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アルフレート ローヴァイン に 1人が投票した。
ランサー ディオメデス に 8人が投票した。
ランサー ディオメデス は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、アルフレート ローヴァイン が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、アサシン シェムハザ、リリン リリーリンリン、キャスター メルカトル、妹尾柊、「管理人」 鳴木素子、トゥルバドール クレティアン、ブライジンガー 諒 の 7 名。
―戦いの跡の―
[耳を打つのは激昂の叫び。>>6:269
――そして、>>6:254 怒りが爆ぜた様な声。
後に音の弾丸の響き、空虚の街にこだまし。]
…… っ !
[俯いていた顔をは、っと、あげる。
魔術師たちは、己が主は、どうなった。]
っ、…ヒイラギ…! ぅ、つ
[傷だらけになったヒイラギと、そして近くに居るはずのリリンに駆け寄ろうとして――クレティアンはがくり、と膝をつく。傷だらけで、魔力の消費も激しかった故に、上手く動かない。]
−戦いの後−
[その灰色の景色が消えゆく事で不思議と胸が締め付けられた。気が付けば服はボロボロだしあちこちから血が出てはいたが、周囲に陣を展開していたキャスターの外傷は少ない。]
リリン、無事ですか?
[マスターの居場所を確認するため、踵を返す。妹尾柊と共にいるのが見えるとほっと胸をなで下ろすが、柊の手に、リリンの首に赤が見えると思わず駆け寄ろうとするが、]
クレティアン…!
[>>0膝をつく彼の傍に身を低くし、肩を貸そうとする。]
掴まって下さい。
マスターの元に連れて行きます。
あなたと、妹尾柊なしでは…勝てない戦いでした。
全く、あなたとは不思議なご縁ですね。
[会うのは戦場ばかり。それなのにお互い戦う事はないまま、気がつくと残り僅かの英霊達。]
…、…。
[肩を貸したまま、ゆっくりとした足取りで妹尾柊とリリンの側まで歩いていく。]
……っ、すいません、
ありがとう、ございます。
[キャスターに答える声は些かならず弱い、が、しっかりと頷いた。]
……――今度は、私が助けられましたね、…
…ご厚意に、甘えます
[肩を借りて、進む。
もうあの灰色の廃墟の名残はどこにもなかった。]
それは こちら、こそです
地を統べる方。
[不思議なご縁、と聞き
クレティアンは小さく苦笑する。
彼なら、今ここで己を討つこともできたのにそうしなかった。とても優しいのだ、きっと。
マスターであるいとけない少女を、心底大切にしていた姿が思い出される。]
……――、本当に
不思議な、こと だ……
[呟きは、吐息交じりだった。]
……ヒイラギ、 だいじょうぶ、 かい
[声をかけ、状態を確かめるように己の主の方に触れる。無事が分かればリリンの方も、観た。魔力を使い果たすほどの激闘の中、彼らは、生き残った。――けれど、きっと、その表情は晴れがましいものではなく。]
地の理を…、少しは理解できましたかね。
彼は…。
[彼、すでに消えた英霊の姿はないから虚空に向けて呟いて。マスター達の側にいても、クレティアンの身体を思えば自ら身体を離す事はしない。]
あまり喋ると傷に触る。
とりあえず、皆で拠点に戻り傷を癒す事に努めましょう。
…、リリン。
貴方のその強い精神力と、並々ならぬ根性…
感服しますが、まったく…無茶をする。
[止血はしているようだが、怪我の場所を見れば眉が寄る。]
…医学の心得はないんですよね、私。
……ええ、きっと。
見事な、もの、でしたから
[黄金の巨人の立ちあがる姿、
大地を統べる者の気概の現れだろう]
……感じいるところあったからこそ、
灰色の君の…あの城塞は、現れたのだと、思います、よ……
[忠告を受け、小さく、頷く。
実際、喋るたびに痛みが走る]
……、医学、なら……
[ちら、とヒイラギを見るが、彼自身の治療が、先か]
…、それなら…、
[嬉しい、と、言葉を続けるには相応しくなくて。口籠る。]
いえ、もう過ぎた事です。
[ふる、と首を振り、今に集中する。
リリン、そして柊と見て、クレティアンの言葉を聞けば]
…、…心得はなくても、傷を癒す手助けなら。
[懐から日時計を取り出し、手に握り込む。リリンからの魔力を奪いすぎないよう糸を細くするようなイメージを持つ。握った手を、大地に触れさせると、短い詠唱。]
大地は命の始まり。
時に、疲れ果てた傷を癒す揺籠に。
時に、崩れ落ちた身体を受け止める。
地は等しく、それを拒みはしない。
[四人を囲むよう魔法陣が大地に展開される。地力を傷を癒す力に向けさせる。やった事はない。付け焼き刃だ。]
…――。
[>>7 キャスターの呟きに、
詩人は物憂げに眼を伏せただけ。
何を謂うにしても言葉が見当たらない。]
……、? ぁ、……
[キャスターの詠唱が重なるにつれ、
体の痛みが僅かだが和らいでいく。]
魔力が、……ああ、貴方の、あの、力か、……こんな風にも、使えるん、ですね……
[無理やりな癒しだと自分でも思う。
敵を討てるというのに施しをする甘さは、
―――お互い様か、と。
肩を貸した英霊を見れば、仄かに口の端を上げるだけ。]
私の力というより、この地が持つ力を
少し借りている…といった所でしょうか。
[宝具《アトラス》で、恩恵を受けた彼なら解る所ではあるのだろう。]
…、…っ
[自分の残った魔力を道具で無理やり増幅させての魔術。
額にじわりと浮かぶ汗は、少し俯き長い前髪で隠す。]
行きましょう。
クレティアン…。
そして、マスター達。
[未だに詩人らしき彼をライダーのサーヴァントなのだろうかという疑問は口にせずのまま、リリンの手を(拒まれたらしぶしぶ引くが)取って下の階層へと意識を向ける。]
――…、クレティアン。
アサシンの羽根には決して触れてはいけません。
どうか、バーサーカーの悲劇を…
そして、みちるのような事が…二度とないよう、
心に留めておいてください。
―――、それでは。
[そう言えば、クレティアンと妹尾柊とは違う場所へと*転移する。*]
[遠くの方から
聞き覚えのある声が自分呼ぶ…
答えようとするも…喉はカラカラで、
指先一つも動かせない。…と
――…ぐんっ!!
横たわる地から…魔力が強制的にぶち込まれた。
思わず体が弓なりに反って]
――っ…!!…あ、ぁ っ、
[反射的に起き上がり、手で額を抑える。]
[――キャスターが、無理をして汗を滲ませていることに気づくほどに余裕があるわけでもなく、マスターに呼びかける。]
……ヒイラギ、……、大丈夫、ですか。
[満ちていく>>8魔力は、
僅かでも彼の器を潤せているのか。
リリンの怪我だ、と聞けば気遣わしげにリリンと、キャスターの方を見る。
ヒイラギの治癒魔術で、彼女は危ういところを脱したらしい。ほ、と 息を吐く]
……―――だいじょうぶ、ですか。
よかった
――アサシンの、羽?
そんな、……あの羽は、
あの時、私の編んだ騎士が、貫いて……
[片手で顔を覆う。
消滅したのを確認したわけでは無かったと思い出し、クレティアンは眉を寄せる。
――何ということだろう。甘かったのだ。
――もう力を失っていると思ったのに。
――では、キャスターの前マスター、
――あの少女も、まさか。
其れを確認するより前に、リリンとキャスターは転移し、消えてしまう。]
……、…な ん、…、?
[>>14 ヒイラギの言葉に
クレティアンは険しい表情になる。]
……―― この、件にも
彼が関わっているかも、しれないと……?
[貪欲に、聖杯戦争を掻きまわす。
おそらく彼の望みのために。
堕ちた天使。彼の物語は、毒も闇討ちも甘言も厭わない、手段を選ばぬ暗殺者≪アサシン≫のそれだ――と、詩人は思う。何ゆえに。
――砂時計がひっくり返って同じなのは見た目だけ
――経年劣化するほど、繰り返して>>3:435 ]
[螺旋のような物語だ。――と、そこまで考たところでクレティアンはくらりと眩暈に襲われる。
――人間風に謂えば「血が足りない」状態だ。]
……戻ろう、ヒイラギ。
体を休めなければ、
…進むものも進めないから、ね。
[ふわり、と光がヒイラギと詩人を包み、拠点へ向け転移する。辿りつけば、詩人は己の力を回復するため、しばらくは死んだように眠るだろう。
後に残るのは静寂だ。
炎上した鎌倉の栄華の灰の下、埋み火が蛍のようにひかるばかり**]
―西ブロック・拠点―
[あれから数時間…レティは死んだように眠っていた。
僕も僅かでも魔力を回復できるように…実際、死にそうなほど疲れていた。
楠の木の側に横になり…ウトウトする。]
[―――戦いたい相手がいると、言っていた。
一度でいいと。
永劫でもいいと。
戦いの末……聖杯を手に、その相手との死合いを望む、と。
教会で初めて会ったとき、その英霊はたしかにそう言った。
その彼は令呪の二重の命を受け、自身を貫いた。
彼は主に裏切られた。戦人の誇りを躙られ、願いを剥奪された。
魔術師は契約の羽と共に聖杯戦争を去り、後には自分たちが残された。
でも、なぜだ。
抗うことはできなかったかもしれない。だが、恨み言の一つくらいは言えただろう。
しかし彼が口にしたのは、いまだ果たせていない約束事のみ。
分からなかった。
どうしても、分からなかった。
なぜ彼はその運命を、そのままに受け入れたのだ―――]
― 中央ブロック・拠点 ―
[ベッドの上で目を覚ます。
目にした光景が衝撃的すぎて、どうやって帰ったのかも覚えていないが、どうやらここはホテルのようだった。
着替えもしておらず、服は血塗れたままだ。首筋に手を触れれば傷は塞がっていて、乾いた血の固まりがカサリとした感触を伝える。
どうしてか頬が濡れていたが、袖で乱雑に拭って起き上がった。
身体は動く。傷の痛みもない。
治癒をしてくれたヒイラギとキャスターのおかげだろう。治療の魔術を知らない自分では、こうはいかない。
おそらくは……傷跡も残るまい。凄まじく鋭い斬り口だったのだ。治し易いに決まっている]
― 中央ブロック・拠点 ―
おはようございます。リリン。
[ベッドのすぐ傍で顔を上げて、目を覚ましたマスターに挨拶をする。
ホテルの床に、小さな真鍮のパーツが広げられていて、その中心にいるのがキャスターだった。]
身体の具合はどうですか。
ええ、ありがとうキャスター。
おかげさまで身体は問題ないわ。魔力はまた不足中だけど……何してるの?
