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バーサーカー ヘイズレク に 1人が投票した。
アヴェンジャー かぐや姫 に 14人が投票した。
アヴェンジャー かぐや姫 は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、兄里ケイ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、アサシン シェムハザ、リリン リリーリンリン、セイバー 足利尊氏、赤竜パピー (羽鐘辰)、鴻 みちる、バーサーカー ヘイズレク、キャスター メルカトル、アルフレート ローヴァイン、ランサー ディオメデス、妹尾柊、「管理人」 鳴木素子、トゥルバドール クレティアン、ブライジンガー 諒 の 13 名。
―南ブロック・ホテル内―
さて、ヘイズレク。
今から色々考えてみるから、危うい所があったら指摘してくれ。
[パピーは、朝日の差し込む窓辺に立ちながらそう言った。
今までのヘイズレクの言動を省みると、慎重に物事を考える傾向に思える。
想像や行動を、軽率に飛ばしすぎる自分にとって、それはほど良い手綱となっていると、パピーは考えていた。]
まず、口ぶりから察するに、教会の管理人と片翼のサーヴァントはかなり因縁が深いらしい。
少なくとも、あれは昨日今日召喚されたサーヴァントと管理人って間柄じゃないわな。
てことは、片翼は前回の聖杯戦争生き残りで、且つ聖杯を手に取る位置には行けなかったって事なのかね。
その位置に行けたんだったら、目的である聖杯破壊をやっているんだろうし、管理人も「負けてもただじゃ転ばない」とか言ってたもんな。
[窓の前をうろうろと往復しながら、考えを口にする。]
そしてどうも、聖杯で願望を叶えても、町の人はどうともならず、むしろ破壊した方がどうにかなる可能性があるようだ。
ここが片翼から聞いた話とは違う点だな。
しかし、前回とはいつの話なんだろうな。
あと他のチームに、聖杯を取られたのに存在し続けているってのも、ひっかかる。
管理人が「砂時計がひっくり返って同じなのは見た目」とか変な事も言ってたし、パズルを完成させるには、ちょっとピース足りてない感じかね。
……まあ、町の人がどうにもならないって話は、辰にとっちゃ朗報だったみたいだけどな。
ともあれ、片翼はすでに聖杯戦争経験者で要注意って事だけ、胸に刻んでおくか。
こうなるとあの羽根もいざと言うときに使う切り札としちゃ、信頼度が微妙だな。
呼ばれても、出てこない可能性が結構ありそうだ。
うーん、妹尾たちは、今頃どういう考えに至っているんだろうな。
詩人さん、結構頭が切れそうな感じだったが。
[そうつぶやきつつ、パピーはバックの中へと入っていった。**]
― ??? ―
――その槍は、手の内に在りて猶、獣の如く唸りを上げていた。
黄金の槍の、元より湛えていた煌きを翳すように、或いは引き立てるように、天狼の星の名を戴く輝きが輪転する。触れた大気を遍く引き裂き、喰らい、奔る蒼き焔のいろは、ひとたび振るえば、大地と天を揺るがす咆哮を上げ、彼方へ立つ兵どもにすら届くだろう。
死の最中へと挑む数多の戦士ならば、一度は焦がれる戦場の星。あらゆる勝利を約束し、あらゆる平和を象徴する美しき戦女神は、――呆れたように溜息を吐いた。
「――おかしいですね。実に不思議です。私の記憶では、貴方はアルゴスの王であったはず。だというのに、何故こんなところで夜営などしているのです」
夜に瞬く星々の下。男の前に現れた女神は、以前と変わらぬ威容を以って佇んでいる。それは、遠き戦の日々を鮮明に思い出させる程の、不変の輝きを湛えていた。
女神に声をかけられた男は、顔を上げず、表情も綻ばせず――常であった静かな面持ちを以って、女神に答えた。
「簡単なことだ。あの国からは追い出された。概ねの民の総意だ。抗う術も無い。完敗という奴だな」
淡々と語る男に、女神はなおも呆れたような、或いは詰るような表情を見せる。半ばの諦めと、憐憫と、――永くを供に生きた友人のように。
「……そんなことは知っています。まったく、私を誰だと思っているのか。そのようなことではなく、どうして私を頼らないのかと聞いているのです」
立ち昇る薪の炎を、男はじっと見つめた。
「今更、君に言うまでも無いことだろう。我々人間に神の真似事は出来んし、だからと言って神に頼るのは御免被る。君のことは一人の戦士として尊敬しているが、別に神嫌いが治ったわけではない。第一、今回の件も、アフロディーテの奴が一枚上手だっただけの話だろう。妻や友を救えなかったとするならば、それは俺の力の不足によるものだ」
女神は、炎を見つめる男の横顔を眺めていたが、そこにはどのような表情も現れなかった。遠くを見るような、懐かしきを語るような――、恨みも、怒りも、そこにはまるで存在していない。
「……確かに、人間には我々のような力は備わっていないかもしれません。ですが、先日の戦で貴方が魅せたように、神に匹敵する功績を挙げることは出来ましょう。……語られ、継がれ、やがて神と同化するようにして伝説となる。貴方が語ったように、神性とはただ少しばかり優れている生命種に宿るのではない。そうやって生まれるものでしょう」
言葉を選ぶように告げる女神に、男はようやく顔を上げた。夜空の月と、薪の炎と、槍に宿る天狼星の輝きに照らし出されて、常ある真面目な表情が、より重苦しく浮かび上がっていた。
