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いや、その、それは、そのうち、いただくわ。
[?]
えっと、「8組目」が誰かってのは分からないわよ。
「どうして8組いるか」も、「8組いることで聖杯がどうなるか」も、正直確定的には言えないわ。
情報を集めてはいるけど、私じゃなんともね。
聖杯に直接訊ければいいんだけど。
[頬に指を当て、考えるしぐさ。]
あと、「不公平」ってのは、どういう方向性かしら。
もうちょっと具体的に言ってもらえると助かるわ。
――――。
[ランサーはじっと管理者の挙動を見つめている。
アルフレートの質問事項についてはするすると言葉が出てくるが、その挙動がふらつくことがある。有体に言えば違和感である。果たしてそれは何かと観察を続け、一つの答に辿り着いた。]
――――もしや酒が苦手なのか。
だとしたら、その、なんだ。すまない。
承知した、では詳細を語ろう。
我々が掴んだ情報ではアサシンと呼ばれるサーヴァントがいる。
そして其のアサシンがこの聖杯の根幹に関わるのではないか?
そんな疑惑を持たざるを得ないメモを手にした。
内容は以下のような物だ。
[先程キャスターに見せてもらった物を書き写した自らの手帳を見せる。]
この記述が本当であると仮定しよう。
其の場合、アサシンは一人優位な立場にいる。
私はそう考えている。
―――これ、どこで手に入れたの?
[面食らった。
これは、誰のものだろう。
ブライのもの?
彼は無事なのだろうか。
結局、昨日は確認できなかった。]
まず、そうね。
アサシンの能力自体はチートでもなんでもないわ。
ちょっとくらい強いと感じても、それはアサシン自体の特色で、今回の聖杯戦争における異常さとは関係がない。
ただ、アサシンはこの「塔」や聖杯戦争についての知識を誰よりも持っているわ。
そういう意味では不公平ね。
――――、有利?
[ランサーは、アルフレートの質問に目を細めた。
――だが、それ以上の口を挟むことはしない。]
体調の異常ということであれば、摂取は控えた方がいいでしょう。
……すまない、こういった贈り物を考えるのは苦手で。
ここは、神に祈りを捧げる場所だと聞いた。
……この街の人間にも、朝の祈りを捧げに来る者はあるのだろう。
管理者殿が難しいようであれば、彼らに分けてやってくれ。
入手先は私は別の組から手にした。
元々は2階で拾ったと言っていたな。
能力についてはチートではないか、
ただの有利と考えるのであればそれで構わない。
だが、聖杯戦争に対する優位な組がいるとすれば、
其の不公平は貴様等はどう考えるのだ。
不公平である事を看過するつもりか。
[是正するつもりは無いのかといった意図を載せて問いかける**]
―4F・竹林精舎>>149―
先日は、――場所を改めて、と
失礼にも、
一方的にお願い申し上げましたけれど。
[弦を押さえる。
微かに、柔い音が竹林に響いた。
囁きが竹の葉ずれにも紛れず届く。]
お願いすれば、
……聞かせていただけるのでしょうか?
貴方の、物語を**
私が奴の敵だ、ってくらいね。
まともに働きそうなカウンターパワーは。
ちょっと頼りないと思うけど。
[ぱ、と手を広げてみせる。]
詳しく話すと、長くなるけど。
簡単に言えば、今回のアサシンは、勝つまでこの「塔」の機能を使ってコンティニューするつもりで、アサシンは勝ったら聖杯を破壊するつもりで、聖杯を破壊されたら私たちはお陀仏で、お陀仏にならない方法は私には見つけられない。
その結末を避けるために、私はアサシンを敵視してる。
そんなとこね。
このメモを書いた当人は、諦めてない、のよね。
そのことが、なんだか、私には、
―――いや、ま、それはいいや。
とりあえず、聖杯が破壊さえされなければ、少なくとも私も、あなたたちも、生きてれば死なないはずよ。*
― 1F西・教会 ―
……マスターは公平ではない、と言うが。
[暫く話を聞いていたランサーは、やがて静かに口を開く。]
絶対的に公平であることは極めて稀でありましょう。
体格、素質、武具、兵数、資産、生まれ、種族――
程度の差こそあれ、多くの者は戦に立つ段階で、
何らかの優位劣位を定められている。
戦だけではない。
マスター。貴君や、ここ数日で聞いた限りではありますが、
貴君ら魔術師の世界でも、それは同じではありませんかな。
話を統合すれば、
アサシンが此度の戦に於いて、我々より知識を有しているのは事実。
種族の差と呼ぶべきかは分かりませんが――、
英霊を一騎、狂わせる程度の能力も持ち合わせている。