[床でおかしなことをしているキャスターを見て、眉をひそめる。
キャスターとして召喚されたとはいえ、彼は地理学者のはずだ。魔術的な儀式をすることはないと思っていたのだが]
見ての通りです。
作成していた道具の修理ですよ。
[まだリリンとのつながりはあっても、
繋げている線は細くしているまま。]
嫁入り前の身体にそんな傷を負ってしまって…
私はリリンのご両親に顔向けできませんね。
[どうにもまだ保護者気分が抜け切れてない。
リリンの家の事情など知らないのに。]
…、上がまたできましたね。
―西ブロック拠点―
――、っ、ん……
[ 床に斜めに脚を投げ出して、
ソファの座面に凭れ掛かり突っ伏していた 詩人が、小さく呻きゆっくり眼を開けた。微睡みというには苦しげで、覚醒というにはやや遠い。]
……ここ、……嗚呼、
拠点、か、……
[ 喉に指を添え、
そのまま自分の傷を確かめるように撫でる。キャスターの、龍脈寄せに助けられたか、動けぬほどではないようだった ]
キャスター。わたしは戦いに来たのよ。傷なんてどうでもいい。
そもそもこれ、傷口が綺麗すぎて痕も残らないでしょうし。
……アルフレートはかなりの魔術師だったわ。あれは第三の流れを汲む魔術かしらね。
[彼の魔術師については、淡々と。
ランサーを裏切ったことには憤りを感じるが、魔術師としてはあれも正常なのだろう。
己の理にのっとり、彼は自分の意思で聖杯戦争を脱却したのだ。それを最善と信じて―――でなければあの英霊は、すべてを悟った顔などしなかっただろう]
上か……。
どんな階かしらね。
良くありません。
リリンは女性なんですから。
[そうはっきりと言葉を返す。パーツを組み合わせて、ぱち、ぱち、と慣れた手つきでアストロラーベを完成させれば床の上はだいぶ綺麗だ。
立ち上がりベッドの傍らまで歩み寄る。]
上に行く前に…少しお話を。
…、確かにアルフレートは優秀な魔術師でした。
私が地の理を只管に探し求めるように、
魔術に対して正面から常に向き合っている人でした。
――、あのような マスターとサーヴァントの関係もあるのだと、…
[一度そこで下唇を口の内側に入れ、リリンを見下す。]
半ば…巻き込む形となってしまいましたが、
リリンはサーヴァントという存在を
どのようなものだとお考えですか。
私は――、マスターの意に沿うよう努めます。
残された令呪は1。
…私の行動を制限するような形での使用を避ける為にも
お聞きしてもいいでしょうか。
―西ブロック拠点―
……、つ、っ……
[痛みに息を詰めながらも、
徐々に塞がりつつあるのは感じる。
――まだ、歌える。語り継げる。
ふらり、とやや危なげな足取りで、
庭園の楠の側で眠るマスターの側へ。
それから片膝をついて、側に控える ように]
[キャスターも昨日の一件は思うところがあったようだ。
自分にとって、サーヴァントはどのような存在か。
そんなことを聞いてきる英霊に、問い返す]
それに答えるには、わたしがあなたに質問する必要があるわ。
あなたは、どんな結末を理想とするの?
[聖杯に何を願うかも、どのような思いを抱いて英霊となったかも。
何ひとつ語る事はしなかった。
否、その必要がないかと決めつけて接していたのが懐かしい。
リリンの前で懺悔をするよう瞼を落として、]
人が作りし遺産、
導き出された理論、
それだけでなく、
小さな意志であっても
――、途絶えぬ世であって欲しい。
死は確かに…死という終わりの形です。
けれど、続きのある終わり。
そういう希望を見いだせる終わり。
それが私の理想です。
[語られる理想を受けて、神妙な表情で頷く]
自分の理想を持って戦うなら、あなたはサーヴァントである以前に、あなたでしょう。
ゲラルドゥス・メルカトル。
遙か先まで続く道を望むのなら、その願いに恥じぬ誇りを持って戦いに赴きなさい。
わたしは、あなたの言う道を見せてもらう。それだけでいいわ。
―西ブロック・拠点―
[うちらうつら…・微睡んで、ふ、と…眼を開ければ
傍らには控えるよう英霊が…]
んーー、レティ?
駄目だよ寝ていなくちゃ…
[体を起こしレティの頬を撫でる。]
まだ顔色悪いねぇ。
そうだ!苺ジャム!!
前に食べたいって言ったでしょ。今食べよう。
ここで、待ててね。
[念を押すようにそう言うと、キッチンに向かった。]
――― はい。
[返事は短く返し、その場で頭を下げる。
道を見せる。
先を歩く者として、彼女よりとうの昔に死んだ者として、
自分の生き様を示す事が証明であるのだろうと。]
リリン。
…、…ありがとうございます。**
―西ブロック・拠点―
…おはよう、ヒイラギ、
動けるようには、なったから……
[頬を撫でられて、
少し擽ったそうに眼を細める。]
さすがに、無茶をしすぎたみたいで。
……苺ジャム?
あ、……ヒイラギ、動いて大丈夫なのかい、……
[思いのほかすたすたと向かう姿、言いつけどおりにその場で待つ。さやさやと、楠木が囁くように揺れている]
[カチャカチャと音を立てながら、トレイにスコーンと
苺ジャム
レティ用に赤ワインを一本]
へっへーー。
ばあちゃんが赤ワインは増血剤って言ってた。
宛てになるか判らないけど…一応ボルドー産だよ。
[楠の下で穏やかなティ−タイム。
ほんの少しだけ昨日の出来事を忘れられた時間 ]
[返事と謝辞を受け、立ち上がって窓の外を見る。
この聖杯戦争で今も残るのは、三組。
自分たちと、ヒイラギたち。
そして片翼と顔も知らないそのマスターだ。
もはや六人しかいない……いや。
そういえば、参加者でこそないがもう一人、いた]
キャスター。教会へ行きましょう。
あの子に会っておきたいわ。
再契約の報告もしていないし。
[聖杯戦争の管理人であり、ランサーが最期に気に懸けた人物。
鳴木素子のことを、思い出した**]
大丈夫かい、
それくらいなら、持てるのに
[手伝おうとしたものの、
手際は明らかにヒイラギのほうが上である]
葡萄酒はキリストの血である、と。
……そういうことなのかな。
ああ、フランスの都市――か。
[赤ワインの瓶をそっと指先でなぞる。
フランスでは、中世よりなじみの深い飲み物であった。
緩やかなひと時、魔力を静かに、注ぐよう。]
[赤いジャムと、スコーン。
品よく口に運び、味わう。
揺らめく赤い水面へ視線を落とたクレティアンは、
暫しと沈黙したのち、口を開く。]
……、ヒイラギ。
ひとつ、頼みがある。
…… 教会に、行ってもいいだろうか?
[――「教会の少女を頼む」>>6:250と、
灰色の騎士は、消え行く間際謂った。
願いは、叶えたい。]
[――さて、
些か渋い顔をしたヒイラギは、
鹿爪らしく思案する―或いはふりを―したようだった。
流石に、あのような戦いを繰り広げた後だ。
無理はするな、というストップが掛かるかと思ったのだが
提示された条件は、詩人にとって意外なものであった。]
……、教会までは、ヒイラギを抱えて運ぶこと……?
[詩人は瞬き、緩やかに首を傾げた。
レイのとき、そうしたようなこと、
――ということらしいと理解する。
足がまだ、痛むのかもしれない。]
わかった、
大丈夫。 私はこれでも、英霊だからね。
マスターの、仰せのままに。
[そう言って、笑む。
英霊にしては筋力は最低ランクとはいえ
ヒイラギくらいの子供や、
氷の女王――レイのような女性を抱えるくらいは、問題ないのだ。]
―教会へ―
[一通り準備を整える。
クレティアンの肩は、薄皮が張ったとはいえ
痛みのまだ残るもの。
エスコートするようにヒイラギに手を差し伸べ、
ふわりと抱き上げるは騎士の如くだ。
若葉色の衣を翻しながらの図は
この街では浮くはずなのに―――誰も、気には留めないのだ。]
[―――教会へと向かいながら、
クレティアンは思い出していた。
あの少女。――モトコのこと。
2度目、教会を訪れたとき聞いた、
この「異端」なる聖杯戦争の一端。
街を形作るという、聖杯のこと。
シェムハザという、螺旋の首謀者。
多すぎるという、サーヴァントの数。
はじめられ、
繰り返し、
終わらない、「忍神町の聖杯戦争」という物語]
[終わらない物語を望み戦場に立つ詩人は、
この物語の終わりと、新たな物語の始まりへと、
手を伸ばすための方法へと手を伸ばす。
――たとえば そう。
6騎で満たされるという聖杯、
その許容量以上に
英霊の魂を注げば
どうなる?]
「管理人」さん、ですね。
[彼女がその呼び名を望んでいたのを思い出し、素子の事をそう呼ぶ。]
はい。
…そういえば、そうでしたね。
[再契約の事を言われれば、忘れていたと、目を細くする。
頷けば、リリンの横に並んで。
手はもう差し伸べる事はなく、握り込む。]
最短距離で参ります。
道案内は*お任せを。*
―回想・西ブロック・拠点―
[楠の下、ピクニックのようにスコーンと紅茶を味わい。
ワインを飲むレティは、暫し視線を落とし口を開いた。
―教会へ― と、約束を果たすために…
祈るように目を閉じるレティ…
戦いの時は遠くない、本来なら少しでも休息を取って
魔力の回復に勤めたい所だった…が、]
――…う、ん。 いいよ。でもね、、
[二つ条件を付けた、一つは5階と6階に寄って行くこと。
もう一つは僕を一緒に運ぶこと…
これは…ほんの少しの甘え。
別れが近いレティと少しでも触れ合っていたい、温もりを覚えていたい、と。]
―回想・6階―
こ、ここはビジュアル的にも許されそう…かな?
[ ―鎌倉炎上―
焼け焦げた多量の竹の残骸は、戦火に包まれた古い日本家屋に違和感が無く映った。]
足利尊氏、凄い人だったね。
リリンだって絶対に忘れない!忘れられないよ。
[大地に魔力を込めれば、梅の木が数本育ち白い花びらを散らす。]
レティは、梅の花見たかったんだよね。
尊氏さん、少しは喜んでくれるかなぁ…
お待たせ。さぁ、レティ行こう!
[再びレティに抱き留められ、教会へ。と、白い光に包まれた**]
[――望月といい、ヒイラギといい、
この時代の人間は抱きあげられるのを
好む傾向に在るのだろうか、
そう詩人が文化について誤解を生じさせているのはさておき。
条件その2。
ヒイラギが5階と6階へ向かうことを所望したのは
花を添えるためだった。
それはさながら死者への手向け。
そして、生者への慰め。]
[人間の2度の死――
告げられた言葉に、吟遊詩人は
金萌葱の眼を静かに細めた。]
――そう。
それは、君の親方が……
私に向けて呉れた祈りを繋ぐことにもなろうな。
[“願わくば――君自身の物語が奏でられん事を”>>2:518
そう、希代の天才芸術家は謂ったのだ。
揺れる夜明けの色の花を覚えている。
吟遊詩人は、あれからずっと
彼女からこのヒイラギという少年を「預かった」と、そう思っている。荒野で拾いあげた宝石は、預かり物でありこれから未来へ向かうもの。
故に――――]
……ならば、貴方は必ず生きて帰るのだよ
[それは、教師が生徒に
真摯な助言を向けるのに似ている。]
……私は私の語った物語の在る限り
「存在」しているよ。
[だから私は、この奇跡の戦場に居られる――と、物語に存在を捧げる詩人は、微笑んだのだ]
[――さて、鎌倉炎上の階である。
何処か物悲しげにゆっくり辺りを見回す。]
こういうのは何て謂うのだったっけ、
ワビサビ……かな?……ちょっと違うのかな……
[本から得た日本の知識は確かに伸びていた。]
――……そうだね、私も忘れない
[詩人が戦いに身を置く理由。
奇跡の戦場で物語を刻むこと。記憶が座に戻って記録に変わっても、それでも刻みつけられるような、彼方まで届く歌を。
焼け落ちた鎌倉に、梅の花が香る。
指先伸ばし散りゆくひとひらにふれたは刹那――]
……きれいな花 だ。ありがとう、ヒイラギ
私が謂うのは、少し違うか。
[そう、苦笑して向かった先は、――教会へ>>47 >>48]
―教会―
……話声がする
[静謐な祈りの空間である教会。
その奥に、]
先客……かな。
キャスターたちか、……それとも。
[念のため、何があっても対応できるように
詩人が少し前を歩く。
音声は、教会の奥の部屋から漏れているようだった。
締め忘れたのか、うっすらと開いている。]
―教会/奥の部屋―
――モトコ、――“管理人”様?
[呼びかけに返事はあったかどうか。
そっと、開いた扉をノックしようとした時――]
[「あいと ゆうきで たたかうの!
まほうしょうじょ、まじかる☆まろん!」
かわいらしい声が響く。
女児たちから一部大人にまで大人気!
