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[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
ここは、どこかの異世界。
世界は一度滅んだ。
風が吹き砂塵舞う。
砂漠や荒野広がる、荒れ果てた大地。
そこに、丸いドームが見える。
この荒廃した世界でも、繁栄する欲望の都市のひとつ【P13ドーム】だ。
1人目、聞き手 アーネスト がやってきました。
さて。
それで、一体何を聞かせてくれるンだい?
[それは、短くも長い一日が終わった後。
特殊チーム所属のエースサイキッカー・アーネストは、'少し変わった事件'に話に耳傾ける。]
企画:kkr
音楽:Ur Love music.
thx.Charactor/Player, RoM, and Master Melonko.
マダム ローズ が見物しにやってきました。
マダム ローズ は、支配人に任命されました。
「行方不明になった猫を探して欲しいの。
大きな物音がしてから何処かへ逃げちゃったわ。
不思議なの。これまで物音がしたくらいで逃げたりしなかったのに」
「大昔の輸送路の痕跡調査隊が忘れて行ったものを届けて欲しいのだよ。
ああ、大丈夫。特殊チームが出張るような恐ろしい場所じゃない。ドームからそう離れた場所ではない、小さい輸送路の方だよ。
まだ出発したばかりだから、今から行けば、ドームから離れていない場所で追いつける筈だ。
輸送路と言っても、昔の戦争で壊れはてて、今では砂漠や荒野になってしまっているのだけどね」
「す、スリだー! 誰か捕まえてくれー!」
「あのっ、すみません。あなたフリーランスですか?
是非、頼みたいことがあるのですが……」
【自己紹介テンプレート】
※自己紹介が長くなる場合、表ログで一度全て書き、短縮版を自己紹介メモに記載するのを推奨します。
■希望役職:(希望はログには書かずメモへだけ記載して下さい)
■名前:
■所属:(自分の立ち位置、所属などを書いて下さい)
■能力:
■武器:(あれば)
■経歴:
■NG事項:(何かあれば)
■PLより:(何かあれば)
村の設定が変更されました。
村の設定が変更されました。
2人目、夜行探偵 ユウヅキ がやってきました。
『…おい!またお前イカサマしただろ!』
『おじさーん、お洋服くださいな』
『ちっ、今度はまけてやらねえからちゃんと払えよ?』
[ここはP13ドームの下層区画。あまり強い能力を持たぬもの達が息をする場所。そんな場所の商店街では、今日も人々が賑やかに生を謳歌する]
…ワー…ワーーー!ガッシャーーン!
『お、おい!お前ら逃げろ!』
『ど、どうしたんだよ旦那!何が来るってんだ!』
[そんな喧騒が、悲鳴と何かが吹き飛ばされる音の合唱と共に一斉に横に退いていく。警告された道行く人たちは一斉に何が向かってくるのかを確かめた…そこには]
『ニャーーー?!!!』
待て貴様ァァァァァァアァア!!!
いい加減にお縄にちょうだいしろおおおおぉ!!!
[真っ赤なリボンを付けた真っ白い猫を追いかけ回す、真っ黒な男がこちらに向かって走ってきていた。何かの液体で構成された網を構え何度も投げつけるが猫はそれをことごとく回避する]
『ま、またあの探偵だ!これで何度目だ!』
『ユウヅキの兄貴!依頼はいいがあんまり無茶苦茶しないで…うわぁぁあみんな逃げろおおお!』
[下層住民達とは深い関わりがあるらしいその男はユウヅキといった。下層と中層の間、スラムの近くで探偵業を営む彼は今日もまた事件解決に没頭する]
[…彼自身がトラブルを新しく作っているということには、本人は気づいていないようだがまあそれもまた…彼にはよくあることだったりする]*
■名前:ユウヅキ・ナイトライン(夜行幽月)
■所属:フリーランス
■能力:液体操作。空間制御(こちらには副作用あり)
■武器:液体全般、自身の血液
■経歴:中層と下層の間、スラム街の近くにある探偵事務所に暮らす探偵。かつてはドームの上層部の裁判所で尋問官をしていたが、現在はその地位を蹴って市民の依頼に答える探偵業を営んでいる。
こちら側に移り住んだのはココ最近のことであるが、よく言えば純粋な性格と破天荒な行動から下層区画ではかなり名が知られており、街の人たちとは慕われているのか恨まれているのかよく分からない関係である。
能力は液体を操る能力と空間制御能力だが、後者は後天的に目覚めた能力のため副作用に悩まされている。
仕事上、いろんな人を捕まえることもするため能力も含めると実力はそこそこある。が、そのいっぽうで愚直すぎる性格のせいで精神影響系の異能には滅法弱い。
最近の悩みはスラムで知り合った友達が事務所のものを勝手に持ち出して売りさばくこと。
■NG事項:特になし、なんでもどんとこい
■PLより:お世話になります、どんな話題でも対応していきますのでいっぱい絡んでくれると嬉しいです
偵察 ソノラン が見物しにやってきました。
[住処である上層区域を離れ、中層、果ては下層まで遊びに出る。
右手には炭酸飲料、左手にはジャンクフードを持ち、食べ歩きのスタイルだ。
そうしてしばらく歩いていると、道端で声をかけられる]
んー?
俺様今日は休暇、なんで他当たってなー。
[依頼やら事件やら。
そこかしこで起きる出来事には気が向いた時しか首を突っ込まない。
仕事中であれ休暇中であれ、その姿勢は欠片も変わらなかった。
軽い調子で返して喧騒を背にすれば、また別の喧騒が聞こえて来る]
相変わらず賑やかなもんだ。
[他人事で素通りしようとするのは気が向かないからに他ならない**]
ー下層・小さなレストランー
……
………ぜーっ、はーっ…
………人間を捕縛のは得意だが…
小動物を捕まえるのは苦手だ…
[小一時間ほど盛大な鬼ごっこを繰り広げた男はターゲットを取り逃してしまったのかレストランで一休みしている。
街の人々は遠巻きに彼のことを盗み見てやれやれといった表情だ]
[お世辞にも綺麗とはいえないレストランで安っぽいサンドイッチを頬張りながらこちらも道行く人たちを眺める]
ー回想ー
[事の発端はつい昨日のことである。上層部に暮らすマダムが事務所にやって来て、猫を探してほしいと依頼を受けたのだ]
『私の大事な大事なアンナちゃんに何かあったら堪らないわ!まして下層区域に逃げ出したなんて!』
『ま、マダム落ち着いて下さい。猫は必ず僕が…』
『アンナちゃんとお呼び!』
『…あ、アンナちゃんは必ず見つけ出しますので…』
[ひきつる顔で依頼を受けたのを覚えている]
全く…仕事は選ばない主義だが、これに関してはあの猫の方を同情したくなる…
[食べ歩きスタイルの男が>>5、レストランの前を通りかかるのをぼんやり眺めながらまた猫を捕らえる方法を思案し始めた**]
3人目、不機嫌 エイミー がやってきました。
不機嫌 エイミー は肩書きと名前を 村の娘 エイミー に変更しました。
── 下層区画 倉庫街──
[ここは倉庫街。P13ドームの物流の中心地だ。
広大な敷地に何棟もの倉庫が立ち並ぶ。倉庫の中には大小様々なコンテナが所狭しと積み重ねられ、人々は慌ただしく行き来する。やけにこぎれいなコンテナばかり集まっているのは上層区画向けの荷だろうか。]
なるほど、ここじゃ車は入れないわね。
……ここにこれと、これと、
この荷を運べばいいのね?
で、この小包が特に大事な荷物、と。
この大きいのはどうやって……
え。自力でなんとか運べって、
[とある倉庫の片隅で管理人と話す娘が一人。心なしか青ざめているようだ。
娘の傍らには小さなコンテナに小包、それから娘の背丈ほどの高さの巨大コンテナが一つ。]
あ、ちょっと、よろしくって!
[じゃ!と手をあげ管理人は去っていった。
娘は巨大コンテナに触れ、押してみる。びくともしない。だんだん肩が震え出す。]
……やるわよ。
引き受けたからにはやるわよーっ!
[倉庫に娘の叫びが響いた]*
■名前:エイミー・ブラック(本名はアリッサ・ラドフォード)
■所属:ドーム外の村在住
■能力:マシンハック・マシンテレパス
■武器:熱線が出るワンド
■経歴:上層区画ラドフォード家の出身。幼少時に大切な子守ロボを誤って破壊、ショックのあまり記憶と能力を封印した。無能力者として上層区画で過ごすのに疲れ、四年前にドーム外の村へ家出、同居人ハロルド(男性)と暮らす。前村にて能力の存在を思い出した。
今回は風邪を引いたハロルドの代理でドームへ出稼ぎにやってきた。
■NG事項:感情の確定
■PLより:前村より継続PCです。
──数日前 村──
[同居人のハロルドが風邪をひくのは随分珍しいことだった。床に伏せる彼に粥を作り、身体を拭き、と看病していた娘だったが。]
出稼ぎの約束があるの?
[熱に浮かされたハロルドが口走った言葉を耳に止めた。]
『──……に、行かない、と……』
そうね、いくらちょっとしたお使いだっても、
約束ほっぽり出しちゃまずいもの。
わかった、私行ってくる。
あなたの看病は隣の人にお願いしてっと……
大丈夫よ、下層なら家族にも会わないですむし。
[雇主の連絡先メモを探し出し、荷物をまとめた。]
『──……、頼ん、だ』
もちろん、任せて!
しっかり代わりに仕事してくるから!
[言い置き、家を飛び出した。]
『違……断ってって──……』
[ハロルドが必死で絞り出した言葉は宙に吸い込まれていった。]**
─ 下層区域 ─
[ふらりと食べ歩きを続け、レストランの前を通りかかって>>7少し後]
……お?
どーしたお前?
[目の前に現れたのは真っ赤なリボンをつけた真白猫>>3。
見覚えもある猫に声をかけつつ、その傍を通り過ぎようとすると、猫は追いかけてきてソノランの身体をよじ登った]
いてーって、止めろよ。
何でお前ここにいんの。
[抵抗の言葉を紡ぐも振り払う仕草はせず。
笑いながら食べ終えたジャンクフードのゴミとドリンクのカップを宙へ放り投げた。
放物線を描いたそれは地面に落ちることなく途中で消え、離れた場所にあるゴミ箱の中へと放り込まれる]
ついてきたきゃ好きにすりゃ良いけどよ。
[ちら、と横目で見るのはレストランで軽食を口にするユウヅキの方。
彼が気付いたかは確かめないまま、ソノランは空間転移でその場から姿を消した*]
[ガシッ]
『探偵坊ちゃん?まだお代もらってないよ』
げっ…!おばちゃ…つ、ツケといてくれ…!
『また始まったよ!今日という今日は絶対代金払ってから出てもらうからね!それにおたくの友達のお嬢ちゃんが食い逃げした分もはらってもらうよ!ほら財布出しな!』
た、頼む!今見失うわけにはいかないんだ!
ほ、ほらいくらだ!早く言え!!!
[レストランの店主であろう恰幅のいい女性に引き止められてしまう。猫を連れた男を追いかけるのにはもう少し時間がかかりそうだ*]
可愛い猫ね。
[ちっちっ、と舌を鳴らしてみると大きな欠伸が返ってきた。]
このお化けコンテナを運ばなきゃいけないのよ。
ねぇ、爽やかなお兄さん、
何かいいアイデアないかしら?
[首傾げ、ちら、と男を見上げた。]*
4人目、古文書収集家 アデル がやってきました。
では依頼主であるオーラン・ラルフ候の御先祖様について。
[依頼人の使い人を前に、男が手元の端末を操作するとスクリーンに画像が映し出される。前文明のものだろうか。多くの人々が手に武器を持ち、戦う姿が描かれている。]
前文明の文明発達期、とある王国の貴族として国政を担う。
カッタールイーナの戦いでは騎馬隊の一部隊を率いて勇敢に戦い、大きな戦果を挙げた。その後は・・・・・・
[続けようとしたところで、使い人が口を挟む。『キバタイ』とはなんぞや、と。]
馬に乗って槍やら剣やらで戦った人たちよ。
[早速の中断に少し気分を害したのか、ふぅっとため息交じりにアデルが答えれば、再度使い人が質問を投げかける。『なぜ馬なんぞに乗ってそんな武器で戦うのか』と。]
今みたいに装甲車なんてないの、そーいう時代なの。
あんまりウダウダ質問するようなら追加料金たんまりいただくわよ?
[ギロリと凄むと使用人は恐縮しきって黙り込むのだった。]
[ひとしきりのあらましを説明すれば、使い人にデータチップを手渡す。]
詳しい情報はそこの中に入ってるから。
依頼人から不明点が出た場合は、当初の契約通り別料金で御説明さしあげます。
[にこりと笑って料金表を表示する。結構なお値段である。]
では、報酬は2週間以内に指定の口座へお振込みを。
またのご利用お待ちしておりまーす。
[そのままの笑顔で手を振った。顔は笑顔だが、醸し出す雰囲気はもはや邪魔者を追い出すようで。]
さて、お茶にでもしましょうか。
[使い人が立ち去れば、いつもと変わらぬ静かな午前が戻ってくる。中心ほどの華やかさはないが、スラムのような慌しさもない。中層と呼ばれる人々が住むこのエリアの自宅で過ごす午前中は、彼のお気に入りの時間であった。*]
……いやぁああああ?!
[なんということか、巨大コンテナがすっ飛んだ!]
に、にげてー!!
[コンテナはまっすぐに荷降ろし中の男に向かっていく。]
『うわぁああ?!』
[男がとっさにコンテナを蹴っ飛ばすと、またあらぬ方向へ飛んでいく。娘もコンテナを追いかけてすっ飛んでいく。]
止まって!止まって!
ちょっとぉおお!!*
ー下層区画 倉庫街ー
…っくそ、見失ったか…
[支払いを済ませ、足早に白猫を連れた男を追いかけた。
しかし手間取っていた時間を考えると見失ってしまうのはすぐに分かることだった]
[倉庫街ではザワザワと作業をする人たちに囲まれ猫連れなんてぱっと見ただけでも見つからない]
……あーあ、押せとは言ったけど叩けとは言ってないよ?
[勢いよくすっ飛んでいくコンテナとそれを追いかけるエイミーに小さく溜息をついた。
その後を追うように一歩踏み出し、次の瞬間にはすっ飛んでいくコンテナの進路へと現れ]
よっ、と。
[翳した右手で抑えると同時、コンテナの重力を元に戻した。
ズズ…、と地面をやや滑る音が響く。
中身が無事かは知る由も無かった]
今度はちゃんと押すんだよ?
[騒ぎに動じた風もなく、コンテナの陰から顔を覗かせ、エイミー対しにこやかに声をかける。
にぃ、と肩の白猫が小さく鳴いた*]
[遠い過去に思いを馳せるのは人間の性だと思う。特に金持ち連中は自分の出自というのがいかに貴いものであるかを心のよりどころとすることも多い。アデルの商売の一つはそんな彼らの自尊心の下に成り立っている。]
あなたの血筋はとても素晴らしいものです。
[そんな証明を名のある者にしてもらえれば、彼らはそれはもうご機嫌なのだ。もちろん、P13ドームお抱えの前文明痕跡調査班には、アデルの歴史学者としての評価は到底及ばない。だが、ドームの組織は、庶民の欲求を満足させるような活動はほとんど行わない。]
しかしまぁ、『カッタールイーナ』ですって、我ながら傑作。
[今回彼の作ったデータはほとんどが創作に近い。前文明の記録というのはそれほど貴重なものなのだ。ある個人の家系図を前文明まで繋げるのは不可能に近い。それでも頻繁にアデルのもとへ依頼が来るのは、彼の所蔵する古文書の量と知識により、それなりのクオリティを持ったデータが出来上がるからだろう。]
さて、今日は物語でも読もうかしら。
[自宅の書物庫の扉を開ければところ狭しと本棚が並ぶ。これだけの数の中から迷いもせずに目的の本を探し出せるのは彼の能力によるものだ。]
[『目印』と『捕捉』。彼は触ったものに印を付け、以後その所在を把握し続けることができる。無機物に限らず生命体でも目印は可能であり、人間であれば地肌に触る必要こそあれ、触った箇所が物理的になくならない限り皮膚の代謝程度では途切れることなく追跡ができる。メモリー量は本人にも不明、把握距離はドーム内程度ならカバーしているようだ。]
決めた、アタシ今日はもう引きこもるわ。
[自室の椅子に腰掛けると心地よい風が吹き込んでくる。一仕事を終えた満足感から一言つぶやくと、客からの呼び出しをシャットアウトすべく『本日閉店』ボタンに手を伸ばしたその時、]
ホント信じらんない。タイミング最悪じゃないの。
[来客を知らせるブザーが鳴り響いたのだった。]
っ…?
[おお…と周囲の従業員が静まる声にユウヅキは背後のコンテナになにか異変があったことに気づく。
後ろを振り返ると、そこには先程まで居なかったはずの男と、肩に乗る猫がその黒い目に映った>>29]
……?いつの間に…どうやって間に立った…?
あの速度で走っているコンテナの間に立つなんて…
[突然の出現に驚きどういう原理なのかを思案し始めた…のも束の間、すぐに正気に返る]
あ…助けてくれてありがとう、助かった
あのコンテナはいったいなんだったんだ?
…あとそれから…その猫なんだが
……ずっと探していた猫なんだ、どこでそいつを?
[目に映るのは目的の猫、追いかけ回していたせいか明らかにこちらに警戒しているような気がするのは多分気のせいではない*]
[阿鼻叫喚の中にどこかで聞いた声が混じっている気が、した。>>27だが、今はそれどころではなかった!
走りに走りコンテナを追いかけていると、その向こうにさっきの男が現れて――突然コンテナが止まった。>>29
ゴン!と衝撃音が響く。]
いっっっっったぁ……!
[勢いあまった娘はコンテナに思い切り顔をぶつけ、額と鼻の頭が真っ赤になっていた。]
……早く言ってよ……。
[顔を押さえ、涙目で口を尖らせる。猫に見下ろされているのに気付き、ぷいとそっぽを向く。
ひと騒ぎ起こしてようやっと、何が起こったか理解したようだ。軽くコンテナを押せば確かに緩く地面を滑る。]
ま、まぁ助けてもらったみたいね。
……ありがと。
[そうするうちに周りが騒然とし始めた。このままでは弁償だのなんだの厄介な事になりかねない。]
いっけない!
私いってくる!
[早速巨大コンテナを押し始める。
途中、振り向いて]
その、一応、ありがとう!
お兄さん、名前教えて。
私エイミー!後でお礼するから!
[叫びながら、コンテナ押し押し目的地の方へ駆けだした。]**
[すこぶる機嫌は悪くなったものの、彼も一商売人である以上はお客を大事にしている。ドアのロックを解除し、尋ねて来た身なりの良い初老の男を中へと誘うと、自身も応接室へと向かう。今回は2番応接室での対応、ということは『お探しもの』の依頼だ。]
はいはい、毎度ありがとうございまーす。
本日のお探しもののデータを見せてもらえますかー?
[ぶっきらぼうな対応だが、男は必死な様子で登録データを差し出した。]
ふーん、アデルお探し登録ID『B00483683』。
贈物のネックレス、ねぇ。
最近できた若くて綺麗な彼女がもらったものを失くしてしまったと。
[やる気のない顔でデータを見つめた後、アデルは能力を発動させる。手元の端末でドームの地図を呼び出せば、とある地点を指差した。]
ここらへんね、スラムのブラックマーケットじゃない?
失くしたんだか、盗まれたんだか、売ったんだが知らないけど、ここら辺探せばお店に並んでるかもよ。
は?アタシに現地まで探しに行って欲しい?
アンタねー。え?そんなに?んー、ま、まぁ、行ってもいいかな。
[背に腹代えられぬ。お金を積まれては商売人の足はサッとスラムへ向くのであった。**]
ん?
[礼に振り返れば、先程レストランにいたユウヅキ>>32がいた。
向けた表情は明らかに、いたの、な顔]
どーいたしまして?
コンテナはあのお嬢さんが運ばなきゃいけなかったみたいなんだけどね。
動かないって言うから手伝ってやったんだが……まぁ事故だね、事故。
[説明不足で引き起こしたことであるため、ソノランのせいとも言えなくないが、その辺りは置いといた]
猫?
…あぁ、こいつか。
さっき勝手によじ登ってきたのさ。
余程怖いめにあったのかねぇ?
[追い掛け回していたことを知っていながら、ユウヅキを見やって笑いながら首を傾ぐ。
肩の白猫はユウヅキから隠れようと、ソノランの頭の後ろに隠れようとしていた*]
[イラッ]
[いたの、という顔をされれば>>37、こちらは『なんだこいつは』という顔をする。助けられた側だから文句は基本言えないが…浮世離れした態度に一瞬のイラつきを覚えたのは気のせいではなかろう]
[だが、すぐにその表情を消して探偵は笑顔を取り繕う。
精神的に幼稚とはいえ世渡りの方法はある程度分かっているつもりだった]
そうか…事故か…あのお嬢さん?