力、知識、立場――、
オリュンポスが人を罰する力を持ち、目を有するように。
彼は確かに、我々より優位に在る。
しかし――ただそれだけのことです。
アサシンが天使であれ神であれ、
我らが人であり、人より召し上げられた幻想である以上、
どうしても程度の差、始まりの差というものはある。
だが、それが何だと言うのか。
アサシンが神であろうが天使であろうが
――それは、我々より少しばかり優れているというだけの話だ。
まずは、それを認めなければならない。
[そこには無い槍を眺めるように、自らの掌を見やる。
分厚く、硬く、色気のない、――かつてを共に駆けたもの。]
貴君らのような専門家を出し抜いて塔や聖杯の知識を持ち
英霊が課されるべき、宝具の制限を受けず莫大な破壊を齎し
あまつさえ敗北が必定となれば、幾度となく繰り返す。
聞けば聞く程、――面白い男ではないか。
その執念、実力、技術。惜しげも無く投入する容赦の無さ。
全てに於いて大したものだ。
[灰色の槍と鎧を抱く男は、淡々とこれまでの話を評する。
それはまるで、人に裁きを下す絶対者を語るものではなく
戦の場に降り立った、益荒男の一人を賞賛するかのように。]
――――実に、超えがいがある。
[未だ槍を交えぬ難敵を見やるように、――僅かに笑った。]
管理者殿の言葉を手繰れば、まるでシェムハザは、
全てを見通した上でこの状況を作り上げた男であるようだ。
益々に見上げたものだが――
八騎だのイレギュラークラスだの、
そんなものはどうでもいい。
この俺を、聖杯より喚び出すを律しなかったことこそが
シェムハザにとっての最大のイレギュラーであったと
そう教えてやろう。
[ステンドグラスから落ちる光を浴び、教会の奥を見つめる。
正面には、大きな十字が掲げられていた。]
シェムハザが真にサーヴァントであるならば、
聖杯の奪取ではなく破壊を目的とするなど
理解できないことも少々あるが……。
管理者殿。
貴君の言葉に従うならば、シェムハザが能動的に『塔』の機能を使用しない限り、るーぷだのこんてにゅーだのは起こらないということだろうか。
[そこまで告げて、ようやく管理者の方を見た。]
後は、俺としてはシェムハザのような益荒男を従えているマスターとやらにも興味がある。どのような豪傑なのか、一度会ってみたいのだが、やはり管理者としては行方の推測は告げられないものなのだろうか。
ー4階・竹林ー
そういう約束だったな。
[笹の葉のそよぎが聞こえる。静かな場だ。リリンをちらとだけ見たが、すぐに視線を戻す。]
わしの物語は美しいものではないぞ…正々堂々とした戦、滅び行く者の美しさ…そんなものは琵琶法師が唄って聞かせた物語の中にしかない。
それで良いなら、…愛い奴よ。いくらでも聞かせてやるとも。
全力を望むと言っていたな。ここで良いのか?
上に行くならその方が良いかもしれんな。
―4階・竹林―
ええ。そう望みました。
[そう、頷いた。
リリンはさて、どう反応したか。
少女は随分と――そう、拠点で見た時より晴れがましく、なにかが吹っ切れた様な表情をしているように見えた。]
……私は、私の生きた世に成しえなかった
「理想」を物語として紡ぎました。
けれど、今、私が欲しいのは、
貴方の物語ですから。
貴方という英霊の
歩んできた、その道を。
[どの言葉にか。瞬きを一つ、気を取り直すように声をただす]
幾らでも、とは 身に余る光栄、――ええ、上に参りましょうか。存分に。
[>>173 ちらり、と視線をヒイラギに向けて微笑んだ。
ヘイズレク王子のたましいが聖杯に注がれ
創りだされたであろう5改装。
森でも――城でも、複雑な構造。
入り組んでいるなら、なおいい。
此方にも動きようがある。
視線を改めてセイバーたちに、向けた。]
――行きましょうか。
[若葉色の光、身を包む。
向かうは5階、――狂える王子の階層へ]
―回想・5F 城塞都市中心部にて―
[筍のおにぎりを食べるランサーを見て、みちるがいつも食事を大切にしているかを感じ取るひと時。
>>100素晴らしいな、というランサーには、そうですね、と笑みながら言葉を返す。
>>107咀嚼を続けつつ語るランサーの話は、顎に手を添え、思案顔で聞く。]
成程…。
『僕』という一人称を素直に受け入れるなら、
女性である教会の管理人さんよりは、
アサシンのマスターとお話したい所ですね。
ここまでアサシンを中心に書いているのですから
何度か接触している、もしくは…と考えるのが妥当かと。
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