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遺言メモが残されています。
公安 リュミエール に 1人が投票した
コールガール ソーニャ に 5人が投票した
カルテット メノミリア に 2人が投票した
コールガール ソーニャ は村人の手により処刑された……
次の日の朝、“蒐集家” ヴァレリア が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、公安 リュミエール、神父 クリストファー、研究者の娘 アリシア、カルテット メノミリア、ギーク ジャンクス、“烏” ケビンの6名。
―回想・中心街―
…そうっすよね…ミリア……。
先輩の言うとおり…いつ…狙われたっておかしくないです。
もし…ワクチンのコト…気付かれてしまったなら。
[広場で見掛けた時のミリアは、「ミリア」だったのだろうか。
アリシアの話に、不安が募る。
あの時、ミリアの言動におかしなものは見えなかったけれど。
それに続く言葉、願い。
「残された時間はないかもしれない」。
研究のことが気取られれば、自然、ウイルスの狙いはそこへと向く。それは分かっていた。
分かっていたけれど…それでもアリシアの綴る切なる願いは、悲しすぎた。]
大丈夫っすよ…っ、まだ、先輩も気付かれてるって、決まった、わけ…じゃ……。
……いや、んな悠長なコトも、言ってらんないっすよね。
分かり、ました。先輩のコト、しっかり見ます。
もし、先輩に何か…あれば………。
[思い出すのはクリスとの約束。
彼からも、感染が疑われたら躊躇なく手に掛けてほしい、と頼まれていた。
クリスとの約束に笑って答えられたのは、彼が“バディ”であったから。
「死が二人を分かつまで」。そう組織で教えられていたから。
だから、それを悲しんでしまったら、クリスに悪いと思ったから。]
……そん時は、覚悟決めます。
だから…だから…。
………任せて下さいなっ。
[いや、先輩であっても、そのことは同じ。
先輩だって、組織や、神父様や、自分と同じように、Masqueradeと対峙する人なのだから。
アリシアの願いに笑って答え、通信を終えた。]
[壁にもたれ掛かる力が、重くなる。
ほろ、ろ、と二つの目から落ちるもの。]
……何、言ってんすか、先輩…。
残された時間がないかも、ってさ……。
先輩まで…生き急ぐコト……ないじゃないっすか……!
[胸が、ちくり。]
…だったら俺も、やらなきゃいけねぇ。
もう…明日には…今日には…ダメになってるかも…しれねぇけど。
だったら…生きてるうちに……できるコト、やんなきゃ。
……もともとそうだったんだ。
いつまで生きてられるか、分かんねぇから、さ…。
だから…ずっと走り回ってた……。…ずっと。
[身を起こし、広場へと*歩き出す。*]
―回想・了―
― 回想・ショッピングモール ―
んーっ…… くるし、い…?
………はっ!!!なにっ!!!
[とても調子の狂う音が聞こえて眼を開けた。
隣には名前は知らないけど知っている男がいて、鼻歌を歌っていた。]
……にゃははーっ!!おじさん、音楽の才能ないねっ!
口を開こうとしたとき、通りの向こうから泣き声のような音が聞こえた。]
あえぇっ?
なんだろ、誰か、泣いてるの…?
[泣き声は次第に近づいてくる。
調子の狂う鼻歌は無視してそちらに耳を澄ます。
…姿を現した泣き声の主は、さっきの少年だった。]
あっ、あれええぇぇぇぇ??
お使いはっ?!
なんで、泣いてる…の?
[駆け寄ると、くしゃくしゃになって濡れている包みを持っているのが見えた。
見覚えのある、包み紙の色。]
あーーーーっ!!!
そっ、それっ!それはっ!!!
[少年のしゃくりあげながらの謝罪の声に掛ける言葉を見つけるより、
体が先に動き出した。
届かなかったワクチン。
大切な人が狙われているってわかってたのに。
……勝手な理由で、人任せにした。
自分に腹がたって…情けなかった。]
おねーちゃんはあたしが、守るって決めたんだからっ!!
何があっても!
[ベンチから楽器のケースを取って、*走り出した*]
― 回想終了 ―
― ショッピングモール・ベンチ ―
[メノミリアの隣で鼻歌を歌っていると、ベンチに近づいてくる少年の姿が見える。それを見てメノミリアが突然立ち上がり、楽器ケースを手にして走り出した]
あ、おいっ!そんなに慌てると危ないぜ。
……こけんなよー!
[小さくなっていく背中に大声をかけたが、届きはしないだろう]
元気な奴。あれが若さって奴なんかね。
『おっさんくさいなのです、マスター』
はいはい。
坊主、どした。もう泣くな。何があったかおに……おじさんに話してみな?
[ベンチ前に取り残されたまま、まだ泣いている少年から、お使いの話を聞いた]
そっか。ほんの小さな不注意で命落とすこともあんだからな。これからは気いつけんだぞ。それと
[少年の頭に軽くゲンコを落とす]
こいつは、メノミリアを失望させた罰だ。坊主も男なら、女の子の頼みごとはちゃんと叶えられるようになんねえとな。
おうち帰って、しばらく大人しくしてろや。
[膝を落として少年に目線を合わせ、笑って言うと、少年のお使い先である教会へと足を向ける]
ああ、そうだ。昨日取った神父さんの解析データ、簡易プロテクトかけて送信しといてくれるか?
『らじゃなのです、マスター』
[ミカたんの髪が明滅し、色が変化する。途中、真っ赤に染まって停止]
『解析データに不正が発見されたなのです、マスター』
何?昨日はなんともなかったってのに……
所詮はまだ試薬だから、誤認だってことか、それとも
[教会へ向かう足を*止めた*]
― スラム街 ―
[スラム街を抜けて教会へと続く道。
それを自分が、逃げてきた方向へ。
…………昨日は大丈夫だった。
けれど、今日が大丈夫とは限らない。]
…………!!
[見覚えのある金髪が見えて、ビクッとして立ち止まる。]
[何度もあたしをコロソウとした…。
あたしから音楽を奪って…今度は…。
大切なものばかり奪うなんて……ユルセナイ……。
電話をしているのかこちらに背を向けている金髪を睨む。]
[……コワイ、コワイ、コワイ、コワイ……
全身が震えている。
けど、この先には一番守りたい人がいるはずだから。
……やらなきゃ…大切な人が危ないから。]
[楽器のケースをそっと地面に置いた。
代わりに、道端の廃材から鉄パイプを拾う。
じり、じりっと近づいて……ゆっくり、パイプを振り上げて…。
思い切り頭を目掛けて振り下ろす。
…ぐしゃり…。
伝わる音は、不協和音。
嫌な手応えがさらに全身の震えを加速させた。]
[ゆらりと崩れたその頭を、何度も、何度も殴った。
ずっと前に、パパとママにしたように。]
あへ……へへ……はっ…はははっ!!!!
や、やっつけたんだ、『Masquerade』を…
ちっとも、あたしを月に連れて行ってくれなかった…
待ってたのに、ずっと、待ってたのに!!!!
だから…いけないんだ、よ……
……パパ……ママ……
もう、大丈夫だから、おねーちゃん……
あたし、やっつけたから……
[頭上には、真っ赤な、月。]
[汚れないように離れて置いた楽器ケースを握り締めた。
がたがたと震えの止まらない体を引きずって
落ち着ける場所を探すために*歩き始めた*]
―中心街―
[先日、広場に来てくれたアリシアにスカーフを渡した。
解析の結果は今日出てくるはず。]
……どうなるん、だろうな。
………なんだろう。
なんでこんな、怖えぇんだろう。
………ううん、やらなきゃ。
まだ……俺でいられる……うちに……っ。
[端末の入ったポケットに手を突っこんだまま、ふら、ふらと街中を歩く。
天には、烏がぎゃあ、ぎゃあとわめいている。]
[懸念のせいで、身体が重い。
路地裏へ続く道の壁に、肩をぶつける。]
……しっかりしろっての……っ?
[異臭。それは…覚えのある死臭。
犠牲者が、いる。
動きの悪い足に喝を入れ、死臭のもとを探して走り出す。]
―路地裏―
……はは、は……。
[路地の壁に寄りそうように倒れている女性。
その乱された髪は灰色…違う、青い色。とてもよく知っている青い色。
腕に、足に、所々腐敗が生じている。
綺麗なままのその頬には、“やつら”を示す痣。]
……何やってんすか、姐御。
最近連絡、サボってた、から、って、んなジョークはない、でしょ……。
さすが、に、子分弄りも、いいトコっす、よ。
……姐御…んなトコで寝てたら…。
風邪…引いちまいますよ……。
ほら……ぐてーってしてたら、“なりたて”だって…間違われて……襲われ……て………。
[嗚咽。
言葉は、次第にとりとめがなくなっていって。
かくんと膝をついて、ただうなだれる。]
[ひとしきり泣き止めば、少年は端末を開き、組織に連絡を入れる。
“感染体”だったヴァレリアの死と、その遺体の場所を。
やがて、端末にはアリシアからの連絡が来ることになる。
感染していない、という報告に、驚きながら。
そしてその時には、彼の口から、クリスが“バディ”であること、またダンテも審問官として活動していることを打ち明けるだろう。
彼らのことも、何かあれば頼ってほしい、と。
また、ヴァレリアに何があったかについても、力ない声で話すだろう。
遺体回収の役人たちが来る頃には、少年はもう、その場には*留まっていない。*]
― スラム街 ―
……顔と言葉は偽物、か。残った今の姿が本物のあんたってわけかい、ソーニャ?