「それは困るな」
「――何故」
困惑を隠せない女神に、男は顎に手をやり、考え込むようにして言葉を搾り出した。
「仮に、同じ戦場にいた君と同化などしてしまった日には、君を超えられなくなる。同格の遊び相手が欲しいなどというお前の寂しがりも永遠に解消されんままだ。これはお互いに困るだろう。――そら、分かったらオリュンポスの山に戻って神罰の一つや二つでも下していろ。待ちくたびれて迎えに来てもまだまだそちらには――」
――その日。男は初めて「知恵の女神に拳(グー)で殴られる」という快挙を果たしたのであった。
― 1F北・オフィス街(屋上) ―
[――その日の街も、変わらず静かな目覚めを果たしていた。
夜明けの蒼暗さに包まれて、まどろみの淵からゆっくりと帰ってくる。すべてが同一であるように見えるそれは、よくよく観察してみれば、多くの個性に満ちている。
遅刻しそうなサラリーマン、遅刻しそうな女子校生、遅刻しそうなパートタイマー、路地裏でいちゃつく謎のカップル――。]
――――……。
[ランサーは、身体に手をあてがうと、僅かに表情を歪めた。
意識を巡らせれば、魔力も殆ど底を尽きている。
――アルフレートの睡眠の深さがそれを示していたが、わざわざ申告をすることもなく、今日も屋上で見張りの役についていた。]
[――アヴェンジャー。復讐者。それが、かぐやと呼ばれたサーヴァントが告げた自らのクラス名だった。
これまでランサーが存在を確認したサーヴァントは、彼女を入れて5名。彼女の言葉が、正規のクラスの欠如を示すものなのか、別の不穏を孕むものなのか――判断を下す為の材料は不足していた。]
――――、一羽、増えたのか。
[空の上/地表の下を飛ぶ鳥の群れを見て、そんなことを*呟いた。*]
―詩人は語る―
[人の世に、呼び名がないのは不便だろう。
詩人というあだ名のようなものとはまた別に、
こう、クレティアンは添えていた。]
私のことは
「レティ」とお呼びください。
[聞き入れられるかは、相手次第。]
[――さて、赤竜と王子との会話は
ヒイラギが彼らに大いに好意を持っていることもあって弾んだようだ。ヒイラギが見た事はそのままに、互いに情報が行き来する。
槍の英霊について意見を求められれば
「ギリシアの英雄であるかと」
と、そう答えた。
曰く、ヒイラギの親方――ミケランジェロもまたその筋肉審美眼によって推測していたので見解の一致を見るところ。
ただし、詩人は情報交換において
槍の英霊が持つ宝具の真名
――「蒼炎を纏う神討ちの槍《グラウコピス・アテナ》」について、口にすることは、なかった。]
[ヒイラギには、伝えたが――
赤竜と王子の去りてのち、
何故かとヒイラギに問われれば、
ほんのりと眼を細めて]
彼への……私なりの、義理立てです
[そう、答えたのだった。]
―回想・教会前―
[暇を言い掛けて、ふと気がついて王子にメモを渡す。]
僕の携帯の電話番号。メールとかは無理そうだから…
何かあったら電話して。
[ほぼ使われたことが無かった携帯番号を教え、手を振り左右に別れた。]
……いいや?
ヒイラギは親方が――彼の鎧からギリシアのなにがしか、というのを予想していたと聞いていたからね。私が謂っても、謂わなくても、あの情報は君から伝わったことだろうと判断してのこと。
……伝えようとした、
そのポーズが大切なんだ。
[クレティアンは、
これでも宮廷を渡ってきた身であった。
人差し指を唇の前に立てて]
――大切な事は、内緒にした。
彼には恩義があるからね。
[物語を所望して――蒼い輝きを魅せてくれたこと。
誇らしげに謂うヒイラギに、ちいさく、わらった。]
……どうかな、ふふ、ありがとう。
―1F北ブロック・拠点―
[従者は宝具を開放し自身も二日連続で戦闘で魔術を行使した。
特に昨晩の相手は一瞬とはいえ英霊である。
そんな状況から拠点へと戻ったすぐに休息をとることとなった。]
魔力的に今日の戦闘は避けておきたい所であるな。
奴の全力を私がサポートできぬ。
魔術行使であればで出来るだろう。
ただ、英霊相手ではそれは意味のある行為ではない。
[隙を狙い放った魔術を一瞥で消された昨日の苦い記憶。
それを考えるに己の魔術行使は控え使役する英霊へ魔力を回すべき。
そう考えたのだった。]
―回想・教会前〜拠点へ―
……次戦場で見えたなら
その時こそ、きっと…
[少し熱の籠った呟きは、
物語への情熱か。
つと、細い首を逸らし見上げる/見下ろす。――奇妙な眺め。]
…上天に星はなく、
踏みしめる足の下にこそ、
底のない夜空が海のように満ちている。
[――ふと物語の始まりを口ずさんで、そのまま]
――白刃の方たちは、どうしただろうね。
[あの場所で別れた彼らの行方を、ふと思いつくまま言葉にした**]
しかし、マスターを逃したのよろしくないな。
あの場で始末しておけば、後の憂いが無くなるというのに。
とはいえ、英霊相手ではそれも叶わぬは道理であるか。
教会辺りを探って確認でき次第処理等が適切か……。
[逃がしたマスターの処遇を考える。
出てきた案はたいしたものではなかったが。]
― 1F北・オフィス街(ホテル) ―
――協力者もいない以上、唯一の情報を得られる施設で仕入れるというのは適切な判断でしょうな。我が身も少しばかり、管理者とやらに聞きたいこともありますゆえ。
[霊体化したまま、部屋のどこからか語りかける。]