[ソノランの説明と黒髪が叫んだ言葉を耳にして>>34、そちらを向くとそこにはかつての事件で出会った『友人』が慌ただしげに仕事をしている姿があった]
…エイミー?あいつこんなところで何してるんだ?
[声をかけようにも、あまりに急いでいてかける声を失ってしまった]
[…少しの間急ぐ彼女の背中を見ていたがすぐにハッとなって猫の方を見る。]
こ、怖い目、なぁ…は、はは…ダレガソンナヒドイコトヲ…
[怯える様子に、怖い目にあったのでは?という言葉>>37に明らかに視線を泳がせる。心当たりしかないというか、大体自分のせいだ]
あー…その、そいつはあの人の依頼で連れ戻すように言われていて…どうしても連れていかなきゃいけないん…だが…
[そうなんとか手を伸ばそうとするも、猫はソノランの頭の後ろに隠れてしまうわ、触れようとした瞬間にバリッと引っ掻くわで、とても保護できる状態ではなさそうだった]
………ね、猫缶やるからこっちこい…
[最終手段を取り出して、ようやく白猫は動き出してくれた。恐る恐る猫缶のそばによって食べる猫を逃がさないようにそぉっと抱き抱えようとして]
[バリッ]
[また一つ引っかかれた]
…………
[最終的に猫とユウヅキは絶妙な距離感を保ったまま、逃げ出し『は』しなくなった。
しかし3mは距離があるし、ソノランが近づけば迷うことなくそちらにすり寄っていく。ソノランかユウヅキどちらについて行くかは明白だった]
………その、ソノラン…だったか?
そいつをしばらく見ていて貰うことはできないだろうか?
[逃げ出すことはやめたとはいえ、それでも警戒されているのには変わらない。このままでは飼い主に引き渡すことも出来ない。
…だから飼い主に引き渡す準備ができるまでの間、そばにおいてくれないか?と試しに頼んでみる**]
─ 下層区域 倉庫街 ─
[ソノランの対応に最初はイラッとしたような様子のユウヅキだったが、直ぐに笑顔へと変化する>>38。
百面相を見ているみたいで、ソノランは笑うのを必死に堪えた。
エイミーに関しては何故いるのかは知らないため答えることもなく。
猫が怖い目に遭ったのでは、と言うとユウヅキの目が泳いだ>>39。
今度は隠すことなく笑う]
ハハハ。
まぁ元々好き嫌い激しいからねこいつ。
[軽い調子で知っている風なことを言っていると、ユウヅキは餌で釣ることで捕獲を目論んだようだ。
肩を降りて餌に近づく白猫を見遣り、ソノランは動かない。
その間にもユウヅキには猫の爪痕が更に増えたようだ]
[ユウヅキからは逃げなくなったものの、捕まるのはまだ嫌なようで、白猫はソノランの方へと擦り寄ってくる。
飼い主は知っているし白猫がこのままくっついてくるなら届けてやることも出来るのだが、そうしてやる気も向いていなかった]
こいつ、勝手についてきただけだからなぁ…。
俺から離れるまでの間なら?
[要はまたどっかへ行くなら止めはしないぞ、と言外に言う。
ユウヅキがそれでも良いと言うなら、しばらくの間、白猫を連れ歩くことになるだろう]
探偵業も大変だねぇ、ユウヅキ・ナイトライン?
[相手が名乗ったわけでもないのに名を呼んで、ケラ、と楽しげに笑った**]
5人目、何でも屋 スティーブ がやってきました。
―スラム街の一角―
ほい、寄ってらっしゃ、見てらっしゃい!!
今日の目玉は、あの悲劇女王アニー・ウォントネット。いや、アリーだったかな…?マリオネット?
まぁ、そんな名前の女王が、つけていたものと良く似ている、髪飾り!
あぁ、おにーさんお目が高い。
それは、持っていると大富豪になれるという、宝石だ。
え、?あんたはどうなんだって?
おいおい、そこは気付いちゃいけねぇとこだよ。
ん?修理して欲しいって?
お安い御用ですよっと。
[スラム街での一角、髪飾りなどのアクセサリーから機械類、あるいは何に使うか分からないような、そんなものまで、大雑把に布の上に並べられている。]
[威勢の良い声の中、厄介事が日常茶飯事のスラム街では、喧騒の一部でしかないだろう、声。]
『おい!!この前買った、銃。
使えねぇじゃねぇか!!』
『恥かかせやがって!!』
[胸倉を捕まれ、両手でまぁまぁ、と相手を制しつつ、
引きつった笑みを浮かべる男。]
いや、お客さん、うちは武器は扱ってませんよ。
あぁ、でも撃つと花が飛び出す、なんてのはありますが。
もしかして、それで……
…
…く…ぶはっ…!
[その光景を想像してしまい、思わず吹き出してしまった。]
『あぁ!!??』
[口を抑えたが、もう遅い。
凄まれれば、今にも殴りかかってきそうな相手に、
下に引いてある布でそのままぐるりと商品をまとめ、
逃げるが勝ちとでもいうように、その場を逃げ出した。]
だーかーらー!!すみませんって!!!
[そう叫びながら、後ろから追いかけてくる男たちから逃げる。]
『あいつ、一応異能使いなんでしょ?なっさけな。』
『え、それただの噂でしょ。ないって、みるからに"無能"じゃん。』
『いろんな意味でね。』
何でも屋 スティーブ は肩書きと名前を 無能 スティーブ に変更しました。
■名前:スティーブ(名字はない)
■所属:スラム街在住。
■能力:左手で触れた空間と、見える範囲の任意の空間を入れ替える。(人間や動物などの意志を持つものは入れ替えの対象にならない。)
■武器:なし。実は棒術が得意らしいが、何かあれば逃げるため、ほとんど使われることがない。
■経歴:拾ったものを修理して売ったり、または修理を請け負ったりして、生計を立てている。
取扱商品は、くだらないパーティーグッズのようなものから、髪飾りから機械類などまで、様々。
だが、武器の取扱だけはしていない。
異能持ちという噂はあるものの、
絡まれたりすれば、すぐに逃げるため、
"無能"と呼ばれている。
■NG事項:グロは平気ですが、エロはできません(見るのOK)
■PLより:とても楽しそうで、飛び込んでしまいました。何かご迷惑おかけしたら、申し訳ありません。
全力で楽しむ所存です。
[箱が積み重なっている、その後ろから、辺りをうかがうように顔を出す。
誰もいいないようなら、はぁあああ…と深く息を吐いて、
そこから、こそこそ這い出る。
そして、立ち上がればパンパンっと、膝の砂を払う。]
さーて、さてさて。
あそこは、もう駄目だな。
とりあえず、飯でも…
[腹の虫は待ってましたとばかりに、
音を立てて鳴った。
男は商品をくるんだ荷物を右肩に担ぐ。]
―飯場―
よぉ、じーさん。
[様々なガラクタが積み重なったり、無造作に投げ捨てられている。
そこにいたのは一人の老人。
錆びて、今にも穴が空きそうな鍋からは、白い湯気が揺れている。]
ほい、っと、これで一杯。
[手渡したのは、鉄の塊。
そうすると老人は、一杯器に、具も何も入っていない、
ドロドロの液体をよそい、男へ手渡す。
そして、ボソボソと言葉を告げる。]
はぁ!?
…しょうがねぇ。
[請け負ったのは、次の飯にありつくための取引。
この老人は基本的には物々交換でやり取りをする。
そこらへんに転がるガラクタを椅子にし、
器に口をつける。]
『いつまで"無能"でいる』
[老人は言う。]
……いれるまでだよ。
[男は答えた。
鍋の上にパラパラと、どこからか錆が振っている。
左手を伸ばして、空中を掴み、手を引いた。
パラパラと、何もない空中から、錆が降り注ぎ、
足元へと落ちた。**]
………
上層部では僕はそんなに有名か?
それとも僕はお前に出会ったことがあるか?
[眉をひそめて顔を上げる。身なりの良さからソノランが上層部出身なのはなんとなくわかっている。
それにユウヅキもかつては上層部出身なのだ、どこかで挨拶くらいしていてもおかしくはない。
しかし奇妙なのは、ユウヅキには彼と知り合った記憶がないことだった]
(尋問官時代に出会ったのか…それとも、なにかの能力か?)
[憶測の域を出ない、無意味な考察を続けるが…猫の『ニャァ』という声に正気に返る]
あ、ああ…今ゲージを取ってくる!
あと、僕の事はユウヅキと呼んでくれ!下の名前で呼ばれるのは苦手なんだ!
[…数分後、ユウヅキはゲージを持って帰ってきた]
…こら!大人しくしろ!
『フシャーーーーー!!!』
頼むから我慢してくれ!ほら、猫缶やるから…いだだだ!
『シャーーーーー!!!』
[そこから30分ほどソノランから離れたくない『アンナちゃん』と小戦争を繰り広げることになったが*]
―― 下層区域 商店街 ――
通りまーす。
通りますってば!
[巨大なコンテナはいとも容易くするする動く。今度は人にぶつけないよう声をかけながら通りを進んでいく。買い物やおしゃべり、喧嘩に熱中する人々はすんなりとどいてはくれず、喉が痛くなってくる。
眉間にしわを刻みつつ、なんとか目的地のそばまでやってきた。ずいぶんと入り組んだ路地を通り抜け――]
あら?ここ、道違う……?
[逆戻りし、また別の道を進む。]
それにしてもこの能力、長持ちするのね。
しかも、遠隔で。
あぁ見えて結構すごい能力者なんじゃ……
[ソノランにちゃんとお礼しなくっちゃ、とつぶやく内に目指す店に到着した。
挨拶し、店主の指示した場所へコンテナを運ぶ。]
ここでいいわね。
押すと動くから気を付け――……わっ?
[どすん、とコンテナが重さを取り戻した。どうやら能力が解除されたようだ>>36]
もしかして、見えてるの?
[きょろきょろと宙を見回すが、娘にソノランの"目"を見つけられるはずもない。ひとまず店主に受領のサインをもらう事にした。]
『ご苦労さん。
一応中身チェックするからちょっと待っててな。』
[ぴく、と娘の頬が引きつった。ブン回されたコンテナの中身がどうなっているかなんて、そんな。想像したくもない。しかしサインを貰わないわけにもいかず、落ち着かない様子で店主がコンテナを開けるのを待った。]
『なんじゃこりゃー?!』
[ああ、案の定。娘がそうっとコンテナを覗いてみると、それはもう天地さかさまのぐっちゃぐちゃであった。]
ごめんなさい!
ごめんなさいー!
[幸いデリケートな荷ではなかったようだが詰みなおしに駆り出され、店を出る頃には結構な時間が経っていた。]
ありがとう。
お手数かけて悪かったわ……。
……――はぁ。
[なんとかサインを手に入れて、くたびれた様子で歩いていく。そんな娘の背を店主が笑顔で見送っていた。]
── スラム街 ブラックマーケット周辺 ──
[ある人は言う。
ブラックマーケットなら夕飯の食材からガトリングガンまでなんでも揃う。
もちろん、合法非合法を問わなければ。]
相変わらず胡散臭いとこねー。
あん?なに人のことじろじろ見てんのよ、ぶっ飛ばすわよ?
[ブラックマーケットに集まる人々は様々だが、一定の区分けがあるように思う。すなわち力関係にて上位の者、下位の者、そもそも言語が通じない者。これらは普段の生活の中で格付けされていくものだから、よそ者はとりあえず堂々と歩いていれば意外と安全だったりすることもある。まぁもちろん運の良し悪しはあるのだが。]
うーん、この辺だと思ったのだけど。
あら、このお店かしら。
[能力の糸を辿ってスラムを横切れば、スティーブのいる飯場>>49へと辿り着いただろう。すぐ近くの商店に目的のものがあるようなのだが、あいにくと店主は見当たらない。]
ちょっとそこのご老人とお兄さん、そこのお店は誰がやってるの?
欲しい商品があるんだけど、誰もいないみたいなの。
[さすがに黙って取っていくわけにもいかず、なにやら話し込む2人の間に割って入っていくのであった。*]
―スラム街 飯場―
[飯場の近くをやたらでかい男がうろついている。
見たところ、スラムの人間ではないだろう。
でっけぇなぁ、という感想はともかくとして、
その男はこちらへ近づいてきた。
オネェかよ。その突っ込みは心にしまい、]
あぁ?
は?店に誰もいねぇって?
んな、アホな。
[お店は誰がやってるのと聞く。
スラム街で店を留守にすれば、
どうなるかなど、明らかだ。]
じーさん、あの偏屈ばーさんは?
あぁ?知らねぇって?
ったく。
[そうして、男は立ち上がり、店の脇道を見る。
そして、戻ってくれば。
頭を掻きながら]
あー、駄目だ、駄目だ。
[と、首を振る。]
しょうがねぇ。
俺が代わりに売ってやるよ。
[と言って、店頭へと立つ。]
んで、何がほしいんだい?
お嬢さん。*
─ 下層区域 倉庫街 ─
[5分程度ならまぁいいか、と考えていると、ユウヅキが名を呼んだことに引っ掛かった>>50ようだ。
眉を顰めての問いかけ>>51に営業スマイルを返す]
さぁて、どうかなー?
直接顔を合わせるのは初めてだね。
[曖昧な返答をした後、笑みはそのままに]
3ヶ月前の事件で大立ち回りしたんじゃあね。
話題になって当然さ、うちのチームでな。
[どんな話題かは口にせず、知る理由の一端を明かした。
考察を続けていたユウヅキにこの言葉が届いたかは知らないが、思考の海から戻って来たユウヅキはゲージを取りに走り出す]
はいはい、ユウヅキな。
[指摘の部分にも軽い声で返した]
『うちのチーム』『三ヶ月前の事件』
[その言葉を聞いて>>60すぐに合点がいった。
上層部の者達がドームの治安を護るために創った特殊チーム、三ヵ月前の『連続異能暴走事件』に首を突っ込んできたチームといえばそこ以外に心当たりがない
そして『特殊チーム』のメンバーだと知るとユウヅキは露骨にゆるんだような呆れたような顔になった]
ということはお前はアーネスト達の『トモダチ』なのか
特殊チームにはお前らみたいな奇天烈なやつしかいないのか…?
…いだだだだ!!!や、やめろこの白毛玉!
[しかしそんな表情は戦争中に見せるものではなかった。僅かな油断によってまた大きなダメージを与えられることとなった、主に顔を]
[網を構える。 よけられる。]
[逃げようと駆け出す。尻尾を掴む]
[もう1度網に入れようとする、怒声とともに一撃喰らう]
[猫パンチや乱れ引っ掻きを喰らいながらも、取り逃さないよう必死に立ち回る]
[結果、猫との小戦争はユウヅキの勝利に終わった。
顔に出来た引っかき傷の数は気にしてはいけない。それは名誉の負傷である]
[ユウヅキはそう自分に言い聞かせることにした]
……ご協力感謝する…
[ソノランに向かって出てきた声は明らかに痛みで震えているが耐えているつもりらしい。猫の入ったゲージを手に抱えて、この野郎と少し揺すってやった]
[その時である]
『ギャーーー!盗っ人だーーー!誰か捕まえてくれえええ!』
…こんなところにまで、よく盗みにくるな…!
[怒声のする方向に振り向いた。
この場所から少し離れたところで、誰かが逃げていく姿が見えた。小さな小包を抱えて走っていく姿はソノランの立ち位置からも見えることだろう*]
[一段落したのも束の間、離れた場所から怒声が上がり、辺りへと響き渡る。
怒声が響いた方へと振り向いたユウヅキにつられるようにそちらを見たが、ソノランはその場を動かなかった]
あーらら、逃げ足の速い。
[暢気な声だけが零れ出る*]
『指定範囲:ターゲットまでの直線空間』
『目的:貫通歩行』
[朱い眼が空間を制御していく。逃げ出した男までの空間がまっすぐ何も無いかのように見通せる。いっぽ歩き出すと目の前にいる雑踏を透過しそのまま走り出した]
じゃあなソノラン!またどこかで会おう、事件中はかんべんだがな!
[そのまま、壁の向こうへ貫通して走って消えた]
[目指す先は……男の向かうスラム街だ*]
お嬢さんだなんて、いやだもうっー。
[あからさまなお世辞>>59でも言われれば嬉しいものである。満面の笑みを浮かべながらスティーブの肩のあたりをバシバシと叩いた。能力の発動もできるし、お触りもできるし、一石二鳥である。]
ただアナタ、どう見てもここの店主じゃないわよね?
アタシ、お金はケチらないけど面倒ごとはごめんよ?
[スティーブの肩を叩く手が止まると真顔になってそう言った。こんなところに警察機構が首を突っ込むとは思えないが、厄介後は避けるに限る。やけにアデルの顔が近い。*]
[バシバシと叩かれた肩は、痛いものの、相手は今は客だ。苦笑いを浮かべつつ、さらに、言葉を並べる。
能力が発動されているとは気付かない。]
いいんだよ。それがここ<スラム>なんだから。
いなくなった店主がわりぃんだよ。
[叩く手がとまり、真顔で面倒ごとはごめんだと言う彼に、男はそう言うが、少しだけ、仰け反っているのは、相手の顔が近いからだ。引きつった笑みを浮かべながら、]
ま、まぁ、ここじゃ、んな些細なこと、
面倒事になんか、ならねぇって。
ほらほら、これなんかお似合いなんじゃねぇ?
[ささっと、適当にネックレスを男の前に置く。]
綺麗なお嬢さんには、2万にまけとくよ?
どうだい?
[そのネックレスの価値も分からないが、
なるべく早く、去っていただきたく、値付けは適当になっている*]
ースラム街・男視点ー
『っはぁ、はぁっはぁっ…!』
[男は走っていた。ようやく生活の足しに出来そうなものを手に入れた。
これを売るなりすれば多少は生活が安定するだろう]
『っ…ここまでくれば倉庫街のヤツらも…追っては来れないだろう…っはは…やった…やったぞ…』
[壁に背を預けそのままズルズルと地面に崩れ落ちる。
ようやく、自分の生活も少しは楽に………]
[そう思った矢先、背後の壁がゆらゆらと波紋を立てるように揺れた]
『……え』
[ずるり、と揺れる壁から黒い衣に纏われた右腕が這い出してくる。そこに人が立つ空間などあるはずがないのに]
[そのままギリリリ、と小包を持つ腕を掴まれた。
振り返ると、壁の中から朱の眼がこちらを真っ直ぐ見据えていた]
捕まえた
[黒い髪はそう呟きニタリと笑った。]
[蒼白な顔なのに、その手の力は強く、滾るように熱い]
さぁ、よこせ…はやく……
[朱い眼が近づいてくる]
『ひ、ひいいいいいい!!!!』
[悲鳴が、スラム街に響いた]
[スティーブの言い分>>73に顔をしかめたものの、アデルもいつ戻るかもわからぬ老婆を待つ気力もなく、]
はぁー、わかったわよ、買うわ。
[そう言いながら内心ほくそ笑んだ。普通に買えば桁が2つほど足りない値段だ。幸い大した傷もないようで、依頼人は満足して受け取るだろう。]
これをどこで手に入れたかは……アナタじゃわからないわよね。
まぁいいわ、こんなところで売られてるってことは、自分で売った線は薄そうね。
[よかったわね、おじさん。と心の中でつぶやいた。]
ありがと、アタシはアデル。
アナタお名前は?
[にこりと笑ってスティーブへと問いかけた。*]
[ネックレスの真の値打ちなど、スラム育ちの男に分かるはずもなく。
さらには、まさか桁が2つも違うなど、全く頭になかった。]
まいどありー。
[だから、なんの疑いもなく、それを手放した。]
さぁ?拾ったんじゃねぇ?
婆さんだし。貰ったってこともないだろうしよ。
[スリなど、更に無理だろう、と。]
あんた、上層だろ?
スラムの人間の名前なんて聞いてどうすんだ?
[そういうも、にこりと笑うアデルに、訝しげな表情を向けるも。]
スティーブだよ。お嬢さん。
[そう言った矢先、ちょうど>>75悲鳴と、慌てるような声>>76が聞こえたか。]
何やってんだ。あれ。
[男は、アデルから離れ、そっちへ向かう。
アデルはどうしたか。]
お困りですか?
それともスリの途中かなんか?
[そう言えば、彼はなんと反応しただろう。*]
[ユウヅキを知るに至った3ヶ月前の事件。
通称『連続異能暴走事件』にソノランは直接関与していない。
犯人がドーム内に居る間は能力を使って居場所の割り出し等もしたが、ドームを出た後は追跡を命じられたアーネスト達に任せた。
逃げ込める場所が限られていたことと、アーネストがいれば出番はないなと言う判断。
そして]
俺様が行ったら絶対拗れたろうからなぁ。
[そう思ったが故。
ただ、この呟きも笑いながらのものであるため、深刻に考えているわけではないことを記しておく]
[ソノランは事件が起きる前から能力で時折村の様子を見ていた。
村へと移り住んだ者の様子を確認するためだ。
それは依頼されたものではなく、自発的なもの。
現時点で観察しているのは特定の2名のみだ]
お礼ついでに探らせてもらおうかな。
[観察対象の1人を思い浮かべて笑いつつ、ソノランは転移の空間から滲み出ながら地面へと足を下ろした**]
僕はユウヅキ。下層で探偵業を営んでいる。
たまにスラムにも仕事の依頼で来るから顔を見かけたことはあるかもしれんな
[ユウヅキは簡単に自己紹介をする。下層・スラム街は盗っ人だ賞金首だなんだかんだと仕事の宝庫だ、ユウヅキは度々足を運ぶためにどこかですれ違っているかもしれない]
それで…倉庫街でこいつが盗みを働いてな、それを追いかけてきたんだが捕まえた瞬間にどういうわけか気絶した。
このままじゃ事情を聴くことも出来ん。
お前、こいつがどこの誰か心当たりはないか?