『まじかる☆まろん』の声である。
今回はまさにクライマックス――モッツァレラ★ぷりんせすの城に、まじかる☆まろん達が乗り込むエピソード>>3:52であり、特別バージョンのOPとなっているが吟遊詩人が知る由もない。
つまりそう、
そこにはテレビがあり。
視聴者がいたのだ。
キャスターだった。]
[さて、時は遡り教会へ。いざ来てみたが管理人の素子の姿はなく、探しているうちにこの奥の部屋にたどり着いたわけだが、そこにあったテレビに興味を示したのはもちろん、キャスターだ。
援助交際をみちるに刷り込んだ恐ろしい箱。その実態を確かめる必要がある。そうリリンにも熱弁し、いざ電源を入れて間もなく始まったのが、まじかる☆まろん、だった。
もちろん、オープニングが特別バージョンになっているとも気付かずに見入ってる。]
すみません、リリン。
私にはこれを見る責任があるのです。
[声は至って真剣そのものだ。**]
…あっ、…
[管理人の帰還と明らかに温度の低い声。
どうやらキャスターたちは許可を得て視聴しているわけでは無かったらしい。]
……おじゃましています。
[取り敢えず挨拶]
―教会―
[とん。と、足先を地面に付ければ、教会前。
扉を開けるレティに続き、中を見回す。]
こんにちはー…誰も居ないのかしら?
[奥の方から話し声が、リリン達が先に来ている?
レティに続いたまま…教会の奥へ向かった。
部屋からは聞き慣れた音楽と声が…]
あっ!『まじかる☆まろん』だっ!!
―教会/奥の部屋―
[そう言えば、すっかり忘れて居たのだが、
今日は『まじかる☆まろん』のクライマックス!!
先週の寮のTVで、今日を待ち遠しく思っていたのだった。
何てラッキー!
なんたる偶然!
きっと神様のお導きに違いないっ!!
リリンの隣に陣取ると、同じく正座して…]
―――クレティアン、よく観ておきなさい。
これはあなたたちが紡いだ伝承の果て。
多くの試行錯誤により進化した、物語の一つのカタチ。
今もなお人々が求め、その心を震わせ熱くする……アニメーションという名を得た、現代の創作技術の結晶よ。
[気配を感じ、静かにそう語る。
その目はひたすらに、テレビの方向へと向けられていた―――]
……これが、物語の一つの形ですって?
[ そう言われれば見ざるを得ない。クレティアンは物語に渇いているのである。 ]
なんという……、
そうか、此れは劇場における演劇や歌劇を、動く絵に置き換えたもの……?いや、人形劇……いや、違う。
それにしても
ずいぶん目が大きいですが……
[ 本人は至って真剣である。 ]
[まろんがモッツラレラの攻撃を受け損ね、
崖の底に落ちる悲鳴と共にCMタイム
――ほぅ…と、息をつくと
ぴぃちの使い魔「テントウ虫のてんてん」マスコットチャームに目を見開く。
――…ごくり、、唾を飲む音が聞こえる。]
だ、だめだっ!
この間「ぴぃちの変身中フィギア」買ったばかりだ…
これ以上は、お小遣いの範囲を…越えてしまうっ!
耐えるんだっ!!
[財布を握りしめ脂汗を浮かべ耐えしのぶ…]
……はっ、いやいや、そうではなくて。
[ 一度絵は途切れた。
休憩時間らしい。 ]
管理人さま、
貴方に伝えたい事があったのです。
――灰色の君、
ランサーが、……貴方のことを頼む、と。
この続きはっ!?
[テレビを理解しても、合間のコマーシャルというものが何なのか解らず、突然区切られた物語を心配する。]
………
はっ…、
あ、管理人さん。
[CMに入り、ランサーと聞けば、管理人へと振り向く]
ランサーはアルフレートに裏切られて、令呪により自害したわ。
それでもその運命を受け入れて……今際の時に、あなたを心配したの。
約束だから、って。
[その姿を、親に裏切られた自分と重ねていた。
自分とは違う、自分にはできなかった道を選択した彼は……酷くもの悲しく、それでいて優しく思えた]
高潔な人だったわ―――マロンのように。
[リリンの方を見ると彼女も素子の方を見ていた。
しかしこのテレビという存在。
人を虜にする魔力を感じる。
まるで恐ろしい人食い箱だ。
分解を今すぐすべきかと考えたが、いや、と首を振る。]
…管理人さん。
お久しぶりです。
[素子に軽く頭を下げて、ランサーの事を告げる面々の言葉を聞きながら]
それから…私達は、再契約の報告にきました。
……
[かの灰色の大英雄をマロンに繋げていいのかなと思ったが、逆に言えばそこ以外は大体合っているので
口を挟まないことにした。
神妙な顔で。]
−教会の近く−
[体が疼く。魔力回路が熱を帯びている。]
・・・・・・くっ。
[やっとここまで来たはいいが、体がだるい。
意識も朦朧としているし、視界も血のような赤に染まっている。
脳が脈を打っている。
体内の魔力が暴走している。
アサシンへと供給するのとはまったく関係ない、魔力の奔流。
それが、何処か知らない場所へと流れて行く。]
誰か・・・・・・助けて・・・・・・。
[僕は何度か考えた。
過去の僕は、何も気がつかなかったままだったのかと。
もしかしたら、今の僕ほどではないにしろ気がつき苦しんだのではないかと。
であれば、過去の僕は自害という選択肢を見出したことがなかったのか。
もしそうであれば、アサシンはもっと僕に警戒していてもおかしくはない筈。]
[簡単な話だ。
聖杯戦争が終盤に向かうと、僕は毎回こうなった。
自力で歩くのもままならない、そんな僕が自らの命を奪うことなど出来たのかと。
それだけじゃない、僕は少しずつおかしくなっている。
そう、感情が、薄らいで行っている、気がする。]
[教会目前で倒れこむ。
声を出す力もないし、体を起こす気力もない。
このままでは、聖杯の核になってしまう。
助けて。 助けて。
でも、助かったら。]
―――、
[はっ。]
あ、はい。
どうもね。
元気してた?
[あのね、私、提案があるんだけど。
「ツッコミ」っていう職種の人、雇った方がいいわよ。
という言葉をぐっと飲み込んだ。]
僕は・・・・・・このループから・・・・・・抜け出せるの・・・・・・?
[地面に突っ伏したまま、空ろな眼差しで教会を見つめ。
そして、僅かに動く手は教会へと伸ばされていた。]
ところでこれ、何?
今放送してるの?
いつのアニメ?
ひょっとしてリアルタイム?
なんでこの「町」でそんなの放送してるの?
[まじで?]
…りあるたいむ?
[疑問符を連打する素子の言葉にこちらも頭に???が続く。]
みちるが…
これを見ないとみちるの一週間が終らないと言っていました。
言葉から推測するに、
毎週この物語がテレビで放送されているのだと…
―――…、…。
[だから食い入るようにして見ていたとは続けない。
みちるが死んで/殺してしまったから、彼女の週の終りを自分が肩代わりしようとしていた、とは。]
そんなバカな。
ここが「いつ」の「どこ」だと思ってるの?
ここは超弩級の特異点なのよ!
[驚愕。
綻びがこんなところにも出るとは。]
はー。
[息を吐く。考えても仕方ない。
あまりにも仕方ない。]
まあ、とりあえず、色々あったみたいね。
「約束」か。
不思議な感覚だわ。
そういうの、失われるものだと思ってきたのよね、私。
なんか、ちょっと胸の奥がじんわりするね。
[でも、それって、きっと―――
私にとってはよくないことでもあるんだわ。]
で、そのランサーのマスターはどうしたの?
姿が見えないようだけど。
……ん?
[ つと、吟遊詩人は扉の外に目を向ける。
なにか、空気が揺れるような、
かすかな音を優れた耳が捉えたのだ。]
失礼、……今、何か
[ 箱の部屋に背を向けて、
扉の方へと歩いて行った。
そういえばなぜキャスターがあの大きな目の動く絵に拘泥しているのか聞き損ねたと思いながら―――― ]
「いつ」の「どこ」…なのですか?
[質問に質問を返すが、ランサーのマスターと聞かれれば]
そういえば、彼は…どうしたのでしょうか。
ランサーを令呪を使い自害させ、
…――それから、消えたように見えました。
……?
[テレビが再開した。リリンがまた食い入るように見始めた。
自分も見ようとしたが、クレティアンの顔を見れば、]
ライダー。どうしました。
[扉の方へ向かう彼の方へ足を運ぶ。
彼のクラスは未だ勘違いしたままだ。]
――、……ランサーの、マスターは
……ランサーを
自害させて、……黒い羽と共に、
恐らく塔の外へ。
[ 苦く苦く眉を寄せ、
振りきれぬまま、扉を開いた先に
誰かが、倒れていた。]
――え?……
もし、どうしましたか!
[ 駆け寄り、背を揺する。 ]
ほころび、ね。
異常な聖杯戦争だと思ってたけど、やっぱりどこかで無茶をやっていたわけね。……そりゃ、そうなるでしょうよ。
ランサーのマスター、アルフレートはこの聖杯戦争をリタイヤしたわ。
羽を持っていたから、たぶんシェムハザと何か取引したのだと思う。今頃は安全な場所にいるか……もう、塔から出たのか。それとも、騙されたのか。
分からないけれど、もうわたしたちにとっては、関係の無いことよ。
[テレビから目を離さず、管理人に応える]
[まろん。堪能した…]
あ、僕とリリンは見たよ。
[リリンに見たよね?と、問うように]
僕らの目の前で黒い羽根出してどこかに消えたんだ。
[キャスターの問いに代わりに答えた]
― 教会 入口扉付近 ―
…、ブライ ジンガー…。
[>>95クレティアンが駆け寄るより
少し遅れて到着すると見知った顔に驚きを隠せない。]
「消えた」?
一体どこに?
何故自害させる必要があったの?
[それほど長く話したわけではなかったが、面白ずくでそういうことをしそうなタイプには見えなかった。
むしろ利や理を追求するタイプに見えた。]
「消えた」―――
[まさか、「外」へ出たの?
でなければ階層を移動したかだけど、それならここに来ない理由がないし、自害させる「利」も「理」もない。
だとしたら一体どうやって?
まだ聖杯も完成していないのに。]
た、たすけ・・・・・・て・・・・・・せいはいが・・・・・・もうすぐ・・・・・・
[言葉が続かない。
僕はまた、何も出来ないのだろうか。
過去の僕と、同じように。]
…クレティアン。
彼は―――アサシンの、 マスターです。
[それは即ち、近くにいると言う事か、と警戒の色を強めるが
>>100苦しそうに助けを求める声に眉を寄せる。]
……聖杯が?
どういう、意味――いえ、とりあえず中に運びますか。
「黒い羽根」。
―――なるほど。
あのパタパタ野郎が何かしたか。
こんなにアイツがうまく事を運ぶの、はじめてかもしれない。
出遅れてるな。
[「綻び」に気を取られていたせいもあるが、今回の「アサシン」自体、積極的に来ている。
アイツはループの綻びに気付いているだろうか?
時間がないのを感じているのかもしれない。
もちろん、何も考えていないかもしれないが。]
って、え?
[外からブライの名が聞こえた。
こんなタイミングで?]
――聖杯?
[ 詩人は金萌葱の目を見開いた。
追いついてきたキャスターが、名らしきを呟く ]
キャスター、
この人を知っているのですか……?!
……聖杯戦争の、関係者というなら
まさか、
[ キャスターは、
詩人に鮮やかに答えを与えた。]
……この、人が?
でもなぜ、こんなに弱って。
……ともかく中へ!
−教会上空−
[空には片翼のアサシンの姿があった。
ブライの位置情報を元に、手探りであるはずの教会を探っている。]
そこらへんか。
[確か死んだはずのキャスターと思える魔力がある。
まだサーヴァントは2騎残っていた。]
何故消えていない・・・・・・ブライが手助けでもしたのか?
だがもう関係ない。
[片翼の羽根が、緑色の魔力回路を輝かせている。
そして、ブライが範囲に入らないように、教会があると思われる地点の周辺に向けてその羽根は放たれた。
羽根は地面に刺さり、磁気を帯び始める。]
っち。
どうしたっていうのかしら。
[舌打ち。]
あ、情報ありがと!
