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全員、隊長機を狙って!
あの紋章機を撃墜すれば、敵のダメージは大きいわ!
[部下に指示を出す。
正直なところ、不利な陣形ではあった>>64]
……待って、何か来る!
[隊に緊張が走る。
が、それが頼もしき黒翼であるとわかれば、士気は上がった>>78]
シードル!
助かるわ!
[援護の申し出を、ありがたく受けた**]
ああ、ヤツか。
やはり姫騎士のまわりには、近しい者が募る。
だが、狙いはヤツではないがな。
[帝国軍の皇の一族。
その一人の血縁者である機体をモニタに映したとき、
バーミリオンの瞳は、明らかに熱を持っていた。]
『ディタ、君の背後は保障しよう。』
[その目的、
姫騎士には零したことはあったかもしれないが。**]
― 帝国軍・艦内 ―
でっ、でででで殿下!
何を巫山けておるのです、そこから落ちれば鼻血では済みませぬぞ!
[スクリーンのウィンク>>74に、あわあわと手を無意味に上下させる。
悪がきを叱るような口調で]
殿下、速やかにお戻りください!
ディタ様に続き殿下まで失えば、陛下がどれほどお嘆きになることか、ちっとは御身の価値をご自覚なされ!
[“陛下”個人が彼らに対してどのような感情を抱いているか、それはこちらの預かり知らぬこと。
が、帝国というシステムの中にあって、そのコアたりえる皇族の価値は、一軍事力の対価とするにはあまりに不釣り合いだ。
それに――
どうもこの姿になってより、妙な人間味が出て困る。
かつて無邪気な幼さで纏わりついてきた少年少女を、所詮は予備のパーツだと合理的に切り捨てることが出来ない]
[いかにも老人らしくくどくどしい説教を始めようと口を開いた時、おおーい、とかけられた声>>73にハッと我に帰る]
う、うむ、失礼したサファイア殿。
口を出すべきではなかったな。
[戦略家の彼とは違い、自分はあくまで戦術家だ。
着々と組みあげられる盤面を崩そうとした非礼を詫びた。
彼の手元にあるゲーム盤>>72にはいまいち理解が及ばない。
が、駒の数や位置からして、烏合の衆に思えた解放軍にも、なかなかに練達なプレイヤーがいるらしい、と思った]
ど、どうしたものか……
いや、確かに殿下があっさり落とされるなど思っておらぬよ。
それにあちらには氷殿もおる。
心配なぞしておらぬが、おらぬがしかし…
…っ、あれは黒翼の……っ
[宙域戦闘においては、機体の性能が大きくものを言う。
その中で、パイロット自身の能力という一点でもって他を圧倒するというその機動兵の姿がスクリーンをよぎった時、前線に出ている2人の皇族を思い、ぞわりと背筋に怖気が走った]
[思わず伸びた手が不安げに腰の拳銃を探ったが、すぐにあきらめたような嘆息を漏らした]
いや、機動兵相手に儂の出来ること等たかが知れとるか…
参謀殿、この老骨、陛下の御為ならば如何様な指示にも従うぞ。
存分に使うてやって下され。
[すっかり板についた敬礼を残し、ブリッジを去ろうとした]**
[強奪した物資を輜重隊の引き渡している時。
自分は艦内の訓練室で急速の真っ最中だった。
訓練用の鉄棒に足を引っ掛け、逆さまにぶら下がりながら本を読むという、鍛錬と勉強が同時にできて一石二鳥の体勢。
もっとも、目を通しているのは簡単な児童文学なのだが。]
「人の命をなんだと思っているんだ!」です、かー……。
[本の登場人物の台詞を口にする。
児童文学にありがちな、ヒューマニズムに溢れた素晴らしい言葉だ。]
そう、全ての命は平等。平等に――価値が無いんです、よー。
生ゴミに集る蝿も路傍に咲く蒲公英も魂無きアンドロイドもぜーんぶ。
小指の先程度の重さしか無いんです、ねー。
[それは、自分が持つ世界観。
命などに価値を見出していないからこそ、躊躇することなくそれを奪うことが出来る。]
[幼い頃から、周囲では死がありふれたものだった。
自分の出自は帝国でも最底辺層の貧民街。
見渡せば、些細な喧嘩で殺しあう大人、生きるために強盗殺人を犯す子供、餓死していく老人。
命の尊さなど欠片も感じられない世界。
そんな世界で、自分もまた生きるために人を殺すことも躊躇わず。
ある時、思いついた。こんなにも簡単に人を殺せるのなら、それを仕事にすればいいじゃないか、と。
――そうして、《血染め》は生まれた。
腕一本で成り上がり、今では一隊を任される程に出世し。
それでもなお、変わること無く他者の命を奪い続ける。
同じように無価値な自分の生命が尽きるであろう、その時まで。]
[――と、そんな事に思いを馳せていると。]
あ、終わったんです、かー?
