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[ふと、庭の方へと目を向けると、そこに人影を見つけて柱の影に身を隠した]
(あれは、暗くてよくわからないけど。でも)
[あの法師だと、何かが告げる]
(それじゃあ、若君様は、ここに? でも、法師が連れて行ったという確証なんて無い。
でも、法師だけじゃなくて、あれは)
[人影は一人ではなく、何かを抱いていて、揺れる尾を見て人でないことに気づく。
若宮でないことを知ると、御簾の内を通ってまだ奥へと]
──廃屋・庭先──
[おとこは猫を撫でようと喉元に手を差し出す。
そのゆびに、痩せた猫は噛みつき──おとこの手のひらから、ぽたり 血が流れた。]
・・……
[かさり] [たん たん たん]
[人が何かにぶつかりながら歩く──音が、おとこの耳にも届いた。屋敷の反対側から中庭、おとこの近くへ。足音は近づき、一度ぴたりと止まる。目の暗いおとこは、それが桐弥であることには気付かない。]
[淡き黒狐は、法師の赤き血滴る指を見て、
そっとそれに舌を這わすのです。
それは傷をいたわるものなのか、
滴る生き血を味わうものか。
あるいはそれは、両方なのかもしれません。]
[その、より暗い部屋にたどり着いたのは、法師の姿を見てから僅か後の事で、破れ、色もあせた几帳を手で寄せて中を覗く。そこには、淡い光りが一つ]
(若君、さま)
[腰に下げた短刀を握る。蹲り、泣いているように見えた。
几帳を手で払い上げたまま暫し眺め]
泣いて、おられるのですか。
誰の為に。
何故、こんな場所にいるのですか。
あの法師にでも、連れてこられましたか。
何故、あの法師は貴方様をここに連れてきたのですか。
[問う声に責める響きは無く。ただ呟くように口にした]
[暫くは、あてもなく往来を眺めていた。
遣えた屋敷へ戻るつもりにはならなかった。]
……花山院。
[呟き、その名を冠する屋敷へ向かう。
目指すは奥の座敷──]
──……→花山院邸・奥座敷──
つねひと。
[小さな、足音。
次第に近くなってきたそれに、少しだけ、顔を上げる]
…。
[何故、という問い、答えられなくて首を横に振る。
そんなの自分が教えて欲しい、とばかりに。
少しだけ、唇をかんで、そしてまた俯く]
[血をなぞり、触れる舌先のやわらかさ。
薄い笑みを浮かべたおとこのおもては、若宮にどう映ったのかわからない。]
[にゃぁあああ]
[猫がまた鳴き、さかしく素早く獣らしく 塀の向こうへ姿を消す。
何処かへ──誰ぞを怨み あやめんが為──。
猫の去り際、葛木のために汐が薬を分けてくれたときの。
箱を開いた時と、同じにおいがした。]
…・・汐どの か
―花山院邸・奥座敷―
[その薄闇の帳の中、
狐の体は無我と共に在りました。
淡い狐火は傍らには無く、茫とした目で赤き式を見上げるのです。]
――花山院邸・奥座敷――
[帳を破り捨てかねぬほど乱雑に退け――かといって怒っている訳では無いようだ。]
――ふん
邪魔したな。
[添いあう二人を見た。]
つねひと。
お前、花山院明輔という名に覚えはあるか。
[逢うたら、云いたい事があったように思う。けれども、それらは浮かんでこずに]
ご自分の責すら果たさず、愛しい人と共に在る事を望んだ貴方を、怨めしいと、憎んだりいたしました。
貴方の寵を受けるあの男を、憎いと思いました。
それでも、死んだと判るとその憎しみはどこかへと消えたのです。
ただ、悲しい。貴方の悲しむさまを思うと、やはり憎いと思うたのはただ自分が醜いだけであったのだと、思う。
[歩き、若宮の傍へと腰を落として]
おれは。
あいつを、安倍の影居を殺したいと思った。
貴方を、殺したいと思った。
それだけ、憎く思えた。
白藤さんが目の前で死んで、手に薬を塗ってくれた汐さんも死んだ。
知っているお人が亡くなってしまうのは、悲しい。
おれが、貴方を手にかければ、六条院の人たちはより悲しむだろう。
貴方の祖父は、おれを正式に養子に迎えたいといってくれた。
その言葉に報いる為に、おれは貴方を手にかけることはしない。
あきすけ…さま。
永漂さまが下仕えの者達にそう呼ばれて居たのを聞いた気がします。
…恐らく、あの方が俗世に居た頃の御名前かと。
[件の法師の事だろうと、いちはつ殿に教えるのです。]
…ぁ……。
[唇は確かに、あまねのきみ、と軌跡を描いたのに、声は出ず、音にもならず。
彼の独白を聞きながら、少年は少しずつ引いていく涙を袖元で拭いながらまっすぐに視線を向ける。
瞳が一度、二度、と伏せられ、再び唇が軌跡を描く。
今度は「ごめんなさい」、と。
けれど、音にならない]
…?
[自分で、そこで初めて気がついたように喉に手を当てる]
――花山院邸・奥座敷――
永漂。
そう、法名永漂と”綴ってあった”な。
[一人合点をした。]
そいつは呪を、己の意で扱うことが出来るのか?
──大路──
[墨染め法衣のおとこは 大路に立つ。
多くの人々は 空を見上げ 赤い雨の話をしている。
大路の角で見つかった 腰から下だけの死体の話も混じる。]
[若宮の頬に手を伸ばし、指で流れた涙を拭って]
もしおれが、安倍を手にかけたのだといったら、貴方はおれを怨むのだろうな。
[細い体をそろりと抱いて、すぐに離れる]
六条院に戻るといい。おれはもうあそこへは戻らない。
愛しい人を殺されたと、怨むのならおれを怨め。
六条院には世話になったと、伝えてくれ。
もう一つ。
身分も弁えずに。おれは貴方が好きだったんだ。
貴方がおれを憎いと、忘れずにいてくれるなら、それでいい。残る旅路で、貴方の手に掛かったとしても、おれが申すことは無い。
[若宮の口が動いて、何かをいおうとしていることは判ったけれど]
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