[誰も近寄ろうとしない、頭を砕かれ、顔も潰されて道端に転がっている遺体の前。上着を脱いで遺体をくるむと、そっと抱き上げる。そのままスラムの端にある共同墓地へ]
家族の事、故郷の事、何も知らねえままだったからな。ま、ここなら客にゃ事欠かねえだろう。嫌な事は忘れて、いい夢見な。
『夢、見るなのです、ソーニャ?』
[略式の祈りを捧げ、穴を掘ると遺体を*埋葬した*]
─自宅─
[教会での出来事の後、休もうと一度自宅へと戻った。
だいぶ疲れていたのだろう、どうやら服を脱いでそのままベッドに入っていたようで。]
……夢じゃあ、無いわけ…か
[ベッドサイドの眼鏡を見て呟いた。]
─Bar"Blue Moon"─
[たまにBarに来る時に見る顔ぶれは、そこにはいなかった。]
マスター、ホワイト・ルシアンよろしく。
今日は人が少ないねぇ。
―"Blue Moon"―
[ドアを開け、中に入る。見慣れた顔は、なかった。]
こんにちは…いや、こんばんはでしょうか。
…少ないですね、人。
―― 街外れ・自宅の自室 ――
………………。
[ケビンの解析結果に安堵し、すぐに端末から報告した。
『大丈夫、ケビンくんは感染していなかったよ』と。
驚いたような反応。だけど、その中に何か重いものを感じて後輩から告げられることを静かに聞いていた。内容は異端尋問官の構成員である彼のパートナーが誰であるかの告白。ダンテもその活動をしていたということ。そして、ヴァレリアが感染者として死体で発見されたという衝撃の事実]
クリストファーさんがケビンくんの……。
[いつも穏やかな表情を見せていた男性]
………ダンテさん………。
[昨日リュミエールから聞いた彼の死を打ち明けられなかった]
ヴァレリアさんが感染者だったなんて…そんなことが…。
[ケビンが姉御と言って慕っていた青い髪の女性を思い浮かべる。少年の心中は察するに余りあった]
おや、神父さんお久しぶり
[グラスを持っていないほうの手を振る。]
……ここに来る人、少なくなってしまいましたね。
寂しいもんです。
[一口酒を口に含む。]
リーンさん…ヴァレリアさん…。
[感染者であった2人のことを考える。彼女達はお互い接触していただろうか。リーンのMasqueradeがヴァレリアに移っていた可能性はあるだろうかと。だが常に最悪を想定しなければいけないことも知っている。2人のMasqueradeはそれぞれ別々のものであり、今はまた他の2人に乗り移っているだろうと]
とりあえず情報を集めなきゃ。
お話をして、出来れば、解析で他のひとに乗り移る前に感染者を見つけたい。
[鞄をかけると仔犬を従え家を出た]
―― 自宅→街 ――
リュミエールさん。
お隣、よろしいですか?
[先程、連絡を受けて検分をしてきたばかりだった。
足を引きずるようにして歩き、席につく]
マスター、ウィスキーを。ロックで。
…ええ。寂しくなりましたね…
『緊急通信を傍受したなのです、マスター』
またか?ちっと緊急のレベルを落とすかな。伝えてくれ。
『らじゃなのです。感染体の抜け殻が路地裏で発見されたなのです。こちらはすでに回収されたようなのです。性別は女性、濃いブルーの長い髪、年齢の程は……』
[伝えられた特徴から思い起こされる人物は一人。Bar Blue Moonとの関連から、その人であることを疑う余地は少なかった]
そうか。あん時、躊躇しねえで薬品を投薬していれば、あるいは……何とかできたかもしれねえってか。
[悔しそうに唇を噛む]
― スラム街・煙草屋 ―
丁子の匂いのする奴を。ああ、それでいい。
へえ、案外高えんだな。バラか半箱でってのは扱ってねえのか?そう睨むなって。冗談だよ。携帯灰皿ももらうか。
[愛想のない老婆から煙草を買うと、一本手に取り、火をつけて燻らせる]
『健康のため、吸い過ぎには注意しましょうなのです』
誰に向かって言ってんだ、ミカたん。
どうぞ。
いつも飲んでる人達がいない、ですからね。
[神父さんは、どこまでしっているのだろうか。
以前見た十字架。
それが本物なら、大抵のことは知っていそうだが。]
そうですね。
いつもの顔ぶれがいないと、寂しい…ですね。
[それ以上はいわずに、グラスに口をつける。
どことなく、笑顔が硬い]
とにかく、今できることをするしかねえ。
[躊躇うことなく人を殺せる、穢れた手をじっと眺める]
……癒されるとは思っちゃいねえが。少しだけ、な。
[煙草を咥えたまま、回収した電動自転車に乗って向かう先は湖の畔。長寿と言われた宇宙樹の元]
また、飲み交わせるといいんですけどね……
[グラスに残っていた酒を飲み干す]
僕はその時が来たら、ノンアルコールのものにしておこう……
また飲み交わせる日が…来るといいですね。
…もう…"Masquerade"の被害者は…見たくありません、から。
[ウィスキーのグラスを傾けつつ、目を伏せる]
すみません。
折角のお酒なのに、こんな顔して飲んでいてはいけませんよね。
あはは…
[やはり、笑顔が硬い]
―― 街中央部・広場 ――
街に出てくると、いつもここに来ちゃうなぁ……。
[噴水の縁に腰掛け、空を見上げた]
水彩画で描いたみたいな青色、雲ひとつない。
こんなに綺麗なのに……。
[考えだすと弱い自分がひょっこり顔を出す]
この何日かで知ってるひと、三人も居なくなっちゃった……。
(―研究なんて、わたし程度に技術なんて何の役にも立たない―)
[仔犬はひたすら鼻を鳴らして心配そうに主人を見つめている]
―回想・路地裏―
[ダンテの死を聞かされることのないまま、アリシアとの通信は終わり。
しばらくその場に佇んでいたが、やがて遺体を回収しにきたらしい役人たちの足音。]
……姐御。
もう、姐御に…わしゃわしゃして、貰えないんすね。
[わしゃわしゃ。
そう言えば、教会での一件の時。
ヴァレリアは、汚れているからとわめく少年の頭を、撫でてくれた。]
……あん時、もう、姐御は喰われてたんすか?
もし、そうなら。
…………なんで俺は、姐御に触れられたのに、喰われなかったんすか?
[皮膚感染は他の感染経路に比べて可能性は低いと教わってはいたけれど。]
[遺体の側に、刀が見えた。
ヴァレリアの刀なのだろうか。]
……姐御。
俺の傍に……姐御を……置かせて下さい。
[黒い手袋をはめた手で、刀を慎重に拾い上げる。
そして役人たちがそこに来る前に、ひらり、飛ぶように現場を後にした。]
―回想・了―
Masquerade……それそのものに感染してしまう人よりも、疑惑での被害者のほうが多い気さえしてきますね。
マスター、バレンシア。
[さらに酒を頼む。]
いいんですよ、酒って言うのはこういうときに、気分を紛らわせるためのものなんだし……
無理して、笑わなくともいい。そう思いますよ、神父さん。
― 宇宙樹 ―
[樹にもたれかかるようにして、火の点いた煙草を咥えたまま空を見上げる]
よお。あんた、いつからこの街を見てるんだ?Masqueradeって奴は、あんたよりも長生きしてるんか?
そういやMasqueradeって、植物にも寄生することあんのかね。まだまだわかんねえこと多いよな。まるで女性心理みてえだ
[ふーっと白い煙を噴き出すと、煙は空へと立ち昇り、四散する]
『傍から見ると危ない人なのです、マスター』
[ミカたんの言葉に反応も見せず、ただ自分の記憶を確かめる]
『解析結果、出たなのです、マスター』
そか。で?
『データに改竄の跡が見られたなのです。ノイズが巧妙に仕掛けられてたなのです。一介の聖職者に作り得るレベルではないなのです。シンプサンはMasqueradeに感染している可能性が極めて高いとミカたんは結論づけるなのです、マスター』
確証じゃねえが、限りなく高えか。……結局、俺らがやってることって、あいつと同じなのかな。
[最近自らの手で撃ち殺した、銀髪の男の言い分を思い出す]
そうですね。
ありがとう…ございます…
[テーブルに何か落ちる音がする。下を見れば、僅かに濡れた跡]
マスター、ウィスキーを。ロックで。
[目元の滴を拭い、マスターに向かって注文をした]
― 街の外れ ―
[震えている体を引きずって………。
それから自分がどうしたのかは覚えていなかった。
だけど浴びた筈の返り血も、汚れた筈の服も
綺麗になくなっていた。]
そっか…あたし、きっと、うちに、帰って…それでっ!
……お風呂入って、着替えて…。
[覚えていない。
けれど着ている服は自宅に置いてあった物。
……覚えているのは……
……おぞましい不協和音だけ。]
汚れなくてよかった……。
[歩いている足を止めて、楽器のケースを抱えた]
ところで……
唐突にお聞きしますが……、あ、なんとなく気になっただけですからね。
以前、お話をお聞きした時に見えた十字架。
あれってもしかして……?