待ちくたびれちゃいました、よー。
[部下からの報告を受け、振り子のようにしてひょいと鉄棒から降りる。
物資の回収が終わっていよいよ航行を始めるらしい。]
前線の戦況、どうなってます、かー?
制宙権をある程度確保してないと、強襲艦は動けません、がー。
[自分は頭の良い方ではないが、敵が往来する中で接舷しようとするのが自殺行為なことくらいは知っている。]
空戦隊は帝国空軍にやや押され気味です、かー。
派手な機体が暴れまわってる?機動兵は何やってるんですか、ねー?
ほら、あの黒い翼の、とかー。
[味方も案外不甲斐ないなあ、なんて勝手なことを思う。
双方が守勢に回っているのは知る由もない。]
[更にスピーカーから漏れる叱責に>>83、如何にもらしく肩を竦めて両手を挙げた。]
少しは貴方が鍛えた男を信用してくださいよ。貴方の訓練は鼻血なんてものじゃ済みませんでしたよ?
[士官学校に入るまで、宮殿の中でまだ壮齢であった名立たる将に、教えを乞うた日々を思い出すとくつくつと笑うが、すぐに厳粛とも言える口調で。]
だからこそ、畏れ多くも陛下の名代として戦場に立つからには、僅かも怖気た所は見せる訳には行かないのですよ。
将たるものが前線に立ってこそ、兵も奮い立つ。そうではありませんか?
なぁに、迷い子ひとり連れ戻すだけです。
翁は既に戦功を挙げられたと聞いた。若造にも、見せ場のひとつをお許しください。
[またすぐに洒脱に口調を改めると、ノイズの激しい敵軍回線から、まるで素の少女めいた声で自分の名が呼ばれるのに>>80、小さく微笑んだ。]
ふふ、まだ僕を兄と呼んでくれるのかい?
それではエスコートを。どうだい、そちらでは新しいドレスもなかなか作れないだろう。
此方では、二昔ほど前のバッスルスタイルがまた新しい解釈で流行りだして来てね。
どうだい、最近お気に入りの腕のいい仕立て屋がいてね。僕と一緒に、ひとつ誂えに行かないか。
[素早く意識が戦士のそれに切り替わるのを声音の響きで感じながら>>80、まるで来週の舞踏会を楽しみにするかのような調子で通信を続ける。鈍色の鷲称の旗艦が率いるは、漆黒に金羽の戦闘艇。一方向に深紅の機体を誘導するかに動くが、正に蝶の様に舞い、蜂の様に刺す、巧みなその操縦テクニックに翻弄されているばかりで、なかなか成果を挙げることができない。
最も、老将に伝えたように>>88、容易に連れ帰るなどと無理とは承知の上か。落ち着いた口調で]
右、1、4、5-bの方向へ展開。対を組んで上下から挟み込むように。
やれやれ、その才能を帝国の為に活かしてくれたら、陛下もどれだけお喜びの事か。
……来たか。
[ついぼやきも漏れた所に、傍受する通信回線に落ち着いた男の声が混じっると>>82表情が引き締まる。]
➖ 帝国軍・戦艦内 ➖
殿下…ご立派になられて。
[自身の容赦ない訓練を指摘されれば>>90、そんな事もあったか、とばかりにぐう、と言葉に詰まる。
が、その後の青年らしい自負と責任に満ちた言葉には思わず目頭を抑えた。
何時だったか、自主練と宣ってブランコから大車輪を決めようとし、顔面から落下して大泣きしていたちびに、何時の間にやら背丈も抜かれてしまった。
いや、これは皇太子殿下の記憶じゃったかの?