多分、情報を持ち帰るとか、そういう魔術師としての彼なりの目的があったんだと思うわ。
その目的を満たすためなら自害も命じるかもしれない。
だって、魔術師だもの。
そういう生き物だわ、彼らは、多かれ少なかれね。
[そう言い残して入口へ走る。
途中で杯を引っ掴み、樽から葡萄酒を注いだ。]
ブライ、どうしたの?
今はきっとあの野郎が警戒してるわよ。
―――そんなに、切羽詰まってるの?
[やっぱり「1組多い」ことが影響しているのだろうか?
まだ3組は残っているはずなのに。]
ほら、飲みな!
[杯を差し出す。]
彼は私の命の恩人です。
再契約に至るまで私を保つ事が出来たのは…
彼のおかげだったんです。
まさか、こんな形で恩返しをできるとはおもってませんでした、が
[ふと上空にサーヴァントの気配を感じる。
ブライをクレティアンと共に運ぶ最中、思わず上を仰ぎ見る。]
…来ましたね。
[番組が終わる。ふぅ、と一つ息を吐き、それから気づいた。
令呪のうずきを。
そして、感知するまでもない、魔力の奔流を!]
な……キャスター!
防いで!
[とっさに叫ぶ]
―――、了解しました。
[言葉と同時に、教会の床に魔方陣が展開する。]
みなさん、この陣の中に。
外にいる人は流石に守りきれません!
[補修の済んだアストロラーベを何個か周囲に投げて、魔力の底上げをする。リリンからの魔力供給が少ない状態でもこれでなんとかなるだろう。]
[その時、「塔」に流れる魔力が揺れた。]
えっ、
―――嘘でしょ!!
ここが気付かれたなんて!
くう、「はじめて」だ!
また!!
[キャスターの声に陣に飛び込んだ。
魔力の渦を見れば、しまった!とばかりに、]
どうして、教会って攻撃しちゃいけないはずなのに!
[両腕で頭を守るように伏せて]
[キャスターが展開した陣へと飛び込む。
この魔力は知っていた。一度身を持って味わっている]
来たわねシェムハザ……!
[歯噛みする。
ここは戦闘エリアではないどころか、住民たちが住んでいる1Fだ。あいつが本気で暴れればどうなるか……考えたくもなかった]
[扉の外から吹き込む風を感じ、それを束ね操る。]
台風の目の内は穏やかに。
目の外は、暴風に。
[短い詠唱を終えれば、陣の中にマスター達が
入ったのを確認してから術を発動させる。]
―――、渦巻け。
[陣の中では何も変わらないように感じられるが
周囲は魔力を帯びた風によって囲われ、守られている。]
Ακούστε, ο Θεός της βροντής του μύθου.
Και έκαψαν τον ουρανό!
[一節の追加詠唱。
それは既にシングルアクションで詠唱が完了するはずの雷魔術をさらに増幅させる行為。
刹那、羽根に囲われた空間は激しい電子の衝突の結果、爆発する。
大きな光、そしてその空間にあるものすべての発火。
サーヴァントならともかく、人間ではそう容易く生き残れはしない。]
―― シェムハザ!!
[呼ぶ声には、無意識以上に棘がある。]
ヒイラギ、リリン、はやくこっちへ!
[呼びかけ、2人が陣の中に入るのを見ると、
クレティアンもまた奏ではじめた。
咽喉に指先を、その両手には楽器はなく、
ただ歌が満ちていく。
本来の宝具は物語と彼の声、リュートや楽器は、
華やかさを添えるに過ぎないのだ。]
――ヒイラギ、……真名解放の許可を。
令呪があれば、まだ、――奏でられる!
…っ、く
[怒号が教会の周囲に鳴り響く。
光と爆破音が迫るのを感じれば、
その突風を利用するよう風の流れを操り防御の風の層を増す。
増しては壊され、増しては壊されを何度も繰り返す。]
―――こンの、
ドクソ野郎!!!
てめえでてめえの首絞めてんの、分かってんのか!
「ループ」は無限なんかじゃないんだぞ!!
てめえんとこのマスターもここにいるんだぞ!
畜生めがーっ!!!
[空へ向け、咆哮した。]
[一瞬の雷光。
そして爆発。
轟音と衝撃に目をつぶる。シェイカーで地面がめったやたらに振り回されているような感覚が襲う。
それが一段落し、視線を上げれば……教会の天井も、壁も、内装も、跡形なく瓦礫と化し。
風で揺らめく煙の隙間に、自分たちを見下ろす片翼の姿が見えた]
[足りぬ魔力、されど詩人の中に
物語を結ぶのに足る詩歌の道がある。
其処に、たどり着くまでは。]
……キャスター、
たいせつな話が在ります
あなたにしか、話せない。
[詠唱を終えた間隙―――密かなささやきは聞き届けられたか。]
――っ く 、っ!!!
[>>118 強大な魔力が爆ぜ、キャスターの魔力の盾があってもその場にとどまることさえ難しい。範囲から外れたブライジンガーへ、手も届かない]
随分品の無い声だな・・・・・・
[管理人の声が届く。]
確かにその通りだ、ブライは回収させて貰うよ。
[ふわりとブライの傍に降り立ったかと思うと、そのブライを担ぎ、また浮上していく。]
既に最上階は解放された。
聖杯の座もそこにある。
決着をつけようか。
さっきの魔術を受けて無事だというなら、追いかけてくるといい。
[そしてシェムハザとブライの姿は、光となって消えた。]
[ぱきん、 ぱきん。]
[ひとつ、またひとつ。周囲に投げたアストロラーベが壊れる音。]
―――…、…
[可愛らしいを売りにしていた(とキャスターは思っている)素子が、すごい口調でアサシンへと罵声を浴びせているのを聞いていた。
―――ふと、魔力の乗る声が耳に届く。>>123
術を展開させながら、向けるのは視線。返事は瞬きだけ。]
[ブライを回収され、最上階へ消えたアサシンを確認してから、
防御の陣は解かれた。
教会は自分たちのいた場所以外は爆破により酷い有様だ。]
……、クレティアン。
[>>119 彼の言葉から、おそらく彼も魔力が足りていないのだろうと予想し名を呼ぶ。]
―――、これを。
[クレティアンに向って投げたのは、
ブライジンガーから貰った宝石。
まだその宝石には魔力が残された状態で
もしもの時にと密かに隠し持っていたものだったが、
―――彼の「たいせつな話」を聞いた今、未練はない。]
存分に使って下さい。
そしてあなたの背は私が守ります。
[シェムハザと、おそらくは彼のマスターである男が光を纏う。
上階へと向かったのだ。……それも、今の言葉を信じるなら、最上階へ]
……どういうこと?
[苦々しげに二人が去った虚空を見上げながら、疑問を呈す。
残るサーヴァントは3体。
なのに、塔はあれで最上階。
この聖杯戦争は異常で、先ほどの管理人の話によれば―――ほころんでいる。
誰にも予測がつかない不具合が起きている。そんな気がした]
[宝石を投げ終えれば、マスターの元へと。
虚空を見上げる彼女の傍らに立って、]
異質な聖杯戦争ですが、
…本来、聖杯が現れるのは――と、
そう考えれば、…
とはいえ、異質だらけでしたからね。
はっきりと言えませんが、
行きましょうか。マスター。
[立ったまま手は差し伸べず、視線だけで問う。]
[壊れていくアストロラーベを見、
吟遊詩人は眉を寄せる。
なんという、濁流のような魔力――アレに向けての管理人の罵倒は、肝が据わっているとしか謂いようがない。
>>127 視線が此方に向くのを確認し、
小さく吟遊詩人は頷いた。
やがて爆破も収まった頃――後に残るは2Fで見たクレーターに似る焼け野原。]
…… っ … すいません
助かりました、キャスター……、
[だがブライジンガーは、と。そう続けかけたとき名を呼ばれ、投げられた煌きを両手で受け止める。]
「最上階」!
やっぱり。
まだ3組残ってるのに!
何が起こるか、もう、分かんないわね。
[目を瞑る。
自分も、覚悟を決めないといけない。]
[宝石を握り締めた。]
……感謝します。
ああ―― 行こう。ヒイラギ、
私「たち」で「この物語」を「終わらせる」
[――キャスターに向けた、秘密の話。
彼にだけは、その意図が正しく伝わったに違いなかった。
――7階、聖杯の待つ場所へ。]
[キャスターに促され、思考を振り払う。
彼の言うとおりだ。この異質だらけの状況では、考えたところで分からない。
それよりも、目下重大なことがある]
ええ。行くわよキャスター。
こんなことされて黙ってられない!
[転移する。7Fへ。
最上階へ]
戦うときはあいつの魔眼に注意して。目が合うだけで動けなくなるわ!
−7F・水中神殿アテナ−
[転送された先は、不思議な場所であった。
その風景はまさに古代アテナ。]
相応しい場所ではあるな。
僕が過ごした時代よりも大分新しいけど、神秘の失われない世界は心地良いね。
[とはいえ、その風景は狂っている。
彼らがいるパルテノン神殿の外は水で満たされており、その先・・・・・・天井は空である。
幻想的な世界は、まるでこの塔が地面へと生えている事を象徴しているかのようだった。]
・・・・・・
[台座に力を失いかけているブライを乗せる。
管理人の声と、うっすらと見えたその姿にどことなく既視感を覚える。]
もしかしたら、あの品の無い自称管理人はいつかの時に会っているのかもしれないな。
[それがマスターだったのか、それともサーヴァントだったのかすら判断は出来ないが。]
地に向って立つ「塔」…
塔とは本来、地から立つもの。
地の理そのものを無視した存在。
存在そのものが、異質。
――…私は、正しき地の理に戻したい。
如何なるものにも例外は存在する。
けれど、証明できないわけではない。
[誰にでもなく、地/天を見てひとりごちる。]
―――く。
これじゃ、本当の「忍神町」だわ。
[ずしりと、胸に重いものがのしかかる。
私の家族の命が、いくつ失われただろう?]
[詩人の声は良く耳に響く。
物語の終焉―――、ランサーの最期の言葉が甦るようだった。]
―――…
[リリンと共に光に包まれ最上階へ。
眸の話を聞けば、バーサーカーと戦った時に見事に見そうになっていたと思い出す。赤い竜がブレスを吐かなければ…と思い出す。危ない所だった。
――何はともあれ最上階へ。]
Ακούστε, και να σταματήσει-off που ζουν στην εποχή του μύθου.
Η ψυχή μου δεν είναι τραχιά ήδη στη φυλακή. Το σώμα μου είχε ήδη παρακμάσει.
Είμαστε για να πυροβοληθεί από την κατάρα αγγελιοφόρος του Θεού.
[かつかつ、と足音を鳴らしながら、彼は天への問いかけをしていた。
もはや様子見も必要ない。
彼は、いつしか本来の姿を取り戻していた。
背中には失われた翼が復元され、その魔力は充分であった。]
― 7F ―
…!?
[足を踏み入れて周囲を見渡すと感じるのは違和感。
異質、異質と思っていたが、一番の理解に苦しむ階層に感じた。
神殿らしき場所の外は海。
けれど酸素が中には満たされている。]
……つくられた 、とはいえ。
[狂っている地の理に軽い眩暈を覚えた。]
―7F―
[ヒイラギに頷き、共に上がる最後の階層。
未だ慣れぬ浮遊感と共に、
降り立った先は――古代の神殿だった。]
……これは、……
どこか、……“彼”の国に、
似ているような……
[エンタシスの柱、月光のような白亜の]大理石。
其処には、神代の神秘が満ちている。
そうだ、彼は誰に加護を授かっていた?
彼の槍は、何と―――]
……アテナの、……神殿?
[聖なる場所であるはずの其処に、――黒い翼の堕天使は、在った。]
[片翼ではなくなっているアサシンの姿を睨むように見る。
そのすぐ傍、台座に横になるブライジンガーの姿。]
……まさか。
[ひとつの仮説が浮かぶ。
いや、と否定するが、あれほどの魔力を蓄えた宝石を作り上げられたブライ。それならば、と、肯定する思考。]
彼、が―――
[それ以上、言葉は続かず。
クレティアンとの会話を思い出せば、思わず視線はそちらへと**]
― 7F・水中神殿 ―
[そこは古代の神殿だった。
あのランサー、ディオメデスの縁の場所。おそらくはアルゴスの都アテネ神殿。
ただし都は水没していた。空気があるのは神殿だけだ。天には空があり、その先に地上があった。
この世の者とは思えない、不思議な光景。そこに、アサシンのサーヴァント―――天使シェムハザは待っていた。
背に、一対の翼を広げて]
あら……羽が揃ったのね。
もしかしてお手軽に取り外しできるパーティグッズだったかしら?