[そう言って、気絶した男をむんずと掴み、顔を上げさせてみる。 スティーブが代わりに開いた店の前に立つ女性のほうにもちらりと目を滑らせながら*]
―― 下層区域 倉庫街 ――
[娘は倉庫へと戻ってきていた。一件目の仕事で疲れたものの、足取りは若干軽い。4年ぶりのドームは活気にあふれ、眺め歩くのは随分と楽しかったようだ。
が、少し浮ついた気分は雇主の倉庫へ到着すると吹き飛んだ。]
……ない。
一番大事って言われてた小包が、ない!
[青ざめ、周囲の人間に尋ねて回る。
雇主曰く、どうやら盗人がでたらしい>>65。黒髪の青年が壁すり抜けてスラムの方へ追いかけて行った>>70と噂だが、さて、どうしたものか。
少し考え、スラムへ向かう事にした。
残る届け物は消えた小包と、倉庫の小コンテナだ。小コンテナの届け先は中層区域との事で、いったん後回しになった。]
さっきのソノランさんは……
どっかいっちゃったのかしら。
ええ、まぁどっちにしても後ね。
このままじゃお礼もできやしない。
泥棒め、とっちめてやるんだから!
[すでに泥棒が可哀想な目に合っている事など知らぬ娘は鼻息荒く、倉庫街を飛び出した。小コンテナを厳重に保管してもらうのは忘れずに。]**
[男が声をかけたのは、この男を知っていたからだ。
先程は目が赤かった気がしたが。上げた顔の目は黒い。
気のせいだったろうか、そう思っていれば。
目の前の男は、男の顔を見て、何事か考えている様子だ。
スラムにも弱い異能を持つ人間も住み着いている。
その中の一部程度なのかもしれないが、
男は生まれも育ちもスラムのため、交友関係が広い。
そのため、スラムでは無能のスティーブを知っているものも多いだろう。
それに一時期、外で護衛をしていたこともあったが、
それはある事件を境に男はやめている。
だからこそ、無能とも呼ばれる由縁だったか。
今は男が異能を使うのは、飯場のじーさんの前でだけだった。]
存じてますよ。
あれだろ、ドンパチ探偵。
今日はお静かですね。
[そんなことを言えば、男は彼に掴まれている、
男を見る。見るからに気絶している。
何か怖いものでも見たかのようだ。]
[捕まれ、上げられた顔を見て男は言う。]
こいつが、スラムの人間じゃねぇってくらいしか、
俺にはわかんねぇな。
[アデルがもしそこにいたなら、彼はどう反応していたか。*]
ー回想ー
『スティーブさん!これ買いとってよ!どのくらいの値段に…うわっ!』
『ぜえっはぁっ…べリティ……!事務所の備品を…はぁっ…勝手に…持ち出すな、と…いって…』
『ユーが追いかけてくるほどの価値なの?!すごいすごい!ねえこれいくらになるかな?!』
『べリティいいいいいいぃ!!!』
『今日もまた賑やかですね、ドンパチ探偵』
『いつでもどこでもドンパチしてるわけじゃない!
いくぞべリティ、今日という今日はみっちり話をつけてやる!』
『スティーブさんまたねー!』
『おい、その左手に持ってるのはその店の商品だろう置いてけバカ!』
[そんなやり取りを延々と続け、最終的に少女は探偵に連れていかれた。連れて帰る途中に少女が探偵に軽くスティーブの噂を紹介していた気がする]
スティーブ、いい名前ね。
[実はアデルはこの男の名前を知っていた。面と向かって会うのは初めてだったが、『無能』と呼ばれる彼の噂はそれなりに聞いている。]
(素直に名前を言っちゃうのはおバカなのか、正直者なのか。)
[人の物を勝手に売っているのだ。偽名を使ってもおかしくはない。とりあえずわかったのは、目の前の男が噂ほどのダメ男ではなさそうだということか。様々な人間に会ってきたアデルには、目の奥に何かギラギラと光るものが見えた気がした。]
── 下層区域 スラム ──
……うっ……
[スラムへ足を踏み入れた娘はひどく及び腰になっていた。汚い衣服をまとい道端に座る住民、ボロ家──視線を遮る以外役に立っていなさそうだ──、怪しげな物を売る店に、埃っぽく淀んだ空気。時々巻き起こる喧騒は活気よりも恐怖を感じさせる。そんな中を小さくなって歩いていた。
四年前、娘がドームに暮らしていた頃は上層区域に住んでいた。その後移り住んだ村は原始的ではあるが、それなりに清潔だったし、何より平和だった。世間知らずの娘にとって、スラムはとても恐ろしい場所だった。]
『きゃはーーー!!』
[そんな娘の横を子供達が駆け抜けていった。]
子供って、どんなとこでも元気ねぇ。
[屈託無い姿に勇気をもらい、娘は恐る恐る、近くにたたずむ老婆に話しかけた。]
あの、ちょっといいかしら……?
小包持った男を黒髪のお兄さんが追いかけてるの、
見なかった?
[老婆は娘を上から下までじろりとながめると、皺の寄った手ですっとある方向を指差した。]
『ドンパチ探偵様ならあっちだよ。』
[老婆に礼を言い、指された方向へ向かう。
途中、はたと気付く。]
……探偵?黒髪で、ドンパチで……
もしかして、ユウヅキ!?
[友人と思しき名にぱぁと顔が明るくなった。足取り軽く道を行く。]**
あらあの子。
[≫75≫76の騒ぎが耳に入れば、スティーブから視線を移す。最近お騒がせの探偵ボーイ。実物を拝むのは初めてだったが、結構アデル好みの顔だった。]
ふーん、アナタが例の探偵さんなのね。
あら、お肌白くてキレイね。
[その場の空気なんぞ御構い無しに、スタスタと近づくと犯人を取り押さえるユウヅキの頬をツンツンした。*]
こ、こらっ…つつくな、血がつくぞ…!
[話を無視したアデルにつつかれ不意をつかれる>>95。
視線をやっていたとはいえ、初対面の女性に頬をつつかれると流石に動揺する。それに先程白猫との戦争の傷が残っているのだ、傷口のいくつかには血がまだ零れている。汚しては悪いだろうととりあえずそう断った]
例の探偵って…僕も有名になったものだな…
まだ探偵業を始めて3ヶ月のはずなんだが
[有名になった原因は考えるまでもないが本人は気づいていない。ご愛敬というものだ]
[余談だが、彼の白い肌は割と柔らかめでふにっとしていた。そのせいで傷がよく映えるのだが]
ま、まあいい…それで貴女は?
見た感じスラムの出ではなさそうだが…
この男に見覚えはないか?
[どれだけ頬をつつかれていたかはアデル次第だが、それが終わるとやれやれと言った顔で盗っ人の身体を持ち上げる。
少し後ろにふらついたが、なんとかアデルに顔を見せることが出来るだろう]*
[さて、老婆の言った通りの方向にきた娘だったが。]
……あんの婆さん……!!
[怒りに震えていた。
老婆には道案内の駄賃を渡したというのに、やってきた方向にはユウヅキと泥棒の姿どころか目撃情報もありはしない。]
もうここの人なんか信じないんだから!
[吐き捨てると、きっと上を見上げた。視線の先にあるのは監視カメラだ。]
怪しいからあんまやりたくなかったけど、
[と、監視カメラの設置されているポールをつかみ、よじよじと登っていく。下からスカートの中を覗き込む輩には気づいていない。スパッツをはいているからと安心しきっている。
ポールを登り切ると、監視カメラにそっと触れ、目を閉じた。]
あなたの記憶、見せて?
[問うと同時に娘の意識は監視カメラに入り込んでいった。]
── スラム街 ──
……ふぅ。
[降りようと下を見ると、大勢の人々が娘を見上げていた。]
ちょっと、盗んだりしないわよ!
降りるから!どいてよぉ!
[ポールを滑り降り、なんとかかんとか人垣を抜けていく。]
だからやりたくなかったのにぃ!
[涙目でブラックマーケットへ駆け出した。]**
ベリティさんには、いつもご贔屓いただきまして。
[そう言って、男は彼へ、ニコリと笑う。
営業スマイルというやつだ。
男の店には子供が良く来る。
その理由は男が、そこらへんの小石でも、ガラス瓶でも、
なんでも買い取るからだ。
たまに武器を持ってくる子供もいるが、その時は買い取りはするも、
次からは持ってくるな。場所だけ教えろと伝え、
武器はすぐに壊し、分解してしまう。
教えられた場合も同様に。
ベリティはそんな中の一人だったか。]
―回想―
[威勢の良い声が、聞こえる。この声はお得意様のベリティだろう。]
いらっしゃいませー。
たまには、買ってくれてもいいんですよ。
[兄妹喧嘩のようなやり取り>>90を見ながら、男は笑いながら、
そう言う。]
はーい、またー。
あ、この前の"あれ"は中々良い値で売れたので、またよろしく。
[そんなことを言いながら、またねーと言うベリティに手を振った。店のものをくすねていたことは、
逞しいな、と。この世界では盗まれたほうが悪いのだ。
掛け合いを続けながら去っていく二人を見ながら]
仲いいねぇ。
[男はそれをどこか懐かしそうに見ていた。]
上層のやつかもしれねぇだろ?
[下層か中層、そう言う彼に、男はそう言う。
上層の人間がスリをする必要など、確かにないだろう。
可能性の高いものから、考えていくのが効率的。
それは、分かっているが。]
…あぁ。
ごちそうさまでした。
[非常食がまるっと消えた、その言葉に、男はにんまりと笑う。]
なんてね。
たまにガキどもが、店に来るんでね。
スティーブから!!って。
[ちゃっかり、人に売りつけるのは忘れないのは、
やはり逞しい。*]
―アデルと―
どーも。
アデルさんも。いい名前だ。
[ここはスラムだ。いちいちそんな人間の名前など、
上層の人間は覚えやしない。男はそう思っていた。
それに、男は元々名前はない。
名を持たずに育った。
昔はいろいろ名前はあった。
が、今はスティーブで通している。
男の名を好き勝手に決めていた妹が、
最期につけた名が、スティーブだった。
それだけだ。]
[そうして、ドンパチ探偵が、やってくれば、
アデルの興味はそっちにうつったようだった。
好き勝手に、探偵の頬をツンツンとしている。
それに対して、血がつくぞと、動揺している様子の男>96。
まさか、アデルを女性と思い、その反応を見せているとは思わない。
男の顔はよく見れば引っかき傷だらけ。
どんなドンパチをやったか、非常にわかりやすい。]
んじゃ、俺にはもう用はないよな?
[アデルにも男をみせる様子だが、
男は特にそれを確認することはなく、
そう言うと、歩きだす。]
じーさん、ばーさん弔っといてって、
あいつらに、言っといて。
[店主は先程見た道端で、動かなくなっていた。
ここでは日常茶飯事のことではあるが、馴染んだ人間がいなくなるのは、やはり良い気分はしない。
あいつら、とはスラム専門の葬儀屋とでも言おうか。
実際葬儀を行うわけではないが。
そうして、先程のアデルからの支払いを渡してしまうと、男は去っていった*]
んー、いい触り心地。
あぁ、アタシ?アタシはただの通りすがりの者よ。
そいつがどこの誰かも知らないわ。
[振り払うそぶりのないユウヅキの頬をしばし堪能した後>>97、我に帰るように質問に答えた。]
ところでこの人何かしたのかしら?
アナタと喧嘩、というわけではなさそうよね。
[切り傷とは思えないが、やたら傷だらけのユウヅキに対して問いかけた。]
上層のやつかも、か
わざわざ自分の手を汚すより下請けにさせそうなものだが…
可能性としては切れんか
[スティーブに上層部の者の犯行の可能性を言われ>>104少し考える。上層部出身者があんな雑踏の中にわざわざスリに来る可能性は考えていなかったが…視野から外すのは一つお門違いというものか]
[そしてニヤッとした笑いと、ご馳走様の言葉。その後に続いた言葉にユウヅキは非常食たちの運命をなんとなく察した]
………はぁぁぁあ……
スティーブ、あのバカを止めてくれてもいいんだぞ?盗まれた回数をカウントするのも飽きた……
[そのため息の深さからどれだけべリティという少女に振り回されているのかがよく見える。ドンパチ探偵とはいえその上を行く破天荒な少女にはかなわないらしい]
─ 中層区域 ─
[ソノランが降り立ったのは3つの区域の中で一番ブロックの多い中層区域。
住人も多く、それに伴い様々な施設も雑多に集まる場所。
その中にあるカフェの一つ、そのテラスに並ぶ椅子の一つに腰掛けると前髪の奥の右眼を開いた]
アイスコーヒー、ミルクと砂糖たっぷりで。
……え? 新しいのが入るって?
へー、まだ届いてないの?
なぁんだ、また今度にするわ。
そーいえば倉庫街で盗難騒ぎがあったんだよなー。
盗まれてなきゃ良いね。
[ケラケラと笑いながら余計なことを言うと、マスターは不安げな表情をする。
品物が何であれ、価値があると見れば盗む輩も多い。
あまり出回っていないものだと知れればその確率も上がることだろう]
[マスターを怖がらせた後に届く注文の品。
アイスコーヒーに口をつけつつ遠くを見遣る。
右眼に映るのは都市内のあちこちの光景。
どこで何が起きているか、ランダムに眺めるのは暇潰しの一つだ]
…いつも通りっちゃあいつも通りかなぁ。
[都市内はおおよそ平和という言葉は程遠い。
上層区域であれば静かな時もあろうが、そちらは水面下がどうなっているやらで。
中層区域以下は表立った騒ぎも裏側での暗躍も何でもござれだ。
この暇潰しであれこれ見える時もあるが、今日は休暇なので積極的に動く気はほぼない]
──…まぁ、何とかなるっしょ。
[見えたもの全部に対処してたらキリが無い、と割り切るのは早かった。
しばらくは観察を繰り返して、カフェのテラスでのんびりしている*]
―男について―
[男は生まれも育ちもスラムだ。名前もない。
が、男には妹がいた。
名前のない二人は、互いに適当に名をつけた。
妹が名前を思いつく度、男の名前は変わる。
男も名前を考えるが、]
『おにーちゃん。下手』
[そう言って良く怒られていた。]
[異能については、男にとってはそれは、
食べ物が手に入る。としか考えていなかった。
盗みを繰り返す生活。
そこで出会ったのが、飯場の老人だった。
案外、事情があって、護衛を雇えない奴は多い。
そういう人間への護衛。
妹はスラムで物を売り、
男は外で護衛をする。]
[けれど、とある事件。
なんてことはない。ここでは、よくあることだ。
日常茶飯事の諍い。
たまたま店頭に並んでいた、武器。
それが、諍いの中、取られて。
運悪く。
巻き込まれて、一人、スラムの人間が死んだところで、、
日常茶飯事の中。
そんなこと、誰も気に留めやしない。
外から帰ってきた時、
おかえりと、迎える声を失った人間が一人増えるだけ。]
[妹が倒れていた、その場所に
丸くなって、身体の影に。
赤く、血文字で、
"すてぃーぶ"
なんて、俺が殺ったみたいじゃねぇかよ。
と、ポツリ呟いた。]
ー アデルに ー
[スティーブを見送りつつも顔をつつかれ、ようやく返答が帰ってきた>>108。 どこの誰かも知らないという言葉に頭を悩ませた]
そうか…この男どうしたものかな…ここに放置するわけにもいかないし…
[何かしたのか?という質問に対してはユウヅキは正直に答える。彼が倉庫街で盗みを働いたこと、それを追いかけてきたらどういう訳か気絶したこと]
この傷はこいつにやられたわけじゃないから気にしないでくれ…こっちのやつだ
[左腕に抱える猫の入ったゲージを見せ、傷の理由も説明する。相変わらず血は固まらない]
[少しユウヅキがよろめいた気がした]
……あー、すまない。
僕はこいつとこの荷物を返して来なきゃいけないんだ
もし出来るなら、この男をスラム街の外まで運び出してくれないか?スラム街出身じゃないならこの場所は危険だろう
[ユウヅキは小包を男の腕から抜き取るとゲージの上に挟み込むように抱えて、アデルにそう頼んでみる。もし無理なら無理で断られても構わないがなんとか考えないとなーとか考えながら*]
6人目、ヴェス がやってきました。
──────────────────────
わたくしはそう思うのです。
人は、前進し続けなければならない。
欲望の火を絶やしてはならない。
どのような欲であっても。
それは生きるための原動力となるのです。
──────────────────────
[スティーブはユウヅキと知り合いのようだったが、どことなく空いた距離感からは、そこまで親密な関係でないことを察する。]
あら、行っちゃうのね。
また会いましょ、スティーブ。
次もアタシの味方でいてね。
[去り際の男>>107の背中にそう声をかける。先ほどの売買の話だろう。くれぐれも面倒を起こさないようにということらしい。]
アタシって怒らせたら恐いわよ?
[ニコリと笑って釘を刺しなおした。]
[上層もと、そう言った言葉に、
彼はあっさりと、上層の可能性も受け入れた。
意外にも人の言葉を吸収する男に、少しだけ関心しつつ]
ま、上層がなにやったとこで、
大した沙汰にはならねぇだろうがな。
[お偉いさんが、握りつぶすことも簡単だろう。
そうして、非常食の運命に関しては]
探偵様形無し?ってね。
まぁ、逞しいのは悪いことじゃないですよ。
ここでは特に。
[深く、深くため息をつく探偵に苦笑いを浮かべる。
相当振り回されているのだろう。ベリティを見ていても、逞しすぎる、と言っても良さそうだ。]
ま、良い子だ。
大事に。
……まぁ、会ったら。
どうでしょうね?
[次もアタシの味方でいてね。
そう言う、彼にそう返す。
次もがあるか分からないが、
いちいち面倒を起こすつもりはない。]
なんて、
お客様を怒らせるようなこと、しませんよ。
また、ご贔屓に。
[ニコリと笑うその顔は、なんとなく威圧を感じる。
少しだけ引きつりそうなのを堪えて、
男は背を向けた。*]
―― スラム街 ブラックマーケット ――
警察、こっちにこないのかしら。
[移動中、娘は不思議そうに首を傾げる。
一応監視カメラがついてはいるが、カメラが何か捉えたからといってスラム街に警察がやってくることはあまりない。大抵は一見平和な上層のパトロールや下・中層の諍いに振り回され、彼らの一日は終わる。]
確かこっちの方よね?
[絡んでくる連中を避けながら、映像とそれを映したカメラの座標を頼りに進んでいけば、大柄な人影とユウヅキ、ノビっぱなしの泥棒の姿を見つけた。]
ユウヅキ―!
[手を振って、駆け寄っていく。]
久しぶり……ええと、何週ぶり?
[『あの事件』の後、ユウヅキは村に遊びに来てくれていた。その時彼から探偵事務所を開いた事を聞いていたのだ。]
どうも、はじめまして。
お話し中ごめんなさい。
ユウヅキの友人の、エイミー・ブラックです。
[傍らの大きな人物にちょこんと膝折り挨拶をしつつも彼を観察する。それなりに品がよさそうに見えるが、スラムに何の用だろう、と。]*
ん?え、ちょ、ちょっと待って。
[ユウヅキのここまでの足取りに>>117>>118相槌を打ちながら聞いていたが、徐々に顔に疑問の色が浮かび上がっていくと、最終的なユウヅキのお願いを静止した。]
アタシがこの男を連れてっても一文の得にもなりやしないじゃない。
しかも聞いてる限りだとアナタ依頼人と契約結ばずに犯人追いかけてきたように思えるわ。
ホントに報酬もらえるの?