……しかし、と言うべきか。やはり、と言うべきか。つくづく貴君は研究者には向いていても、戦略家には向いていないようだ。貴君らしいと言えばらしいのだが。
貴様、盗み聞きとは落ちたものだな。
[急に声が掛かった事に軽く驚きながら]
貴様も聞きたい事があるという事であれば、
内容も気になるが教会に向かうとしよう。
貴様も私も少しばかり消耗している。
故に中立を活用するのは悪い手ではない。
[戦略家に向いていないの言葉には顔をしかめて]
戦略家である必要性等無いからな。
魔術師は須らく研究者であるべきなのだ。
根源を求める道のな。
まぁ、いいとにかく教会へ向かうぞ。
――いつぞやも申したと思いますが、
戦とは血と血を交えさせる場のみを指すものではありませぬ。
魔術師の在り様がどうあれ、
今、貴君が立つ場は魔術師の工房などではなく、
其々の在り様を賭け合う戦の場でありましょう。
――我が時代には、アキレウスという猛者がおりましたが。
彼の最期が如何なるものであったか、知っておりますかな。
[不可視ながら、教会へ向かう為に部屋から出るアルフレートについて回る声は、つかず、離れずといった距離を保っている。]
―回想・教会前〜拠点へ―
そう、――その通り。
ヒイラギは、物語への感性が
豊かなのかもしれないな。
[ふ、と、笑み浮かべる。
今を生きる、若木のような少年は
此処からが伸びゆく道程。
願いを持って戦場に立つ。
―−己が編む円卓の騎士は、先日の戦いでの魔力減少を慮って呼びださないままだが。満ちてくるならばいつでも歌い、剣を引きぬけよう。]
――「しらはのかた」
ええ、まだ、名前を知らないもので。
セイバーと呼ぶのも味気ないかと。
[拘りであるようだ。]
此度の闘いではっきりしているのではないか?
弓の英霊、先日の復讐を名乗る英霊。
共に己が生き様やその生涯を体現して闘っていただろう。
私に足りないのはその有様であろう。
ならばこそこの生涯をかけると決意した魔術の道、
其処へ総てを費やすのは道理であろう。
[アキレウスの最期については少し考えながら]
不死身の英雄だがその成り立ちで、
足の一部分だけが不死身ではない為、
其処をつかれたのであろう。
―回想・教会前〜拠点へ―
先程はすみれに挨拶をしに行ったはずが、
慌ただしくバタバタしてしまいまし、
……しまったからね
[口をつきそうになる敬語を抑えつつ。
巡る魔力の具合を、指すり合わせて確かめる]
― 1F北・オフィス街(ホテル駐車場) ―
[ホテルの駐車場に辿り着けば、ランサーは実体化し、軽トラックの鍵を開く。]
結果のみを見ればそうなりますな。
彼は与えられた不死性、そして半ばの命に神を宿すその出自より、万夫不当と呼ぶに相応しい英雄だった。彼の武人めいた物言いに、或いはその実力に心酔し、一度は袂を別ちながらも、我々の軍勢は多くの者が『彼ならば』と信じ続けていた。
――だが彼は。自身の道を信じ、自らの在り様を示すばかりで、他者の道を理解し、他者の在り様を許すことをしようとしなかった。
……それは戦局という意味に於いて何の意義もなく、どれほどの影響も与えないものではあったが。結果として――他者の心を知ろうとしなかった彼は、怒りを買い、その身を破滅へと墜としたのです。
[興味がおありであれば自ら調べられよ、と付け足して。運転席へ乗り込み、鍵を挿し込む。]
……貴君は、先日のアヴェンジャーとそのマスターに如何なる心を見出したのか。如何なる関係性を見出したのか――詳しくは聞きませんが。
……自らの理のみを優先し、他者の在り様を理解せず、そして知らずの内に他社の尊厳を迫害する者は、いずれその死を以って理解することになる。
覚えておいて、損は無いでしょう。
[淡々と告げる表情に、如何なる変化も無い。
怒りも、憎しみも、嫌悪も、まるで身に纏う灰色の石のように。
それ以上を付け足すことはせず。教会へ向けて、アクセルを*踏んだ。*]
貴様は私がアキレウスと同じ過ちを犯すというのだな。
時代、立場、環境と違いはあれど参考にさせてもらう。
[ここ数日の付き合いで理解した従者の人物像からして、
皮肉等ではなく本心からのアドバイスには違いない。
ならば受け入れざるを得なかった。]
アヴェンジャーとマスターの関係性は知らぬな。
切り分けれなかった事は無念としかいえぬ。
ただ、絆はあったのであろう。
でなければ貴様との戦いの最中でマスターを転送などするまい。
一般的な人間としては貴様が正しいのであろう。
だが、私は魔術師でありその理は絶対である。
ならば、世界を切り分けて見せよう。
私の理と周りとが両方いきて生けるようにな。
ふん、つまらぬ話をしたな。
さっさと教会にいくぞ。
[激しく発射する車の勢いに負けぬように踏ん張る。
そして教会への到着を待った。]
―教会前―
[荒い運転のおかげで速度が出たのだろう。
教会へは思ったより早く到着した。]
さて、貴様聞きたい事があるんだったな。
ならば、霊体ではなく其の侭でいろ。
[歩きながら告げる。
そして周りに誰かいないかを探る。
己の魔術回路と令呪へ意識を集中させながら]
−3F−
───まぶしい。
[思わず口からこぼれた言葉だった。
力と力が激しくぶつかって、それはまるで最近理科の授業で教わったマグネシウムリボンを燃やしたときの強い光を思い出す。
あそこには先ほどまで着物を着た英霊がいたのに、光が消えてなくなったらそこにはだあれもいなかった]
…?