[気になっていたことをとりあえず聞いてみることにしたようだ。]
―現在―
[ヴァレリアが感染していた。
そして自分には感染していない。
だとすれば、ヴァレリアの“仇”はまだ野放しになっている。]
…姐御から、乗り移ったトコ、か。
[思い出す、ヴァレリアとの通信。
確かあの時、彼女はミリアがアリシアの連絡先を聞きたがっていると言っていて、それで、ミリアと代わることができて。
そういえば、昨日か一昨日、アリシアに依頼品を渡しに広場に行った時も、ヴァレリアとミリアは共にいたような。
…そういえばあの時、ジャンも、いただろうか?]
……頭痛てぇ。
[とりあえずは、ヴァレリアと接点の多い場所…Blue Moonへと行ってみることにする。]
―→Bar"Blue Moon"―
―Bar"Blue Moon"―
[カラン、とドアベルの涼やかな音色。]
……神父様に、リュミ兄ちゃん?
[取り込み中かな、と思いつつ、彼らのもとへ。]
ヴァレリアが感染体だったとしたら、誰に寄生したんだろうな。皮膚感染するって……っ?皮膚感染するって言ってたのは、当の本体のヴァレリアじゃねえか。偽の情報かもしれねえってことか。
……リーンさんにせよ、ヴァレリアにせよ、とてもMasqueradeに侵されてるようにゃ見えなかったんだがな。
[煙を吐き出しながら、考える]
『どうするなのです、マスター?』
今までと変わんねえな。悩んだってしゃあねえ。その場で俺にできることをするまでさ。さ、帰るぞ。
[ぎゅっと煙草を揉み消すと携帯灰皿に放り込み、電動自転車に飛び乗って街へと戻っていく]
そういう組織があるっていうのと、その十字架……
それぐらいしか知らないんですけどね。
公安だから、多少の知識としてぐらいですけど。
[ケビンが来たのを見れば]
やあ、お久しぶり、ケビン
[ひらりと手を振った。]
おや、ケビン君じゃないですか。
[赤い石の十字架を仕舞い込み、ケビンの目をじっとみつめた]
心配していたんですよ?
携帯端末に連絡を入れても、出ませんでしたし…
…神父様っ。
い、いくらリュミ兄ちゃんが役人さまだからって、んな簡単に見せていいモンじゃ……っ。
[焦りながら、神父の腕を引いて抗議しようとしたが。
はっ、と思いだし、手を引っ込める。
クリスはリーンに触れた、と言っていた。]
……あ、ああ、リュミ兄ちゃん。
[おずおずとしながら手を振り返す。]
……そ、の。
[そう言えば、ヴァレリアの件について、“バディ”に報告していなかったか。
その場のふたりに、重い口取りで、彼女の死について語る。]
― 街中央部・広場付近 ―
……充電足りなかったな。
『ご利用は計画的になのです、マスター』
[電池の切れた電動自転車を押しながら、近くの充電スタンド目指して歩く。人通りの少ない街中央部。広場にある噴水付近を通りかかる]
…おねーちゃんに、謝らなくちゃ。
昨日渡せなかったこと…。
でも、ちゃんとあたし、
おねーちゃんのこと、守ったんだよ…。
ほめて、くれるかな…
[止まっていた足をまた、動かした。
しばらく進めば噴水のあるあの広場。
そこから繁華街の方向へ探して歩くつもりだった。]
[十字架を仕舞い込むさまを見て、一息吐く。
と、クリスに見詰められれば、やんわりと笑みを返すが]
……申し訳、ありません。
連絡、怠って、しまって。
………姐御のコトで、気が動転しちまって。
[申し訳ない、という少年の口ぶりから、リュミにも彼が何か別の側面を持っていると感づくことができるかもしれない。]
…す、すみません。
[リュミエールに向かって、申し訳なさそうに頭をさげる]
これ以上はお話出来ないんですよ。
謝らなくても、いいですよ。
気が動転して当然ですから。
[どこか、ケビンを気遣うかのような笑みを見せた]
[不意に声をかけられると、声のした方を振り向く]
よお、リアン……と、アリシアさん。元気だったか?
何してんだ?こんな所で。散歩か?
[質問癖はいつもの通り。リアンが足元に来るなら、抱えあげようと手を伸ばすだろう]
― 広場 ―
[噴水に向かって伸びる道を歩くと
思いがけずに探していた姿が見えた。]
……おねーちゃん!!!
おねーちゃーーん!!!
[アリシアの方へ駆け出した。
……その場にいたもう1人には気付かずに。]
………え?
ダンテ兄さま………おっさんが?
ど、どういうコトなん、すか……!おっさん…も……感染、して?
[信じられなくて、リュミに詰め寄る。]
散歩…そんなところ…と言いたいですけど違います。
[苦笑しつつも、一定の距離を保つ]
メ…メノちゃん?!
ちょ、ちょっと待って!!ストップっ!!!
[かけ出すメノミリアに驚き急いで近づきすぎないように注意する]
いや……ダンテの感染は分からない……けど、銃殺されていたらしくて……
信じられなかったけど、現場にアイツの眼鏡が……。
少なくとも役所からの処分命令は出てなかったんだ、ダンテには。
[詰め寄られればそう答えた。]
……ケビン、ヴァレリアが感染していたってのは確かなことなのかい?
……神父様、は。
ご存じ、だったんすか?おっさんのコト……。
[神父の気遣うような笑みに気付いて、ぱっと顔をリュミからクリスに向け、ありがとうと頭を下げるが、顔はまだ引きつっている。]
[一定の距離を保とうとするアリシアの様子には気づかず、近くへ進みながら]
……違うのか。じゃ、誰かと待ち合わせかな?
[アリシアの叫ぶような呼びかけの先を見ると、メノミリアの姿。視線が合えば軽く手を上げて挨拶するだろう]
ほえぇぇ?!
[急にストップをかけられて、
ばたばたしながら立ち止まる。]
お、おねーちゃん?
……どうしたの?
[安心して流れ出そうな涙も…
止まってしまった。]
あっ、あのね、あたし、昨日…
[ならば隣に座るのはいいかと近づいた。]
感染が、分からないまま、銃殺…?
メイレイも…なし、に?
[前に渡した、アリシアへの依頼品。ダンテを調べるためのもの。
…きちんと調べられてさえいれば、あるいは。]
……なんでだよ?
誰がおっさん殺したんだよ!?
………兄さま…を……。
……あ、ああ、はい。
姐御が………感染してたコト…確かっす。
…腐敗…と……頬に……痣……が…。
[うなだれたまま、伝える。]
…役所からの処分命令は、出ていなかったのですか…
[結社からも、処分命令は出されていなかったことを思い出す。]
ええ、知っていました。
どうしても言い出し辛くて…すみません。
[ケビンに向かって頭をさげる]
射殺した犯人は、未だ判明していない…のでしょうか。
ダンテさん、一体誰に…?
…神よ…なぜこのような仕打ちをなさるのですか…?
[沈痛な面持ちのまま、胸元で十字を切った]
…………。
[気付かず近くに来るジャンクスに静かに話す]
ジャンクスさん、今はあまり、傍には来ないで下さい。触れ合う距離は危険です。
[傷ついたようなメノミリアに悲しげな視線を向けつつ]
ごめんね…メノちゃん。
隣…ちょっと距離を取ることになるけど、ここでいい?
[間違っても接触してしまわない位置を手で示す]
[リアンは足元で瞳を潤ませてメノミリアとジャンクスを交互に見ている]
[アリシアの傍にいるも一人にようやく気付いた]
あっ!!
ミカたん!!
[昨日もらったセンコウダンのおかげで
殺されずにすんだことを思い出した。]
あのねっ、昨日…センコウダン、だっけ?
もらったやつ。
あれのおかげであたし、助かった…
ありがとっ!!
[手をヒラヒラとさせて、挨拶しながら。]
[様子のおかしなアリシアに首を傾げ、リアンの顔を見やる]
お前のご主人様、どうかしたのか?
ああ、俺がMasqueradeかもしれねえって警戒してんのか。そりゃ尤もな懸念だ。
『婦女暴行魔の疑惑もサービスでつけるなのです、マスター』
……いらねえよ。
しっかし、ずいぶんと寂しくなったもんだな、この街も。
[周囲を見回した後、アリシアから一定の距離を取って座る]
ジャンクスさんもメノちゃんも嫌な気持ちにさせてごめんなさい。
理由をお話します。
リーンさんとヴァレリアさんが感染者として遺体で見つかったということご存じですか?
誰が殺したか……それはまったく……。
少なくとも手慣れた奴だろうとしか。
[ヴァレリアのことを聞き、彼女の刀を見ると]
……。
感染して……たのか。昨日の時点で。
情報を聞き出そうとしてたのはそれで……?
[呟くように言った。]
…しん、ぷ、さま。
[結社からも処分命令は出ていないと聞き、憤り。
一瞬それが顔に出るも、すぐに振り払う。]
……神父様。俺、新入りだから。
だから、お伝えしなかったん、ですね。
…俺だって、しんも………っ。
[この場にはリュミがいる。口を閉ざした。]
…触れ合うのは、危険……?