[心配そうにユウヅキに問いかける。この探偵の仕事のやり方にとてつもない不安を抱いたようだ。この純粋そうな青年を見ていると『ありがとうが報酬です』なんて言われそうで頭痛さえ起こりそうである。]
―男の能力について―
[簡単に言えば左手で触ったものと、見ている空間を入れ替える能力。男もあまり、この能力を分かっていない。
気付いたらあった。
分かっていることとしては、
1.空気や液体も触れているとみなされる
2.一度発動させると一定時間能力が使えない。
(塵やホコリ程度なら1秒以下、小石なら3秒など。)
3.人間や動物は交換対象にならない。
4.交換ができるのは、手で触れる範囲のみ。
壁などの大きなものを対象にした場合、その一部のみ交換される。
ではあるが、男は気付いたらあった程度で、あまり意識はしていない。特に今は、ほとんど使うこともない。]
── 中層・自宅 ──
[洗面所に立ち、目元を親指の腹で撫でるように擦る。
苛立ちを飲み込むように、グラスに水を注ぎ薬の錠剤を2粒口にした]
『またか……』
[目が霞む。
異能が使えなくなるなどは、悲惨なものだろう]
── ──
『何時か、人類は元通りの生活を取り戻す。
その為に、父さんと母さんは頑張っているんだ』
[自嘲を浮かべる。
今もまだ、過去の夢を見る自分に。
純粋に未来を信じていた過去の自分に]
[男の両親は、前文明の痕跡を調査する仕事をしていた。
彼らが、その調査中に、前文明の生き残りである狂った機械に遭遇し殺されたのは不運という他ない]
[そして、当時の男がまだ異能に目覚めていなかった為に、機械生命体に襲われなかったことは、幸運でしかないのだろう。
その結果が、為す術無く両親の死を見届けることだったとしても]
[ユウヅキの想像の斜め上をゆく依頼>>130に大きくため息をつく。そうじゃない、とでも言いたげに。]
アナタね、自分が1時間あればどれだけお金を稼げるとか考えたことある?
周りの人たちにチヤホヤされるなんて若いうちだけなのよ?
そうやって色々なチャンスやお金を逃しているうちにあっという間に歳くっちゃうんだから。
ああ、うん、いや、もちろんナイスミドルもアタシ大好きだけど。
[説教と一緒にアデルのどうでもいい趣味まで流し込まれている。簡単に言えばもっとお金稼ぎについて真剣に考えなさいと言いたいらしい。]
お金が全てじゃないっていうけどね、自分のしたいことをしたいならこの世の中お金が必要なの。
もっとお金があれば、なーんて思うことのないように生きるべきだとアタシは思うわ。
自分の思いをなんでもかんでも我慢するなんて悔しいじゃない。
[まるで体験談でもあるかのようにアデルは語る。その後にまた大きく息を吐いて。]
まぁいいわ。その依頼、受けてあげる。
当たり前だけど報酬はいただくわよ。
[ユウヅキに小さく微笑んだ。]
あら、これはご丁寧にどうも。
[ユウヅキとの会話に割って入ってきたエイミー>>126に目を抜ける。少女とまではいかないが、どこかあどけなさが残った顔立ちだ。身なりはそうでもないが、どことなく育ちのよさを感じさせる振る舞いが少し引っかかる。]
ねぇ、変なこと聞くけど、アナタそれ偽名?
[どうもどこかで見た顔なような気がしてならない。素性を隠しているなら目の前の探偵との関係も気になるところである。]
ところでなんだかアナタ、いい匂いするわね。
シャンプー何使ってるの?
[疑問は疑問で。こちらはこちらでどうしても気になったらしい。*]
そうね……あったわね、そんなこと。
[遠くの方へ目が泳いでいく。>>131風に飛ばされた洗濯物を取りに行ってくれたはいいが、やはり回収を手伝いに来た他の村人を下着泥棒と勘違いして大騒ぎになったんだったか。]
ち、ちがうの、そんなんじゃなくって。
今回は、たまたま……
[思えばハロルドは随分な苦労をして現金を稼いでいたものだ。娘の瞳がほんのり潤む。ユウヅキの誤解が加速してしまうかもしれないが、そこに気は回っていないようだ。
ちなみに、村での暮らしは基本物々交換だ。しかし、それだけでは足らない事もある。故にドームに出稼ぎをして現金を手に入れる村人が少なからずいる。]
……いえ?
違うわ、本名よ。
[唐突な問いには驚いた。が、態度に出さないよう押し込める。そのせいで急にぶっきらぼうになったように見えたかもしれない。
スラム街に素性を知るものなどいないと油断しきってた。]
え……いい匂い?
ええと、私、そんな……本当?
[慌てていたが、ほんのり頬を染め視線をそらした。]
その、シャンプーっていうか……灰汁。
[村で手に入るものは基本、そんなもの。それでも存外髪は傷まないものだ。石鹸も手には入るが、多用はしない。]
その、……オネエさんは、
ユウヅキの友達なのかしら?
[途中口ごもったのは、この人物をなんと呼んでいいか迷ったからだった。]*
[アデルのため息にユウヅキは更に不思議そうな顔をする。
金儲けに関してもう少し考えろと諭されて>>135…一つ、クスリと笑いがこみ上げる。どうにも彼には自分のことを誤解されているらしい。
別にユウヅキは金に頓着がない訳でも…チヤホヤされたいがために人助けをしているわけでもない。ましてや稼げていないわけではないのだ]
ご安心を、お金に困ったことはございませんよ
なんだかんだ…色々と儲けさせて頂いていますので
しかしそのお心遣いには感謝しますよ、レディ?
どうにも私が人に愛想を振りまくお人好しと心配されてしまったようだ
[クックック、と笑いがこみ上げる。
それは、ユウヅキ本人が自身のことをお人好しと思えるほど純粋なものだと思っていない証拠だった]
ともあれ…引き受けて頂けてありがたいですよ
[そう言って、アデルに男を引き渡した。彼をスラム街の外にさえ出せば後ほど報酬を出すと告げた]
…友達か?いや、たった今知り合ったからどうだかな
どっちかと言うと依頼人と受託者の関係かな
[エイミーに関係を訊ねられると>>138、ユウヅキはそう答える。余談ではあるがユウヅキは本気でアデルのことを女性だと思っているらしい。口調が女っぽいんだからつまりはそうなんだろうなとかいう短絡的な考え方だ]
[たまたま…の後に続くエイミーの滲む涙に>>137、ユウヅキは少し顔を蒼くする。まさかハロルドがそこまでダメ男だったとは?!と頭の中ではもう既に彼のところに殴り込みに行く気満々だ]
……エイミー、いざとなったら言ってくれ。
ハロルドのことを吹っ飛ばす準備はいつでも出来てるからな
[彼女の肩をポン、と叩く。明らかに誤解している]
[ポンと叩いた腕とは反対側に抱えられているゲージの上にエイミーの探していた小包が載せられているのが見えるだろう*]
……そう、じゃあアタシの気のせいね。
変なこと言ってごめんなさいね。
アタシはアデルよ。よろしくね、エイミー。
[疑念は晴れたわけではないが、思い出せない以上は追求しても仕方がない。自分も名前を名乗りつつ、右手を差し出した。]
灰?灰ってあの木とかの燃えカスってこと?
驚いた、あれを髪に使ってるのね。
んんー、匂いのもとはまた別なのかしら、食べ物?
[アデルは目を見開いてエイミーを見つめる。]
ああ、ユウヅキとはそこで行き会ったばかりよ。
ね、エイミー。ちょっとアタシとお茶しない?
もちろん、アタシ持ちで。お話聞かせてちょうだい。
[醸し出す雰囲気と実態のギャップに興味が沸いたらしい。エイミーが了承すれば、中層へと向かうだろう。]
■名前:ヴェス(ヴェス・スターシンガー)
■所属:フリーランス
■能力:遠隔移動能力、数m範囲の念動力(副産物)
■武器:短刀、銃、スタンガン
■経歴:幼少時、前文明痕跡調査隊に所属していた両親を、バグ・シングによって眼前で殺される。中層に遺された家に住み、現在はバグ・シング関連の事件や依頼を主に追いながら、フリーランスとして活動している。
異能に目覚めたのは、両親が死亡した数ヶ月後。
遠隔移動能力を使う度に、目が痛むのが目下の悩み。
性格は粗暴な面がある。
最近、近くに引っ越して来たドンパチ探偵の破天荒ぶりにブチ切れることもしばしば。
■NG事項:感情の確定
■PLより:よろしくお願いします。
[荷物を肩にかけ、歩いていれば、
男は立ち止まる。
そうして、踵を返す。
が、遅かった。]
しっつけぇなぁあああ!!!
[男は走る。後ろから複数の男。
さっきより増えいている。]
武器はぜってぇやんねぇって、
ずっといってるじゃねぇか!!!
[そんなことは通じないのだ。
そう、それがスラム。]
やだ何その言葉遣い。ちょっと気色悪いわよ。
[さっきまでとはあまりに差のある対応>>139に苦笑する。]
後払い、ね。
いいわ、それでアタシとどうやって再開するつもりかしら?
運命の赤い糸でも主張してみる?
[意地悪げに質問をしてみる。もしユウヅキが答えに窮するなら、エイミーの同伴の有無にかかわらず、中層のカフェにいると伝えるだろう。*]
ヴェス は肩書きと名前を 追う者 ヴェス に変更しました。
にしても、今日はやたらしつけぇなぁ。
[走りながら、男はひとりごちる。
何か、武器が必要なことでもあったのだろうか。
ダンっと、地面を踏み込んで、小高く積み上がったガラクタの上に乗り、
そのまま斜面を滑り降りる。
騒がしい声が聞こえなくなれば、ひょいっとそこから顔を出して、辺りをうかがって、立ち上がる。]
わぁ、お茶?
[輝きかけた目はすぐ曇る。]
残念だけど、私仕事中なの。
中層に荷物を届けないと……ん?
アデル?
あ、もしかして!
[届け先のメモを取り出せば、まさに中層、アデルの家だった。ユウヅキとの話が済めば、荷物を回収して彼女?と共に中層に向かうだろう。]*
心配するな、エイミー
依頼の話はたった今終わったしハロルドだってすぐ…
…は?風邪?
[エイミーに詰め寄られて>>146目を白黒させる。どうやら誤解だったのか?少し考えていると小包がエイミーの探していたものだという声をきく]
ああ、別に構わんさ。
たまたま見かけたからたまたま追いかけただけだよ
[そう言って、小包をエイミーに手渡した。倉庫街まで届ける手間が省けたなと楽ができたのを内心安堵している]
それじゃあ僕はこれからこの猫を依頼人に届けなきゃいけないんだが…アデルも一緒なら大丈夫かな?
気をつけていくんだぞ?
[そう言って、エイミー達を見送ることにした**]
『あ、すてぃーぶだぁ』『だぁ』
[と、そこに、顔なじみの兄弟が近づいてくる。]
なんだ、お前ら。
また、なんか拾ってきたのか?
[わしゃわしゃと、二人分その頭を撫でると、
兄が万歳をすれば、それを真似して弟が万歳をする。]
『ちがうのぉ。』『ちがのぉ。』
あ?ちがう?なくしたのか?
[男がそう聞けば、ちがーうと兄が首を振り、
遅れて弟も真似をする。]
『かくれんぼー』『ぼー』
『まーくん、みつかんなーい』『かんなーい』
[どうやら、隠れんぼをしていたらしいが、
一人みつからないらしい。]
よーし、隠れるほうが得意だが、
探してやっか!
[こうして、まーくん探しが始まるのだった。*]
[男が持つ異能は、唯一つ。
視界に入った対象を転移させる
遠隔移動能力
]
また、金が嵩むな…………クソッ
あの馬鹿。
馬鹿の尻拭いを昨日したせいだ。
[最近、中層の近くに引っ越して来た若い男の顔を思い浮かべた]
─ 中層区域 カフェ ─
[時折、喧嘩や事件の騒ぎが聞こえたりもするが、我関せずを貫きアイスコーヒーを啜る。
右眼の景色は都市から一変、荒野が続く都市の外へ]
……んん?
あーらら、珍しい。
[見えたものにくつくつ笑って声を漏らした。
観察対象その2が寝込んでいるなど、嵐でも起きるんじゃないかと思うくらいだ]
───……こっちにいりゃもっと楽だったろうにさぁ。
[都市を出て行った理由も何もかも承知の上で言う。
村に移り住んだ後に一度だけ会った時の言葉は、『放っておいてくれ』だったか。
眼も合わせない相手に肩を竦めてドームへと転移したのも、もはや遠い記憶]
[尚、普段は家屋の中を透視することは仕事以外に行わないのだが、観察対象その2に限りその辺りの遠慮は皆無である]
[観察を終え、目の前へと視線を戻すと、どこぞで喧嘩でも起きたか、流れ弾のように飛んでくるナイフがソノラン目掛け迫ってくる。
その場を動かず視線を投げれば、迫るナイフは空間に呑まれ跡形も無く消え、投げ飛ばしてきた者の傍に現れ顔を掠めた。
何が起きたか分からず辺りを見回したその人物は、隙を突かれ殴り倒される。
直後に警察機構の面子が現れ、鎮圧 ── と言う名の大騒ぎが始まった]
BGMにしては騒がしいかな。
[言うも、その場から去ることなく二杯目のアイスコーヒーを注文するのだった*]
って言っても、ねぇ。
[少し考えて、ユウヅキの痛々しい頬に手をかざし]
痛いの飛んでけーっと。
今はこれだけでごめんね。
また遊びにきた時にでも、ちゃんと借りは返すわ。
[小包を受け取り、ポシェットから取りだした布で包み身体にくくりつけた。これできっと失くさない――はずだ。]
あれ、さっきの猫?!
[ケージでにゃぁんと声をあげたのは先ほどソノランの肩にいた猫だった。]
そっか、それじゃあ、気を付けて。
またね!
[アデルとも約束しているようだから、きっとまた後で会えるだろうと暢気に考えユウヅキに手を振った。]*
── 中層・自宅 ──
[朝食兼昼食は、トースト3枚にカリカリに焼いたベーコンに目玉焼きとオーソドックスな食事。
胃に流し込むようにコーヒーを注ぎ込むと、装備を整えて自宅を出る。
向かうのは、ユウヅキの探偵事務所だ]
── →ユウヅキの探偵事務所 ──
おい! ユウヅキ、いるか!!!
[ドンドンドンと容赦無しに探偵事務所の扉を叩く]
チッ、ベリティも居ないか。
あいつには文句のひとつでも言ってやろうと思ったのに。
[近くにユウヅキが越し、探偵事務所を開いた時、同業のヴェスは最初はそれとなく興味を向けたものだった。
だが、猪突猛進で周囲を省みているのか分からない行動に、堪忍袋の尾が何度も切れざるを得なくなるまで、数週間も掛からなかった]
―→ 中層区域 カフェ ――
[アデルが泥棒を"片付ける"のに付き合い、その後倉庫街に寄った。
小型のコンテナを台車に乗せて、中層へと歩く。アデルが荷物を持とうと言ってくれても仕事だからと譲りはしない。
ひとまずカフェへ向かう事となり、アデルについていく。
カフェの近くではなにやら騒動が起きているようだ。>>156
巻き込まれないよう避けながら店に向かえば、優雅な姿を見つけた。]
あ!ソノランさんじゃない。
[誰かとアデルに問われれば、先に助けられたのだと説明する。]
さっきはありがとう。
おかげで無事届けられたわ。
お礼はその、もう少し待っててくれる?
報酬を受け取るまではちょっと、難しくて。
[財布の中身はそう多くはない。視線が下向いた。]*
7人目、配達屋 ノエル がやってきました。
[四輪自動車がドーム都市を行く。
下層にある孤児院に、物資を届けに行った帰りである。
思えばあそこを訪問するのはずいぶんと久しぶりになるか――と思っていたが実際そうだった。
孤児院を経営する養い親に「だいたい3ヶ月ぶり」と指摘され、
一瞬呆けたような表情になった後、盛大にため息をついた]
そうか、……もうそのくらいになるのか。
[下層と中層の間に越してきて探偵事務所を開いた青年からのスカウトに対し、
「アンタの無茶にどこまでも付き合ってやる」
――そう返したあの日から]
[思えばあの時は知る由もなかった。
これが、後に待ち受ける受難のすべてのはじまりになろうとは。
もともと彼女自身トラブルを引き寄せやすい体質下にあったが、
彼女が呼びこんだのではないトラブルの尻ぬぐいだか共同解決だかに乗り出すようになってからは、
すっかり日常があわただしくなったものだ。
日付を数えるのも忘れていたくらいに。
おかげで(呼ばれるには少々不本意な)異名が増えてしまった感はあるがまた別の話]
── ユウヅキの探偵事務所前 ──
(お前のせいで、俺は朝から目が痛いんだよ……)
[昨日はドンパチまでこそ行かなかったが、ユウヅキの行動で周囲に被害に出かけ、遠隔移動能力で、怪我をしかけた住人を転移させた。
弱者を助けた苛立ちに、自分自身への苛立ち、ユウヅキの愚直過ぎる性格への苛立ちにと更に不調も重なり、今現在の男の機嫌はすこぶる悪い。
ユウヅキの前で目が痛むと言ったことは無かったが、時々、ユウヅキと同じ空間にいることがあれば、睨むように見ていることは気づいただろう]
…………チッ。出直すか。
[独り言ち、男は扉を蹴りつけると踵を返す*]
■名前:ノエル・エヴァンス
■所属:フリーランス
■能力:自己再生能力
■武器:ナイフとか手榴弾とか。壊れたら使い捨てるタイプ
■経歴:20歳。ドーム下層部出身の「配達屋」。とはいえやってることはほぼ何でも屋のようなものだが。
トラブルを引き寄せやすい性質。いろいろ巻き込まれては痛い目にもあってるが能力のおかげで最終的には無傷のことが多い。
陰で「不幸の配達屋」と呼ばれていたりしていたが最近その手の異名が増えた(「不死身の配達屋」etc.)
“連続異能暴走事件”で知り合ったユウヅキからスカウトされた。
役割は主に経理と肉盾と破天荒な行動をとるユウヅキ(及びベリティ)のストッパーのような気がしないでもない。
……が、本質的にはかなりのおひとよしなのでどうしようもない局面で突出することもままある。
■NG事項:特にないです
■PLより:前村より継続になります。よろしくお願いしますわいわいー
それから……アデル嬢もご機嫌麗しく。
新しいコレクションは増えたかい?
また見せておくれよ。
[エイミーと共に来たアデルにも笑みを向ける。
面白そう、と言うただ一つの理由でソノランは時折アデルの家へと押しかけることがあった。
休暇時の楽しみの一つなのだが、その行動が相手にどう思われているかは気にしていない]
[寛大な言葉にほっとして、笑みを見せる。>>165]
お気遣いありがとう。
そう、あと二カ所――
って、一つはアデルの家だからもうすぐ終わるんだけど。
[そんなソノランはアデルをさらりと"嬢"と呼んだ。>>166既知のようだが、それにしてもこなれていると感心してしまう。]
アデル、どうする?
[ソノランの誘いに乗るかどうかはアデル次第だ。
答えを待ちながら娘は運んでいるコンテナへ目をやった。
さっきから、コンテナの中身が時たまガタピシと跳ねている。どうやら機械のようだが、一体何なのだろう、と。
機械と感応する能力のせいか、機械の気配には敏感だった。]**
── ユウヅキの探偵事務所前 ──
…………あ?
[立ち止まり、睨みつける。
男がフリーランスとして活動しているのは前々からであり、でなくとも、ノエルがユウヅキと行動を共にしているならば、既に顔見知りだろうか*]
どうした? 何か用か、ご近所さん。
……話があるならあたしが相手になるが。
[相手の様子からしてあまりいい話ではなさそうだが。
ついでに彼もユウヅキの“同業者”である以上、
仕事の依頼でもなさそうだが……とそれはさておき]
あとこのドアだがもう少しいたわってやってくれないか?
[ドアを指差して渋い顔で告げる。
確かこれを新しく取り付けたのは3週間前だったか。
これまでのドアに比べればだいぶ生き長らえている方なので、
もっと頑張ってほしいというのが率直な心境だったりする**]
これはこれはノエル嬢。
お早いお帰りで?
[不機嫌さを隠そうともせず皮肉る]
お前に用は無い、ノエル。
フン、トばしてやろうか?
[目の不調は薬で紛らわせているが、かといって安易に能力を使うつもりは毛頭ない。
苛立ちと溜息を噛み殺すように息を吐き、ノエルを睨む]
お前んとこの所長に文句を言いに来たんだよ。
どうにかならないか、あの馬鹿。
帰れ帰れ。
というか、俺が帰るわ。
話に付き合う気なら、お前が勝手に付いて来い。
[投げやりで、苛立ちが滲む声。
中層の情報が集まる場所のひとつ、バーへと男は向かうつもりだ。
そこにノエルが付いて来る来ないは、関与しない。
更には、バーではユウヅキの話よりも自分の行動を優先するだろう。
ともあれ、男はノエルがどうするかは見届けず、そのまま歩きだす**]
―スラム街―
『あのねー』『ねー』
『ここから、いーち、にー』『にー』
もういーかーい?って?『まーだだよー』『だよー』
[両手で目を隠す仕草をして、数え始める。
ここで、鬼が数を数えてたらしい。]
んじゃ、ここらへんか。
[ここはスラム街。隠れる場所なら腐るほどある。
子供にとっちゃ楽しいだろうなぁと思いつつ、
隠れる場所があるのは、自分にもありがたい。]
どっちが早くみつけられるか、競争な?
『きょーそー!』『そー!!』
[よーいどん!!兄弟は勢い良く飛び出した。]
……ありゃぁ、案外遠くにかくれてっかもなぁ
[たかが10秒、20秒、されど10秒、20秒。
あっという間に遠くに駆け出した兄弟を見ながら、
男はそう思うのだった。**]
ー上層部 豪邸ー
『んまぁぁああ!アンナちゃん!