カッコイイと思ってファッションで付けてたのだったら……ちょっと面白いって認めてあげるけど?
―7F―
………?――なん、だ……これは。
[台座に横たえられたブライジンガーに、
キャスターと同じように違和感を抱く。
――ブライジンガーが抱える魔力量。
魔術師が持ち得るものなのか。
否――アサシンはどうあっても彼を庇い、傷つくことを許さなかった。
そうして今。
神にささげる生贄の羊の様に――。
これは、まさか。
同じ結論に達したのか。
キャスターと眼が合う。]
――!!
[>>146 凛、とした少年の声が
堂々と、朗々と響き渡る。
それは王からの命(めい)に似て、
クレティアン身体に、物語を紡ぐだけの魔力を満たした。
たった3度許された令呪の奇跡。
その1画が、>>148 光を放った。]
――感謝する、わが主、ヒイラギ…!
[滑らかに空を撫でる、
指先から満ちる若葉色の光、
死してなお手放さなかったリュートが現れる。]
[ヒイラギが令呪を使う。凄まじい魔力が解き放たれる。
ここは塔の最上階。満ちた聖杯が顕現する場所。
この場に三組揃っているのなら、もはやクライマックスだ。
キャスターだって消耗している。出し惜しみしてはいられない。
右手を持ち上げる。その甲には最後の一画]
―――我がサーバントに令呪を持って命ず。
宝具を使用し、敵を打倒せよ。
[令呪が光り輝く**]
随分と仲が良いんだね。
君たちは自分の願いというものがないのかい?
構わないよ、それでも。
今度こそ、僕は聖杯を破壊する。
そして君たちは、僕に指一本触れることなく、消滅する!
[刹那、シェムハザの左目は万華鏡の様な幾何学模様で、七色の光を放っていた。**]
[後に続くようにリリンの令呪も解き放たれた。
二人の英霊は魔力に満ち包まれ光り輝いて…
シェムハザは…両翼が生え揃い天使のような姿ではあったが、
漆黒の羽根は禍々しく汚れていた。]
…え、?
[シェムハザの横…横たわる少年の姿。始めて見るシェムハザのマスター…か?**]
ええ、成り行き……とは言えませんね
状況を招いたのは、貴方ですよシェムハザ。
[いっそ穏やかに語りかけるよう。
弦をはじき、奏でるは
円卓の騎士の物語]
何を仰る。ありますよ。
……今まさに対峙しているではありませんか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――この先にこそ私たちの願いがあるのだから
[虹色に輝く切子細工のような眼。>>153
魔眼――アレを見てはいけない。
圧倒的な魔力を前にして、
詰まる息を隠しながら、微笑んで見せる。
余裕を取り繕う――伊達に宮廷暮らしが長いわけではない。]
…… どんな物語にも終わりは来る。
ならば、結ぶのは私をおいて他にありますまい?
[騎士が神話の神殿に顕現する。
令呪の力をもって、名高き円卓の騎士が降臨する。]
私は、物語を紡ぎ、終わらせる役目を持つ
吟遊詩人《トゥルバドール》なのですから。**
[渇いている。
――詩人の願望は新しい物語に出会うこと。
この聖杯戦争の手段そのものが目的だ。
そのために現世への呼び出しに応じる。
だから、シェムハザの指摘は強ち間違いではない。
だが己のマスターは、違う。
聖杯を手に入れて、「この街を元に戻したい」と、そう思っているはずだった。――だから、伝えておかなければならないことがある。]
――ヒイラギ、
貴方はこの街の人を“助けたい”と謂ったね
[管理人の言葉―「ひっくり返される砂時計」恐らくはループを示している。
聖杯が満ち、願いを叶えれば繰り返される。
それでは、なにも、終わらない。真の意味で「助ける」事にはならない。この先も街の住人は囚われたままだ。
“壊す”以外で、ループのほころびを押し広げる方法を取らなければ。主の願いを叶えるのが、パトロナージを受ける吟遊詩人の役目。]
― 水没したアルゴス ―
[大理石の床からも確かに感じられる魔力の流れ。
同時に、台座からも伝わるその魔力量。
向けた視線の先>>149 ――かちあえば、結論は同じ。]
…、…
[あの話を聞いてから、彼と戦う意志はもとよりなく、
今、倒すべき相手はシェムハザと狙いを定める。]
―――、
[り、と口にするより先にリリンの右手が掲げられた。>>152
その時初めて、残り一画だと知る。
けれどそれすら光と共に消え、全身に十分な魔力がみちるを感じる。]
――――…感謝します。マスター、リリン。
[キャスターが今、敵、と認識している相手はアサシン一人。]
聖杯の破壊は、させません。
―――消滅もしません。
[>>155願いはその先に、美しく歌うような声が神殿に響き渡る。
その声に乗る覚悟を確と受け入れれば、身体の前に黒手袋をはめた手を翳す。
丸い球体が光を纏いながら現れ、キャスターの周囲に球体の魔方陣が囲う。]
願いが、欲がない存在がいるでしょうか。
こうして地に足をつけて私達はここにいます。
それだけで、生き続けたいと願っていると同じ事です。
[数多の日時計やアストロラーベが
キャスターの周囲を衛星のように飛び回る。
各々が観測するデータが常に流れ込んでくる。]
…、…
[―――魔眼。リリンが言っていたものと気付く。
周囲の大気の流れ、温度、湿度、龍脈の流れを把握しながら、
宝具の準備を整える。]
――― 吟遊詩人《トゥルバドール》…
あぁ、なるほど。
この異質な聖杯戦争。
繰り返すごとに綻び、
アヴェンジャーだけではなく
そのようなクラスまで出現していたのですね。
―――、そうですね。 おわりにしましょう。
誰も次など望んではいない。
とらわれてしまった人達を、救いだすためにも…
今、再び――、宝具を手にし
共にその時まで戦いましょう…、トゥルバドールのサーヴァント。
クレティアン・ド・ドロワ。
[詩人の名を呼べば、こちらも球体に円柱が覆い、
それが地に落ち地図となる。]
“真に助けたい”と、そう思うなら、
……聖杯に願いを届けてはならない。
それでは繰り返すだけだから、―――
[満たせ。満たせ。満たせ。
――器から零れ溢れるほどに。
キャスターの方をちらりと見る。
彼は了承しているだろう。
詩人が/騎士が器を満たすために
自ら命を絶たないのは、哀しむ者がいるからだ。
叶う限り物語を得たいという、
呪いのような欲もある。
意図を察せられれば、
妨害されるだろうという予測もあった。]
天空を支える巨人神の名がつけられし世界を記す帖
《 ア ト ラ ス 》
[言葉と共に、再び龍脈の流れが変わる。
唯一点に向い、足元からそれらを全て吸い上げる感覚に似る。
それが金色の巨人として具現化され、キャスターに溶け込む。]
[それだけでなく、かの王子の物語へ、槍の英雄の物語へ、――そしてキャスターのマスター、鴻みちるの人生へ、黒い堕天の響きを差し込んだ天使――]
シェムハザには……
物申したい事がありすぎるのでね
[>>161 >>162 薄い笑みを浮かべた後、
ゆるりとひとつ頷いて。]
ええ。――キャスター。
大舞台の、始まりです。
幕引きに至る道程、――華やかに彩るは吟遊詩人の誉れ故。
[同感だという代わりに視線で瞬き、頷きの代わりにする。
高らかに歌い上げるような口上>>165は耳によく響く。]
出し惜しみは一切しません。
シェムハザを撃ちます。
[懐に手を入れて残された道具も全て使用しきるつもりで握り込む。
くしゃ、と紙を握った感覚にそれが何か思い出す。
ブライが書いたというあのメモだ。>>3:262]
――― 風よ。風よ。
[これは、戦いに身を投じる自分が今持つには相応しくない。
すぐに風に乗せて、妹尾柊とリリンの方へと渡す。
背を向けたまま、二人に向けて声を風に乗せる。]
…、未来を託しましたよ。
[歌うのは古きフランス語、
ne por chier tans ne t'esmaier
《欠乏に落胆してはならない》
と、それは彼の信条の表れか
何処よりも高らかに響き渡り魔力を、詩歌の具現化に注ぎ込む。]
――物語の円《La Romance de Romance》
[円卓の騎士、その席の数は12―――令呪の力に依ってだろう、欠けることなく騎士が姿を現した。数多の名が上がる円卓の騎士の姿が重なり、揺らぎ、編み上がる。
その中のひとり、聖杯の騎士ペルスヴァルは横たわるブライジンガーを見て、僅かに眉を寄せた。
伝承で追い求めていた聖杯との落差にだろうか。
その、罪深さにだろうか―――]
[シェムハザは、気を失っているらしき少年から膨大な魔力を吸い上げて居るように見える。]
バカなっ!そんなことしたら死んでしまう。
なんて…ヤツだっ!!
[許せない!―と、僕達のあるべき信頼関係すら覆し、
己の欲望のために全てを踏み台にすると言うのか!]
コイツは英霊なんかじゃない。
ただの悪魔だっ!!
[刹那!幾何学模様の七色の光が僕達を襲った。]
[咄嗟にリリンの言葉が耳を過ぎり、右腕を目の上に翳し瞼を閉じる。]
――く、っ!なんて魔力、だ…
[見てはいないはず、なのに指先が痺れてくる。
わなわなと震える指先に強引に魔力を流し込み…
やっと、震えが止まった。]
[数多の球体や円形の観測道具を周囲に公転させ続け、早口で詠唱を開始する。
地球型の球体は浮かせたまま、膝を落とし黒手袋の両手を地図が浮かぶ地面につけると、両腕に平面のアストロリーベが腕輪のように三重に連なる。]
世界を記せしこの手は地を知り尽くし、
時に地に呪われ、――― それでも尚、探り求める手。
[大地から龍脈を通じて両手に魔力を集中させる。
一節。
言葉に呼応し、両腕に一重の光の環。]
侵食の輪廻の理
――幼年の時が始まりを告げる。
[詠唱と共に、キャスターの足元が隆起する。
卓状の大地の上は周囲をより観測しやすい地点となる。]
地に触れれば、墓標の数を知る。
風に触れれば、切り裂かれた身体に触れる。
水に触れれば、底に沈みし浮上叶わぬ船を見る。
火に触れれば、業火に焼かれし家屋の悲鳴を聞く。
[二節。
光の環が重なる。]
[両腕合わせると六重の光の環はまるで黄金の螺旋階段。]
羽を削ぎ落せ、地に墜ちよ。
地はそれを受け入れ、拒むことはない!
[ばちり、と爆ぜる音と共に卓上の大地から
六本の光る魔力の鎖がアサシンの身体を拘束せんと襲った。**]
[リリンと二人、メモを読み解く…
アサシンとクラスが書かれている彼のマスターが書いたもので間違いないだろう。]
では…あの少年…アサシンが裏切っていることに気がついていたんだ。
願いが叶うとまたループしちゃう?駄目だっ!
どうすれば…
[頭をがりがりと搔きながら、考えろ!考えろ!!と…]
[アサシンのマスターが命を掛けて残したメモを信じるしかない。
ループの条件を指先で追い、街が崩壊する項目をチェックする。
最後の項目…勝者は問わず、願いを掛けずに聖杯を破壊できれば…塔は壊れない!!
レティは円卓の騎士全てを呼び出し
キャスターはアストラルと同化し黄金の鎖を編む
魔力の渦と風と轟音に神殿の柱にしがみつく]
[ ―聖杯は英霊6人の敗北で型を成す―
ぱちり…眸を瞬かせると、リリンを見た!