えっと………
[なぜかと気付くのにはそう時間はかからなかった。]
おねーちゃん…
うん、わかった!!
『Masquerade』のこと、だよね?
[少し距離を置いてアリシアの隣に座る。]
おねーちゃんがあたしと距離を置くようになるほど、
広がってるの?
あたし、何にも知らない……。
[楽器のケースを抱えて、俯いた]
[メノミリアに名前を呼ばれると、立体映像は嬉しそうに両手を上げ、頭上でジャンプを繰り返す]
そっか……ってことは、また危険な目に合ってたんだな。
気をつけろ……って言って聞くような奴じゃねえか。そんな所はケビンの奴によく似てるぜ。
[目を狐のように細くして、くすりと笑った。アリシアの言葉が耳に入ると、そちらを振り向いて真剣な面持ち]
……ああ、聞いた。どっちも風の噂でな。
[姐御を殺した“やつら”も。兄さまを殺した“誰か”も。
赦せない。…必ずこの手で。
ぶんぶん首を振る。]
手慣れたやつ、っすか…。銃の扱いに。
……だけど、それだけじゃ……。
……情報を、聞き出そうと?
[リュミの言葉の意味が分からず、問う。]
そう…ですか。有力な手がかりはないのですね…
[肩を落とし、落胆した様子]
そうではありませんよ、ケビン君。
ここのところ、あなたは少し不安定で。見ていて心配だったのです。
先日…言いませんでしたか?
もう少し、自分の事を大事にしてください、と。
[悲しげな笑みを湛えながら、柔らかい声色で告げた]
[リーンとヴァレリアが感染者だった…?
リーンはきっとそうなんだと思っていたけど。
ヴァレリアは…疑っていなかった。]
お、おばさんも、そうだったのっ!!!
[驚いておねえさんと言い直すことは忘れていた。]
え、だって…
この前お話したよ?
ミカたんと一緒に…
[ミカたんを連れている男を見た。]
そうだよね?
おじ……おにいさん??
リーンさんは昨日、ヴァレリアさんは今日発見されたそうです。
確かジャンクスさんは、わたしが『Masquerade』に襲われそうになったことメノちゃんから聞いてましたよね?
メノちゃんも聞いてくれる?
[自分を守ろうと必死になってくれてるだろう少女に寂しく微笑みかける]
うん……それだけだから犯人は分からない。
昨日……ヴァレリアから連絡があってね。ダンテと繋がらないとかでカフェで奢るから情報よこせって。
接触はしていないから……大丈夫、かな。
[やけにヴァレリアが接触しないようにと気を付けていたことを思い出していた。]
…あ、す、すいません…。
そ、そんな、心配だったって……。
[「不安定」。確かにそうだった。
自分のことが、信じられなくなってて。]
……あ、ああ、約束、してたっすね…。
もっと自分、大事にするって…。
…はは、は。ダメっすね、俺……。
もっと…しっかりしなきゃ…いけねぇってのに…。
……親父の……母さんの……姐御のためにだって。
先輩のためにも……兄さまも……ミリアも…。
[涙ぐみながら、刀をぎゅう、と抱きしめる。]
[メノミリアに見られれば小さく頷き]
ああ、ヴァレリアと話したな。
……だからって、そいつがMasqueradeじゃねえとは限んねえさ。なりすましってのは、そんなもんだ。
[アリシアの言葉にも、こくりと頷く]
聞いた。誰に襲われたかまでは知らねえが。
[ミカたんと一緒に両手を挙げてみた。
ケビンと似ていると言われて。]
ぶー、センパイとですかぁー!
うーーっ
なんか複雑ーーーっ!!
あたしもっと判りいいもんっ!
[ケビンの笑う顔を思い浮かべた。
ぷう、と頬を膨らました。]
メノちゃん?この前お話したって、あの、わたしが危険だって探してくれた時のことかな?
[そういえば、あの時ヴァレリアが居たような気がしないでもない。多くのことがありすぎて混乱していたが]
嘘は付きたくないから、正直に思っていることを言うと、わたしはリーンさんになりすましたMasqueradeがわたしを襲おうとしたのではないかと考えています。
銃の扱いに手馴れた方…ですか。
その中から探すとなると、雲を掴むような話になりそうですね…
[グラスを傾けながら苦笑い]
ヴァレリアさんが…そんなことを。
[続くリュミエールの言葉に耳を傾けて]
接触はしていなかった、ですか。…感染を恐れているように見せかけていた、のでしょうか?
その上で、情報を引き出そうと…
[リュミから語られる、先日のヴァレリアの動向。]
……つまり、姐御…いや、“やつら”は、役所の情報でも欲しがってたんでしょうか。
…役所でも乗っ取って、対応遅らせるとか?
[きょとん。]
……ああ、そういや、姐御…。
昨日か…一昨日だっけ、端末で連絡あったんすけど。
そん時、姐御んトコにミリアもいたみたいっす。
[ワクチンのことは、話すのがなぜか躊躇われた。
広場での件は、記憶があいまいなので話さず仕舞。]
[頬を膨らますメノミリアをにやにやと眺め]
そっか?じゃ、まあそういうことにしといてやろう。
……ケビンの奴も、同じこと言いそうな気もするがな。
[重くなりそうな雰囲気を少しでも和らげようと軽く笑い声を上げた後、アリシアの言葉を待った]
リーンさんが、アリシアさんをか……また、どうして?
[思い当たる節はあるが、今はアリシアの口から聞きたかった]
ヴァレリアがやけに接触しないように気を付けていた。それはちょっとだけ気になってたんだけど……
ヴァレリアが僕から得られた情報は大したことは無いはず。ここ数日の死亡記録のデータベースぐらいしか……。
[昨日の状況を思い出そうと必死に考えている。]
あなたがいなくなったら、悲しむ人が大勢います。
ケビン君の命は、ケビン君のものだけでは…ないのですから。
[怪我をしていた、ケビンの腕を見つめて]
腕の傷だって、まだ治ってはいないのですよね?
自分自身の健康管理も、仕事のひとつ、です。
…いいですね?
[こっそりと、ケビンに耳打ち]
[アリシアの様子がいつもよりも
余所余所しいのが気になりながら、
こくりとうなずいた]
うん、そのとき…
おじさんと、おば…ヴァレリアさんがいた…。
えっっ、それじゃぁ、あの時は……
[リーンになりすましていた『Masquerade』は
すでにどこかに行ってしまっていたということ。
それに気がついた。]
それって、リーンになりすましていたのが
おばさんなりすましてたとか………
それでっ、それで…今はまた違う人になりすまして…
それともリーンのほかになりすされていた人がいたとか…
[考えが混乱してきた。]
教会に行く前、わたしが接触したのはリーンさんとメノちゃんだけだったから…ですよ、ジャンクスさん。
察しているのじゃないですか?
[困ったように笑う]
そしてメノちゃんのワクチンの有効性が実際にわたしが感染しなかったことにより証明されました。
[ケビンとリュミエールの話を聞きながら、情報の整理をしている。
しかし、どうにも手間取っている様子]
役所の情報を引き出そうとして…?
役所を乗っ取るとはいっても、現状で既に役所の人材は壊滅状態に近い…ような気はしますが。
…すみません、他意はないんです。
[不穏な話題を口にしたことに気付き、リュミエールに向かって頭をさげた]
他には…ヴァレリアさんと、メノミリアさんが一緒に…ですか?
どうして、でしょうね。
[意外な組み合わせであったため、目を丸くした]
[リーンになりすました『Masquerade』が、
アリシアを襲った、というのはわかる。
アリシアに危険だと話したとき、
そうかもしれないと思っていたから。]
だって、一緒に…いた……もん。
教会に行く前に、一緒に…
……やけに接触しないように?
………もしかして、姐御…感染してたのに、気付いてた?
[頭の中がぐるぐる。
記憶を探ろうとしているリュミを眺めようとしたところで、気遣うようなクリスの声。]
……俺の命は、俺だけのものじゃ、ない。
………そうなの、かな。
[どこか寂しげに、呟く。
と、腕の傷のことを言われてしまい]
……な、治ってますよ!ほ、ほら!
[右腕をがばっと上げる。…そして悲鳴。
耳打ちに、ただ黙って頷く。]
[一生懸命に考えるメノミリアを愛おしく思いながら]
うん。
それも考えられる。リーンさんのMasqueradeがヴァレリアさんに乗り移った可能性。
メノちゃん、リーンさんとヴァレリアさんが接触してたような記憶とかってあるかな?
もうひとつは元々、リーンさんのMasqueradeとヴァレリアさんのMasqueradeは別々であるという可能性。
[ミカたんとひそひそ声で話す]
一体のMasqueradeがリーンさんからヴァレリアへ、そしてまた誰かに寄生……?
『それはないなのです。シンプサンとヴァレリアは別個のMasqueradeなのです、マスター』
……ああ、昨日の時点で検査した神父さんがMasqueradeなら、そういうことになるな。
ミリアって、あの楽器持ってる……?
[クリストファーの言葉には]
うん、役所はほぼ壊滅状態だから、うちの情報手に入れても大したことは……いや、それで疑われていそうな所がわかれば、Masqueradeはそこを避けようとする……か?