一体どこに行っていたのぉぉおおお!ずっと心配してたんだからぁあぁあぁあ!!』
[捕らえた猫を依頼人に引き渡すと彼女はこの上なく喜んでくれた。喜びすぎなくらい喜んでくれた。
マダムの腕の中に収まっている猫の表情を見る。明らかにげんなりしてる]
[まあそりゃあこんな飼い主ならばアンナちゃんとて逃げ出したくなるよなぁ…とため息をひとつ]
『いつもありがとうねえ、助かってるわぁ!』
お言葉ありがとうございます、マダム
『いつもの口座に振り込めばいいかしら?全くもうまさかナイトラインのところの子が…』
………
僕はユウヅキです
『あらごめんなさいねえユウヅキちゃん!
それじゃまた何かあったらよろしくねぇ!』
ええ、お任せ下さい…それから一つ別件になるのですが…
マダムにお尋ねしたいことが……
ー上層部 道中ー
………
[はぁぁ…と頭を押さえながら、上層部の街を歩く。
身なりの良い人が集まり、強い能力者もごまんと集まる場所。中層ほどの規模ではないがそれでもその街は広い]
[ユウヅキはこの場所が嫌いだった。頭痛がする]
[それは能力者がこの街に多すぎる事にほかならない。
空間に能力の使用跡が波長として遺されるほど強い能力者が多いのだが、その情報の波が『空間制御』の能力の影響で四六時中脳内に叩き込まれているのだ]
[強大な能力者でも10人20人くらいならどうということはない。ただこの街には多すぎるのだ]
……ノエルに、振り込みがあったか確認させて……
それから後で中層のほうに支払いにいって……
………ああもう、この街は苦手だ!さっさと帰ってコーヒーだコーヒー!
[ユウヅキは上層部の街から逃げ出すように走り出した。*]
迷子になったら連絡をちょうだいね、お迎えに行ってあげるわ。
[ユウヅキとの約束を済ませると、仕事用の端末を取り出し連絡先とカフェの位置情報を伝えた。]
じゃあまたカフェでね。
あそこアタシのお気に入りなんだからトラブルとか嫌よ。
厄介ごとと一緒に来たら無視するからね。
[ひょいと気絶を続ける男を担ぎあげた。エイミーとカフェに向かう途中にある警備隊の詰所に投げ込んで行くだろう。]
ん、アタシへのお届け物?
たしかにアタシの住所みたいだけど。
[>>150とあるルートからお目当の物が近々届くとの連絡はあったが、大抵は見知った顔が届けにくるものだった。不思議には思いつつもなら家まで運んでもらおうと告げるだろう。]
じゃ、行きましょ。
アナタのお話、色々聞いてみたいわ。
[エイミーを誘って、中層のお気に入りカフェへと向かっただろう。*]
[エイミーとカフェへと辿り着けば、先客のソノラン>>166に対しては小さな笑みと共に軽く手を振るだろう。仕事柄方々に顔が広くなる。特殊チームにも友人や顔馴染みは少なくはない。]
ハロー、ソノラン。
コレクションは、まあ、ボチボチよ。
[興味を持ってくれている知り合いは嬉しいのだが、ドームの正式部隊の隊員にベラベラと喋るのは危ういと感じているようだ。]
アタシの同伴でなら考えてあげる。
今度空間転移で勝手に進入したら異空間だろうが追いかけて行ってぶん殴ってやるんだから、フフフッ。
[そう言って笑ったが、目は全く笑っていない。いつぞやソノランが能力で進入した際は、セキュリティが反応して大騒ぎとなった苦い記憶がある。入ること自体は現状対抗策がないので困ったものだ。]
お茶の同席は構わないけど、エイミーはアタシのものなの。
あ、定員さん、ハーブティー2つお願い。
エイミー、何か食べるかしら?
[エイミーへのソノランの誘いはすぐさま蹴っ飛ばしたが、一緒にお茶をするのはいいらしい。ソノランへの感情は単純な好き嫌いでは括れないようだ。*]
── 中層・バー ──
[男が向かったのは小洒落たバーでは無い。
賞金稼ぎや異能者集団が屯する、猥雑な場所。
壁には、賞金首の紙が乱雑に張り出され、アップテンポの音楽が流れる店内を、分け入り奥へと向かう]
マスター、青汁のビネガーハバネロ添えジョッキで。
[カウンターでクソ不味い飲み物を注文する。
それが、"呼ぶ"ためのルールだ]
(こいつにも慣れちまったなあ……)
[不味いが、何年も飲んでると酢浸けされたハバネロの食感や、味のアクセントが不思議と青汁と合うように感じ始め、味覚の危機感を覚えている]
ー下層 ユウヅキ探偵事務所前ー
ただい…ん?
[事務所の中に入ろうとしたところ、ピリッとした頭痛を微かに感じる。誰かがここで能力でも使ったのか?それとも今まさに?
少し扉の前の様子を見る。叩かれたり>>158蹴られたり>>163した跡のある扉。多分空間系の異能者。すぐに推測ができた]
……なんだご近所さんか、いつもいつも不機嫌そうな顔してる
あんな顔してちゃ、幸福だって逃げてしまいそうなもんだが会うたび怒鳴るか睨むかだからどうしたもんかね
[このピリッとした頭痛は、ヴェスが能力を使った余波のようなものだろう。空間制御能力の関係でそういう力の使用跡には特に敏感だ]
……もしかして、昨日の夜とか何かしてくれたんだろうか
[昨日の夜から始めた猫探し、最初の方はかなり荒っぽい探し方だった。あれかなー…とか考えながらユウヅキは事務所に入った]
村の設定が変更されました。
村の設定が変更されました。
ーユウヅキ探偵事務所 ・事務所内ー
[事務所の中は大量の書物に埋め尽くされた空間だった
キッチンから仲良く三つ並んだマグカップのうち黒いものを一つ取り、一杯だけ作り置きのコーヒーを容れて飲む]
[書物の中から一冊分厚い本を取り出し、ドスンと机の上に置く。バララララと音を立ててかなりの速さでそのページを滑らせる]
…………ふむ。
[あるページに目がいった。バタンと本を閉じて元あった場所に返す]
代金を支払いに行かねばな
[そして何事も無かったかのように財布を持って、事務所を出ていく。鍵を掛け、中層の待ち合わせの場所に向かった*]
── 中層・バー ──
「くすくす……
くすくす、 あはは」
うっせーぞ。
お前が指定した飲み物だろうが。
[外套のフードを目深被った小柄な人物に視線をくれる]
「あら、ごめんなさい?
でも、あなたの不味そうな顔がとっても面白くって。
眉間の皺、寄ってるわよ」
[男は、眉間の皺を伸ばしながらジョッキを傾けた。
苦々しく口元を歪め、すぐに皺が寄ることになったが]
[カフェへの道中、アデルに村の住人である事は話しておいた。そう深くは話さないうちにカフェへ辿りついただろう。]
コレクション?
[アデルからソノランへの挨拶に首を傾げた。>>183興味はあるが、あまり深く話したくはなさそうな様子なので、それ以上尋ねはしない。
アデルとソノランは腐れ縁というやつなのだろうか。それとももしかして、ソノランがアデルにお熱なのだろうか。一瞬まんまるな目をソノランに向け、そしてさっとそらした。]
……ぇっ?
あ、はは、そうね、先約だもの。
[アタシのもの。一瞬どきりとしたものの、すぐに冗談だと納得して笑みを見せた。]
ええと……アデルのおすすめはある?
[ソノランの方をちらと見る、少し縮こまって席に腰かけた。余裕たっぷりな大人二人に囲まれて、少し気後れしているようだ。]*
─ 中層区域 カフェ ─
[言葉の端々に僅かに警戒を覗かせるアデル>>183。
思うところがあるならばそれも仕方が無いことだろう。
今のところはアデルのコレクションをどうこう言う心算はない。
特殊チームの仕事が絡んだ場合は、さてどうなるか]
ハハハ、あの時はすまなかったね。
ついうっかり飛び込んでしまったよ。
[以前侵入したことに対しては悪びれなく言って笑う。
うっかりなんてことがあるわけないのは明らかだ。
茶の誘いに対する言葉には軽く肩を竦めて]
そりゃ残念。
まぁ、俺様もエイミーとは後で約束してるからな。
ここは譲るとしよう。
[同席の許可は得られたからと、その件に関しては身を引いた。
それまでのアデルとのやり取りも含めて、楽しげに笑みを浮かべている]
マスター、チップスあるー?
[椅子の背凭れに体重を預け、左眼だけをカウンターに向けて注文を飛ばす。
はいよ、と返事があり、しばらくして細切りにしたイモを油で揚げたものが籠に入れられて出てきた]
もっと気楽にしなよ。
[気後れしているらしいエイミーには笑いながらそう声をかけておいた*]
── 中層・バー ──
それより、今日はどうなんだ?
そのチャラけた顔を笑顔にするために、毎回このクソ不味い飲み物を頼んでるんじゃねーぞ。
「どっちも体にいいモノなんだけどォ?」
[イラァ。
金属のカクテルピックでハバネロを刺し、刺激を口に運ぶ。
目の前が灼けつくような辛さが口の中に広がり、苛立ちを上回る]
御託はいい。
[小柄な人物は再び笑うと、カウンターにぽすんと座りカクテルを注文すると、話し始める]
おいおい、ほんっきで見つかんねぇぞ…
[積み上がったガラクタの裏、転がったドラム缶の中、
どこを探しても見つからない。
ここまで見つからないと、何かあったか、と
少し焦りも出てくる。突然、人間がいなくなる。
それが日常茶飯事だとしても。]
『すてぃーぶー』『ぶー』
[ててて、と兄弟が駆け寄ってきた。]
あ?見つかったか?
[そう兄弟に聞くと、
あっちーと指を指す。]
『泣いてるのー』『のー』
[そう言うと、兄弟はまたそっちへ駆け出していく。
男も、また追いかけ駆け出した。]
おー…何やってんだ、まーくんは。
[見上げると、"まーくん"がポールに登って降りれなくなっていた。
その上には機能しない監視カメラ。
そこで、ぎゃんぎゃん泣いている。
と、ずるっと、手が滑った。]
コレクションってのはね、前文名の遺産のことよ。滅びた文明でも記録は未だにポロっと出て来たりするのよ。
[エイミーの遠慮がちな疑問>>188にはサラリと答えた。アデルがそういうものを集めているのは公然の事実に近い。今更誰にバレようとも大したことはないのだ。]
そうねぇ、やっぱり定番はミックスサンドかしら?
店員さん、ミックスサンド2つお願いよ。
[エイミーの意見を聞くことなく、追加注文をする。まもなく肉と野菜たっぷりのミックスサンドが到着するだろう。]
……たまに、登るやつはいるけどよ。
[ポールの上を見上げる。
そこには監視カメラ。]
馬鹿となんとかは、高いとこが好きって?
[そんなことを呟きながら、
泣く子供をあやす。
下からは、まーくんずるいー!と足に絡みつく子供の声。
後でやってやっから、とそう言って、
投げ捨てた荷物をチラリと見る。
まぁ、ここでのそれの運命なんて確認するまでもなく。
はぁ、とため息をつく。
当面は、商売はできそうにない。*]
[ソノランの意見>>191には大きく頷いてエイミーを見る。]
そうよ、遠慮なんかいらないわ。
ところでエイミーはどこに住んでるの?
なんだか下層もスラムも中層も不慣れなように見えたけど、まさか上層の人?
[探る訳ではないのだが、気になったら聞いてしまうのがアデルの癖だった。]
[男の人生は機械生命体に呪われていたと言ってもいい。
両親を喪った時から、時間が止まっているとも言い換えられるだろう]
フン。
水面下でもバグ共の動きは出て無いか。
「そう。"上"は公式発表以上のものは漁っても出て来ない。
大したものを渡せなくて悪いわね」
いいさ。
これまで分かっていることで辿る。
[口元を歪め、自嘲の笑いを浮かべる]
ー中層区域・カフェー
……待ち合わせ場所はこの辺りだったか?
…ここであってるはずだが
『あら、新米探偵さん!どうしたの?また事件?』
[カフェにつくと、店員の女性が気楽に話しかけてくる
新米はつけんでいい、というがクスクス笑われるだけであまり効果はなさそうだ]
[どの辺りにアデル達がいるか、と周囲を見渡してみる*]
前文明の?
それは面白そうね。
[身を乗り出した。
前文明の事はドーム在住時代に勉強しており、教養程度には知っている。]
よかったら色々落ち着いてから見せてもらっても?
どのくらい古いものを持ってるのかしら。
[しばらくすると、ミックスサンドも届けられた。]
んー!野菜シャキシャキ。
お肉も味が濃くて、すごくジューシィね。
[村で食べる肉ときたら、奇形を起こした羊や荒野の野獣達の肉だ。ドーム内で手に入る肉とは随分風味が違っていた。]
[ノエルにも自宅と呼べる場所がある。
それは下層の片隅に存在する。養い親の庇護を離れひとりだちしたという確かな証。
ユウヅキの助手になることを引き受けた後も引き払うことはなく、
一応は“帰る場所”として機能している。
……が、何でもないような依頼に予想し得ないトラブルが重なったりなんだりすると、
なかなか帰れないのもまた事実]
――…それはあたしが聞きたい。
[俯く。相手からの視線を的確にかわしながら応じる。
やがて、「俺が帰る」と言いながら、ヴェスがどこかへと歩き出すのを見れば、>>174]
は、……アンタの家はそっちじゃないんじゃなかったか?
[記憶違いの可能性もあるがさてどうだったか。
ともあれノエルはヴェスの後を追う形で歩き出す。
彼の様子からするとユウヅキ(とあとベリティ)は不在だろう。
だとすればおおよそ八割九割の確率でユウヅキは事件解決のために外に出ていることになる。
だったらまあ――留守番して新たな依頼(と書いて厄介事と読む)をわざわざ呼び込む必要もあるまい]
さて、みつかんねぇのは、まさか他にいないよな?
[まだ、グズってはいるものの、
なんとか泣き止んだ、まーくんは男のズボンを掴みながら、歩いている。
今は肩車をされ喜ぶ、弟。
順番待ちの兄。
次はまーくん。
その次は…]
って、増えてんじゃねぇか!!
[まぁ、いいか。
と、男がそのまま歩き、]
……?
[何かに気づき、振り返る。]
おいおいおい、あれ、ここのガキじゃねぇだろ。
[そこで何か探すように、地面を見ているのは、
身なりから、どう見ても、上層の人間だ。
肩車をしていた子供を下ろし、]
おい、嬢ちゃん。
ここは、あんたが来るようなとこじゃねぇぞ?
[そう声をかけると、上げた顔は、
怯え、そして、泣きそうな顔だった]
……っ
[うっ、と男がたじろげば、
少女は、]
『みつからないの。髪飾り。』
[なんの偶然か、男の商品の中にも髪飾りはあった。
まさか、あれじゃないよな、と思いながら。]
諦めな。ここじゃ、落とし物はみつかんねぇよ。
さっさと、お家に帰りな。
[そう言って、男はその場を去ろうとするが、
ガシっ!と足を捕まれ、止まる。
それを掴んでいるのは、子供たちの手。
むぅっとした顔、泣きそうな顔。]
あのなぁ…
わーったよ。
探しゃいんだろ、探しゃ。
ほら、競争。
[そう言えば、わっ、と子供たちは蜘蛛の子を散らすように、落とし物を探しに、駆け出していく。
何故こんなところへ来て、落とし物をしたのかは、分からないが、]
ほら、別に取って食いやしねぇから、
さっさと、見つけんぞ。
[そう言えば、身なりの良い少女と、
また、あらゆるものが流通するブラックマーケットへ。
なければいいと思うが、
そこが一番可能性が高いのは、しょうがない]
── 回想 ──
[活気もあれば犯罪もある。
スラムに足を踏み入れたのは、両親を亡くしてすぐの頃だった。
思えば、死のうとしていたのかもしれない。
どうして、あのまま一緒に死ねなかったのだろうと。
もしも、親切な誰かさんが尋ねる事があればこう言っただろう。
両親を探している、と。
決して見つからないことも、口にして*]
── 中層・バー ──
[男はノエルに返答することなく>>207、バーへと来ていた。
後を付いて来ていたのなら、自然繁華街の方角だとノエルも気づいただろう]
「あとは、あなた向けなフリーの依頼情報くらいかなー。
痕跡調査隊へのお届け物。
ン、もうこれ誰かに受注されてる? 倉庫街からのものなんだけど……」
[傍らで、ピポピポと端末を確認するのを横目でみやり、ジョッキを呷る]
まっず……。
[無言で、マスターにキャッシュを差し出した。
電子通貨で、青汁ハバネロジョッキとカクテル>>192の代金を支払うと男は立ち上がる。
そこでまだ、幾つかの会話があったかもしれないが今は語るべき時ではないだろう*]
── スラム ──
[その後やって来たのはスラムだ。
スティーブかそれとも先にブラックマーケットかと足を向ければ、そう時間を使わずにスティーブの姿は見つけられただろう]
何やってんだ、スティーブ。
[ふ、と眉間の皺が緩む。
男自身は自覚していないだろう*]
飯はもう食ったのかよ。
[結論を言えば、ブラックマーケットにはなかった。
髪飾りはあったが、どれも違うという答えだった。]
残るは、あいつらか。
[先程、散っていた子供達が、
何かを見つけるかもしれない。
そのとき]
『リリー!!!』
[そう叫ぶのは、やはり上層の人間だろう。
少女へと駆け寄って、その頬を思いっきり叩いた。
そうして、]
『行くわよ!!』
[男を見下すように一瞥すれば、少女の手を乱暴に引いて、戻っていく。
そして、少女は、振り向いて、]
『また、探しに来るから!!』
[そう手を振る。]
[やがて、子供たちが戻ってきて、
おねーちゃんはー?と聞く。]
あぁ、帰った。
[そう言えば、えー!!
と声を上げる。]
『みつけたのにー』『ぼくもー』
『わたしもー』
[そう次々と、口にする。
手に持っているのは、とてもじゃないが、
髪飾りとはいえないものばかりではあるが。]
……あぁ。
わざとか。
[最初から、髪飾りなんて、なくしていなかったのではないか、と、思う。]
[去る母子の背に酷く寂寥の表情を浮かべていたのは一瞬]
は?
小さい時じゃねぇし。
今は仕事でうろついてんだよ、知ってるだろ。
お前の探し物だか、何だかと似たようなもんだ。
[睨むような眼差しは、目が痛むか霞むかしている時だと、スティーブは知っているだろう。
本当に苛立っている場合も多々あるが、今は口をヘの字にして、そこまで苛立っている訳ではないと知れるか。
可愛げのあった容姿も言動も態度も、20年も経てば欠片も無くなる]
あのクッソ不味い飯か。
今日は厄日だな。
[クソ不味いクソ不味いと言いながらも、全部平らげるのも常だろう。
飯場へと先導されるなら、後に続く]
―回想―
[出会ったのは男もまだ幼少期といえる頃だったか。]
何やってんの?
[そう声をかければ、彼は、
両親を探している、と答えただろうか。
決して見つからないことも聞けば]
ここじゃ、探し物はみつかんないって。
みつかんねぇの探しても、しょうがないだろ?
[そう言って、立ち去ろうと、すれば。
ガシッ!と男を掴む手。
振り向けば、頬を膨らませた妹の顔。]
……わかったよ。
探せばいいんだろ!!
見つかったら帰れよ。
[そう言って、男は言う。]
俺は、『ラルフ!』
……ラルフ。で、
……こっちは、妹のええと、『リーナ』
あんたは?
[そんな出会も、かつてあっただろうか*]
―― 中層・バー ――
[小洒落たバーは己には似合わないとノエルは思っている。
事実、時折仕事の一環で訪れる下層や中層のバーは、
今訪れたこの場所のように猥雑とした雰囲気を伴っている。
壁の一角を見る。
賞金首の顔がでかでかと印刷された張り紙や依頼の書かれた紙が飽きることなく貼られている]
はぁ……
[誰にともなくため息をついて、
客の居座るテーブルを分け入った先、カウンターに腰かけたヴェスの隣の隣の席を取り、
それからヴェスの注文内容に目を丸くするまで10秒とかからなかったはずだ]
なんだ、単に管を巻きに来たわけじゃないのか。
[名前を聞いただけでもクソ不味そうな飲み物を注文すれば何が起こるのか、>>184
この辺りでは新参者に価するノエルでも知っている。
こちらも完全にヒマであれば同じ飲み物を頼んで付き合うくらいはしたのだが、
あいにくと――偶々ではあったがノエルもまたこのバーに用事があった。
ちょっと逡巡した末、結局は己の用事を済ませることを優先する]
あまり無茶はするなよ。
[それだけを言い置いてカウンター席から離れる。
二人掛けやら四人掛けやらのテーブルが並び立つ辺りをきょろきょろと見回し、やがて、
目当ての人物が一人腰掛けているテーブルに近付いていく]
はじめまして。
あたしが養父さ――…じゃない、エヴァンス氏の代理で来た者だが。
とりあえず話を聞かせて貰おうか?