[ぱちぱちと、渡り廊下から見下ろしてもそこにいるのは図書館で見かけた鎧の英霊と男がひとり。
少しばかり首をかしげて、あれもまた戦いなのだと学ぶ。
本当は、まだたけのこは気になっていたけれど流石に今はみちるもたけのこを気にしている場合ではないとわかっていた]
…おじさん、かえろ。
[自分がここに来たことで、キャスターが余計な魔力を使ったことも、なんとなく理解できていた]
−南ブロック・古びた洋館−
[こうして、朝起きたみちるは考える。
パンを焼いているときも。
ベーコンを焼いている間も。
自分は、英霊をよんだときどんなことをしていたのか。
思い出す。思い出そうとする。
そうしたら、うっかり卵をフライパンの上で砕いてしまった]
…あらら。
[目玉焼きになる予定だった気味は、形を崩している]
― 回想・システィーナ礼拝堂にて ―
[魅了と武の英霊の戦いを上から見ていた。
格マスターの姿も視界には入れてはいたが、
途中からは英霊たちの戦いを静かに見ていた気がする。
セイバー、アーチャーとの一件を見られる事はあっても
他の英霊の戦闘を見るのはこれが始めての事。
礼拝堂には若干に合わない竹が時折迫ってくれば、
風を薙いでそれを払うを繰り返す。
みちるから、竹の情報>>3:404を得たので容易だった。]
[自らの宝具――《アトラス》と名をつけたのはメルカトル本人。
ギリシア神話から引用した神の名を、と、言い遺した。
故に、ランサーの宝具の名が聞こえれば視線は奪われる。
蒼い炎越しに見た笑みを浮かべた男の顔が、目に焼き付いた。
胸の奥が熱く、湧き上がる何かを感じた。
決してそれは恋心とかではない。断じて違う。
―――、かぐや、と呼ばれた魅了の英霊。
さいごの最期まで、女性らしく美しさと気品を感じるその振る舞い。
そして自らの力を持って、マスターを神輿に乗せるのを見届けた。]
…、お見事です。
[勝利をおさめ、霊体化するランサーに向けた言葉はひと言のみ。
彼がアーチャーとの戦で手を出さずにいてくれたのは感じていたから、こちらが今、ランサーやそのマスターに何かするつもりはなかった。]
…はい。
[>>31みちるに言われる侭、下の階層――拠点としている洋館に戻るわけだが、キャスターの本やらスナック菓子やら詰め込まれている袋の中に、みちるがおいしい、と言っていたタケノコが数本忍んでいた。**]
― 古びた洋館 ―
[ぱり、
ぱり、ぱりぱりぱりぱり。
ポテトチップスを食べる音が静かな空間に響き渡る。
図書館で借りてきた本を眠る事無く読みふけり、
読みながら手は動くものだから、また勝手に
洋館の中から発掘したもので道具を作成していた。
それは朝になっても終わらず、朝食は菓子で十分だと追い返す。
部屋の前には袋の中に入っていたタケノコが数本置いていた。]
…随分と、幾何学も、技術も、学問も、全て進化しましたね。
実に興味深い文献ばかり…ぶつぶつ。
[ぱりぱり、ぽりぽり。]
[朝ごはんは、呼びにいってもだめだった]
…おじさんなんか、おでぶさんになっちゃえばいいんだ。
[お菓子ばっかりたべていると、そうなっちゃうんだ。
そんなことをぶつくさ言いながら、一枚多く焼いてしまったパンにマーガリンを塗る。
外に出かけたときにおなかがすいたらこれを食べるつもりらしく、サラダをはさみ、ベーコンをはさみ、パンでふたをする。
半分に切って、アルミホイルでぐるぐる巻きにして、かばんにつめこんだ]
…おじさん、まだ本よむのかなぁ…。
[みちるとチルチルのでかける準備は済んでいる。
このまま家の中でくすぶっていても仕方ない。
たけのこを茹でるのに必要な糠もない]
…いいもん。
みちるだって、ときどきひとりになりたいもん。
[べぇ、と、ポテトチップスを消費する音だけが響く扉に向かって舌を出した後は抜き足差し足忍び足。
そーっとそーっと、家を出ることにした。
糠を買わなくてはならないのはわかったのだが、それだけで帰ってくるつもりはもちろんない。
机の上には出かけてきますのメモだけがのこる]
[がれきの中に倒れていた。
体中が痛みを訴えている。どこからか出血したのか、服が赤黒く染まっている。力が入らず、何か言おうとして、かすれた息を吐いた。
片翼の圧倒的な魔力。
セイバーの宝具はそれを斬り裂いたが、それでも余波は自分を襲った。それだけでこの有様だった。
英霊同士の戦いに身を投じることは、ここまで危険であったのか]
…………ッ。
[魔力のパスを確認する。セイバーとはまだ繋がっている。
令呪の反応はもはやない。あの片翼と……もう一つ、おそらく片翼のマスターの反応は消えている。
生き残った。
そう理解して、痛みに耐えながらゆっくりと首を動かした。
揺れてぼやける視界に、すみれの花が見えて―――意識を失う]
ー???ー
『……兄上。』
[冷たい声がした。弟だ。自分はと言えば、自室で筆を手に、地蔵の絵を描いていた。そうしている間は、何も考えずに済んだからだ]
『土岐頼遠の首を切らぬと聞きました。耳を疑いましたが、聞き違いではありますまいな?奴は上皇の車に矢を撃って車から落としたのですよ!道を譲るのが面倒だという理由で!奴は院のなんたるかもわきまえておらぬのだ!