[リーンとヴァレリアが一緒にいたところ…。]
ううん、あたしは見てないよ。
リーンが誰かと一緒にいたところなんて…。
あたしと、おねーちゃんといた時しか…。
おばさんは、いろんな人と一緒にいたのを見たよ?
ご飯食べに行ったときに、いろんな人がいたもん。
それと…このまえ、ミカたんと。
あとは…。
[思い出そうと宙を見た。]
[アリシアに図星を突かれると苦笑して]
いや、そんなに勘は良くねえ方だからな。まあ、そこまでは予想の範疇だが。
……それで、そのMasqueradeはその後、どうなったと思う?
[顎に親指をあてて、顎のラインをなぞるように動かしながら、頭の中で考えをまとめている]
…わかりません。
[ケビンの言葉を聞きながら、首を振る]
ヴァレリアさんは、何を思い、何をなそうとしていたのでしょうね。
今となっては…知る由もありませんが。
ええ。そうですよ。
あなたと、あなたのことを大事に思う人のための命、です。
[そう言いながら微笑んでいたが、直後に響いたケビンの悲鳴を聞いて苦笑い]
ほらほら、まだ本調子ではないんですから。
暴れては駄目です。
[ジャンクスとミカたんのひそひそ話を耳にとめ、聞き返す]
クリストファーさんがMasquerade?
どういうことなのですか??
これによりリーンさんのMasqueradeがメノちゃんのワクチンの有効性に気づいたと考えるのが妥当です。
考えてみてください。例えばジャンクスさんがMasqueradeだったら、次に誰を襲おうとしますか?
[痛みと自分の不甲斐無さに顔を顰めながら。
左腕できゅうと刀を抱いたまま、神父に]
…そういや、なんでだろ。
ミリアと姐御、なんであのふたり…。
……ああ、そうっす、リュミ兄ちゃん。
メノミリア。俺の後輩ちゃ…後輩でストリート奏者。
[やはり頭にあるのはワクチンのこと。
どうしようか、と頭を押さえる。]
リーンから、どこかに行こうとして、
おねーちゃんを襲った………
けど、それはあたしが阻止して…
その次の日はおねーちゃんを襲ってはこなかった…
だからどっか別に…。
[教会でのことを思い出す。
怪我をしていたのはケビン。
その手当てをリーンはしていた。
そこには他に誰がいたのか。]
まさか…センパイ?
[アリシアとミカたんを連れた男との会話も耳に入れながら、
記憶を手繰る。]
ヴァレリアのよく行きそうな所っていったら、Bar "Blue Moon"かね。いつもあそこで酒を飲んでたみてえだから。あそこのマスターなら、ヴァレリアの足取りも知ってんのかな。
[小声をアリシアに聞き返されると、驚きながら]
……あ、ああ、ただの仮説だ。今は気にすんな。それよりリーンさんの足取りだな。そうだな……まずはそのワクチンを処方もしくは所持してる奴を襲って、その記憶を喰らい、なりすます。その後でワクチンを分析して、それに対抗できる新種のアンチワクチンを開発するって所か。
[知る由もない、と首を振るクリスに、もどかしい思いのまま頷く。
自分のことを大事に思う人の、と言われれば、思い浮かぶ数々の名前。]
…そう、っすね。
そのためにも、生きなくちゃ、いけないんすよね。
……って、暴れてなんてませんっ。
[頬をぷーっと膨らませる。]
……だよねぇ。あの、メノミリアだよね。
なんでヴァレリアと……?その二人が一緒、っていうのは奇妙というかなんというか……。
二人につながりはなさそうなんだけど……
不思議、ですよね。やっぱり。
[しばらく思案した後に]
なんでしたら、メノミリアさんに直接お聞きするという方法もあるのかもしれませんが。
…私よりは、ケビン君の方が聞き出しやすいかもしれません。
どうでしょう、頼めますか…?
[じっと、ケビンの瞳を見つめる]
ヴァレリアさんが生きていれば、私の方から聞き出すことが出来たかもしれないのですけど…
すみません。
[申し訳なさそうに頭をさげた]
メノちゃん、ヴァレリアさんがいろんな人と一緒に居たところ見てるんだよね?
頑張って思い出してみてくれないかな?
誰が一番、ヴァレリアさんの近くに居たような気がするか。
ケビンくん…そうだね。わたしも疑ったよ。
[とりあえず今は解析結果については伏せる]
…そう言えば。
[思い切って口に出す。
ヴァレリアがミリアに近づいた理由…今はこれしか思い浮かばないから。]
あいつ…ミリアのやつ。
どうも、“やつら”に効く有効なワクチンを持ってるらしいんです。
…本人は効かないって、せん………聞いたんすけど。
[アリシアをそれで救ったらしい、という先輩の話は、伏せた。]
……もしかしたら、それが“やつら”にバレて。
それで…姐御を…手に掛けたやつら、が。
右腕をがばっと上げて、直後に悲鳴を上げたのは誰ですか…?
[頬を膨らませるケビンを見ながら、微笑む]
かわいいですねえ。
[ケビンに聞こえないよう、小声でつぶやいた]
[自分を守ることができないワクチン。
それを持っていることを知られたら…
ぞっとした。
でも、自分は自分だとわかっているのは
やっぱり自分だけなのだ。]
[違う、あたしは、あたし…だっ!
また、みんなあたしを殺そうとするのか…。
考えを振り払うようにぶんぶんと頭を振った。]
え?おばさんと一緒にいた人…?
ええと、スットコのおじさんと…
それから…
[また、宙を睨んだ。]
[ジャンクスの返答にこくりと頷き]
流石ジャンクスさんですね。
わたしも同じことを考えたんです。
ワクチンを分析して開発とかまでは及びませんでしたが。
だから。
[苦しい、そんなことは言いたくない。けど理解を求めるにはどうしてそう思うのかを伝えなければならない]
メノちゃんが…狙われたのではないかと思っているの。そしてもしかしたら、感染している可能性もあるのじゃないかと。
[離れて座る愛しい『妹』を悲しげに見つめた]
[考えを口にした後、メノミリアの顔をちらりと見て、首を大きく横に振る]
……だが、ねえよな。メノミリアがMasqueradeってのは。
ちっこい運び屋さんの言う事が正しけりゃ、メノミリアはアリシアさんに運び屋を使いに出して、ワクチンを届けようとしたらしい。結局、運び屋さんの任務は失敗に終わっちまったようだが……Masqueradeならそんなことをする必要はねえだろ。
[じっと目を見詰めるクリスに頷き]
…はい、そうして…みます。
昨日、なんで姐御んトコにいたか…なんとか、聞き出して。
[もしかしたら、手遅れかもしれない。そう思いつつも。
あの時のミリアには、変なところはなかったはず。]
わたしは…メノちゃんを殺したいわけじゃないよ…。
分かって欲しい。
ただ、殺そうとしているならこんなこといちいち話さない。メノちゃんからも話を聞いて、違う可能性も模索したいの。
メノミリアさんがワクチンを、ですか…?
[あまりにも意外な言葉を聞き、数秒間沈黙した。
気を取り直して、まじめな顔になり]
だとしたら…狙われる可能性は、高い…ですね。
考えたくは、ありませんが。
[小さくつぶやきながら、目を伏せる]
なら……状況的に、メノミリアが少し怪しくはないかい……?
その、ワクチン。
そんなものを持っている人物は、確実に狙われそうだよ。意識を持つMasqueradeに。
[おそらく、他の二人も同意見だろう。]
あたし…疑われて、るの?
また?
あたし、なんのために、守って…
今日だって、あたし…
『Masquerade』やっつけたんだよ?
教会に行くと、この間のこと思い出して
怖くて…だから、届けてもらおうって思ったけど…
届けられなくて。
だから、教会に行って、おねーちゃんのこと…
守るために行ったら…
『Masquerade』が、いたんだ…
それで、あたし…夢中で…
なのに、やっぱり、疑われるのはあたし?
[視線は宙をさまよったまま。]
ジャンクスさん…それはまだMasqueradeに完全に意識を支配されてない部分での、メノちゃん自身の意識かもしれない。
もうひとつは、Masqueradeに感染した状態での血液ではワクチンの有効性が消えてしまっていて、だから、その行動にはMasqueradeとして干渉する必要が無かったということ。
ええ。お願いしますね、ケビン君。
これは、あなたにしか出来ないことですから。
[微笑みながらケビンの頭に手を伸ばそうとして。
慌てて手を引っ込めた]
…ごめんなさい。
ついつい、癖になってしまっているみたいですね。
また、ケビン君の頭をなでてあげられたらいいのですが。
[寂しげな微笑を浮かべながら、懐の十字架に触れる]
メノちゃん……。
[抱きしめてあげたい。だけど今はそれが出来ない]
―――?
『Masquerade』をやっつけたってどういうことなの?
メノちゃん、お話してくれる?