[席に着くなり腕を組んで言い放つ]
[そんな出会も、かつてあっただろうか*]
はいはい。存じてますよー。
ほんと、可愛くなくなりやがって。
と、お前らもほら、遊びにいけよ。
肩車は今度またやってやっから。
[足元に絡みつく子供たちにそう言って、
約束!、またねー!と口々に違うことを言いながら去っていく。]
また、いてぇの?
[トントン、と自分の目を叩けば、その意味は分かるだろう。
一応、心配はしている。そうは見えなくとも。]
長いこと食ってると、あれが旨いって思うようになんだぜ?むしろ、飯にありつけんだから、吉日だろ。
[先程、彼も思っていたのと似たようなことを言えば、
彼を連れて、再び老人のいる飯場へと]
ー中層区画 カフェー
ん?ソノランじゃないか、暇そうだな
……ああ、良かった。アデル、エイミー 待たせて済まない
[ひらりと振られた手に>>215、こちらもスっと手を上げて返す。微かな異能の気配>>156に『こいつ何かやったんじゃ』と考えたが、周りの喧騒はもう静まり返っていて慌てることはなさそうだと察する
その近くに約束の人の姿を見つけてホッとした。
そちらに向かうと、立ったままソノランの方を向いて]
まあ多分どこかで鉢合わせるんだろうなとは思ってたさ
お前ら特殊チームとはどういうわけか腐れ縁が深すぎるようでな、何かしらまた騒動がありそうな予感がしてる
[それも、その予感はほぼ確信に近くなってきている、とは口には出さなかったが]
[そして今度はアデルの方に向き直る。
立ったまま懐から電子通貨のチャージされたキャッシュをアデルにみせた。]
一応念の為だが、あの男はどこに置いていったかだけ訊かせていただいても?あの後スラム街にポイ捨てされてたようだったら払い損だからな
[アデルが正直に話すならばすぐにでもユウヅキは報酬を手渡すだろう**]
―飯場―
じーさん、また邪魔するぞー。
あぁ、あと、ほらヴェス。
こいつに、一杯。
[親指でくいっと、ヴェスを指した後、
男は老人に、今度はそこらへんのガラクタから拝借したプレートを渡す。
そうすれば、ヴェスにドロドロの"旨い"飯が渡されるだろう*]
── スラム ──
馬鹿じゃねえ?
可愛げとか、気持ち悪い……
[閉口し、更に口がヘの字になる]
あの馬鹿。
あのドンパチ探偵のせいだ。
[目が据わる]
あいつが、周囲の迷惑を考えずに暴走するから、その尻拭いをしてやったんだよ…… 朝から最悪の目覚めだ。
薬で誤魔化してるから、ま、保つことは保つ。
[深い溜息と共に愚痴る]
早めにヒーラーんとこでも行かなきゃ、きつくて仕方ない。
[視線を彷徨わせた]
俺はー!
ちゃんと稼いでんの!
飯くらい食べれるの!
[くだらない会話をしながらも飯場へ行けば、何か言う暇も無く、どろどろのものが差し出される]
…………厄日じゃねぇか、マジで。
[錆びついたスプーンなんだか棒きれなんだか分からないもので、口に運ぶと、予想通りの不味い味が腔内を蹂躙する。
先程口に運んだ青汁とハバロネの味を上書きしていった]
くっそまず……
これで栄養だけは取れるとか妥協しすぎだろ。
もう少し味にも注意を払ってもいいんじゃねーの。
[不味さを薄れさせる為か、口からは止めどなく言葉が垂れ流される。
それでも躊躇なく食べられる辺り、慣れて訓練されすぎていた]
― 回想 ―
[見つからない。その意味が分からないほど、
男は子供ではなかった。
しかしスラムでは生きるのが精一杯。
だから、構っている余裕なんてない。
そう思うなら、声をかけず放っておけば良かったのだ。]
ヴェス、すたー…?
ヴェスでいいな!
ヴェス!!
[そして、ほら探すぞ!と手を引いた。
勿論見つかるわけはなかったが。]
みつかってねぇんだから、
また、探しに来いよ!
[そう言って、その日は、ヴェスを帰した。
そうして、スラムに来る理由は変わっていっただろうか。
それでも、そのまま20年。
なんだかんだで、今に至る*]
[下層の片隅で孤児院を開いているノエルの養い親――“エヴァンス氏”は、
かつては治安維持部隊に属していた。
今や下層のドンパチから退いて久しいが、
その勇名を買って頼みごとをしてくる者が稀にいるという。
とはいえこれまでの養い親は、“愛娘”たる己を自ら危険に引き込むような真似、
つまり養い親に来た頼みごとをこっちに回す、という真似はしなかったはずだが……、
背景を考えるのは後だ。
そう思い、ノエルは同じテーブルに着く相手を見据える。
すでに注文した浅緋◆の酒が手前に置かれていたが、
それに手をつけることもなく]
ふむ。
要するにアンタのとこと敵対している組織の魔の手から護衛してほしいものがある、と……
そのくらいならお安い御用だが。
そもそもアンタはいったい何者なんだ?
「我らは〈UROBOROS OVERDIVE〉……」
……、(我ら?)
[この時ノエルのセンサーが過敏に働いた。
突っ込んだ事情を訊いたら余計泥沼にはまる気がする……と]
── 回想 ──
うん……
[気圧されて、手を引かれて、心が空っぽのままにスラムを連れ回された。
色が見えてるのに色付かない街並みはその後もずっとそのままだったが]
うん……、また。
ラルフと、リーナ。
[その日帰され、また来いと言われれば愚直なように、またスラムへ足を踏み入れた。
そうして、何時の間にか目に見える街並みの色も、色づきを取り戻し始めていったか。
数ヶ月後に能力に目覚めれば、この力があれば両親が救えたのだと、ギャン泣きすることだってあったものの*]
[アデル達と話すのには口を挟まず、前髪の奥で都市の観察を再開する。
ユウヅキの言う通りきな臭い気配はあったが、まだ確信までは掴みきれずにいた。
仮に確信したところで余程の案件でない限りは、自主的に動く気はなかったりする]
(『死神』は継続案件だがインターバル入れないと向こうも尻尾出してくれそうにないしな。
サーチ系能力持ってると本当厄介だぜ。
『機械』は最近出たって聞かねーな……だからこそ油断ならねーんだが)
(……ここらが動くってなりゃ流石に休暇返上になるだろうけど)
[それ以外は様子見つつで良いだろう、と判断。
啜ったアイスコーヒーが尽きて、ストローが、ズズ、と音を立てた**]
なるほど。ずいぶん大仰な名前なのは把握した。
とにかく、……依頼は受けるよ。
なんせ養父さ――…エヴァンス氏の顔に泥を塗るわけにもいかないからな。
[そうして、ようやっと目の前に置かれていた、
浅緋色の、ほんのり果実のような香りがする液体で満ちたグラスを手に取って掲げると告げる]
それで、だ。
せっかくだから乾杯といこうじゃないか。
―――……仕事の成功を祈って。**
(あの青汁ハバロネよりも慣れちまってるから……)
[この不味さが癖になるとは、口が裂けてもスティーブに言う気はない、聞かせない、聞かせてはまずい。
もごもごと、スプーンを動かす]
お前さあ、俺の飯をもう奢らなくてもいいんだぜ。
トークンくらいあるし。
[物々交換の方だって知っている。
それでも奢られる限りは、断る気も起きないのもそうだった。
この腐れ縁の関係に居心地の良さを感じていた]
お前がほいほい飯よこすから、俺もほいほい食べちまってるけどさあ。
[スプーンを咥えたまま、喋る]
んで。
俺がお前に会いに来たのは、別に飯が食いたかった訳でも愚痴を言いたかったからでもないんだけど。
[もう暫し、スティーブから茶化されたり雑談が続くなら雑談に興じるだろうが**]
気持ち悪いっつ―なよ!
はいはい、今も、可愛いって。
[わざとらしくそんなことを言えば、更に気持ち悪いと言われそうだが。]
ドンパチ探偵、は一人しかいねぇな。
そりゃご愁傷様。
[先程、会った人物を思い浮かべ、苦笑いを浮かべる。]
お前なー。あんま一人で全部なんとかしようとすんなよ。
ドンパチ探偵も、そこまで考えなしってわけじゃねぇだろ。
……まぁ、言っても何もしないってのは、
無理なんだろうな。
[が、何かあってからでは遅い。
なんとかなる、ではダメなのだろう。と思う。]
ヒーラーなぁ…俺じゃできねぇしな。
ここいらじゃ、まずいねぇし。
[視線を彷徨わせるヴェスと、
何事か考える男。
視線は交わらず、愚痴を聞きながら、道中はそんな会話をしたか]
―飯場―
ここじゃ、稼ぎとか関係ねぇし?
[ちゃんと稼いでると、喚くヴェスにニヤリと笑う。
まぁ、実を言えば、男の手持ちもこれで最後なのだが。]
ほら、食った食った。
吉日、吉日。
[ニヤニヤと笑いながら、ヴェスの様子を見る。
反応が、ここでは誰もしない反応だから新鮮だ。
まずい、味に注意を、そう云うたび、じーさんや周りの人間が、じろりと見ているが、気にはしない。]
食えりゃ良いんだよ食えりゃ。
[文句をいいながらも、それでも食い進めるのを見る。]
[男は、この飯が普通になっているが、
まさかヴェスが不味さが癖になるような味覚に変化してしまっているとは、
わからない。]
まぁまぁ、お兄さんに奢らせなさいって。
[腐れ縁で、くだらない軽口を叩きあったりするものの、
ヴェスは弟のようなものでもある。
たまに、弟扱いし始めるのは、癖みたいなものだ。
ほいほい食べちまうというヴェスに、
食っとけ食っとけと言いながら、
ほいほい食うから、やりたくなるんだよなぁ、とは言わない。]
ん?あぁ。
俺に会いたかったからだろ、勿論。
[そんな軽口を言いながら、そこらへんに落ちていた、
ヴェスの向かえ側へ座る。
彼がここに来た理由を話し始めるなら、
それを聞こう**]
ー少し未来 カフェから出た後ー
[アデル達との取引を終えて、カフェを出る。
1度色々整理しないとなあ、と考えながら歩いていると…
すごい力で誰かに手を引かれた]
うおっ…?!な、なんだ…?!
『探偵さん…あなた、最近有名になった探偵さんですよね…!どんな依頼でも引き受けてくれるっていう…!』
[振り返るとそこには若い男がひとり。身なり的には中層区画の人間だろうと予想がつく]
……依頼の話か? 一応聞くが、何でもひきうけるわけじゃないぞ
『いいんです…いいんです!お願いです、話だけでも!』
[その必死な形相に圧され、余程のことだろう…と思い、人気の少ないところで話を聞くことにした]
ー人気の少ない路地裏ー
……ある組織の調査と…場合によっては制圧ぅ?
[話を聞いてあまりに突拍子もない依頼で、思わずそんな間抜けな声がでる。調査して場合によっては組織を潰せとはどういうことなのか]
[話としてはこうだ。この男はその組織のものに騙されてその身を滅ぼす直前まで来てしまったという。
しかし男はその組織では末端も末端、いや組織に所属していたと認識すらされていなかった。そのためその組織がどんな組織で何を目的としていて、どうして自分がこんな目にあっているのかが分からないのだ]
[こんなもので納得などできるはずがない、と彼は語った]
……それで?はぁ?
何をしたんですか、貴方は?
『小包を受け取って、ある場所に置いてくるだけ…
そうすれば、報酬は払うと……』
そんなお決まりの詐欺みたいなもんに引っかかったんですか…ええ……
[しかも指定された場所では警察部隊がたまたま居合わせており、小包の中には彼らが驚くようなものが入っていたという。そしてなんだかんだあって、男は警察に追われる身となった。指名手配のための写真がないのは救いだろう]
……あるかどうかも分からない、組織集団の調査ねえ…
はあ……あんまり期待しないでくださいよ?
それで制圧というのは?
『即警察に御用になるものを運ばせたんだ…きっと何か犯罪に手を染めてるに違いない!そういうのが分かれば…警察には頼れないんです!お願いします!』
そういう依頼なら高くつきますよ?
『構いません!全財産でも支払う所存です!』
賞金首がいたら全額賞金も頂きますよ?
『構いません!…このままじゃ、僕は納得出来ないんです!』
解決出来なくても、文句は言いませんか?
『………、調べられるだけ、調べてください!』
……はぁあ、分かりました引き受けましょう
[これまたよく分からない依頼が来たな。そうユウヅキはため息をついた]
[話をつけ、契約を済ませて…最後にこんな問答をする]
それで?組織の名前くらいはわかりますよね?
『ええ、多分なのですが……』
[その組織の名は<UROBOROS OVERDIVE>だと彼は語った**]
─ ある任務の記憶 ─
[それは緊急性の高い任務だった。
機械生命体の出現、それに伴う被害を受けての対象の破壊を命じられたもの。
現場が前文明の遺跡であり、必要以上の破壊を避けたいという希望と、現場にまだ調査員がいるために迅速さが優先され、対単体が可能で転移能力を持つソノランが派遣された。
いまだ歳若く、単独任務は初となる。
それでもソノランはいつもの調子で現場へと向かった]
[移動のロスがないとは言え、機械生命体出現からはいくらか時間が経っており、被害者は増える一方。
だがそこに現場にいる中で一番強い能力を持つ者が現れれば、機械生命体の襲撃対象はそちらへと移った]
ほら、今のうち行って。
[生き残った調査員達を背に、そちらを見ないままにひらひらと手を振って避難を促す。
少年特有の高い声に驚く者もいただろうが、調査員達は逃げるのを優先した。
ちら、と視線を流せば、ソノランよりも幼い子供がいる。
調査員の子供だろうか、酷く焦燥しているように見えた。
その子供が避難したかどうかを確認する前に、機械生命体がソノランへと襲いかかって来る]
これ一人で相手しろとか、ちょっとオーボーじゃない?
[当時の武器はハンドガン。
これだけでは到底、機械生命体に致命的なダメージは与えられない。
壁が欲しいなぁ、なんて考えながら、転移を駆使して機械生命体の攻撃を振り切り、透視を使って弱点を見極めた]
んー、加速かけたから貫通したけど……。
やっぱ転移も組み合わせられるようにした方が良いなぁ。
[動力と思われる箇所に穴が開いた機械生命体の構造をマジマジと眺めて、仕事は終わりと言わんばかりに踵を返す。
子供はどうしていたか。
避難した調査員達に、「終わったよ」と報告して、機能を停止した機械生命体は特殊チームで回収することを伝えた。
なんやかや言われたかも知れないが、こちらも任務。
帰還の際に共に転移で運んでしまう。
その後、回収された機械生命体がどうなったかは ─── ご想像の通り**]
── 少し前・スラム ──
うっせ。
からかうのはよせよ。
[可愛げが無いのくらいは自覚している。
子供の頃はほっそりしていた体とか、ぱっちりお目々なんか失われて久しい]
…………別に、一人で何でもしようとしてる訳じゃない。
そんなつもりは、ねーよ。
[それが他人にはどう見えているかなどは知らない話だ]
ドンパチ馬鹿を見かけた時に、手が空いてるのが俺くらいだったっつーくらいだし。
ハ、お前にそんな説教受けるくらいなら、助けるんじゃなかった。
[わざとらしく肩を竦めスティーブ>>245に憎まれ口を叩く。
これくらいは互いの間では軽口のようなものだろう。
弱い者なんて、野垂れ死んで、死んで当然。
死ぬべきだったという言葉が脳裏を占める]
[弟扱いされる理由なんて、分かる。
あの日から何だかんだスラムに来て、こうやって飯を奢られて、時には馬鹿な話をする腐れ縁だからだ。
それでも、『スティーブ』の妹が死んだ時。
男が、その死に微かな羨望を抱いたことは、許されざることに違いない。
そう思っている]
おま…………。
馬鹿だろ。
[食べ終わった容器を投げ出し、両手で顔を覆う]
まあいい。
本題だ。
[たっぷり十数秒経った後、両頬を叩いて復帰した*]
[ここで生まれ育った男には
名前どころか、生まれた日も年齢も良くわかっていない。
親はどうだったか、そこらへんで死んでいたのか、
捨てられたのか。もう覚えていない。
だから、実のところどちらが年上だとかは分からなかったりする。
それでも、弟扱いをしてしまうのは、妹がいたせいだったろうか。
とはいえ、妹も当時まだおどおどしていたヴェスに対して、弟でも出来たかのように接していたのだが。
妹とヴェスに見つけた飯、とてもじゃないが中層で食べるような、もはやゴミといえる食い物だったろうが、スラムじゃ貴重な食料だ。
その当時は盗んだものもあったが…
それを妹とヴェスに分け与え、『全部食えよ!!』
と、その言葉を言うことも今はないか。]
[妹が死んだ時、彼が羨望を抱いたことは、知らない。
だが、どこか会ったときから、ヴェスは死をどこか求めているような、
そんな気がしていた。
が、彼は気付いていただろうか。
いつしか、妹ヴェスとの関係が変わることを恐れていた。
さっさと言っちまえば良かったのによ。
そう思う言葉は、まだ心にしまったまま。]
お?図星?あっはは、なんてな。
[両手で顔を覆うヴェスに、笑い、
その間復帰するまで十数秒。
それを待ち]
……
[本題。その言葉になんとなーく、
嫌な予感を覚えるのは気のせいだといい。*]
── ──
[見上げるのは、幼少の頃ゆえか、それとも。
鋭い鉤爪のように、鋭利な指先のようなモノから、血が滴る。
ゾッとする程、美しくも殺戮に特化したような機械の姿態。
都市でいくつか見かける機械達とは違う。
機械は返り血を浴び、蒸発した血の粒子が周囲に舞い、濃い血臭が現実感を失わせていた]
あ、あぁ……
[殺される。
その鋭利な部品を一振りするだけで胴体は切断され、一突きで骨すら容易く貫通するだろうと、理解してしまった。
涙で濡れる顔は酷く憔悴し震えていただろう。
目の前には、発声機能は無かっただろう、機械音だけを響かせる無機の圧倒的理不尽があった]
[異能を向けても尚動き続け、殺害する時は容赦無く。
頭部が果実のように潰され、体が刻まれたのを見ただろう]
[機械の攻撃は子供のヴェスに振り下ろされなかった。
両親の遺体を前に、へたり込んで無防備だったというのに。
気づいていない筈がなかったのに]
[と、彼が話し始める前に、また子供たちが走ってくる。]
『すてぃーぶー!』『これー。ひろったー』
[持ってきたのは、何かの荷物。
いつものように、買って欲しいということだろう。]
はいはい、いつもご贔屓にー。
[そう言って、受け取って、"代金"を支払えば、
子供たちはまた、駆け出していく。]
……?
[ふと気付いた。行き先が書いてあるようだが、
それは、調査隊行きの荷物だったか。]
これ、お前が落したわけじゃねぇよな?
[見せれば、彼の反応はどうだったか。]
―中層区画 カフェ―
もむ!
[ユウヅキを見つけたのは口いっぱいにミックスサンドを頬張っていた時だった。>>228手を振って彼を迎える。
ユウヅキがソノランへ"特殊チーム"と言うのを聞けば、へぇと驚きつつも納得する。ソノランの能力なら重宝されている事だろう。
そして、少し胸がざわつく。
特殊チームの人間なら、もしや娘の正体を知っているのではないかと。村での事件の時、アーネストは色々知っているような口ぶりだったから。しかし、今のところ特に娘の素性について触れてくる気はなさそうだ。藪蛇をつつくのは避ける事にした。
ユウヅキとアデルが取引する間>>230は口を挟まず、ご馳走に集中していた。]
……ユウヅキ?
[さっきからちらちらと視線が飛んでくる。>>268 ははぁんと合点がいって、自分の皿からサンドを一つ差し出した。]
一つ、食べてくれない?
とってもおいしいんだけど、
全部食べたら動けなくなっちゃう。*
[ゴミみたいな食べ物やクソ不味い物を口にしても腹を壊さない悪食になったのは、十中八九どころか、十中十、スティーブが原因だろう。
その頃は、まだ両親のショックが大きく『全部食べろよ』と言われれば、どうでもいい気持ちと共に、吐きそうになったり、あるいは少数ながら口に運んだだろう。
妹……男にとっては姉のような存在だったかもしれないが、彼女に譲ることもあったかもしれない。
それでも、暫くそうやってスラムで過ごせば正気を取り戻し、気づくだろう。
『残飯じゃん、これ!』と。
スティーブが味覚に悪い影響を与えていたのは確定的に明らかだった]
……! い、いや…仕事中だから……
[エイミーにミックスサンドを差し出され>>271、1度はそう遠慮の言葉を口にする。
しかしその手はミックスサンドを持つエイミーの手をがっちりと掴み、目がキラキラと輝いている。よだれが垂れていないのは破天荒人間の最後の理性か]
[しばらく取引相手のアデルのほうもチラチラ見て、食べていいのか?いいのか? と少し我慢しようとはした]
[ぐきゅるるるるる]
…ま、まあそこまで言うなら食べてやろう
残すのは勿体無いしな!ああ!