師直もそうです!奴が都の娘を何人孕ませたか、兄上もご存じのはずだ!流罪先で酒盛りをして戻ってきた者までいる…これで鎌倉のような幕府と呼べますか!』
………お前は、なぜわしらが幕府を開いていると思う。
勝っているからだ。勝つのは、奴らのようなバサラがいるからだ。わしは奴らに気前よく褒美をやる。だから奴らは大人しくわしに従っている。それを人徳と呼ぶものもいるが、ただそれだけのことだ。
…それが気に障るなら、土岐は死罪としよう。
それで良いのだろう?
―回想・教会前〜2F菫の場所へ―
[果たして、予感は当たっていた。
瓦礫共々粉々の中、菫を守るように倒れ込んでいたリリンとセイバーの姿があった。]
レティ!大変!!
早く運ばなくちゃ…
[英霊とは言え、およそ力仕事向きとは言えないレティと
僕では二人を移動させることなど到底出来るはずもなく…]
いいや!レティこのまま拠点まで移動しよう。
その砲が治療もしやすいし、この二人なら拠点がばれても構わない。
[言うが早いか、セイバーリリン、レティと三人の手を繋ぎあわせ拠点をイメージした。]
―回想・教会前〜拠点へ―
――、……
ええ、わかりま――、
わかったよ、ヒイラギ。
行こう。
[ 袖引かれるまま、頷いて。
主に従って、そのすがたを転移させ―― ]
さあ、戻れ。わしは今、何も考えとうないのだ。
わしは……忙しい。
[そういう物言いを、弟が見逃してくれるはずもなかった]
『兄上の言う忙しいとは、地蔵の絵を描くことですか。兄上はいつでも世の中を厭うている。兄上!師直を排しなさい!それで政はうまくゆくのです!』
……それよ。
お前はそう言うが。わしはお前のいう通りに、何もかも排してきたぞ。北条も、親王も、三木一草も、北畠も、新田も、全て殺してきた。先帝以外は全てだ。
ところがどうした。これだけ殺して、まだ世が治まらん。
昨日は師直がお前のやり方は古い、お前を遠ざけよと言うてきた。今日はお前が師直を排せよと言う。わしは後どれだけ殺せば良いのだ。それでいて、国師は禅を修めよと言う。
人を殺して、浄土も見なければならぬ。
忙しい。わしは……忙しい。
『それが兄上の言葉ですか。…仕方のない方だ。良いでしょう、好きになさると良い。』
[師直と弟が幕府を二つに割って争い始めるまでに、時間はかからなかった。]
−中央・噴水前−
[てってって。
ここ最近バスを使っていたのキャスターは忘れていたかもしれないが、みちるの足は結構速い。
それは、走るだけではなくて、歩くスピードも同じだった。
商店街の古くからあるお店で糠を買い求め、そこのおばあちゃんにたけのこの茹で方を紙に書いてもらったメモを大事にかばんにしまいこむ。
それから足は家のある方向とまったく反対に進んでいく。
噴水の前までやってくると、脇にあるベンチに腰掛けた。
足元で、チルチルが土をつついてはひっくり返す]
チルチル、みちるはどうしたらいいのかな。
…みちるは、なにができるんだろうねえ。
[よくわかんないね、とつぶやきながら足をぷらぷらと揺らす]
―教会―
[ノックと共に教会内へ入る。]
管理者はいるだろうか?
少々聞きたい事がある。
[厳密に言えば質問があるのは自身ではなくサーヴァントだ。
しかし、まずは管理者がいるかを確認すべく問いかけた。]
ー2階ー
[クレーターの端で、意識を失ったまま倒れている。辛うじて消滅こそはしていないが、その体からはあちこちから血が流れ、指先一つ動かすこともままならない。
遠くの方、頭上で人の声がした気がした。誰のものかもわからない。
ただ、リリンは生きているだろうかと、その思いだけが頭を掠めたまま、再び意識は遠退き、その姿は消耗を止めるためか、霊体へと化していった。]
[――――― ぷつん、と。突然何か途切れる感覚。
本を読み、道具を作っていた手が瞬時に固まる。
自分の身に何が起きたか。
気付かないわけがない。
この感覚は、―――二度目だ。]
……
[さぁ、と顔色が一気に引く。]
……、…… みちる!!!
[どだだだだ、と激しい足音が廊下に響く。
この洋館の中にいない事は解っているが、何か手掛かりはと探す。
何かを調理した匂いがした。
机の上を見ると一枚のメモ。>>39]
――――――――
[言葉を失った。]
―回想・教会前〜2F菫の場所から>>42―
――、これは、……一体
[2Fは、煉獄の炎に焼かれたと言っても生温い有様だった。何をどうしたらこのようになるのか。 ]
宝具……?でも、ここは……
っ、ヒイラギ、待って!
