1727 怪談短歌村 〜妖怪たちの百物語〜
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猫又 こま がどこかにいっちゃったみたい。
こまったことのげんいんをつくってるのはだれかな？
がんばってさがそう！
のこってるのは、青行灯 スナノ、かぎしっぽ はてな、けが猫 うねね、しろ猫 玉三郎、芸猫 風鈴、縁結び猫 こよりの6にんだよ。
寝過ごした 見知らぬ駅の静かさや
ふと影よぎる 朽ちしきさらぎ
( 0 ) 2016/08/09(火) 00:19:45
もう呼ばぬ 呼ばないようと言った癖
死後も終わらぬ 深夜のナースコール
( 1 ) 2016/08/09(火) 11:44:20
「見えてるな？」 横断歩道で 言われたが
霊がいすぎて どれかわからぬ
( 2 ) 2016/08/09(火) 12:30:57
>>2
交差点 千切れた手足がごちゃ混ぜで
誰か成仏してみりゃ直る
( 3 ) 2016/08/09(火) 13:30:11
祖父亡くし 送った帰りの 無人駅
ホーム這い寄る 祖父また落とす
( 4 ) 2016/08/09(火) 17:22:58
形見にと 刀を一本 譲り受け
月夜に抜けば 斬りたいと啼く
( 5 ) 2016/08/09(火) 17:50:24
>>1:36
夜食よと 呼べど焦らせど 出てこない
箪笥の隙間 いつ見てもいる
( 6 ) 2016/08/09(火) 18:59:47
>>5
死なぬから 斬っておくれと ねだる声
姿探せば 声のみ再度
( 7 ) 2016/08/09(火) 19:55:27
「おばあちゃん。何がしたい？」と微笑んで
すがる目で見る 「死にたい」のだと
( 8 ) 2016/08/09(火) 20:21:06
床下に あいつを埋める 穴を掘る
叔父が見つかり また埋め戻す
( 9 ) 2016/08/09(火) 21:17:24
びっしりと 衣服の下のフナムシの
追うた先にも また土左衛門
( 10 ) 2016/08/09(火) 21:24:10
日が暮れて ゆうやけこやけ 子ら帰る
かえる子五人 影ひとつきり
( 11 ) 2016/08/09(火) 21:31:11
高速を駆け抜け鍛えたババア道
100m走 2秒31
( 12 ) 2016/08/09(火) 21:49:26
見上げるは 蒼の向こうの 更の青
我を抱くは 水底の怪
( 13 ) 2016/08/09(火) 21:53:01
愛してる
あなたの耳、に 囁いて
空気を抜いて チルドで保存
( 14 ) 2016/08/09(火) 21:55:05
>>1:29
日が落ちて 海霧＜じり＞引き連れて 入港す
錆の匂いの 鉄＜くろがね＞の城
( 15 ) 2016/08/09(火) 22:10:10
>>11
おーいおい 声と影だけ 駆け抜けて
かえる子５人 影も揃いぬ
( 16 ) 2016/08/09(火) 22:13:42
しょうがないなぁ
泣き止むまでは いてあげる
箪笥の上で
ミドリの眼だけ
( 17 ) 2016/08/09(火) 22:25:27
>>13
深く 深く 深く 深い水底の
共寝に積もれ 深海の雪
( 18 ) 2016/08/09(火) 22:52:04
>>13
「帰れるか？」含み笑いで尋ねれば
「帰らぬ」と言う 絡むは水藻
( 19 ) 2016/08/09(火) 23:00:13
恋人を 捨てたお前と 食べた俺
いずれを恨むか 骨投げて問う
( 20 ) 2016/08/09(火) 23:23:13
息切らせ 山の神社に 逃げ込めば
振り返る巫女 鬼女の面して
( 21 ) 2016/08/09(火) 23:54:29
暗がりに 顔なきモノが 立っている
見えないふりして トイレに入る
( 22 ) 2016/08/10(水) 08:19:55
九十九の 話者を集めし 怪談会(かいだんえ)
いつしかひとり 青白く座す
( 23 ) 2016/08/10(水) 08:53:24
押入れの 芳香剤を 買いに行く
屋根でカラスが イツマデと啼く
( 24 ) 2016/08/10(水) 09:24:09
それ良いね 応(いら)へば彼が目を剥いた
そういや彼まだしゃべっていない
( 25 ) 2016/08/10(水) 10:51:15
いないない ばあ と出す顔 下がる顔
澄む青空に 白いかんばぜ
( 26 ) 2016/08/10(水) 12:55:20
かにかくに うみのひねもす いまそかり
でんでらりゅうば おもいこんだら
( 27 ) 2016/08/10(水) 19:07:54
棺開け 覗いてみれば 誰もおらず
「代わりにどうだ」 肩を叩かれ
( 28 ) 2016/08/10(水) 20:07:58
( 29 ) 2016/08/10(水) 21:45:17
蛍飛ぶ 捕らえてみれば 小さき火
よくよく見れば 焼かれる人が
( 30 ) 2016/08/10(水) 21:48:17
振り向けば 確かに閉めた天袋
伸ばした指先 何かに触れた
( 31 ) 2016/08/10(水) 22:03:38
しゃれこうべ 歌えや歌え 夜明けまで
死に行く我の 為に歌えや
( 32 ) 2016/08/10(水) 22:13:41
やれ抜けぬ 腹に通りし筍の
どちらを切るか 腐るを待つか
( 33 ) 2016/08/10(水) 22:41:41
繰り返し 廻る既視感 何度でも
ビルから落ちた 我が屍体見る
( 34 ) 2016/08/10(水) 22:42:19
居ていいと 言いしが後の 祭りなり
始終ポァポァ 家までふっ飛んだ
( 35 ) 2016/08/10(水) 23:30:31
焼野原 ずるずるずる、と すれ違い
生者か死者か 見分けもつかぬ
( 36 ) 2016/08/10(水) 23:35:31
>>1:2
この坂を越えれば我家と ゆらゆらと
追えども着かぬ 光る逃げ水
( 37 ) 2016/08/10(水) 23:35:50
>>24
帰り道 火の車押す 猫がいた
ああこれでもう あいつもいない
( 38 ) 2016/08/10(水) 23:40:56
おいのもり こっちの水は 甘いかと
片目のぬしが 舌を垂らして
( 39 ) 2016/08/10(水) 23:44:30
カミサマに お礼しなきゃと 供え物
紅く滴る 皿いっぱいの
( 40 ) 2016/08/10(水) 23:47:36
もう来てる 見えないけれど そこにいる
猫は知ってる 涼しいところ
( 41 ) 2016/08/10(水) 23:49:09
死人花 胸から溢れて 地に落ちて
狂い咲く先 届けあなたへ
( 42 ) 2016/08/10(水) 23:54:05
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