ともかくも、]
殿下のお覚悟、確かに届きましたぞ。
それでこそ将、王の血を継ぐもの。
爺はこの場に控えおりますゆえ、存分に武勇を馳せられよ。
[熱い涙にやや潤んだ目で頷いた]*
君は相変わらず、ディタの騎士気取りかい?参ったな、変な虫がつくと、伯父様伯母様に申し訳が立たないんだが。
[闇夜ばかりが広がる宇宙空間から、まるでその闇を切り取ったような機動兵が浮かび上がるに、声に苦みが混じるのは、可愛い親族の心配ばかりではないだろう。実際その人型の機動を操る男には何度煮え湯を飲まされた事か。
それは将官を得る少し前の戦。解放軍のひとつの拠点を発見し、惑星挙げての掃討戦の、あと一歩というところで要人を取り逃がしたのは、この男の率いる機動部隊の最終ラインの粘り強さの為だった。挙げく、戦略拠点としての情報を撤退時には焼尽と化す周到ぶりで、その為に確実と言われた昇進を見逃したのだ。しかしそんな見栄にも近い栄誉に関しては些細な事だ。]
どうにも君は、わが一族に禍害をもたらす存在のようだ。
[それから幾歳、戦場で何度と激しい檄を交わし、純血とは言わずとも、その間、皇の血に連なる者も幾人かその矛に落とされた。]
その奇縁、そろそろ断ち切りたいものだね。
[かと言え、深紅の逆賊姫と、闇が凝り固まったような機兵の相手を同時取るには流石に分が悪い。ホログラム上で、戦域の状況はおおよそ把握していたが。]
…参謀、よければグノ嬢を此方へ派遣していただけまいか。あぁ勿論、此方へくるように見せ掛けるだけでもいい。
彼女のつくる氷原は、充分彼らに脅威だろうからね。
[彼女の往く後、草ひとつ生えない氷原が如くの戦場、その2つ名の威を借りようと。]**
ハッカー「ファルコン」 ジキル がやってきたよ。
―解放軍・航宙巡洋艦フライハイト艦内―
『……ザザ……ザザ…ザ…』
[雑音しか入らないヘッドフォンを頭部から下ろし、フラハイト内のメインコンピューターに繋げた端末を無心で操作している男。
やがて手を止め諦めたように]
やっぱ距離の問題かね。
交戦範囲に入ればモニーター回線を通じて敵艦内のどこの会話も傍受できっけど、
今回敵さんの参謀長とは御挨拶しないのかね。
[男の名はジキル、解放軍の諜報部のハッカーである。
解放軍が帝国群に反旗を翻したとみなされた最初の事件では彼はたった10歳の物事の善悪もはっきりしない少年だった。
ただ解放軍の軍事研究所の大人に艦内の動力機関の安全装置を無効化できるかと問われてやってみせただけだった。
その動力機関の暴走の果てに宇宙の藻屑に消えたのが帝国の要人で、
その結果『ファルコン』のコードネームは知る人ぞ知るものとなっていた]
[安全装置が無効化出来るようになれば、その対策を取られ、戦闘機のステルス機能を向上させれば、ステルスを見破る性能が向上され、
革新的な技術はいたちごっこの末に、目新しいものは無くなり、戦況は膠着状態を続けていた。
ハッカー裏の名前だけは帝国軍解放軍も知る大層なものになっていたが、
当の本人ジキルは顔を隠すでもなく、諜報部も兼ね、前線で戦艦のSEをしている日々だった]
そろそろ休憩でもいれよっかね。
ついでに艦長の様子もみにいってくっか。
[艦長の口利きでこの戦艦の戦艦に乗せてもらった。
最新開発兵器の成果をこの目で見届けるには最前線の機動部隊に搭乗する、もしくは注目を集める姫騎士の部隊に属するのが最良なのだろうが、
度重なる戦乱を生き抜いてきたヘレス艦長の元で生き抜く事を選んだ。
フリードリンクの自販機で自分用に紅茶のボタンを押して、ヘレス艦長用にとりあえずコーヒーを選んでみた]
[艦長のいる操舵室には張り詰めた空気がみなぎっていた>>75>>76
ヘレス艦長に珈琲か紅茶を選ばせて、ついでに別所でハッキングによって収集していた敵艦搭乗要員一覧データについて報告していた。
傍らにモニターを見上げて]
俺はじめてイガグリ艦隊みたっすよ?