リリンも気がついたのだろうか、目を合わせ互いの英霊を見つめる。]
レティの言っていた意味が判ったよ。
君の望みが物語を始め、結ぶこと≠ネら…
望み通りに。
そして、僕の望みも共にある。
存分に闘え!!
[その言葉はレティに届いたか…]
[マスターたるヒイラギの言葉は
確かに吟遊詩人の耳に届く。]
御意に、我が主ヒイラギ。
[若葉色の光の風は一層勢いを増し、
金の髪を大きくなびかせた。
降り立つは12人、キャスターが呼びだすは拘束の鎖。果たして堕天使を縫い止めるに至るのか。一瞬の好機を見逃さぬために、騎士たちは剣を振るう。]
――魔なる眸は光を弾く如く、
――乙女は警告する
――「見るな」の戒め、っ……!
[紡ぐ歌は騎士たちへ向けた「魔眼」の警告。
七色の光は>>153 ――単純に「見る」のを防ぐだけでは魔眼の類は効果を失うとは謂えない。
ケルト神話に在る、バロールの魔眼然り。
ギリシャ神話に在る、メドゥーサの魔眼然り。
視界に収めらた者は、ぎちり、と鎖で縛るような強い疎外の力を感じよう。]
…っ、 ぐ
[逆らうには酷い痛みが走り、リュートの弦の音が乱れた。
――されど歌を止めるには、
今一歩足りない。
吟遊詩人の持つ“詩歌の才”は、
詩を謳うことを止める者を拒むもの。
苦悶の表情を浮かべながらも
旋律が止むことはなく。
一番に駆けたは、「聖杯の騎士」ペルスヴァル。肉薄できたなら袈裟がけに斬りかかり、次いでイヴァンが伴う獅子に跨って、大きく跳躍し、堕天使の腕を狙う**]
コンソメパンチは……ポテトチップスの味の種類の一つよ!
[異常に好き、ということは、きっと貪るように食べていたのだろう。落とし穴の上に置いておけば、間抜けにかかったかもしれない。あるいは投げつければ気を逸らせたかもしれない。だが現在、コンソメパンチは所持していないのでこの情報は使えない。
メモに書いてあるループの言葉。これが今回の異常の原因であり、根幹なのだろう。もしかしたら、たとえアサシンをここで打倒し勝者が聖杯を手に入れても、参加者はそのループに囚われてしまうのかもしれない。
このメモの筆者は、そこから抜け出すための方策を考えていたようだ。
その方策……ヒイラギを見れば、どうやら少年はそれに気づいたようだった。
それが何か分からないが、きっと彼なら、正しい答えを導き出したのだろう]
ッく
[>>153 視線を逸らすだけでは意味はなく、ずし、と身体に重荷を背負わされたかのような感覚が襲う。地に両手をつけたまま、押し潰されそうにすら感じる。]
、は
[息を吐く。]
[周囲に感知の魔術を展開する。
麻痺の魔眼と直接目を合わせれば、また呼吸もできなくなるほどに行動不能になってしまう。
対策は単純に、シェムハザを見ないこと。
戦況を把握するため、ソナーを使用し続けること]
……っくぅ。
[それでも強力な魔眼は身体の自由を蝕む。……だが、問題ない。手足は動く。魔術回路は使える。
自分が動けなくなるより、決着の方が早いだろう。
戦いに意識を向ける。
自分ができることは多くないだろう。何もできないかもしれない。どこかで隠れていた方が良いかもしれない。
それでも、見届けたかった。自分のために、見届けなくてはならなかった]
[びし、と内で何かひび割れる感覚。
それが何か気付いていても、気に留めてはいけない。
>>152リリンの命がこの身体をまだ縛っているのなら、
もう少し、無理は出来るはずだ。
龍脈から溢れる魔力の供給もある。]
―――…、 顕現せよ。
[手を翳すは、光を纏いながら浮かぶ球体。
青と緑の光を帯びたそれに、指が―――、触れる。]
[常に光で覆われていた球体が、その真名で呼ばれると
周囲に光を飛散らせ、本来の姿――色褪せた地球儀が姿を見せる。
飛散した光が、幾何学の魔眼の力の方角を狂わせる。
時に屈折、時に反射する。
光の範囲を広く、広くと意識を広げる。
びしびし、と内から聞こえる悲鳴は顔に出さない。
その光によりキャスターだけではなく、
マスター達へ向けられる魔眼の力も弱く感じるだろう。]
コ、コンソメパンチのポテトチップスなら知ってるけど…
英霊が食べるんだ?
[親方は殆ど食事を取らずエスプレッソとパンの類
レティはお茶とかジュースとか品良く少量の食べ物しか食べていなかったから…]
しかも、あんな濃い味のポテチ沢山食べたら成人病まっしぐらだよ。
[きっと英霊だから成人病とか気にしないのだろう。と…自分なりに決着を付けてみた。]
[肩が荒く上下する。動きそのものは大きくはないが、宝具の同時使用なて負担が大きすぎる。
ふと、龍脈や魔法道具である程度底上げはしていてもマスターへの負担がどれ程になるかまでは考えていなかった。]
…ッ、 リリン。 すみません、すこし無茶をしました。
だいじょうぶ、ですか。
さすがにここまで生き延びた英霊だ。
魔眼くらいは対応出来るみたいだね。
だけど、ここから先は手加減なしだよ。
[右翼が光を増す。
魔術師の拘束魔術と、詩人の具現化させて英雄たちに襲われようとしているが、彼は冷静だった。]
サーヴァントにとって、食事は自身の魔力回復の手段でもあるわ。
おそらく、コンソメパンチはシェムハザに最も適した食材なんだと思う……!
[ヒイラギへの応答は、苦々しげに。
それを貪るように食べていたとしたら……果たして、アサシンの今の魔力はどれほどまで膨れ上がっているのだろう。
キャスターの宝具により真雁の効果が薄れる。大丈夫かと聞かれて、応える声は力強く……足手まといにだけはならないという、決意に満ちる]
ありがとうキャスター。
わたしは大丈夫。全力でいきなさい!
Αντισταθείτε
[左の翼の羽根が舞うと、その光る輪にぶつかり弾ける。
単純な魔力の衝突だが、彼の羽根をもっての抵抗は第二節までの魔術と同等となり、さらにそれをこの右の翼が後押ししていた。
彼の翼は、右と左では役割が違う。
左は魔術礼装でも増幅や詠唱簡略化を目的とした”増幅礼装”であり、復元されている右の翼は特殊魔術を行使するための”限定礼装”であった。
その限定礼装は、ただ大気のマナを魔力として抽出する事に特化していた。
つまり、これは彼が自分の子孫の家系、つまりブライジンガー家に伝えた増幅魔術。魔力を貯蓄するためだけの魔術の源流である。
右の翼は大量のマナを無限に排出し、左の翼はそのマナを暴力的に使う。
ただそれだけの機関だが、これが彼の行使する魔術であった。
高度な術式を用いず、一たび戦闘が始まればアドバンテージを取り続けられる、まさに神秘と神秘が衝突していた古の時代に生きた魔術師の答えの一つであった。]
[魔眼が軽減されれば、光の鎖はシェムハザの場所を確実に捉え、その手足、羽を狙う。
卓上に広げられた世界図の上、その上に手を添えながら上を見上げる。]
―――…、 リリン
[>>191 マスターからの力強い声に、頷きを返し]
感謝します!!
言われずとも全力を出さなければ、
私の心が許さない相手でもあります。
[ちかりと脳裏を過るのは、―――、少女と青い鳥。]
そうだよ、ここは聖杯の中だ。
しかもこれは言わば僕の所有物とも言える。
既に聖杯は英霊たちの魔力を取り込んで満杯状態だ。
それを僕が取り込み、ただ放出する。
放出したマナはまた抽出すればいい。
この聖杯の中では、僕は神に等しい存在なんだよ。
さて、甚振られて死ぬのがいいか、それとも一思いに死ぬか。
どちらか決めさせてやるんだね。君らのマスターに。
[詩人が召喚した2体の騎士は、アサシンへと斬りかかる。
だが次の瞬間、その二体の胴体は突如現れた槍で貫かれた。
崩れゆく二体の向こう側では、白銀の槍と軽鎧に包まれたアサシンがいた。]
悪いけど、僕は肉弾戦が出来ないとも言っていないし、武器も鎧も持っていないとは言っていないよね。
君たちの宝具ほどの力は持たないけど、偽物の騎士を殺すくらいは出来るみたいだね。
――あれで手加減ありとは。
……ああ、でも、そうでしょうね……!
[ 彼はほとんど消耗せぬままここにきたはずだ。加えて震えるほどの神性の高さ。高まる魔力は湧き出す豊かな湖、浪費と呼んで差し支えない注ぎ込みは、流れ落ちる瀑布のようなものだ ]
[対になった羽から伝わる魔力の量は計り知れない。
>>194 続く言葉に、焦りからから、
それとも、時の迫りからか、額に汗が滲む。]
っ、マナが永久的に循環すると…、
[ただ、彼の言う言葉が真だとするなら、と、
クレティアンが囁いた言葉が甦る。]
…、武装まで。
[学者の装備といえば生前の白衣程度しか思い浮かばず。
ふと眼前に浮かぶ色褪せた地球儀を見下すが、
いやいや、と心で否定した。いやいや。]
―――…、ならば、抽出の間を与えなければ
…、私の魔術でそれは―――
[時間は有限だ。けれど思考を止める事は、死に値する。
自分だけではここまでこうして戦い抜けなかった日々を思い出す。
共に戦い、その力を最も見た英霊は今、目の前にいる詩人その人で、]
クレティアン。
[―――託すなら、]
…あなたの、あの円卓の騎士たちの力、
私も信じさせて 貰えませんか。
[彼以外には、あり得ない。]
――っ、く……!!
[ 胴を貫かれた騎士の傷、
その跳ね返りの痛みに半歩よろめいた。
されどこれは物語の円――]
途切れなければ……私のものだ……!
[ 矢を番えるのは無駄なしの弓の騎士、トリスタン。
かの足利尊氏との戦いでそうしたように、
放つは矢の雨である。]
っ、ああやって武装してはいるが
・・・ ・・
実体は、ある。
届きさえすれば、……この、音が!
[ 異様に高い神性、
それに反するような気配の手触りがある。
天使なのに、まるで人間のようではないか、と――]
――、キャスター……?
[ この戦場にあって、
静かな、凪のような声がかかる。
それが、何の意味を持つことばなのか――咀嚼するように一拍の間を置いた。]
……、
物語は、……聞いて
心に残してくれる人がいて
初めて力を持つ。
――信じてくれるなら、応えよう。
……騎士、なのだから。
[ 己も、――物語の、彼らも。 ]
ではあなたの紡ぐ物語に、
私達が生きるこの大地の恵みの色を添えて下さい。
やだな、信じますよ。
だから、―――…少し、耐えて下さい。
―――、すぐ、慣れます。
[ぱちり][じりっ、]
[世界図に再び手を添えて、龍脈の力を感じ取る。]
地とは、数多の生を生み出し源
地とは、数多の死を受け入れし母
地とは、時に怒り、鎮める厳しき父
[一重の魔方陣が展開し、]
地なくして星はなく、
地なくして命なし。
地は如何なる死も拒まない。
地は如何なる生も差別しない。
[二重、そして―――]
生まれし人は みな
地の塩、世の光。
重なり合う死の重みを、
生まれし生の喜びを、
大地を通じて彼の元へ集い伝えよ!!
[三重の魔方陣が地図上に展開する。
次の瞬間、膨大なまでの魔力の流れをクレティアンは、
自身の足元から滝のように湧き上がるのを感じる。]
[なんとか力を保ってきた源であった龍脈を委ねた。
そうなるとマスターの負担は確実に大きくなるのは必須の事。
糸を細く、細く。
そして気付かれないよう切る感覚。]
―――、 …!