[ヒイラギが駆け寄ったもの。
倒れている、ぼろぼろになったリリンの姿をまず捉える。]
ヒイラギ、彼女はまだ、生きていますか?
――あの後此処で戦闘が……?
此処は今戦いには不向きなのに、如何して……
[疑問に巡らす視界の端、唯一無事に残った可憐な菫が、揺れた]
まさか、此れを守って……?
[ 口元を押さえた。――ヒイラギの大切な場所なのだと、そう言ったのを気に掛けてくれたのか。 ]
― 1F西・教会 ―
[軽トラックの荷台から樽を下ろし、その身は実体化したまま
――灰色の鎧の間からは、申し訳程度の包帯が見えていたか――
教会の正面扉を潜った。]
違いますぞマスター。
聖杯や、あのチャリオットから流れてくる『にゅうすばんぐみ』というものが申しておりました。こういう時には、作法があるのだと。
[そう告げると、一度教会の外へ出て扉を閉める。
そしてそれを、片手で勢いよく開きながら入ってきた。]
頼もう!!!
[ドンガラガッシャン]
―昨夜2Fで―
[ 一部が硝子質なのは、
一度融けてから固まったからか。 大きく空いた穴の下、覗き込めば、今まさに。>>47]
――白刃の!!……っ、
……、実体を保てない程に消耗しているのか……
[ああ、でも、まだ気配はある。
存在を繋いでいる。ひとつ、息を吐く。
――物語を見せて貰うと、そう言ったのに。倒れられるのは、嫌だった。不穏なことを口にしていたのはさておいて。]
――待って、ヒイラギ
騎士を呼べば運ぶことも――、ヒイラギ、待って!
[ 止める間もない。拠点に移動するという宣言 、あまりにあやういと吟遊詩人も思おうものの、側を離れるわけには行かない。――それは、論外だ。]
……ちゃんとついてきてくださいよ、白刃の方……貴方はリリンの、刃でしょう……?
[ 宙を掻くように手を伸ばしてから
ヒイラギの拠点へ転移した。**]
貴様……。
[頭を抱える、少し真面目な話を下と思ったらこれである。
やはり真面目な話はしてはならないのかもしれない。]
[この世界には知らないことがいっぱいだ。
それは自分でもわかっている。
何より、最初に突きつけられたのはこの場所だ。
自分が、母から聞いた”御伽噺”は決して優しいものではないのだと]
…わかってるもん。
[わかっているつもりなのか、本当にわかっているのか。
それはまだみちるの中ではあいまいな事だ。
左の目を手のひらで隠して、また白日にさらす。
青い鳥は、こちらを見上げていた。
みちるが首をかしげると、チルチルも首を傾げた。
もう少しかしげると、青い鳥はみちるの肩に]
[立って走ってはこけるを二、三度繰り返した辺りで肩を落とした。
自分の不徳が原因だと思うと面持ちは神妙。
『いつか死ぬよ。君がそれを理解して同行しているのは罪だ。』
『その未熟なマスターを守りきれるといいね。』
―――――『保護者きどりの魔術師よ。』]
ッ
[だん、と壁に手を打ちつけていた。]
いや…………ですがマスタ−…………
これはこれで中々…………
ふうむ…………ああっそこは…………なるほど…………
[トンテンカントンテンカントンテンカン]
これがモノを造るということか…………
剣戟とは異なれど鉄製の道具で何かを打つという心地良さ……
これが……貴君の見ていた世界か――アーチャーよ
ふうむ……
クラフターのサーヴァントとして転職することも吝かではない……
[トンテンカントンテンカントンテンカン]
…みちるを、探さ ないと。
[魔力供給のない状態――せめて、底上げになればとありったけの道具を懐に詰め込めば、歩くたびにガチャガチャいう煩い人が出来上がった。仕方ない。]
――― …、ここにいても仕方ありません。
[行こうと足を洋館の外に向ける。
ふと、外に出ると天井/地上を見上げて、何か感じ取る。
まさか一人で上に?
もしかしたらタケノコを…? あ、ありうる…。]
―西ブロック・拠点・朝―
[客間にリリンを寝かせ、出来うる限りの治療を施した。
幸にも祖母が残した魔術薬と僕の治癒魔術で大きな傷は癒えてきている様子。
今は…穏やかな寝息を立てていた。]
――は、い。ごめんなさい。
[キッチンでは・・・
ベットと治療できる場所と言えば拠点しか思い浮かばなかった、僕の短絡的な思考によほど驚いたらしく
とっくりと言い聞かされて・・・
普通に怒らられた方がよほどマシだったろう。]
[反応は無く、どうやら不在のようだった。
従者を見ると大工の真似事に夢中のようだった。]
戯けがっ!! 何を遊んでおる!!
[後ろから思いっきり頭を引っぱたく。]
どうやら管理者不在だ。
ここで待つのは時間の無駄であろう。
とりあえず、移動するぞ。
[言葉と共に外へ向かう。]
くっ!