[結局ユウヅキは空腹に負けた。 エイミーの手からミックスサンドを受け取ると心底美味しそうにサンドを頬張り始めた*]
そういう私も仕事中だったりして。
[てへ、と舌を出す。
食事を終えればアデルに頼み、荷物について指示を仰ぐつもりだ。
一緒に家に向かい引き渡すか、家の外に置いて置いて良ければそのようにして、受け取りのサインをもらうだろう。]
……ふふ。
[腹の虫が理性吹き飛ばす音を聞き、くすりと笑った。3ヶ月前の事件以来、色々吹っ切れたのか随分性格が丸くなっていた。]
ね、ね、美味しいでしょう?
いい店連れてきてくれてありがとう、アデル。
[いい顔でサンドイッチを食べるユウヅキをにこにこと眺めた。]*
── 薄暗い部屋 ──
[さて、エイミーから視点を外し、とある薄暗い部屋を映そう。
地下なのだろうか、窓のないその部屋には通信機器やスナック、工具に雑誌などが雑多に散らばっている。
部屋の隅では細く長身の男がモニターを眺めて渋い顔をしている。モニターにはマップが映し出され、中層のカフェに赤い点が点滅していた。]
『アニキ、中々荷物つかねっす。
中層のカフェでとまりっぱで……
配達人、サボってやがる。』
[アニキと呼ばれた小太りの男が食べかけのピザを手に振り返る。]
『なーんだってぇ!?
まだしばらく動かねぇなら発破かけるんだョ!
さっさとウロボン13号にアレ探させねぇと、
俺らがオヤビンにドヤされちまう!』
『ひぃ、そいつぁこええや!』
[身を震わせ、細長い男はモニターに視線を戻した。]
『まさか、さんざ探してたアレが
アデルんちにあるなんてなぁ。』
[呟くと、何やら手配を始めた。]*
…………差出人が書いてないな。
慌てて書きそびれたか、何かあるのか。
[男は、面倒そうに小型の端末を起動し、条件に合う届け物情報を探し始める。
調べるのが面倒ではなく、端末を操作するのが苛立つだけだ]
それらしき荷の流れは複数あるみたいだが。
届けて金が貰えるかね?
[もっとも、このケースの場合、金の有無は男には関係が無かった]
確か調査隊は、この時間なら出発直後だな。
トべば間に合うな。
[機械生命体関連の情報と同じ程度、調査隊の情報も諳んじれる。
男の視線がスティーブに戻る。
発動の素振りは無いが、男の遠隔移動能力は、視界に入った対象>>154が行使先となる*]
むぐ…仕事中ならさっさと…終わらせてやれ…
もぐもぐ…依頼人も…心配して…もぐもぐもぐ
[口の中にサンドイッチをいれながら、それっぽいことを話す。全くもって説得力がない。
ニコニコと笑うエイミーの表情にこちらもニコリと表情が緩む。
サンドを食べ終わると手を拭いて、エイミーの長い髪をサラリと触れ後ろに持って行ってやる。]
ほら、髪が落ちると髪ごと食ってしまうだろ
[アデルに褒められていたエイミーの髪。触れてみて綺麗だなと彼も感じた*]
─ ある任務の記憶・2 ─
[特殊チームの本部へと持ち帰った機械生命体は、あちこちに弾丸を弾いた痕が残り、腕や足の一部は押し潰されたようにひしゃげていた。
片やソノランは腕や肩、胴などに鋭利な刃物で斬られたような痕が残っている。
機械生命体の手は鉤爪状、それらを受けたが故のことだった]
いくら単体特化型が出払ってたからって、こっち回すことなくない?
[ソノランも戦えはするが、どちらかと言えば後衛の部類。
援護や狙撃で真価を発揮するタイプだ。
前線に立ち近接戦を行うのは得意ではない]
こいつらの戦い方?
そーだなぁ…。
[特殊チームのメンバーに聞かれ、戦った時のことを思い出す]
[機械生命体は主に鉤爪状の手を振り回し攻撃して来た。
関節の動きは滑らかで、重量による鈍さは多少あるが、振り下ろしの速度は眼で追うのがやっと。
一撃一撃に間があるわけではなく、振り下ろした直後に切り返しを行ってきたこともある。
壁が欲しい、と言ったのは狙撃の時間を稼ぐのもそうだが、この厄介な動きを防ぐ意味合いもあった]
プログラミング、って言うよりは、動きは思ったより機械的ではなかったね。
人の動きの滑らかさっていうの?
そう言うのがあった気がする。
[振り下ろしてきた爪に対しバックステップを踏み、空間へと身を投じて機械生命体の背後に現れる。
至近距離から機械生命体の首の関節を狙い引鉄を引くが、ガァン!と言う音だけが響いた]
装甲はすっごい厚いよ。
ハンドガン程度じゃ歯が立たない。
関節狙いで斬るならもしかするかもね。
それ以外ならブラスターか、打撃、後は爆薬と熱?
あぁ、電気は有効かもね、何せ機械だし。
後は思いっきり潰すとか?
とにかく動力源潰さないとじゃないかな。
[動力源が残っても活動不能なほどにバラバラにしてしまえば良いだろうが、その手段を持たないためにそんな証言をする。
その時選んだのも、弾丸に加速をつけて動力源を潰す、と言うものだった]
[背後からの衝撃に、機械生命体は振り向き様に爪を薙ぐ。
ソノランは後方へと跳ぶも間に合わず、爪の先が胴を掠めて行った。
衣服が切り裂かれ、肌にもその痕が残る。
傷口がじくりと熱を持ち、その感覚にソノランは舌打ちをした]
[打開策を考えるために何度か牽制の銃弾を放つ。
接近を避け続ける姿勢を見せると、機械生命体は大きく口を開けた。
何を、と思う間も無く高熱のエネルギーが放たれ、ソノランの右肩を抉る]
飛び道具まで備えてるとはね。
本当に厄介だったよ。
[熱線が飛んでいったのが調査員達が避難した方向とは逆だったのが幸いだった。
遺跡の一部が吹き飛んだが、人的被害は無い。
ただそれとは別の方向に子供>>269の姿があった。
その前には二人分と思われる遺体。
へたり込んで動けないだろうことは明白だった]
─ ある任務の記憶・3 ─
[機械生命体が逃げ遅れた子供を狙う気配は無い。
(なるほど?)と察するが、それは安堵には繋がらなかった。
飛び道具がある以上、巻き込む確率は0ではない]
……はぁ〜、しっかたないなぁ。
[至極面倒だ、と言うような声。
左手で頭を掻いた後、空間を飛んだ]
[機械生命体の前から姿を消し、現れたのはへたり込む子供の下。
無遠慮に腕を掴み上げ、子供も巻き込んでまた空間を飛んだ。
次に現れたのは、避難していた調査員達の下]
これ、よろしく。
[子供を地面へ下ろして調査員達へと声を投げる。
そうして直ぐにまた機械生命体の下へと飛んだ。
1分にも満たない間に為された行動。
機械生命体がソノランを追って向きを変えていたが、その背後に再び現れることで機械生命体の向きを再び調査員達の方向から戻させた]
[以降は瓦礫や石を壁代わりにしながら、機械生命体に飛び道具を使わせないような戦い方をする。
何度か銃弾を直撃させるが、やはり装甲をへこませるだけで効果は薄かった。
装甲を貫通させる手段がないことは無い。
ただ、確実に動きを止める一手を考えなければいけなかった]
機械なんであれば……っとぉ。
[装甲内に弱点となる動力源があるはず。
そう考えて透視を行おうとしたが、突き出される爪に仰け反る羽目に]
あーったく、あんまりやりたかないんだがな。
[悪態を突きながら、ソノランは機械生命体から2・3歩ほど離れ、敢えて詰め寄られる程度の距離で立ち、前髪を掻き揚げた。
隠れていた部分から覗いたのは、白銀色をした右眼。
ソノランの視界が二種類の世界となり重なる]
[透視を行うと左右の眼で見える景色が異なることになり、視覚情報による反応がどうしても遅れてしまう。
敵前でそれを行うのは隙を作ることと同義語だった。
案の定、動力源を見定める間に機械生命体は距離を詰め、腕を振りかぶる]
ッ、
[それに気付けはしたが、対処するには遅く。
振り下ろされた爪が左肩へと深く突き刺さった。
血塗れの機械生命体が新たな赤に染まる]
───── ハッ、これで殺ったと思うなよ。
[前髪を掻き揚げていた右手を離し、左肩に繋がるように伸びる機械生命体の腕をハンドガンの柄で思い切り叩き上げる。
重力加速を伴った一撃は機械生命体の腕をひしゃげさせながら、ソノランの左肩を解放した。
紅が飛び散るのもそのままに、今度は右足で機械生命体の左足を蹴り飛ばす。
接触時に機械生命体の左足に重力をかけてやれば、メキメキと音を立ててそれは潰れ落ちた]
………しぶてーの。
[足と腕を潰されて尚、機械生命体は機械音を唸らせ、残る爪を振り上げてくる。
やはり動力源を潰す必要がある、と動かしにくくなった左腕を引っかかれながら横へと飛び、ハンドガンの銃口を機械生命体へと押し付けた。
その位置は動力源がある箇所への最短経路。
狙いを悟ったかは知れないが、反射のような動きで機械生命体は腕を振り払いにくる]
っらぁ!!
[腕に弾かれる直前、引鉄を引き弾丸に重力加速を施した。
装甲を貫通するに足る威力を乗せたそれがどうなったかを見る前に身体が宙に放り出される]
──── ッつ!
[左腕で直撃こそ避けたが、腕には鋭い線が更に増えた。
転移を行い推進力を落下に変えて地面へと着地する]
…………はー、割に合わねぇ。
[経験がまだ少ないのもあるが、満身創痍の姿で溜息をついた。
投げた視線の先では動力を貫かれ動きを鈍らせる機械生命体がいる。
バチバチとショートする音が響き、しばらくぎこちない動きを見せていたが、やがて機械音の収束と共に動かなくなった]
前線向きじゃないっての。
[愚痴は任務を命じた者へと向けられたものだった]
─ 中層区域 カフェ ─
[チップスを摘みながら、ユウヅキとエイミーのやり取りを眺める。
仕事中だからと断っていたユウヅキだったが、その言葉とは裏腹に手がミックスサンドを持つエイミーの手を握っていた。
その時点でもう笑いが込み上げていたのだが、腹の虫に忠実に食べ出したのを見た後は我慢の限界だった]
フフフ ハハハハハハ!
ユウヅキ面白いなぁ!
[遠慮なく腹を抱えて笑っている*]
そうね……もぐもぐ。
荷物はもう一つあるし……もぐもぐ。
食べたらお暇しないと。
[アデルとは仕事が終わればこれきりになってしまうだろうか。
少し寂しくなって、俯いた。髪が肩から口の方へ落ちてくるが、そのままぼうっとサンドを口へ運ぼうとした。]
あっ、ありがと。
[驚き、そして恥ずかしそうに頬をかいた。]
髪留めをどこかで落としちゃったみたいで。
お箸か何か棒でもあれば止められるんだけど。
[残念ながら、手近にはなさそうだ。]
ところで、連絡先ってもらえたりする?
[尋ねるのは三人に。]
通信できる端末は今持ってないんだけど、
あとで借りようかなって。
借りたらこちらから連絡するわ。
[先ほど下層で何軒か端末のレンタル屋を見つけていた。]*
髪留めか?
ちょっと、待て、棒のようなものでいいんだな?
[ソノランのチップスに手を伸ばしながら、きょろきょろと周囲を見渡しまだ口のつけられていない水のコップを見つける。]
それ、使ってもいいか?
[そう言いながら顎でコップを指す。
チップスからは視線を外していた。ユウヅキはちゃんとチップスを入手できたのだろうか*]
殊勝な心がけだな
罪に対してしっかり罰を受ける意識があるのはいい事だ
[ガシッ]
[口では何かそれっぽいことを言っているがその手はがっちりチップスの入った籠を掴んでいた。
一つつまんで食べる。美味い。説明不要。]
[2枚、3枚と食べる。美味い。4枚目に手を出して…ハッとする。そうだった、エイミーに髪留め代わりのものを渡すんだった]
[今度は水の入ったコップに手を伸ばし掴む]
お前までなぜ笑う!こら、言ってみろ!
[エイミーにまで笑われて>>301なんだこいつら!と少し顔が赤い。コップを握る手に力が入ってしまうが割らないでください!と遠くから聞こえる店員の声にハッとして元の目的を思い出す]
コップじゃなくて、こっちが目的だよ
[コップの中の水を揺らす。 スイーッと指先で触れると水はコップから離れて彼の手の中に収まる]
[コップを置いて、手の中の水を指揮する。揺蕩っていた水泡は指揮に合わせて形を変えて一本の棒の形に変わる。]
凝固、固形化……っと。元はただの水だから長くは持たないが、6時間くらいならばこの形を維持できる。その間に代わりを探しておくといい
[そう告げるうちに水の柱はカチカチと状態を変化させ凍結する。液体操作の能力で、状態を変化させたのだ。]
[キラキラと輝く氷の髪差しをエイミーに渡した。エイミーに連絡先を聞かれれば>>295、ついでのように自身の端末への連絡先を教える*]
[貸してみろと手を差し出したヴェスに荷物を渡す。
そうすれば彼は荷を改め始めたか。座ったまま膝に頬杖をつきながら、それを見て、やがて]
あってもなくても、ここで落とされちゃぁな。
[拾ったのが子供たちで、しかもヴェスがいるときだったのは運が良い。もし男が一人であれば、さっさと開けてしまっていたことだろう。
端末を操作する姿には、男も同様、めんどくさそうだと、眉根を寄せる。]
知らねぇよ。
俺からすりゃ、そっくりもらっちまったほうが、金になる。
[ふいっ、とヴェスから視線を外す。ヴェスが調査隊の情報を蔑ろにしないことは、分かってはいるが。]
[トべば間に合う。その言葉に、再び、ヴェスに顔を向ける。]
お、おい。
俺はトばすなよ…!?
[その行使が男の眼に映るヴェスなのか、それとも男なのかは分からないが、その視線が向いていることに気付けばそう言った。**]
── スラム・飯場 ──
[恐らく、男の端末を操作する苛立ちから来るものとスティーブの思う面倒臭さは似ていても違うだろう。
とはいえ、男の苛立ちは取り巻く物の全てに対して抱いている面もあるが]
…………あー、そうだったそうだった。
スティーブ、今日暇か?
[そっくりそのままと耳にして、男は声をあげる]
少し付き合えよ。
[そして、いい笑顔を浮かべる]
トばすなだって?
は〜〜〜、どうすっかな〜。
断るならトばしてやろうかな。
クソ不味い飯を奢ってくれた礼もまだしてねーし?
[目元に力を入れると、スティーブ周辺の空間が弛み湾曲する。
にィ、と口元を歪ませて笑い、しかし異能の発動をキャンセルした]
急げば間に合うだろうよ。
[親指の腹で目元を払う]
大体、俺はお前に尋ねごとをしようと思ってたのに、トばしちまったら話が出来ねーだろ。
はぁ。
地下組織の話が聞こえて来てないかどうかだ。
スラムの餓鬼共に限らず、ここでは、思わぬものを目に耳にしやすい。
…………数ヶ月単位、年単位の間隔で、誤認扱いにされているがバグ野郎共の目撃情報がドーム内で出ている。
["上"にはあがっているのかどうか。
男は地道に聞き込んできた話を口にする]
だが、ドームの住人がご存知の通り、機械生命体(バグ野郎)は騒ぎを起こさずには絶対にいられない。
・・・・・
いられない筈だ。
だから、ドーム内の目撃情報など、ありえない筈なんだ。
[口元を歪ませて笑う]
[管理の甘いシールド処理が施されていないバグ・シングの紛失といった話も仕入れているが、ここでは口にしなかった]
っつー訳で、スティーブ。
何か聞こえて来てないか。
[荷を手元でくるくると回す。
話が済むか、話ついでか。
ドーム外へと出発し始めた調査隊を追いかけるのは、このすぐ後だろう*]
―― 下層 ――
…………、前金がはずんでいる。
[端末でキャッシュの残高を確認しながら呟く。
素直に喜ぶよりも先に、
おいおいよくある前金の額より一桁多いぞ!? という驚きが先に来てしまっている。
もちろん報酬額は事前に聞いていたが、
こうして実際に振り込まれているのを見てしまうとなんというか、
ため息しか出てこない]
……、いやいやいやいや。
まずは報酬に見合う仕事をすることを考えるんだあたし。
[前金の使い方は重要である。
ノエルの場合武器を新調するのに使ったり、
依頼人や依頼内容について裏を取る際の調査費に使ったりする。
もっとも今回は調査にキャッシュを割く必要はなさそうだが。
というわけで。
指定時刻を迎えるまでの短い時間を有効に使うべく、
下層のある通りへと足を運んでいた。
ボロい屋台や露店のひしめく、ブラックマーケットと呼んで差し支えない場所。
前に【東洋会】の者から買ったサバイバルナイフはまだ十分使えるが、
手榴弾などの消耗品は切らしてしまっている。
それらを買っていく最中、]
……ふむ、ワイヤー射出機構付きグローブ、ねぇ。
[ノエルとしては珍しい武器がある、というだけの軽い気持ちで足を止めたのだが、
これを売っていた商人は相当商魂たくましいやつのようで。
「それに目をつけるとはお目が高い!」などと言いながら、
このグローブの機能についてまくし立てていく。
目を付けたとは一言も言ってないのだが]
…………、ちょ、わかったわかった。
そんなにおすすめって言うなら買うよ、買えばいいんだろう……?
[結局断り切れずにそのグローブを買ってしまうのだった**]
ううん、美味しいものは正義だなって。
[ごめんね、とユウヅキへ両手を合わせた。>>302あがった口端が戻り切らないのは許していただきたい。
さてコップを手にしたユウヅキは、繊細な手つきで水を操った。見ていればそれはみるみる形を変えて、一本の氷の棒ができる。]
すっごい、こんな事も出来たの?
動かすだけじゃないのね。
[棒を受け取り、明かりにかざせばキラキラと反射が美しい。ひんやりしたそれは不思議と握っても溶ける気配はなかった。
早速髪を一つに束ね、棒を刺したり絡めたりしながらまとめあげた。ユウヅキに髪の後ろ側を向けて]
どうかしら?
[と尋ねてみた。]
[教えてもらった連絡先はメモをしてポシェットに入れておく。
ポシェットの中には財布や身の回りのものの他に、端末が一台入っていた。3ヶ月前の事件の折、特殊チームのトレインからもらったエイミーの宝物だ。これには通信機能はなく、内蔵の文献を読むだけのものだ。]
ええ、気を付ける。
あなたもね?
[嵐を呼ぶ男が"波乱が来る"なんていうと、間違いなく来る気がする。まさか自分の運ぶ荷物が波乱の一端を担おうとしているとは思いもせずに、娘は笑った。]
お仕事中ありがとう、楽しかったわ。
[去っていくユウヅキを見送る。
そして、ハーブティと娘の皿は綺麗に空になっていた。]
……アデル、ソノラン、ご馳走様。
私もそろそろいかなくちゃ。
[アデルも一緒に来てくれるとの事で、彼女と席を立つ。]
それじゃあ、またあとで。
[椅子をしまいながらソノランに声をかける。
彼の隠された右眼は一度も見える事はなかった。何色をしているのだろうと想像する。]
(白銀だったりして。
――まさかね。)
[家で待つ人の瞳が思い出される。
同じように髪の奥に隠された、白銀の瞳。]*
―― 中層区域・アデルの家 ――
[カフェを出た後は台車を押しながら、他愛のない話をしてアデルの家までやってきた。コンテナの中身は相変わらずたまにガタピシと動いていたが、台車を押していれば揺れにまぎれてしまう。
すっかり中身の事を忘れたまま玄関の中に運び入れると額の汗をぬぐった。]
ふーぅ。
色々とお世話になったわ。
また落ち着いたら遊びにこさせて。
村の方にも、ぜひ。
[アデルのサインをもらえばもう一つの荷物を届けに移動する。]*
あぁ?おいおい、お前、そんなんどっから、覚えてくんだよ!
[断るならトばしてやろうかな。
その言葉に声をあげる。
空間の弛みは能力行使が始まった証だ。]
まてまてまて、
わかったっから!
[両手を前にだし、そう言えば、やがて、彼の口許はにィ、と歪めば、発動をやめたのか、空間は元にもどった。]
あのなぁ…っ!