帝国の圧制は庶民ほど身に沁みるもんがあるけど、あのLIVE観たら「自分らが正義」って士気が高まるのもうなずけるっす。
でもウチにも機動兵がいるんすよね。2足歩行型機体は研究所で長年の研究を重ねてやっとシンクロ率が50%を超える者が出てきた段階で実用に踏み切ったもので、
シンクロ率が高ければ高いほど、一般の機体の何倍もののスピードを出せてどんな攻撃をもかわせるという夢の機体なんす。
解放軍の象徴にアレを挙げる人も少なくないっすよ。
黒翼のシードルのシンクロ率の高さは以前検査させてもらった事があるんすけど、そん時に見せてもらった脳波、ちょっと凡人とは違ってたっす
感情が高ぶったり、執着した時に表われる脳波が微弱な状態だったけど、平常時にも見られたっす。
艦長のモニターに出るときと出ない時との差も調べてみたら差があるっすかね。
[そんな軽口を叩きながら]
[サンシアの後方部隊が輸送艦の撃破に成功したときけば>>62、素直に喜んで]
今夜のおかずが一品増えるっす。
帝国の軍人は普段からいいもん食ってるだろうけど、民は飢えてるっすからね。
同じ目にあわせてやりたいっすよ。
それでサンシアの密航航行はの為につけたステルスの為のレーダー霍乱の為の塗装は功を奏したんすかね?
[再びヘッドフォンを頭部に装着しなおすと、サンシアへの機体へと通信を試してみる]
もしもしーこちらジキル、霊界に通じてないってことはサンシアは生きてるってことでいっかな?
また怖い顔してたりする?
リラックスしたくなったら、研究所イチオシの疲労回復タンクベッドを使うといいんじゃね?
アレ使うと疲労が通常の1/8の時間で回復できるっす。
[機械や数字に囲まれてきた日々ゆえか、個人の持つの負感情の機微をイマイチ理解できず、それゆえに無神経に踏み込むことも度々あった]*
[かつて、
帝国軍に蹂躙された星があった。
生命科学において、際立った功績をあげていた星だったが、その技術力はあまりに際立ち、だが、好戦的ではなかった星の人々はそれを星外に出すのではなく、星内でその科学力を高めていった。
実際は、星の人々が何を考えていたのかは今はわからない。
なぜなら、もう、その星は存在しない、からだ。
技術力を守るべく、帝国軍からの侵撃を受けた時、
星は抗うのではなく、その封印を謀った。
それはなぜか、今では謎の一つだ。
だが、完全消滅を忌み嫌った者も中にはいるのだろう。
生命力のつよい星の子たちは、星の消滅の前に逃がされた。
記憶をもったもの、もたないもの。いずれにしろ、バラバラになった彼らは、そのまま、孤独に大人になる。
ただ、帝国軍への報復心をその胸で消すことなく。]
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