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−六条邸−
[琴の音が途切れたのを不思議に思ったのか、少年を呼ぶ声が几帳の向こうからかかる]
…問題ないよ、お下がり。
起こしてすまなかったね。
[その声は、静かに声の主を下がらせる。
しばらくして衣擦れの音がして、それは次第に遠くなる。
指から舌をはずせば、僅かに腫れた部分を見てその状況を把握し、問題ないとばかりに切れた弦を張り替えはじめる。
その手付きは慣れていて]
[清い笛の音が途切れて眉顰め。そして]
…しかし…面妖な。
笛の音が濁るのは何かよからぬこと…
[笛が濁れば清さを尊ぶ琴は尚のこと。そうして思い浮かぶのはあの六条の若宮。偶に笛と琴を合わせる仲でもあり。風流な祖父宮とは年離れながらも]
一つ、ご機嫌伺いにでも参ろうか
[自宅へ向かわず、牛車は向かうは六条邸。先触れぬ無礼、お赦し頂けるか。とかく、先に従者を走らせて、答えあれば向うつもり]
[琴とは、縮小された世界なのだという。
上胴の半円は天を模し下胴方形は血を模し。
その長さ、一年を示す三尺六分五寸。
肩幅六寸は六合、腰幅四寸の四時。
弦を押さえるは十三───十二と閏月の数の徽。
そのうちの一本が、変えたばかりなのに、ぶつりと]
…何もなければよいけれど。
[外した一弦を手の内に、少年は呟く。
その聲が空気に溶けたのと同じ頃、再び几帳の向こうから声がかかる。
それは笛の奏者の訪れる前触れ]
…中将殿が?
[少し、考えるような表情。そして少年は答える。その返事は了。
切れた弦を小箱にしまって]
―庭先で―
[不安に陰る貴族の面、かれが何やら尋ねる風であれば
白纏うおとこは薄笑み浮かべ]
さぁ、百鬼夜行も
昨夜そこな通りを横切ったと聞きますから。
――あぁ、いけない。
怯えすぎてはよろしくない。
つけこまれますよ。
[笑みを敷いたまま謂った。
相手がそれを脅しととったか、諭しととったかは定かではない。
去る背なを見て]
都にあやかしの途絶えた試しなどないというのにな。
おかしなことだ。
[わらう。白鳥の式が肩にとまった。]
若宮様のご機嫌麗しきことお喜び申し上げます。
祖父宮様、若宮様にお変わりはございませんでしょうか?
[暫し後、宮家の門を潜ること許されて。几帳の向こうより頭を下げる。宿直の疲れは顔には浮かばず、まずは若宮、祖父宮の健やかを祝い申し上げて]
…唐突なお伺いをお許し頂き恐縮にございます。
ふと夜明けに気がかりなことあり、若宮様のお声を頂きたくまかりこした次第。何事もなく安堵いたしました。
[簡潔に用事を述べつつ]
[几帳の向こうより聞こえくる衣擦れの音、声に少し目を細める。
祖父宮はといえば、来客があっても眠いのであれば眠いと一言のみの様子で結局少年は一人、青年と対することになった]
宿直のお役目を済ませていらしたのですか?お疲れ様です。
中将殿も恙ないご様子、安堵いたしました。
[几帳の向こうへと声を一つ投げる。
青年の気がかりの一言に眉が寄せられるも、其れは几帳によってさえぎられ彼の目には届かないもの]
…気がかり、ですか?如何なされました。
まぁ、何にせよ。
[肩に乗った式はまた飛び立つ。
追うように足を踏み出した。]
よろしくないのは、事実な訳だ。
[開いた門、おんなの居ない屋敷、
死にちかいにおいがする]
方違えしろと謂ったのに、やれやれだねぇ。
[あの従者は帰らなかった。]
は…。今朝がた、某めの笛の音に乱れがございました。
昨今斯様なことはなく、ふと若宮様の琴の音が気がかりとなりまして。琴とは古来より清浄を旨といたします故、恐れ多くもはせ参じた次第にございます。
お心を乱すこと承知の上。どうかこの無礼ご容赦願いたく。
…そうでしたか。
[声の調子が少しだけ落ちる。
少しの間をおいて、口を開く]
先ほど…そう、中将殿のお越しになる幾分前ですが。
糸が、切れました。変えたばかりのものです。
…よほど、荒っぽい弾き方をしてしまったのかと思っていたのですが…。
[そこで言葉が止まってしまう]
随分前と申されますと…やはり明け方近くにございますか?