だいたいワクチンを持ってるなら、そいつは自分にワクチンを打ってるだろうし、Masqueradeだって襲うだけ無駄だってわかんだろ。
なあ、アリシアさん?自分を守ろうとした奴を、信じてやれねえでどうすんだ。誰かを疑ってばっかりだと疲れちまうぜ。
最後に待ってんのは、誰もが誰もを疑って、素顔を見せなくなる世界
―Masquerade―
[ワクチンのことを告げると、ふたりとも、狙われかねないという意見を告げる。]
……やっぱ、そう思いますか?
[元気ではちゃめちゃで、明るいミリアのことを思い出す。
彼女が喰われてしまっているなんて、考えたくもなかった。]
……ですよね。狙われてておかしくない、っすよね。
………報告、してみます、か?
役所と………に。
[もうクリスの正体はバレてしまっているのだが、結社のことは黙った。]
[メノミリアの言葉に、言葉を止める]
何だって――
Masqueradeを、やっつけた?
……そんな話、公安の連絡でも聞いてねえぞ。どこで?
……気にしないでくださいな。
[手を引っ込めた神父を、寂しげに見詰める。
自分がクリスを危険に晒すわけではないと思っていても。]
[アリシアの声が、どこか遠くで聞こえる気がした。]
あたし、見たんだよ…っ
教会の近くで、あの、金髪の人…
何度も何度もあたしをコロソウとした…
あの人がいて…
あたし、おねーちゃんを襲いに来たんだって思って…
それで、それで…
[頭の中に鳴り響くのは不協和音。]
いや、役所はやめておいたほうがいいかもしれない。
どこで情報が漏れるかはわからないし……
もうしわけないことに、あそこは駄々漏れだからね、いろいろと。
だから、そちらだけに。
[クリストファーへと視線を送った。]
ジャンクスさんらしくないですね。
それは思考放棄って言うんですよ?
ただ信じるというのは、本当に信じていることにはならない。わたしは、そのひとを信じたいからこそ、疑っていることもお話するんです。ワクチンはメノちゃん自身には効かないの……。
[悔しくて涙が零れた]
[メノミリアの口から金髪の人を殺したと聞くと、スラム街に埋葬したソーニャの変わり果てた姿を思い出す]
……そいつは、確かに、Masquerade、だったのか?
[少しだけ怒気に声が震えていたかもしれない]
メノちゃんを殺そうとした金髪のひとって…。
メ、メノちゃん?!
まさかソーニャさんを―――っ!!!
[信じたくない。だけどもうダメなのかと心が軋む]
おじさんにもらったセンコウダンも
アイツを追い払うために、使ったんだよ…
あたしを襲えなかったから、
今度はおねーちゃんを襲おうとしてたんだっ!!!
だからっ!!!
だから…
[鳴り止まない不協和音。
コワイ、コワイ、コワイ、コワイ
イヤダ…!!!]
…あ、そっか。拙い、っすね。
[役人姿の男の死体。
ヴァレリアがリュミから情報を引き出そうとしてたこと。
リュミの言うことはもっともだった。
彼の視線の先を、同じくじっと見て。]
報告、ですか。
…しなければ、ならないかもしれませんね。
[目を伏せていたが、顔を上げて]
こちらだけに、ですか。
[リュミエールの視線に気付き、苦笑した]
役所への報告が危険である以上、そうなりそうですね。
[冷静さを取り戻そうと、息を吸ってからアリシアを見て]
……俺らしくないか?ずいぶんとまた買い被られてたんだな。
信じて騙されても構わない相手なら、信じる。それが嫌な相手なら、疑って証拠を求める。俺の判断基準なんてそんなもんだ。
『思考放棄なのです、マスター』
[続くメノミリアの言葉から衝撃を受ける]
わたしを守るために?!
嘘でしょう?
ねぇ、嘘なんでしょう?
疑われてると思って混乱しちゃってるだけなんでしょう?!
[縋るように確認する]
そう、拙いでしょ。
それに役所に知らせたら、知らないうちに処理されるかも。
……いやでしょ?ケビン。
[親しそうだし。と後に付け加えて。]
[すっくと立ち上がって、震えているメノミリアの前へと進み出る。空を仰ぎ見て、大きく深呼吸]
……そう、か、頑張った、な。
[複雑な顔をしたまま、それでもメノミリアに告げる。メノミリアのしたことは、銀髪の男のしていた事と同じ。認めたくはないことだが、銀髪の男もまた誰かを守るために、他者を殺めていたのだろう。彼の視線の先に誰がいたかはわからないが]
…報告、お願いします、ね。
[クリス…“バディ”に、頷く。]
……はい、分かって、ます。
役所なんて無能だから…感染とか、よく分かんないうちに…処理、されかねねぇっすから。
…いやっすよ。
[もし彼女が、もう「彼女」でないのなら。
せめて送る手は。]
おねーちゃんを、守るため、だよ…
あたし、あの時はそれしか…
……考えてなかったもん……
でも、疑われちゃうんだ、あたし…
こんなに苦しい思いをするんだったら……
『Masquerade』に月に連れて行ってもらえば
よかったのかも…
[赤い月。
あたしが行きたかったのは…
どんな月だったろう。]
知らないうちに…
役所に報告した場合、そうなる可能性が高いですね。
[処理という言葉を聞いて表情を硬くするが、リュミエールに頷きを返す]
ケビン君。
メノミリアさんに会うなら、早いうちの方がいいかもしれません。
メノミリアさんも…どこか、不安定な様子でしたから。
[森の中で出会ったときのことを思い出していたが、その考えを振り払い]
はい、報告しておきますね。
[ケビンに向かって、力強く頷いた]
……………。
[頑張ったと声を掛けるジャンクスをただ見つめていた。彼はこういうひとであっただろうか?無為にひとを殺すことを一番嫌がるひとではなかったか]
メノちゃん……。
前にも言ったけど、わたしはメノちゃんがどんなひとであっても、嫌いになったりなんかしないよ。
(『メノちゃん』はずっとずっとわたしの可愛い『妹』であることには変わりなしない)
はい、神父様…。
[そして店のドアへと爪先を向け]
じゃあ今から…ミリアんトコに、話聞きに行きます。
……なんとか、話、聞き出して、みます。
…不安定、か。
[教会にいたミリアを頼まれた、あの時を思い出す。
その日は、ミリアは無事だったらしいけれど。]
[このまま繰り返される悲劇。終わりにするには、Masqueradeを根絶するしかない。だがMasqueradeもまた、哀れな被害者だったとしたら?解放される日を望み、心で泣いていたとしたら?そんな感傷が心を過ぎる]
なあ、ミカ?俺は間違ってたんだろうか?
『泣き言なのです?世の中に正解なんかないなのです。うだうだ迷ったり、考えたりしても仕方ないなのですよ、お兄ちゃん』
いってらっしゃい、ケビン君。
最終的な判断は、あなたに任せます。
[小さく手を振り、ケビンを見送る]
あなたになら、きっと出来ます。
メノミリアさんのことは、あなたの方がわかっているはずですから、ね?
[元気付けるように、そっと微笑みかけた]
[見送るクリスの言葉に振り向く。]
…俺…わたし、に?判断を?
[思いがけなかった。]
……分かり、ました。
……じゃあ、その。
[手持ちの銃では“感染者”を撃てないかもしれないからと、クリスにブラスターを貸してくれるよう頼んでみる。
手にすることができてもできなくても、そのままもう一度、ドアの内側のふたりに、ぺこりと一礼して。
ミリアを探しに出向くだろう。]
―→広場―
……だな、ミカ。
アリシアさん、そう怯えた目で見ないで、話、聞いてくれるかい。
[懐から注射器を取り出して、噴水の脇に置く]
こいつはMasqueradeを見分ける薬、の試作品だ。出所は言えねえんだが……あんたならこれを役に立ててくれるんじゃねえかと思ってる。勝手な頼みだが、もらっちゃくれねえだろうか?
[疑う視線に動じることはなく、ただ笑顔で告げる]
[メノミリアに目線を合わせて、微かに微笑み]
月でウサギが餅つき……か。そいつはまたロマンチックだな。
それで、それから?
[広場に誰かが来れば、その気配は察知するだろうか]
んじゃ、僕もそろそろ。
[神父に一礼をし]
神父さん、また機会があったら飲みましょうね。
……ソフトドリンクを。
[店を出ていくその姿はほんの少し酒に酔ったのか*ふらついていた。*]
お餅ついて…
それで、みんなで仲良く、暮そうって…
あれれ、なんか、変だね
あたし…
[上を向いたままの顔。
零れ落ちる涙。]
……変じゃねえよ。
だがな、月じゃなくても、この街でも、強く願えばきっと叶うさ。
[懐からハンカチを取り出して、メノミリアの涙を拭おうと近づいた]
わかりました。
ケビン君の銃では、少々心もとないですからね。
[ブラスターを取り出し、ケビンの手に握らせる]
ただし、必ず両手で支えながら撃ってください。
意外と反動が強いですから、その銃は。
では、いってらっしゃい。
リュミエールさんも、また会いましょうね。
[店を出て行くケビンとリュミエールを見送った後。
空になったグラスをマスターに渡し、*おかわり、と言った*]
[脇に置かれたジャンクスからの薬を慎重に受け取る]
これが…Masqueradeを見分ける薬…なのですか?
わたしに…いいのですか?
[申し出には驚いたが笑顔には少し気持ちが和らいだ]
わかりました。
わたしなんかが、頂いていいのかわかりませんが。
触らないほうが、いいんじゃないの?