[心臓が破裂するかのような感覚が襲う。
それでも意識を保つのは精一杯の矜持。]
リリンっ
……、あなたの 力で、
彼…トゥルバードルをサポートできませんか。
より、彼の音を、物語を、
あのシェムハザに届ける事ができれば――…
―7F水中神殿・ブライの傍―
[7階で「3組が戦いを繰り広げている」。
異様な光景だ。]
大丈夫。
アイツ、「今までずっと負けてきた」んだから。
[今回は「今まで」とはまったく状況が違う。
だが、ヤツは無敵ではない。
神様でもない。]
人間の性みたいなもんよね、きっと。
神様のことはまあそこまで嫌いじゃないけど―――
「神様気取ってるヤツ」のことは大ッ嫌いなのよ。
…、は
[息を一度吐いてから、今度は妹尾柊の方を見る。]
今までは敵、でしたから…
言ってきませんでしたが、
見ての通り…私は地の術を得意とするサーヴァント。
この場で地の力でクレティアンをサポートなり
回復をするというなら、…
私がその力の底上げのお手伝い、してあげましょう。
――何か、策はお持ちで?
[ぱきり、ばきり。
内側から崩壊の音が確かに聞こえる。]
……、っ、 ――
[―――まだ、まだだと。
地に手を添えタ状態で、光の鎖を操り、同時に龍脈の流れをクレティアンに向けている。リリンとのパスは遮断した。気付かれた所で、もう、自分の意思を覆すほどの命令が可能な令呪という鎖は――ないのだから。
裏切りだろうかと、リリンを見れずに思う。
共に再び戦ってくれると言ってくれた新たなマスターを、利用したのではないかとすら思う。]
[掛けられる、キャスターの必死な言葉。
こんな英霊たちの戦いの最中、令呪もない自分ができることはあるだろうか。
答えは簡単だ。皆無の二文字である。
そう、思っていた]
―――音を、届かせる?
わたしの力で、トルバドールをサポートする……。
[できるだろうか。必死で頭を回す。
自分が使える魔術は少ない。
音意付与を起点に、弾丸、妨害、感知、あとは人よけの結界くらい……。
いや、違う。あと一つ]
―――クレティアン、唄え!
[魔力を練り、叫ぶ。
魔術刻印が淡く光る。音意付与が選ぶ詠唱はビスケットクラップ。倍加、増殖の魔術。
―――それを、詩人の歌に付与する]
[この戦いは、最初から絶望だった。
救えないし、救われないし、救いもない。
でも、嫌だった。
私は、駄々をこねてきた。
いとしいいとしい、自分と同じ時間を過ごした人たちと、ずっと同じ時間を過ごしていたかった。]
そういう風に作られたんだもの。
しょうがないじゃない。
[ぽつりと呟く。]
ええ、約束します。
この世界の、彩りを紡ぎましょう。
――……感謝を。
[ >>200 ――信じる、と。
その言葉だけでも力となろうがキャスターの助力は其れだけにとどまらない。]
―……耐える?
[ 何かは、咄嗟には分からないが信頼には信頼で応えるもの。理想の騎士道を夢見た語り部の筋の通し方。>>203己が主の信頼にも、また然り]
わかった、――ッ……!!く、ぁ……?!
[ 詠唱は厳かに、繋がるほどに満ちていくのは魔力。目も眩むよう。 渇いた土に、土砂降りの雨が染み込んでいくのに似ている。]
っ、ふ、……っ、な、んて魔力。
これ、なら――っ
[――己の衣を握りしめ、魔力を体内に馴染ませる。まだ行ける、もっと先まで ]
[お互いのマスターが異なるサーヴァントにサポートを施す。
そんな状況もまた「今までにはなかった」のではないだろうか。
解らない事は深くは考えずのまま、
リリンが増殖の魔術へと答えを導きだせば嬉しそうに口元は綻ぶ。]
…妹尾柊。ここの足場は大理石。
植物が育つには適さないでしょうが、周囲の水を使えば…
――土はなくとも…それだけで育つものもいるはずですし、
[医学の心得、と言った時にクレティアンが
彼を見たのを忘れてはいなかったから、]
私が力をお貸ししますし、…それに、
傍に行くまで、シェムハザの攻撃は防いでみせます。
―――…さあ、迷わず いきなさい。
「それって、そんなに大事なこと?
オリジナルもへちまもないわよ。
他人のこと気にしてもしょうがないでしょ?」
なんてね。
偉そうなこと言ったね、ブライ。
私だって同じだわ。
[戦いの音が聴こえる。
私は役割をこなしていただけ。
本当は戦ってなんかいない。
戦ってきたのは戦争者たちだった。
いつだって。]
無責任な神様も、神様でもないのに神様気取ってるヤツも、人間離れしたサーヴァントも、何もしちゃくれないし、私たちを助けてなんかくれないし、そんなのお門違いだしって思ってきたけど、
―――本当は、私が。
私が、戦わなきゃいけなかったよね。
…さ、て
[一段高い地から降りれば、地を駆ける。
足元にはまだ世界図が展開されたままで、
駆けて向かう先は――ブライの台座の傍。]
「管理人」さん。
…ここは戦場ですよ。
[見つけた金髪の美少女の姿。
彼女を自身の陣――地図の上に重なるようにし、守るかたち。]
[ランサーの最期の言葉を忘れたわけもないから、
素子を見つければ守らないという選択肢はない。]
…おや、…ブライジンガーとお知り合い、ですか?
[光る鎖は未だに武装したアサシンを捉え、
その動きを束縛せんとしているが、
龍脈の力なしの鎖に変わっているから、抑止力は衰える。]
ありがと。
ちょっと、私も戦いにね。
大したことはできないけど。
[ふわりと振り返り、笑う。]
私、ムカついてるの。
アイツは私の家族にひどいことしたからね。
ええ、ブライは知り合い。
古い古い、ね。
実際には最近知り合ったようなものなんだけど。
このブライは、私の知ってるブライとは本当は違うし、きっと少しずつブライも変わっていくのよね。
だって、生きてるもの。
ブライがどうやって生まれたかとか、私に何が求められてきたかとか、そんなの、私たちの知ったことじゃない。
だって、生きてるもの。
そうよね、ブライ。
きっと、「町」の人たちだって、そうだわ。
生きてるし、死にたくないし、変わることは怖いけど、それを否定したりなんかしない。
だから、綻びが出る。
だから、無限なんてない。
お仕着せの役割も革命もいらないわ。
だって、生きてるもの。
そんなの、当たり前のことだもの。
いつか私たちがいなくなっても、いつか世界が滅んでも、その「いつか」は私たちが自分で選ぶべきなのよ。
[キャスターが、
彼のマスターとの繋がりを切ったのには気づかない、気づけない。――彼が詩人の意図を理解した上で取った行動には、気づかない。
リリンの令呪が、最後の一つであったということも]
その力は、巨人が如く。
岩をも砕き、はるかに名を響かせたもう
汝が名は
ベドウィル・ベドリバント
《恐るべき膂力のベディヴィア》―――
[――>>211 その歌に、大きな力が乗る。
倍化、倍増――単純な、装置による増幅ではなく
魔術による「増殖」
吟遊詩人の物語を更に強固なものにした。]
[そっとブライの体に触れる。]
私は多分、「抗体」として作られたわ。
誰かが「塔」の持つ役割を壊してしまわないように、聖杯を壊してしまわないように、働くモノとして。
これは推測でしかないけど、そうでないと、私がループの中にいながらシェムハザと同じように連続した記憶を持っているのも、私が自由にこの「塔」を出入りできるのも、説明がつかないのよね。
外部から変な影響を受けないように私は立ち回ったし、「町」が崩壊してしまわないように私は立ち回った、そしてシェムハザが聖杯を壊そうとするのを嫌がった。
「でも、そんなの、知ったことじゃない」!
私は、私が選んで、こうするの!
[そのまま、ブライの体になけなしの魔力を送り込み、強引に「塔」を流れる魔力に干渉する。
「塔」がどうなってしまうか分からないが、シェムハザはこれで聖杯の魔力を自由には使えなくなるはずだ。]
[メルカトルの護衛のお陰でレティの元へたどり着けたようだ。]
レティ!怪我を…手当てする。
[レティの側に駆け寄ると傷口に手を当て魔力を流し込む。]
悪あがきか。
成程、龍脈を支配する宝具とはな。
この聖杯の中、君もかろうじて魔力を供給出来ているという事か。
だが、それはこの聖杯の魔力を一部借受しているのと同じ。
僕に及ぶわけがない。
君たちの敬意を表して、全力で叩き潰してあげよう。
もう二度と、何もかも繰り返さないように。
[翼がうっすらと輝く。
さらに大きな魔力が、彼に流れ込んでゆく。]
魔術理論・世界卵。
それは体内に秘めた神秘という名の心象風景を、この世界の現実と一時的に入れ替える大魔術。
現代においても魔法に限りなく近いものだ。
だが、ここはどうだい?
既にこの空間という現実は、消えたサーヴァントの心象風景に閉じ込められている。
神秘が介在しない現実での実現は困難を極めるが、ここは違う。
この聖杯へと注がれたサーヴァントによって、その下地は作られている。
そして、最後。
この聖杯が具現化する心象風景は、僕のものだ。
[そう告げると、その空間は徐々に風景を変えてゆく。
それは、聖地。
新約聖書の中でキリストが旅し、教えを受けた物は宗教儀礼として訪れる。
そして、ここがシェムハザの墜落した土地。人と監視者が交わりし山。
一面の雪景色。白き山、ヘルモン山。]
[シェムハザの復讐はここから始まった。
人に知恵を与え、愛を与え、そして監視者は貪った。
シェムハザはそれに同調した訳ではなかった。
だが、彼は監視者=グリゴリの代表とされ、ミカエルに幽閉され、そして罰を受けた。
彼は罪を犯してはいない筈だった。]
この山にいる堕天使はね、僕を売ったんだ。
自分たちの極刑を免れるためにね。
まさに腸煮えくり返る思いだよ。
出来る事なら、滅ぼしてしまいたい。
だが、彼らにとって僕は仮にも首領でね。
僕の命令には、絶対なんだ。
……すばらしい……
これで もっと遠くまで、歌を届けられる!
[眸を輝かせて
僅かながらも頬を紅潮させるのは喜びに。
詩人の性だ、逃れ得ない。
両の手を差し伸べて、
劇場の中心で歌い上げるように広げた。
ビスケットクラップ――リリンの力に乗って。]
「――参る!!」
[隻腕の騎士が、そして魔力を得たことで再び立ち上がったペルスヴァル、イヴァン、そして――切り結ばんとするランスロット、歴戦の騎士たちが次々とその姿をはっきりと結ぶ。キャスターの力があってこそ出来ること。]
戦いは、数、……でしたか―――
[ふと、セイバーの言葉を思い出して呟く。嗚呼、誇りこそと言ったけれど――強がりも、言ってはいられないか]
[右手を、すっと空へと挙げる。
何処からか、シェムハザの上空には3桁にもなろうという数の黒翼の天使が浮かび上がっていた。]
シェムハザの名をもって命ずる。
・・・・・・処刑しろ。
[挙げた手を、前方へと振り下ろす。
その言葉を切欠に、数百の天使はトルバドールとキャスターへと襲い掛かる。
ある者は魔術を行使し、ある者は槍や剣をもって彼らの頭上に飛来し、襲い掛かってゆく。]
……っ、 ヒイラギ!?
近づいてきては危ないと……!
[>>224視線をそらすは僅かの間。
傷が治っていくのを感じながら。
差し伸べた手の先を取る一人の騎士に命じるは]
――わが主を守っておくれ。ガラハッド。
汚れなき騎士、聖杯にたどり着いた3人の内の一人として。
[12人の内の一人を割いて、
守りを任すは理由がある。
舞う軍団、グリゴリの群れ。罪深き欲望の成れの果て。]
――堕天使の軍団か。
かの天才芸術家が見れば驚き喜んだだろう。
しかし、夢想していたより、
ずうっと禍々しいものだな…!