[やや訝しげな声となるか]
一度僧都に祈祷させるとよろしいやも知れませぬ。
宮様もお身を慎まれてお過ごしなさいますよう。
京は何かと噂立つ街にございます故。
[顰め面で注意促す風だがふと顔緩め]
またそろそろ桜の時期にございます。お花をご覧になる際にはまたお供つかまつります。宮様もどうぞお心安らかにお過ごしあれ。
その頃には祖父宮様にもどうぞまたお出まし頂きたく存じますな。
[ ―――――――――――――― ]
[遠く鳴る] [鐘の聲]
[蒼・銅銀の響き似た 重い音]
[ゆわく耀きざわめく鬼ゝは懼れなすように 消え]
[ぽかぁり] [山査子(さんざし)のような太陽が夜闇を追い払い]
[無我は、あけた平安京(たいらのみやこ)のいずこかより、羅城越えた伏見の方角へ茫とした作り物近しい湖(うみ)の目を*向けていた*]
…ええ、そう…ですね。
[訝しげな声に促されるように声はまた少し暗くなる]
…僧都ですか。若しくは、陰陽師に頼むとでもいたします。
……そういえば、この頃少し変わり者の陰陽師がいる、とか。
一度、会ってみたいものです。
[女房たちの噂話に垣間見た陰陽師の話を持ち出して少しだけ声に思案が混じる]
花、ですか。そうですね…そろそろ頃合でしょう。
ようよう日も長く、暖かくもなってきましたからね。
…そういえば、文を頂いたのでした。花を見せてくださる、と。
[文の主の名前を告げれば、其れは件の大殿]
陰陽師…若宮様がそうおっしゃるのならよろしいのでしょう。
[陰陽寮の者か?にしてもあまり好かぬものではあるが。日の沈む国、呪い事に興じて国を滅ぼしたという帝も知らぬではない]
あの大殿からお招きの文。あの大殿…でございますか?
あちらの北の方はまだ病でふせっておいでの筈。御本復見られたのでしょうか?
[宿直終わり、直に出てしまったからか、あの屋敷での出来事をまだ知ることはなく。屋敷出ればすぐに聞き及ぶことになろうけど]
父、左大臣もぜひ桜の宴にお招きしたいと申しております。
機会があれば我が家の樂等もお聞かせできましょう程に。
久方ぶりに宮様の琴も拝聴したく存じます。
もっとも、独りでは決められません。
お祖父様にも、相談してみようかと。
[微かに几帳に、肩を竦めた影が映る]
…はい、先日。
文には特に書き記したこともありませんでしたので、病も癒えたのではないでしょうか。
[文が既に祖父の手元届いていることも知らず、少し首を傾げる]
大臣のお心遣い、嬉しく思います。
近いうちにお伺いさせていただきましょう。
その折には、是非中将殿の笛もお聞かせください。
[音楽を愛する心が、自然と声を弾ませる]
[病も癒えぬ北の方をほって宴とは。何を考えてのことかは知らないがどうもあちらはいけ好かぬ]
某の笛がお耳を汚すのは恐縮至極にございますが宮様の琴を拝聴できるならいくらでも。
[そういえば自分愛用の二本の笛。一本をいつかの行幸で紛失してしまったのだが]
では某は此度これにて。宮様がお健やかでいらっしゃれば幸い。
また何かの折にお伺いしとうございます。祖父宮様にもどうぞよろしくお伝え下さい。
[深々と礼をし、また二三言言葉を交わしてその場を辞する]
[むごたらしいさまの死人が出たとか。
そのやしきへ、いまは女官はひとりもいない──
都を貫く大路をゆくものたちの口の端を渡る噂は
興味と、恐怖とを帯びていた。]
やはり、女性のほうが喰らい甲斐のあるものだろうか。
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