[ランサーは反論が出来なかった。それほど教会の扉を修復するという作業は魅力的であり、武の鍛錬に励み続けたランサーにとって未知の世界であった。あの扉に使われていた素材は何と呼ぶのだろう。興味は尽きない。樽を担ぎ直すと名残惜しげに扉を見つめ続けた。さらば扉よ。また会おう扉よ。]
不在ということであれば仕方ありますまい。
それで、次はどこへ行かれるのですかな。
[樽を荷台に載せ、軽トラックの扉を開く。]
―西ブロック・拠点・朝―
[治療する横、終えるまでは黙々と手伝うことあれば従っていた吟遊詩人であった。霊体化した英霊の姿は未だ見えずか。>>60
――そうして、現在。]
――いいですか、人命を優先するのは確かに大切だ、
……治療をしなければ危うかったろうし
咄嗟の判断として、責めはしませんけれど。
拠点まで知らせてしまうのは
反省してください!
貴方の身が危なくなってしまうのですよ。
[――説教していた。
――とくとくと言い聞かせる口調が敬語なのは、真面目に、しっかりと話すときに染み付いたものである。]
街の中央へ。
なるほど、王政に対して異議を申し立てるのですな。
ついに叛乱決起の時でありますか。
芽生えですな!
[意味の分からぬことを呟きながらハンドルを握る。
いやに上機嫌なランサーは、いつも以上の安全運転を心がけ街の中央へと向かった。有体に言えば60km/hである。]
―西ブロック・拠点・朝―
いいんですよ、
私とて、助けようと考えはしましたから
其処は、ええ、……
[咳払い。]
ともかく。
成してしまった事は戻りません。
砂時計をひっくり返すのとは違うのですから。
これからを考えましょう。
[という、締めであったという。]
………く。力が入らん。動きとうない。
ここは……何処だ?
[どのくらい時間が経ったろう。セイバーは、霊体のまま、口を開いた。実体化するほどリリンの魔力を食うことは無意識ながら避けていたらしい]
[その身に魔術刻印を宿すことを目指しなさい。それはきっと、魔術師としての自信と誇りに繋がるから―――。
幼き日にそう言われ、なるほどと思った。
魔術刻印は魔術をものにした証だ。親から受け継ぐのではなく、自分の実力でそれを得ることができれば、それは何よりの誇りになるに違いない。
純粋な心で、素直に信じた。
だから、宿したのだ。
基本はおざなりに、応用には見向きもせずに、ただ一つの魔術のみを習得し、修練した。
結果、その才能は見事に花開き、周囲の人間はとても喜んだ。
すばらしい。魔術刻印と、若くしてそれを宿せるだけの才能だ。
これで、おまえの胎盤の価値は跳ね上がる―――]
気配を感じた、マスターだ。
サーヴァントは近くにいないようだ。
車を止めろ、マスターに会いに行くぞ。
[車を止める指示を出す。
そして停車次第、歩いて気配のほうへと向かおうとする。]
―西ブロック・拠点・朝―
[とっくりと言い聞かされて・・・反論の余地もなく。
萎れた花のように小さくなって・・・]
ごめんなさい。
次からは・・・もっとちゃんと考えて動きます。
[普段優しげな人が怒るとこんなに怖いものだとは思わなかった・・・
十分深く反省して。]
お腹空いた。ご飯にしよう?
[食事を忘れたいたことを思い出し、朝食の用意を始めた。]
[かばんの中には糠の袋とキャスターの朝ごはんになる予定だったみちるのお弁当。
なかなかにずんずんと歩いてきたので、ちょっとおなかがすいていた]
…チルチルも食べる?
[結果的にホットサンドのようになってしまったそれを取り出してマーガリンのついていない端の少し固くなった部分をひざに落としてやると青い鳥はめったにないご馳走にご機嫌だった。
一口食べ、なかなかの出来だと思う反面で]
…ごはんのうらみは、おそろしいんだから。
[自分のご飯より、ポテトチップスのほうがいいだなんて。
不満をぷりぷりこぼしていると左目がちくちくした。
食べる動きがちょっと止まって、流石にまずいかなって顔をチルチルに向けたのだが青い鳥は食事に夢中である]
― 1F中央・噴水付近 ―
ふむ。マスターですか。
[アルフレートの指示を聞き、ゆっくりと車を停車する。無論、違法駐車などしない。近くにコンビニエンスストアを発見し、周囲に気を配りながらバックの駐車を試みる。幸いなことに回りに車は少なく、無事に停車することが出来た。]
では、何かあればお呼びくだされ。
[軽トラックから降りるアルフレートに続いて降車し、ランサーはスッっと霊体化した。]
― 西ブロック・森林公園・屋敷内客間 ―
[ベッドの上で目を覚ます。
荒涼とした廃墟とがれきの世界ではなく、天井が見えた]
……ここは?
[ゆっくりと身を起こす。
血が足りないのかふらつくが、身体は動いた。痛みはなく、傷も癒えている。魔術で手当てされたらしい]
セイバーは……居るわね。
これはどういうこと? 状況説明をお願い。
そうだ、それにマスターのみの気配だ。
最も罠かも知れぬから迂闊な行動は避けよ。
[言葉の途中で霊体して消えていったが引き止める事はしない。
なぜならば、消耗を抑える必要があるから。
本来であれば実体化させてまま連れ立ち。
マスターを始末すべきだが、今は刺激するべきではない。
そう考えたゆえの言葉である。]
― →2F ―
[きらきら、びゅーん。]
みちるーー!!!
[フロアごとに確認していくことにした。
上まで行っていなければ下の広いエリアだと覚悟を決める。
このフロアに足を運ぶのは、ミケランジェロとの戦いぶり。
彼女の最期は見届けてはいないけれど、瓦礫に打ち付けられて落ちた位置は覚えている。
魔力の供給がなくても、危険と解っていても、最初にここに来たのは――何故だろうと、口の端だけが仄かに上がる。]
……瓦礫の中に咲く、 花?
