというような雰囲気で言って、それぞれの話を端末へと纏め直した。
ゲイル自身、信号はそのまま流れて行ったのだから特殊チームが気付くのも時間の問題だろうと思っている。
ここへ来れるほど暇かは知らないが]
[現時点で端末に纏められたのは以下の通り]
<ドームを消滅させようとしている機械生命体が一体迫って来ている>
<その機械生命体を止めるには、何らかの封印処理、または完全破壊が望ましい>
<ドーム消滅回避にはドーム居住者同士の協力は必須と思われる>
<問題の機械生命体がいると思われる地点の地図情報>
[侮るなと言う釘刺しは敢えて省略した。
ドームへと襲い掛かる機械生命体の危険性は皆承知しているはずだったから]
[その機械生命体だと推測するイグナティウス相手に落ち着いて対応している理由は、相手が敵対的ではなかったからに他ならない。
単純な理由だが、常日頃機械に触れる身としては普段触れる事のない存在との接触は危機感を凌駕したのだ。
伝えられる言語以外の何かしらも得たいところであるが、今は情報を処理するので手一杯だった]
話は分かった。
この話は特殊チームも含め拡散しておく。
その迫ってきてるって言う機械生命体の情報、何かあるなら教えて欲しいんだが。
[声を発すると同時にイグナティウスへ文字を伝える。
それに加えて伝えるのは、声が伴わない文字]
『お前さん、執行官ってぇ言ってたが、何モンだ?』
『こんな機械言語、見たこともねぇぜ』
[推測の答え合わせをするべく問いを投げる]
眼鏡かけりゃ、男前度あがんじゃねぇの?
[そう冗談めかし、そう言って、]
っつーか、そういう意味じゃねぇよ。
[そして、少し目を逸し、首に手をあてながら。]
……俺だって綺麗なもんみたら、言うし。
[それは、流れ星を"綺麗と思わなかった"。
そういう意味になるが気づいたか、気づかなかったか。
そして、すぐに真面目な顔を向ける。]
…無理すんなよ。
[ヴェスの異能が最近は痛みがないとはいえ、
やはり今までのこともあり、不安は拭い去れるものでもなかった。
いつか、死んでしまうのではないか。
出会った時から、それがどこかにあった。
そして、それが怖い。
気が向いたらな。
その言葉を聞き、ヴェスとは別れた。]
『目の前にいる奴さ』>>189
[そう言われて、セーガは再度二人を見比べる。
男と、子供。なんの冗談なのだろうか。しかし男の様子は真剣そのもので嘘をついているようにも見えない。]
……名前、俺は、セーガ
…一体、何、が……
[なにかの作業をモノクル?で行いながらこちらに手を伸ばす男に、青年は自身の持つ通信端末を渡すだろう。渡した瞬間に手袋からはいつもより冷たい冷気が漏れたかもしれないが、渡した本人は気付かぬ様子だった]
[データ>>187が送られてきたあとは、それを確認し…一応ネットワーク上やら警察部隊の連絡先やらに情報を送ろうとするだろう。それが信じられるかはさておいて。]
[とにかく、できる限り情報を拡散させる。 その情報はほとんどの人にはガセと思われるだろうが……その地図情報の緻密さに、誰かが興味を持ち調査に来てくれるかもしれない、なんて。]
『ドームが無くなる』
『ーーーと あえなくなる』
[情報を拡散させているあいだ…そのふたつだけがずっと頭の中を響かせていた。 響いて…響いて…響いて…]
[パキン]
[思考を、感情を、冷気で無理やり凍結させるように固めた。]
………人手が、足りない。
オレたち、だけじゃ…いぎぃなちうす、を、助け、られ、な、い。
[イグナティウスのことを呼ぶ時に、口がかじかみ正しく呼べなくなる。が、本人は至って無表情だ。]
ーーー……ーー、子供……
[……誰か、頼れる人。自分でも、関わりの、ある、誰か。
子供の扱いにも長けていて……人との関わりが、広い人物。]
[……そんな人物に…つい今朝方、鳥かごを直してもらったのを、セーガは思い出した。]
[ゲイルの作業が終わり次第、今朝、その男と出会った場所に引き返すつもりだ。 ……少しでも、協力者を増やそうと*]
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