[急げば間に合うと目元を拭うヴェスに抗議の声をあげるが]
う…
[トばしたら話が出来ない。そう言うヴェスの言葉に言葉を詰まらせる。]
……バグ野郎、ね。
[情けない顔を見せていた男はそれを聞けば顔を切り替える。]
組織、とかは知らねぇが、バグ野郎に関しては
ここ、スラムでガキどもからの目撃情報は、ない。
[男はそう言う。子供の目は侮れない。凝り固まった頭の大人よりも、ずっと、良く見ている。]
……が、部品。
最近、良く、そいつらに似た部品は拾ってくるな。
[本物かどうかは、分からないが。]
どこで拾ったのか聞けば、
まとまって棄ててあんだとさ。
いくつかに分けて。
[後から組み立てるみたいだよな、と。その場所を、伝えれば、
あとは、と。]
ここ最近、武器を欲しがるやつ、
修理を頼みにくるやつが多いな。
何かの準備でもしてんのかね。
俺は引き受けねぇけど。
[男が武器を扱わないことはヴェスは知っているだろう。]
やんねぇっつってんだけどな。
やたら、しつけぇんだわ。
いやー、そんなに俺が好きかね。
[そんなことを言って笑う。
男の性格、言い方のせいや、
また、すぐ逃げるのもあるだろうが。]
村の設定が変更されました。
追う者 ヴェス が村を出て行きました。
ま、そんなとこかな。
[そう締め括り。
ヴェスが荷物を持ち駆け出すなら、]
ほい、いってらっしゃい。
…気を付けろよ。
[そう言って、彼を見送るだろう*]
7人目、追う者 ヴェス がやってきました。
■名前:ヴェス(ヴェス・スターシンガー)
■所属:フリーランス
■能力:遠隔移動能力
■武器:短刀、銃、スタンガン
■経歴:幼少時、前文明痕跡調査隊に所属していた両親を、バグ・シングによって眼前で殺される。中層に遺された家に住み、現在はバグ・シング関連の事件や依頼を主に追いながら、フリーランスとして活動している。
異能に目覚めたのは、両親が死亡した数ヶ月後。
遠隔移動能力を使う度に、目が痛むのが目下の悩み。
性格は粗暴な面がある。
最近、近くに引っ越して来たドンパチ探偵の破天荒ぶりにブチ切れることもしばしば。
■NG事項:感情の確定
■PLより:よろしくお願いします。フィルタで見れるよう再度貼り直しておきます。
村の設定が変更されました。
[そして話が締め括られた後だったか。
スティーブが見送ろうとしているのに声をあげる]
は?
スティーブ、今の話聞いてたのかよ。
今日暇か?って聞いたろ。
少し付き合え……って、俺に付き合えよって言ったんだけど。
[口をへの字にした。
それから頭を掻いて軽く溜息をつく]
…………情報料。
一応、スラムの正規金額だし。
[小袋を投げるようにスティーブに渡す。
キャッシュではなく、トークンなり換金用にも物々交換にも使える物品が入っているだろう]
―― 薄暗い部屋 ――
[再び薄暗い部屋へ視点を移す。
先ほどまでモニターを眺めていた細長い男は部屋の隅の方で工具を振るっていた。今モニターを眺めるのは小太りの男だ。]
『お、ちゃんとアデルんちついてんじゃんネ。
ヒョロちゃん、ちゃんと仕事してエライエライ。
コンテナが開く、またはウロボン13号から
生体反応が遠ざかったら起動っと。』
[小太りの男がターン!とキーを叩くと細長い男が慌てて振り返る。]
『……マジっすか?
やっべぇ、カフェに攻撃しかけちったっす……
あの配達人動かそうと思って……』
『あぁン?!』
[小太りの男が再びモニターを見れば、小型爆弾搭載のドローンがカフェに向かって飛んで行っているではないか。]
『さっきの、撤回だヨーー!!』
[小太りの男がキーを連打するが、ドローンはもはや止まらない。
薄暗い部屋に2人の男の悲鳴が響いた。]*
まあいい。
俺は行くし。
危ないところに近づくなよ、スティーブ。
お前、何だかんだで近づくからな……。
[念押しの念押し。
釘刺しの釘刺し。
果たしてどこまで効果があったかは不明だが。
結局、スティーブが男に付いて来ないなら、男ひとりで荷を持ち向かっただろう*]
ー スラム街 ー
…にしてもなぁ、あるかも分からん組織の調査ねえ…
ただ詐欺にやられたんじゃないのか?胡散臭すぎるぞ…
…べリティ、べリティ!どこだ!
アル、フレッド、あー名前変わったんだったか?エドガー!
マーカス!アック!メアリー!
[ユウヅキの情報網はいつもこの街から始まる。
正確には、この街の子供たちから始まる。フラフラと大声を上げながら歩く姿は人によってはカモに見えることだろう]
『…おいおい、お前みたいな平和な脳みその坊ちゃんがこんな所になんの用だぁ?あん?』
[すれ違う男が不愉快そうにユウヅキの肩をつかむ。]
……ん?僕を知らんとはあまり外出しない質か?
………ああ、お前は外に出られないだろうな
『……あん?』
あっはは、ばれた?
[正直、あまり外には出たくない。それが本音だが。
そうして、情報料と投げられた、小袋を慌てて受け止め]
……は…?
[条件反射受け取ってしまったが、そんなつもりはなく、]
ジャクソン・エーブリス・中層区域出身
刑期13年、罪状・強盗罪・殺人罪・脱獄も入るか?
『…は、な、なんのはなし、を』
まあいい、じっくり話をつけてやるさ
[………]
[……………]
[数分後、スラム街から悲鳴が響いた。
その更に数分後、男を肩に担いだユウヅキがまた同じように歩き始めた]
[唯一白かったスカーフを赤く染めて*]
ちょ、あのな!
俺は、別に……
[またも、抗議の声。
恐らく、それも流されるだろうか。]
子供じゃねぇんだから…
[今度は立場が逆転。
こっちが、その台詞を言うはめになる。]
あぁ、もう。
分かったよ!行くっつーの!!
あと、これ、いらねぇよ!
[そう言って、小袋は投げ返す。また、投げ返されるかもそれないが。
そうして、男はヴェスと共に、外へと向かうだろう*]
―― ゲート ――
[さて、娘はゲートを訪れていた。
届け先のメモを手にきょろきょろ辺りを見回しているが、中々目的地が見つからない。]
この辺、小さな建物多すぎるのよぅ!
[届け先はとある個人宅なのだが、いかんせん慣れない場所だ。
さっぱりわからず、途方にくれていた。]*
── スラム→ゲート方面 ──
[駆けてゆく中、もしドンパチ探偵の姿が見えても現状は調査隊の方を優先する。
もしも見かけたら、スカーフについた血にあからさまな舌打ちをしただろうが。
あの野郎、また暴走してやがると]
[スティーブが付いて来ているかどうか、途中一度だけ後方を確認したか。
別れることがあっても、後程合流は出来ると判断するので、姿が見えなくとも過剰な心配はすることはない*]
─ ある任務の記憶・4 ─
[戦った機械生命体についての説明を終え、さてこれをどうするか、と話し合いが始まった]
博士とか研究してみたいとか言い出すんじゃないの?
[治療を受けながらそんなことを言って笑う。
「ありそう」だとか「バラバラにされそうだな」などと言って皆が笑い合う中、どこかから唸るような機械音が聞こえて来た]
「……おいソノラン。
動力源を壊した、って言ってなかったか?」
えー?
壊したぞ? 装甲貫いて動き止めたんだし。
「じゃああれは何かな?」
[指摘されて、ソノランは示された方を見遣る。
そこにいたのは、ご丁寧に自己修復して手足を元に戻した、装甲がボコボコの機械生命体だった。
保管していた倉庫から異能力者の位置を探り当てて移動して来たらしい]
……あっれー? なんでー?
「なんでー?じゃねぇよバカ。
仕留めきれて無かったってこったろ」
それ一人で行かせた人に言ってくんない?
[そもそも単独任務が初なのにこんな厄介なのを任される方がおかしい、と。
ソノランは主張するが、その同意を得ている暇は無かった。
強い能力を持つ人数が多いためか、機械生命体は先程以上の出力で床を踏み切り突進してくる。
怪我のせいで逃げ遅れたソノランの前に、大太刀を構えたメンバーが立ちはだかり機械生命体の爪を受け止めた。
勢いが減じた隙をつき、ソノランは転移で機械生命体の後方へと移る。
直後、機械生命体目掛け大火力のパイロキネシスが焔奔った]
「完全には動力断ち切れてなかったみたいね」
「こりゃぶっ壊すしかねーんじゃねぇか?」
じゃあそっちよろしく。
俺様の能力じゃ分が悪いんだよー。
「援護ぐらいしやがれ阿呆」
[怪我人だしー、と離脱しようとしたがしっかりと阻まれた。
仕方無しに機械生命体に対して重力負荷をかけ、その動きを鈍らせる。
動きが止まる隙を突き、大太刀が機械生命体の腕の関節を狙い、刃を走らせた。
しかし金属同士が擦れる音が響いただけ]
ちょっとー、なに手ぇ抜いてんのさー。
「るっせぇ、お前の話だけじゃ感覚が分かんねーんだよ」
[言い合う間に機械生命体の爪が跳ね、大太刀が意図も簡単に跳ね上げられた。
拙い、と表情を変えた男を援護するように、焔弾が機械生命体に叩き込まれる]
ースラム街ー
……おーい、ベリティ
べリティ!!アル、フレッド!
『あ、ドンパチじゃん』『ドンパチ探偵じゃん』
『ドンパッチ!』
…その声はフレッドとメアリーだな
『フレッドじゃなくてエドガー!』
また名前変わったのか…それで聞きたい話ってのは…
『最近見かけない人がよくこの街にくるよー
みんなスラムに昔からいたーって言うけど』
『そういう話が聞きたいんでしょー?そのおじさんはー?』
喧嘩売ってきたからボコボコにしてやっただけだって。それで、話の続きを……
[ヴェスやスティーブが小袋の投げ合いをしているころ、丁度すぐ横の脇道でユウヅキが調査を行っていた。]
[『ちょっとした』寄り道はあったが、ここからユウヅキの事件操作が始まる]*
「ふざけてないで仕事する」
……へーい。
「……おぅ」
[角が出そうな表情で女に怒られ、真面目に取り組むことにした。
男が身体を鋼鉄に変え、ソノランがその重量を軽減することで機械生命体の動きに対処可能な速度を生む。
加えて大太刀に重力加速を施し、男のもう一つの能力である筋力強化で機械生命体の装甲を貫く威力を作り上げた。
女はパイロキネシスと念動力で踊る焔を生み出し、機械生命体の炭化を目論む。
ソノランもまた貫通弾を利用した援護射撃を行い、再生を繰り返しながら能力者の殺戮を全うせんとする機械生命体に相対した]
[どれだけ時間が経ったことか。
襲撃を受けた部屋と隣接の部屋のいくつかは、壁や天井が崩れ、焼け焦げた痕があちこちに残り。
ソノラン達は全力を出し切った様子で息を上げ、満身創痍で瓦礫の中にいた。
彼らの中心には完膚なきまでに破壊された、元機械生命体の残骸]
─── もー、むり
俺様 連戦 なんです けど?
[しっかりとした治療もしないままに始まった総力戦。
他の二人は悪態をつく体力が残っていないようだった。
破壊しきったとはいえ、自己再生した経緯もあるため機械操作を得意とする者に見てもらい、機能が完全に停止していることを確認した上で残骸を一時保管することに。
いずれは対機械生命体の研究にでも使われることだろう**]
── ゲート ──
[ドームの内外を繋ぐゲート付近に何やらうろうろしている少女がいた。
男は完全な無視を決め込みながら、足を向け]
おい!
邪魔だ。
[偶然、目の前を横切った少女を腕で払う*]
したけど、お前から貰えるかってんだよ!何が台無しだ!
だーかーらー、行くんだから、返すっつーの!!
[振りかぶり投げ返された小袋を間髪いれず投げ返す。
そんなやり取りはどちらが勝ったか。
ゲートまで走る間、]
……っ、うっげ!
[途中、ヴェスと男の間を幾人かが走り抜け、ヴェスをあっという間に見失う。
小袋の投げ合いは男の手の中で終了した。]
あーー!!
もーー!
あんの、馬鹿…っ!
[そう声を張り上げれば、走り抜けた男らが振り返る。]
『なんだぁ?馬鹿って俺たちのことかい?』『しばくぞ、あぁ!?』
[ひく、と顔がひきつるが、すぐにまた走り出す。
逆方向へ。]
くっそ、めんどくせぇなぁ!
[逃げれば、またドンパチ探偵の脇を駆け抜けたかもしてない。*]
―― ゲート ――
いったい!
[突然腕が飛んできて、思い切り転んだ。
腕を振った男を睨みつける。]
ちょっと、いきなり何すんのよ!
手出さなくたっていいじゃないのよ。
[念のため小包を取り出し確認する。一応守るように転んだ甲斐あってか、外見上はなにもなさそうだ。]
よかった……?
って、中身に何かあったら弁償してもらうんだからね!
[立ち上がり、ずいと男に近寄ってすごむ。]*
── ゲート ──
[どうやら、スティーブとは途中ではぐれたようだ。
小袋勝負は勝ったものの、付き合わせなければ良かったかとも過ぎる。
何だかんだ逃げ足は早いので大丈夫だろう]
あ?
目の前をうろちょろしてるのが悪いんだろうが。
[若干、朝よりは機嫌は悪くない。
男もまた、荷を持っており、転んだ娘を見下ろす格好だろう。
立ち上がり近寄ろうとも、見下ろすのには変わりなく*]
『あー』『スティーブだー』
……ん?
[子供たちから話を聞いていると、向こうから走ってくるスティーブとそれを追う男達の姿が見える]
[スティーブが自分の脇を通り過ぎたところで]
よっと
『なっうわぁああ?!』
[男達に足を引っ掛けて転ばせてやる。ズザァァア!と二人の男は見事にすっ転んで子供たちに笑われている。
なぜ足を引っ掛けたのか。理由は単純、なんか困ってそうだったからである]**
[確かに、ふらふら歩いていたのは娘なのだ。
ぐぬぬ、と口ごもりかけたが、一度ついた火はなかなかおさまらない。]
見えてるなら避けなさいよね!
あぁ、目が悪かったのかしら?
それならごめんなさいね?
[見下ろされようとおかまいなしに噛みついてかかる。]*
[イラァ。
目の不調はあるが、この娘の言動は、それを見抜いた訳ではない売り言葉といったものだろう。
その為、男がとった行動は単純なもの]
おい、それくらいにしとけよ。
俺はそう、気が長い方じゃない。
[娘の胸ぐらを掴み、睨むだろう*]
[胸ぐらをつかまれて、はじめて気づく。相対する男の目の辺りから何か機械の気配がする、と。]
……その。
ごめんなさい。
……本当に目が悪かったなんて。
[視線をそらし、ずいぶんとしぼんだ声を出す。]
怪我はないかしら?
そちらの荷物は大丈夫?
[男から逃げる様子もなく尋ねる。]*
…………は?
[微かな苛立ちが起こる。
例えその理由を告げられ、目の辺りから気配が、と言われても覚えも無いものだが]
…………、どうでもいいことだろうが。
[突き飛ばすように、胸ぐらを離す。
荷については、転んでもいないので見た目壊れた様子はないだろう。
スラムで拾われるまでの間に何かあったのなら別だが]
偵察 ソノラン は、8人目として参加することにしました。
[ちょうど、ドンパチ探偵の脇を通りすぎたところで、後ろから、悲鳴が聞こえた。
振り向けば、男たちはすっ転んでいた。]
助かった!
あ、ドンパチは程々にな!
[そう言って、手をぶんぶん振る子供たちと、探偵は手を振って、そのまま男は駆け抜けた。
男たちは派手に転んだらしく、
くくっと、思わず笑ってしまったのは申し訳ない。
この道の先にも、ゲートへの道はある。
行き方によっては、むしろ近い*]
─ 中層区域 ─
[ふらりと散歩めいた足取りで歩きながら、継続調査となっているいくつかの案件を思い出す。
その中の一つ、『機械』関連は特殊チームが受ける案件の中でも厄介な部類に入る。
ソノラン自身も相対したことがある、機械生命体。
特殊チームのメンバーであっても、完全に沈黙させるには複数人であたる必要がある危険な存在だ。
極稀にドームへ襲いかかって来るといわれているが、前文明の痕跡が残る場所では時折出現する存在でもある。
勿論、稼動するものもあれば既に朽ちたものもあり、その部品を盗み出す者達もいる]
……うちの保管庫は流石に厳重にしてると思うけど。
[本部ではなく、研究を名目に他へ運ばれたものに関しては分からない。
盗み出されたものがあれば、ブラックマーケットや別の流通で流れている可能性は大いにあった。
ただ、部品を得て組み立てたところでインテリアにしかならないだろうと考えている]
まぁ……仮に動かせたら、多少は戦力になるかな。
[組み立てたことがあるわけではないため、どんな結果になるかは分からないが、そんな推測を立てた*]
[娘が能力を自覚してから3ヶ月。機械の少ない村ではまともに使う機会はなかった。娘自身、能力がどのように反応するか理解しきれていない。故に、間違って感じる事も当然あるだろう。
しかし、男の反応から実際に目が悪いのだと娘は受け取った。]
どうでもよくないでしょ。
私のせいで怪我してたらそれこそ治さないと。
[ぱっと見外傷もなく、荷物も無事のようでふぅ、と安心する。]
……あ、ちょっと!
[立ち去る男の背に声を投げ、頬を膨らませた。]*
── カフェ ──
[遅れてカフェへと姿を見せたユウヅキを視界の隅に捉えれば、立ち上がって声をかける。背も声も大きいせいで注目を浴びやすいのはいつものことだった。]
犯人の男なら警備隊の詰め所に『この人泥棒です』って投げ込んでおいたわよ。
それからどうなったかはアタシ知ーらない。
[犯人が自白しない限りは逮捕は難しいかもしれない。なんと言っても盗まれた人物も何を盗まれたかもわからないのだ。ただ、気絶するほどの恐怖を味わった人間ならば捕まらなくても懲りるだろう。]
まぁアナタが何したか知らないけど、懲りたんじゃない?
他に方法なんてないんだから、報酬なしなんてやーよ。
[ユウヅキが渋るのであればもう1ラウンド争ったかもしれない。]
[後方を振り返る。
睨むような眼差し。
そこから、娘が目の不調の確信を深めるであれ、睨まれたと思うのであれ、関与はしない]
チッ……
[深い溜息]
何か探してるなら、ゲートの詰所で聞けばいい。
暇してる奴らがいる。
[それだけを言い置き、ゲートへと。
男もまた出入口で、ドーム外での活動に使う乗物のレンタル手続きを行うだろう*]
ースラム街→ゲートへの道ー
[そのまま駆け抜けて、壁に突き当たる。そこはガラクタがまず高く積み上がり、さらに、上からワイヤーやら、電線やらが、垂れ下がり、たまにバチバチと火花も散っている。]
ここも、久しぶりだよな…っと
[ガラクタを登り、そして火花収まったのを見計らって、
壁を伝うワイヤーに手をかける。そのままそれをの登り、一部、壁が崩れてい箇所がある。そこを通ると、実ゲートのすぐ近くなのだ。]
…っと、うわ、やっべ…!
[ぶら下がった電線から火花がバチバチと散り始める。
男は掴んでいた手を離して、壁の向こう側へ飛び降りた。]
[男は振り返る。何を感じるよりそれが意外だった。
男を見る表情は驚きを隠さない。そして、少しずつうつむいて、口を尖らせた。]
(知らなかったんだもの。)
[睨まれて、申し訳ないと思いつつも心の中で言い訳をこぼす。
男は深いため息をつき、また意外な事に助言のようなものをくれた。娘は目をまん丸にして顔をあげた。]
あの!ありがとうー!
気を付けて!
[ゲートへ向かう男を見送って、娘は言われた通り詰所へ向かった。]*
ーゲート近くー
[地面へと、着地すれば、辺りを見回す。誰も見ていないだろうと、踏んではいるが、確認せず飛び降りるのも軽率だった。]
…鈍ったなぁ。やっぱ。
[それもそうだろう。護衛をやめてからというものの、すっかり商売人だ。修理技術と逃げ足だけは、向上したが。
ぐるっと、肩を回して、
男は再びゲートへと向かう]
村の設定が変更されました。
ーゲートー
[ゲートへと向かえば、ちょうどヴェスが少女を詰め所へと促すのと、少女がこちらへ向かうのが見えたか。]
……詰所、あっち。
[少女にゲートの横にある詰所を指差せば、どう反応したか*]
村の設定が変更されました。
マダム ローズ は、支配人を解任されました。
マダム ローズ は、9人目として参加することにしました。
―― ゲート 詰所 ――
[さて、詰所に行こうと思ったはいいものの、詰所がどこか娘は知らなかった。それらしき建物を見つけてあるきだせば、えらく人の好さそうな男が話しかけてくる。]
あら。
あはは、反対だったわ。
ありがとう。
[礼を言って、それからだいぶ気まずそうな表情になる。]
えと、さっきの聞こえてた――……のよね。*
―― ゲート 詰所 ――
[多分、恐らく、かなり方向音痴のでは、と思いはするが、
いくつか似たような建物もあるため、間違えても、仕方がないだろう。]
ヴェス…あぁ、お嬢さんが、話してたあいつな。
[もし、まだいるようであれば、指を指して、]
が、詰所に行けって言ったあたりは。
[気まずそうな、表情を浮かべる少女へと、そう言った*]
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