[涙をぬぐう手を避けた。]
あたしに触ると、疑われちゃうよ?
…例えそれが違っても。
馬鹿だな。そんなんで疑われるなら、疑わせとくさ。
……月になんか行かねえで、またやかましいラッパ、聴かせてくれよな。
[メノミリアに少し寂しそうに笑いかける]
『ほめ言葉じゃないなのです、マスター』
―広場―
……必ず両手で、と。
[クリスからの教えを、反復する。
歩き彷徨いついた場所は、広場。
そこに見える、アリシアとジャン、そしてミリア。
彼らに手を振り、歩いていく。銃は懐の中。]
メノちゃん……。
[メノミリアに涙を零させているのは自分の言葉。だから自分には声を掛ける資格などない]
ジャンクスさん…メノちゃんを庇ってくれてありがとうございました。
[素直にそう思い頭を下げた]
[アリシアが薬を受け取るのを確認して、安堵の息を吐く]
……ああ。まだ未完成の代物だが、アリシアさんならきっと良い方向に導いてくれると信じてるから。
死んじまった、検死官候補の青年バイトや銀髪の義手の人たちの分までさ。
[広場に現れた少年の姿が見え、そちらを向く]
…検死官候補?
[ジャンの声に、きょとん。]
銀髪の、義手?…おっさんのコト?
…それが、どうしたんだ?
[こちらを向いたジャンに、問う。
ジャンはダンテについて何か話していた?
それはダンテを殺した者に繋がる?]
ジャンクスさんも随分わたしのこと、買い被っているんですね。
[くすりと笑ったが、その後の言葉に息が詰まる]
死んじまった青年バイトって…
もしかしてメディクスくんのことですか?
[検死官であると告白された日から姿を見ていなかった]
よお、ちょっと見ねえ間にいい顔になったな、雛、いや、ケビン。
ああ、そうだ。メディクスって言ったな。
……知らなかったのか?あの銀髪の義手の男が殺した。で、あいつは俺が殺した。
[晩御飯のおかずを伝えるような気軽な口調で、二人に告げた]
…ミリア?
あ、ああ、ミリア…丁度おめぇを探してたんだが…。
[その力ない笑いが、どこか悲しい。]
……ミリアが俺に似てる、だぁ?
…まあ、その、だ。学校の体制に反するアウトローってトコは、同じ、だな。
……なぁ、ミリア。
なんか…ヤバいコトでもあったか?
[心配して問う。]
アリシアさん、俺がメノミリアを庇ったからって、礼を言われるようなことじゃねえさ。
そうそう、さっきの話な……その試薬を使ったら、神父さんがMasqueradeだって出た。だが、そいつを鵜呑みにして殺すなんてのは出来ねえんでな。なんで、あんたに確かめてもらいてえんだ。まあ、話半分に聞いといてもらって構わねえからさ。
[ミリアを気遣うように見ていたが、ジャンの言葉に、振り向く。]
…メディが、銀髪…おっさんに?
……で、おっさん、が……。
[あっけらかんとした口調での言葉。理解が、できない。]
メディクスくんをダンテさんが…。
そして、ダンテさんをジャンクスさんが…。
[気軽な口調で話すジャンクスがかえって痛々しかった]
ケビンくん……。
[こちらに来た少年を気遣わしげに見つめる]
[広場を後にして路地裏へ向かう。
そこにはひっそりと店を構えている
ソフトクリーム屋がある。]
えっと…味噌ソフトください。
[ソフトクリームを手に繁華街を歩いた。
よくアンサンブルをしていた場所で立ち止まる。]
…この辺でいいかな?
一緒に食べるの、約束だったもんね。
どした?そんな顔して。こんなこと、俺たちの世界じゃ日常茶飯事だろうが。
何度も言ったはずだぜ、とっとと手を引いて、足を洗えってな……雛烏。
[ケビンに冷たい視線を向ける]
[メディをダンテが殺し、ダンテをジャンが殺した。
ジャンがミリアを庇った。
試薬を使ったらクリスが感染体だと出た。
アリシアに確かめてほしい、とジャンは言った。]
……おい、ジャン。
………どこまで、本当なんだ?
…だったら、聞いてやるさ……。
……てめぇの命で……。
[ジャンがダンテを殺した。
その言葉が響く。激昂、復讐。
そう言い、懐から銃を取り出そうとしたが、手を止めて。]
……勝手な行動はするな。
審問官としての自覚を持て。
……兄さまの、言葉。
[手を下げ、ふいとジャンにそっぽを向く。]
……分あーったよ。てめぇの…言う通りだ。
俺だって……自分で調べますよ…って。
…まあ、てめぇの言葉、参考にさせて貰うけど、な。
……先輩に、何かあったら。
許さねぇから。
[それだけ告げ、ふたりに別れを告げる。
アリシアに…ジャンにも、申し訳なさそうな目をして。]
―→繁華街―
どした?怖気づいたのか?
[懐に入れられたケビンの手が止まるのを不思議そうに見つめ]
死ぬ覚悟も殺す覚悟も出来てねえなら、こっちの世界に足突っ込むんじゃねえよ、半端者が。
[身構えるでも銃を抜くでもなく、ただ挑発するような言葉と、冷めた視線。そっぽを向くケビンの姿に内心安堵しながらも、拍子抜けしたような表情で]
ちったあ、聞き分けが良いんだな。安心しな、アリシアさんは俺が守るから。
[繁華街へと立ち去るケビンの後ろ姿を見送る]
―繁華街―
[ひい、ふうと数え、気持ちを静める。
そしてミリアが歩いていった方向はどちらかと考えつつ。]
……マジ、かよ。
[ジャンから聞いた話は未だに信じられない。
残るのは感情の痕だけ。
と、ふらりと目の先に、ミリアが見える。]
……おう、ミリア…?
[味噌ソフト?と首を傾げる。]
[ソフトクリームを食べ終えてから
楽器のケースを開く。
あれからずっと触れなかった、
自分の相棒。]
いいよね、吹いても。
きっと、もう平気。
[ケースからリードを取り出して口に含んだ。
楽器の本体を取り出して、組み立てる。
最期に、マウスピースにリードをつける。]
[ソフトクリームを食べ終えて、楽器を出す姿を、ただじっと見ていた。]
…ミリア。
やっぱおめぇ、音楽、好きなんだな…。
……それで、ちっとミリアに、聞きたいコトがあるんだ。
[曲の節目になったところで、昨日一昨日、ヴァレリアに会ってたか、その時に何か変わったことはなかったか、ミリアに聞いてみる。]
あ、センパイ!
今食べ終わっちゃったっ。
[…一緒に食べよう、って約束したから。
やっと約束、果たせたもんね。]
もう、吹いていいかなって思って…
センパイ、お客さんしてくれる?
[サックスを手にしてあははと笑う。]
あはは、ありがとう!
[吹き終わって顔をあげた。
スッキリした表情。]
センパイ…
あたしのこと殺しに来たんでしょ?
[サックスは手にしっかりと持ったまま。]
[寂しくて、温かくて。
今まで聴いた、どんなサックスの音色とも違って、そして美しくて。
曲が終われば、ぱちぱちと手を叩いてコインを投げてみたり。]
[背を向けたケビンを安堵しつつ心配げに見つめ、溜息をついた]
ごめんなさい…ジャンクスさん。
ケビンくん危なっかしすぎて…困ります。
[苦笑してジャンクスに視線を送る]
守るだなんて…それほどの人間でもなんでもないのに。
みんな、そうやって言ってくれるから…辛くなってしまいます。
守られるばかりで、わたしは誰も…守ってあげられていないから。
[苦しさを隠して目に涙が滲むのを見られないように*顔を伏せた*]
[「殺しにきたんでしょ?」
びくり、とする。
それは決意を気取られたと思ったから。
そして、そんなことを言い出すミリアが、悲しかったから。]
……だと、したら?
ミリアは…俺のコト、殺すよな?
[やんわりと、穏やかに微笑む。]
いいよ。
あたしを殺せば、いい。
それでみんながなかよく暮せるようになるんだよね?
それなら。
あたしは、それなら…いいから。
サックス持ったまま死んだら、
あっちに持っていけるかな?
[ベンチに座って、空を見上げた。]
ううん。
あたしは、もう誰も殺さない。
…殺せない。
…もうやめて、って言われちゃった、から…
[それは誰にだったか。
自分の、心の声なのか。
それとも…。]
だから、いいよ。
あたしを殺しても。
…おめぇを殺せば、みんななかよし?
[「大事に思う人のための命」。神父の言葉。]
……おいおい…んなわけねぇだろ…。
[だけど眼の前の少女は]
…それでいいとか…んな悲しいコト言うんじゃ…ねぇ…。
[一番、狙われてておかしくなくて]
……サックス、あっちに持ってけるか?
俺は…試したコトねぇから…分かん…ねぇ…ての…。
[だから一番疑わしくて。]
…もうやめて、って?
殺せない……?
[何のことだか、分からない。
分からないけれど、ミリアの辛さは、感じられる気がした。]
……だから、殺してもいいとか……んなコト…。
…………本当に、俺の手に掛かって、死にたいんか?