[それでも、物語を欲する詩人は、薄く笑みを浮かべたのだった。]
[咽喉元に片手を、
もう片方の手は空に向けて差し伸べて
円卓の騎士たちに討つべき相手を教えるよう。
既にその手に楽器はなく、
その身、その声、その姿こそが奏で、束ねるものである]
――汝らが名は誉れと共に在り。
[叶わぬ理想を、詩歌にした。
白きヘルモンの山に吹き抜けるは薫風。]
Dont Tristan fu enpoisonnez ;
飲薬(あきらめ)を私は決して口にしなかった;
Mes plus me fet amer que lui
誠の心と誠の意志が
Fins cuers et bone volentez.
トリスタン以上に私を愛(ものがたり)へと向かわせる。
円卓の騎士たちよ、
――“私の物語を奏でておくれ”
[キャスターから受け渡された宝石。
差し伸べた手の先にはそれがあった。
びしり――と罅割れ、砕けて断面がずれた姿は花のようだ。
込められた魔力の放出。
――騎士たちに力が満ちる。
トリスタンは矢を放ち、その間隙を縫ってペルスヴァルの投槍が風を割いた。鳥撃ちが如く確かに堕天使の羽を射抜くも、グリゴリは命ぜられるがまま怯まない。
ランスロットが大きく跳躍し、グリゴリの一人を踏み台にした。]
[グリゴリの武器は神聖なる気を帯びているのか。
黒い羽が舞い散るさまは花吹雪が如くだが、
あの日見た花一揆にあった華やかさはない。
――と、詩人はそう思う。まるで夜の闇が散るようだ。
白き雪の上に散るのは黒だけではない。
若葉緑の光を帯びた詩人の物語の騎士たちのいろ。
そしてその傷の跳ね返りを受けた詩人から毀れた色。
ヒイラギの治療によってある程度は塞がれているゆえ、立っていられるに相違なかった。]
ガヴェイン!!
[鋭く命じたその直後、頭上で剣が閃いた。
光の騎士――朝の間はその力が3倍になるという伝承を持つ、アーサー王の甥。彼が振るう銀色が、グリゴリの一人を退けた――しかし、倒れたわけではない。
そのまま、新たな翼と切り結ぶ。]
「管理人」さんも…戦いに?
いえ、それがあなたが決めた事なら、
私がとやかく言う事はありません。
[人は信仰によって救われるのではなく、
そのためには業も必要だとメルカトルは生前記している。
罪――…占星術でもなく、神が人に植えつけた性向でもなく、
それは、人間の自由意志によりもたらされた、と記す。
人は生まれながらにして罪人という。
それは生まれながらにして自由意志を持つ存在であると言う事。]
…、はい
[だから、>>221素子の言葉にはひと言同意を示す返事。
>>223ブライの身体に触れ、魔力に干渉する感覚が伝わる。]
…、なにを。
[それを確かめる間もなく、周囲の景色が変わりゆく。
水はなく、白い雪の世界。どこかの山の頂き。
魔法道具に測定を急がせ、地形を把握する。]
―――… なんて 力ですか。
[上空を見上げれば、数多の黒翼が見える。
バーサーカーの背に生えたそれを思いだし、奥歯を噛む。]
…、まだ いけますかね。
[かふ、と乾いた咳に黒手袋で口元を拭えば、
赤が滲むが手袋の色で解りにくくなる。
負荷がどうとか、そういう事を気にしている場合ではないのだ。]
いえ、いくだけです。
素子さん、必ずお守りしますから、
安心して下さいね。
[魔術を使ってこちらを攻撃してくる天使に狙いを定めれば、]
大地の 、…リンゴ ッ
《エルドアペル》
[その魔術をそのまま、全反射し焼き払う。
膨大な魔力が体内から奪われていくのが解る。
眩暈と嗚咽が同時に襲う。
全身を針で刺されたような、業火で焼かれたような痛みが走る。
―――それでも、
その威力を損なわないよう、上空の冷えた大気を操り
槍や剣を持つ天使たちの動きを凍結させようとする。]
…武器を持った 天使、は 頼みます。
クレティアンッ…。
術を使う天使の 方は、―――…キャスターにお任せを。
……キャスター、…メルカトル…?
[様子がおかしい。
魔力が足りない――それだけではないような。
うたを一節、紡いで向ける。]
――光の騎士たるガヴェイン卿、
――大地の魔術の男の元へ
――その恩義へ報いらん
[紡ぐ物語に魔力の囁き、
得たりとばかり、ガヴェインは白く輝く剣を再度構え、キャスターを守るために駆け出した。]
[黒羽の天使が上空から下降し、その槍でこの身体を貫こうと迫る。
吹雪で視界を眩ませてもその狙いに迷いがなく、]
しま、
[今、ここで死ぬことだけは避けなければならない。
咄嗟に地球儀(宝具)で槍を防ごうとするが、
―――、ギャィン、と鍔迫り合いのような音がしたと思えば
天使は羽を落としその身体ごとガヴェインにより切断されていた。]
……、いや、助かりました。
[吟遊詩人は戦いの中、
密かに己のマントの剣を確かめる。
あのアサシンに近づいて、
貫き落とさねばならなかった。
――「聖杯」の許容量を超える「魂」の重みを注ぐのだ。
アサシンを残せば間違いなく阻止される。
だから。なんとしても――彼を倒さねばならない。]
[弱い笑みを浮かべるが、一人騎士が来れば、素子の身も安全だろうと胸を撫で下ろす。]
この地の理を、正しき状態に…戻せずして、
―――…学者が、 つとまるわけ、ありません。
共に、戦ってきた英霊たち。
私の知らない、過去の螺旋の中で戦った英霊たちの分も、
幾重にも重なる、思いを経て、今の私達があるのです……
[だから、と、雪の地に足を踏ん張らせて立ち、
シェムハザを、黒い羽の天使達を見上げる。]
[ガヴェインはちらとキャスターの方を見て
精悍な表情を少しだけ緩めて笑んだ]
「 恩義には、恩義を持って報いるのが我ら騎士です 」
[――二度、剣戟の音。
武器を持った天使の太刀筋をいなし、鍔迫り合い、
外套を翻して振り払う。
戦いは数――セイバーが居れば、またそう言ったかもしれなかった。]
・・・・・・なぜだ。
なぜこんなに手間取っているんだ!
仮にもこちらは神霊の写しが200騎だぞ!
しかも、ここは聖杯の中!地の利も僕にある!!
それが英霊2騎に出来損ないの円卓の騎士に、なぜこうも抵抗されているんだ!
[わなわなと震える手。
だが、はたと気が付く。]
まさ、か。
8騎目のサーヴァント・・・・・・
イレギュラーなクラス、トルバドール・・・・・・
物語を紡ぎ、物語を終わらせる者・・・・・・
そして、聖杯の綻び・・・・・・
[大地のリンゴをもった状態で手を掲げる。
その宝具により、天使が放つ魔術の多くは来た道を戻る。
けれど、それを自身の力だけで補うには限界が近く、
ひとつ、ふたつ、と身体を貫く。]
ッ、ぐ。
[同時に地図の端が、光を帯びて溶け始める。
―――時間が、迫っている。]
クレティア ン、…いそ ぃ ―――で
[それでも、その瞬間まで先に倒れるわけにはいかない。
アサシンが倒されるその時まで、龍脈の加護を注ぐ**]
貴様・・・・・・守護者<カウンターガーディアン>とでも言うのかああああああああ!!
[堕天使達が、その声に呼応するかのように一斉に最後の攻勢を掛ける。
魔術を行使する者はその魔力を絞り出し、剣槍を振るう者はその渾身の一撃を放つべく突進してゆく。]
[止めても々、後から吹き出してくる血、血、血!!
傷は広がり自分の手も腕も血濡れて…]
―あ、あぁ……だめだ!
[幾ら魔力を送ろうとしても、何もない…空っぽになってしまった…
涙が溢れるままに歯を食いしばり…震える手で左肩を押さえる。]
――っ、令呪に寄って命ずる!
クレティアン・ド・トロワよ、
シェムハザを持てる全てを持って討て!!
[持ちこたえ、刹那肉薄し、
けれど吟遊詩人の身体もまた限界を迎えようとしている。
キャスターの魔力も最早枯渇の域。
――堕天使の咆哮。>>250
黒い嵐のように、敵意ある翼が迫り来る。]
――来る、……!
ヒイラギ―――!!
[令呪を――と、そう、願う前に。
己が主は。>>251
涙を溢れさせながらも、
――最後の命令を、この上ない誉れへの道を、拓いたのだ。]
[――ふ、と。
魔力のパスを途切れさせる。
此処から先「己の持つ全力」を、
あの堕天使に叩き込むために。
これからを紡ぐ若者たち――ヒイラギと、リリンを、生かすために。]
――御意に。
[血塗に滲んだ衣の下、すらりと剣を抜き放つ。
騎士は剣を持つものだ。
自ら、命と誇りに――責任を持つものだ。]
……生憎と、私は灰色の君のような
「神殺し」ではないのでね。
見苦しいかもしれないがご容赦願う。
[――彼なら容易く撃ち抜いただろうか?分からない。
あの静かな凪いだ眸が思い出される。
物語はいつか、終わりを迎えるもの、と。
両手で斜め下に構えた剣が、
淡い金萌黄の光を帯びた。眸とよく似た色だった。]
……円卓を統べるアーサー王。
汝がかつて国を守りし時の如く。
遠きバドニクスの山で――960の騎士を
独りで討ち滅ぼした時の如く。
怨敵を貫き給え
[光、集う。――物語にて編まれた騎士はまがいもの。
そう、堕天使は叫んだが。
人の幻想が編み出したものは純粋な煌きを放つもの。
物語など、その最たるものではないか。]
――12人の円卓の騎士、
その力、今この地に集いし我が物語の騎士性質よ。
「――いざ、…!!」
[声が重なる。
それは、12の円卓の騎士、
そしてひとりの物語を束ねし者の声だ。
アーサー王は吟遊詩人に添う様に、
他の騎士は、死地の活路を切り開く。
主たるヒイラギに、恩義あるリリンに、
決して彼らの刃は近づけさせない。
吟遊詩人にあるまじき動きは、アーサー王の介添えによるものだろう。
随分と無茶なことをしている。
身体は悲鳴を上げている――などというものではない。
感覚を失いさえしている。――それでも。]
[堕天使の物語。
罪を着せられた者の物語。
復讐の、物語。
繰り返す砂時計の物語に
「ピリオド」を打つために、語り部は此処に在る。
騎士が拓く道、
次々と倒れて、その跳ね返りを受けながらも、
金萌葱の光を帯びた剣を、
真っ直ぐ堕天使の心臓目掛けて突き立てる。
――迷わない。
セイバーを断った覚悟の、この剣で。]
[――果たして、剣を、その手から離すことはなく。
貫き、貫かれたか、脆弱なはずの吟遊詩人のその身体は。
金の髪が血濡れの頬に張り付いた。
かふ、と、小さく咳き込む。
口の端から血が毀れた。]
……――さあ、
物語の……幕引きです。シェムハザ。
次会う時は、螺旋の優位性のない状態で
[アーサー王に支えられるような有様ながら、
逸らさず堕天使の顔を見つめ。
クレティアンは物語の終焉を前に、笑った。**]
…… 「正々堂々」と 、 相対しましょう。
ぐ・・・・・・・!
[数々の堕天使の猛攻を切り抜け、騎士達の躯を乗り越え、その詩人はシェムハザの心臓に届いた。]
ば、ばかな・・・・・・ここまで来て、届かないのか・・・・・・?
[惜しかった。
だが、まだ次のループがある。]
[だが。
シェムハザにも伝わってくる、その異常。魔力の容量を、このままだと超える。
シェムハザは悟った。
この聖杯は、これより”9騎”のサーヴァントの魔力を内包する事になる。
その結末は、準全たる破壊でも、願いが叶う形でもない。
ループの呪いは、その条件から”外れてしまう”。]
ま、まずい・・・・・・やめろ!
このままだと、聖杯が飽和し、何が起こるか判らな・・・・・・
[だが、その肉体はとうとう事切れた。
サーヴァントでありながらも、その大量の出血は彼の意識を失わせた。
1万年もの間、強化と治癒を繰り返し、永らえてきた肉体。
しかし、その終端に到達すると、彼の肉体は崩れ落ち灰となった。
とうとうシェムハザは、その肉体から解放された**]
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