まったく、危なっかしいな。どこに飛んでくかわからねえ鉄砲玉みてえなもんだ。
[ケビンの去った方を見て、苦笑交じりの溜息を落とす]
……そうやって自分を卑下するな。アリシアさんの親や友達が悲しむぞ。リアンもな。アリシアさんがいることで、救われてる人たちがたくさんいる。アリシアさんを失いたくないから、守る。だからアリシアさんが負担に思うことはねえ、と思うぜ。
『ミカたんも守るなのですー』
…もうみんなに疑われるのに疲れちゃった。
なにやっても、疑われる運命なんだよ、きっと。
約束も果たせたし、もう、かなって。
それで本当にみんなが仲良くなれるなら。
[サックスを抱きかかえて目を閉じる。]
だって、センパイ
あたしのことコロシに来たんでしょ?
あはは、それくらいわかるってっ!
それじゃ、ね。
[目を閉じたまま、口元には*微笑み。*]
…馬鹿なこと言うな……っ!
おめぇんコト、俺は疑ってなんかなかった……!
[アリシアからの話を聞くまでは]
知ってんのかおめぇ…役人だかなんだかが殺された時…。
俺はミリアが現場にいたって聞いた……。
だけどおめぇを疑ったりなんかしなかった!
[けど今は――]
……だけど、よ。
てめぇがコロサレルコトしか考えてねぇってなら。
……てめぇがもう疲れたってんなら。
…………お望みどおりにしてやるよ、後輩ちゃん。
いや、ミリア…メノミリア。
[懐から、かちゃり。]
[ジャンクスの声に顔をあげる。
涙が少し見えてしまったかもしれない]
卑下…ではないと思いますけど。
わたしが居ることで救われている人たちが…まさか。
逆ですよ、きっと。
わたしがいることで傷ついてしまっているひとの方が、そしてこれからだって、わたしがこうやって巻き込んでしまう。どんなに避けようとしても。
時々、そんな自分の存在が嫌になるんですよ。
どうして失いたくないなんて思ってくれるんですか?
ミカたんもどうして……。
[立ち上がり、体の後ろで手を組みながら、空を見上げて]
それでもアリシアさんは今、ここにいる。だったら、もう少しだけ前向いてもいいんじゃねえかな?傷つかない方法を一緒に考えるなり。好きで巻き込まれてる奴だっているだろうし。
俺か?……さあ、どうしてなんだろうな。湖や宇宙樹に遊びに行っても、アリシアさんがいなかったら、寂しいからな。
『宇宙樹とお話して、ちょっと可哀想な人だったなのです』
前を向いて…昨日もあるひとに言われちゃいました。
傷つかない方法…ひとつだけ思いついてお願いしたりもしてるんですけど。
[それは自分に異変を感じたら迷わず殺して欲しいということに他ならない]
好きで巻き込まれてる?
どれだけ物好きなんですか、そのひとは。
……困ったな。ミカたん…そんなに可哀想なひとに見えた?
あるひと……好きな人かな?そんな人がいるなら、なおさら前向いてかねえとな。
[その言葉の語調に浮かんだ機微に、からかうような口調と共ににやりと笑みを浮かべる]
傷つかない方法ってのは、互いに傷つかない方法なんだろうな?そうじゃねえと、苦しいぜ。
物好きねえ……それでも、その人がそれで幸せならいいんじゃねえか?
『みんな可哀想なら平気なのです』
[否定も肯定もしないお言葉]
……好きな人?どうなんでしょう…自分ではわかりません。
好きってどういうことをいうのかな…?
でも、例えわたしが好きでも相手は迷惑がるでしょうね。
そういえばジャンクスさんは好きな人、居るのですか?
それで幸せなのかな…そのひと。
互いに傷つかない…難しいよ、それは。
みんな可哀想なら平気…くす。そうだね。
やっぱりジャンクスさんは察しがいいような気がします。
そうだな……例えば一緒にいて幸せだと感じるとか、その人のために無償で何かをしたいと思うとか。その人の重荷になりたくないと思うのも、好きの一つの形なのかな。多分、好きなんて言葉、理屈じゃねえと思うんだが。アリシアさんに好きって思われるなら、迷惑なんてことはねえんじゃねえか?その人に直接聞いてみりゃ……ってわけにもいかねえんだろうなあ。
……へ、俺?
[意表を突かれたような表情を浮かべ、さあ、と口を閉ざす]
幸せの形もそれぞれだからなあ。俺の知り合いにゃ、猫に足を舐められてるだけで幸せって奴もいるし。
でも一方が傷つくなら、やっぱり違うと思うんだ。だからってどうしたらいいのかなんて、俺にゃわからねえがな。
『察しがいいのはミカたんなのです』
ごめんなさい。察しがいいのはミカたんだったんだね?
[ふわりと微笑む]
理屈じゃないんですか…それは難しいですね。
好きっていう感情は。
[自分のことを聞かれて驚いているジャンクスを見つめつつ]
誰か居そうですね。
ミカたんは知ってる?
[立体映像に聞いてみたり]
一方が傷つくなら、やっぱり違う…そういう風に考えるジャンクスさん、わたしは好きです。
[胸を張って得意げな立体映像は、好きな相手を聞かれるとくるくると頭を回転させる]
『ミカたんは知らないなのです。サービス価格でもお売りできないなのです、アリシア』
……ま、俺のことはいいから。本当に人の感情ってのは難しいよな。
Masqueradeに捉われたらどこかに行っちまうんかね、こういう気持ちってのも。
メノミリアも言ってたよな。みんなが笑えるのが理想なんだ。だからそれを実現するために、俺も今、できることをしたい、だけだ。
[少し照れたような表情を隠すように空を見上げる]
みんなが笑える…うん。
理想だからって諦めたくなんかないですよね。
Masqueradeに感染されたひとの意識…。
囚われても、きっと意識の深いところでは、元々の人格の意識がきちんとあって、懸命にMasqueradeと闘っているのかもしれないですね。
そうなのだとしたら、いつか、Masqueradeだけを切り離して治すお薬も作ることが出来るかもしれない。
[ジャンクスと同じように高い空を見遣りつつ夢を話す]
ああ、アリシアさんなら、そんな世界を実現してくれそうな気がしたんだ。だから、今あるものを託したい。Masqueradeを捕まえて、ワクチンを研究しつつ感染者も治療する。そうすれば、もうこれからは悲劇に泣く奴は出ねえ……はずだ。
[近くで微妙な距離を保ちながら尻尾を振るリアンを柔らかな表情で眺めて]
今までいろんな人を守りたくて、守れなかった。守れる力を手に入れたくて、手に入れた。それでも、妹も、仲間も……。
こいつは俺のエゴだ。守れるかどうかだって定かじゃねえんだが、それでもよければ、アリシアさんを守らせてくれねえか?
…………。
エゴでわたしを守ると?
だってわたしは…今だって、こうやってジャンクスさんと距離を取って警戒しているような人間なんですよ?
そういえば妹さんのこと、あのとき教会で話されていましたね。Masqueradeと誤認されて…。
それでずっと、独りで闘って来られたんですよね。
初めてお会いしたとき、なんだか似ているような気がしたのは間違ってなかったみたい。
[ジャンクスの目を見つめ返しながら笑顔を向ける]
俺も物好きなんだろ、きっと。
それでも、いつかアリシアさんが信じてくれる日が来ることを信じてるさ。そん時はリアンと一緒に飯でも食いながら、くだらない世間話でもしようや。
ああ、聞かれちまってたか。人に言うようなことじゃねえと思ってたんだが。
[立体映像の頭を指でなぞるようにして]
似ているって……アリシアさんも、独りで?
[思い出すのは、初めて湖で出会った時に微かに見せた助けを求めるような表情。アリシアと離れた数メートルの距離、心の距離はどのくらい離れているのだろうか、とふと考えた]
……本当に、わたしが信じられるようになる日まで待っていてくれるのですか?
[真剣にジャンクスの瞳の色を見極めようとするかのように視線を向けて]
(……心が広いのですね……困ってしまいます……)
[独りでと聞かれれば首を振り]
ずっとって訳ではないのですけど。
両親が他界するまでは、独りではありませんでしたから。
[真剣な眼差しで見つめられると、柔らかな微笑みを向け]
ああ、待つさ……二言はねえよ。出来ればその日が早く来ると嬉しいんだがな。
『金利は取らないなのです』
……そうか。なら、ご両親の分も幸せになって、幸せを作らねえとな。
[その後に続けようとした言葉を迷い、飲み込む]
……待っていてくれるのなら、そんなに遠くないです、きっと。
わたしが、Masqueradeに襲われていなければ…ですけど。
……幸せ……。
なんだかずっと、自分とは無縁の世界の言葉のように思ってました。過去に消えたものだと。
[ジャンクスの飲み込んだ言葉には気づかず、今はない遠い昔に思いを*馳せた*]
そうか、だと嬉しいな。
例え、アリシアさんがMasqueradeに襲われたとしても……
[後に続く言葉は、「守る」だろうか、「待つ」だろうか。紡がれることはない]
過去に失くしたもんなら、また取り戻せばいいさ。
『空、綺麗なのです、マスター』
[ミカたんの指差す先、空に流れる箒星が見えれば、*星に願いを*]
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