[明らかに自分たちとはまた違う誰かが争った痕跡があった。
そのすぐ傍に咲く花に視線を向けたまま、]
幸せ者ですね。
[もういない誰かに向けて、風に言葉を乗せた。]
―西ブロック・拠点・朝―
……そうしてくれると、
私も、 ……安心だよ。
[流石に言い過ぎたか。>>70
敬語を解けば、「お説教」は此処まで、の合図となる。]
うん。食事は大切だもの、ね。
[――前の主、望月は奔放でやや頓着せず酒ばかり飲んでいたので、ひっそりと新鮮だ。]
……彼らは、眼を覚ましたかな。
少し、見てこようか。
[朝食の用意の合間、ヒイラギから距離を空けすぎないよう気をつけつつ、リリンらが眠る場所へ足を向ける。]
[その周囲の戦闘の痕跡から、何か解らないかと暫く歩く。
幸い、他のサーヴァントの気配はない。本当に幸いだ。
当初の目的を少し忘れかけたが、みちるも探している。当然だ。
ざりざり、と靴の裏で瓦礫や砂を踏んで歩く。
その足が止まったのは一枚の紙を見つけたから。>>3:379
拾い上げれば、紙は自然と開き内容を提示する。>>3:262]
――――――…
[そこに書かれた内容が、得ている情報以上の事が記載されているのもあり瞬時に理解は出来ず、二度、三度と読み返す。コンソメパンチの下りで、彼がアサシン確定した事だけは確かだったが、]
ループ…?
それが 起きているとでも?
そしてそれに―――あの、コンソメパ…いえ、
アサシンが絡んでいると言う事でしょうか。
[嶮しい面持ちで、メモと睨めっこ。
ふと我に返ると、上に行かなければと思い出す。]
みちるが3Fの可能性は…高いはずです!
[きらきら、びゅーーん!]
―西ブロック・拠点・朝―
[ルティがリリンの様子を見に行っている間に、卵粥を用意した。レシピはちゃんと残っている。
僕ら用には洋風おじやにした。葡萄ジュースと、ミルクティー]
ねぇ、リリンはエスプレッソ好きかしら?
[レティに大きな声で問いかけるも、リリンの好みは知るまい ]
…んんん。
[二つのうち一つは食べてしまった。
チルチルがひざの上に乗っているのも忘れて
ちょっとあわてて立ち上がった。
痛みが強くなってきているので、たぶん近くにいるのだ。
辺りを見回して、それが見た顔なのかどうなのかを探す。
目は痛い。誰もかもが、怪しく見えて仕方ない]
(こーゆーの、ぎしんあんきってゆーんだ)
[テレビの知識はかくも偉大なり。
布地にしがみつくようになっていた鳥も低位置へと戻り、耳元で一声短く啼く]
あれが、マスターだと?
[気配の先にいたのは幼い女子だった。
己の眼を疑いたくなるレベルである。]
覚悟が足りないどころではないぞ。
どうなってるんだ、この戦争は……。
[思わず口に出して呟く。]
―西ブロック・拠点・朝―
[>>80大きな声で尋ねてくるのに、
詩人はさほど声を張り上げないのに遠くまで届く声で答えた。]
どう、かな?
聞いてみることに、する。
[――警戒はしつつ。客間に顔を出す。]
――目覚めた、ようですね?
― 1F中央・噴水前 ―
…………。
[霊体化しながらついていくと、そこには鳥と戯れる少女の姿があった。しかもその顔には見覚えがある。確か――そう、先日のアーチャーとの戦いと、昨日、かぐやとの戦闘で感じた気配。キャスターと共にいた、幼いマスターだ。]
…………ふむ。
[珍しくアルフレートが狼狽している。果たしてどういった会話になるのだろう。興味は尽きない。故にランサーは黙って見守ることにした。]
― 3F ―
[足場が竹で崩されたのか不安定な場所だった。
見上げるほど高く、見渡すほど遠い。]
みちるーー!!!
みちるーーー!!!!!
[何度も何度も遠くに響き渡る程大きな声で叫んだ。
るー、るー、るー、と虚しく木魂するのみ。
ここにいないとなると、更に…上?
――いや、さすがにそれは考えられない。]
[ひとしり叫んで捜し歩いたけれど幼い姿は見えずのまま、
メモという収穫を得て3Fから姿を*消した。*]
…いたい。
[左の目を、ぐりぐりとこする。
かなり近いのだとわかればもう一度だけ意を決して周囲を見渡す。
たぶん、そうだと感じたのはこちらをみてうろたえたような気配があったからだ。
じり、と一歩。足が後ろに下がる]
…えっと
[ちょっと、いままでのように気軽にご飯に誘うような相手ではなさそうだ。
もうひとつ気配があるので、たぶん英霊も一緒なのだろう。
よくよく見れば竹の階で見かけたような気がしなくもないが、あのときのみちるはたけのこにかなり夢中だったので]
たけのこ。
[ひどい一言目になった]
[部屋の外で話し声がした。今更ながらに、令呪のうずきを意識する。
扉が開く。顔を出したのはあの、リュートの英霊だ]
ええ、おはよう。……なにかと縁があるようね。
あなたがここまで運んで、手当てしてくれたの?
それともヒイラギの方かしら?
―南ブロック・ホテル内―
前回の聖杯戦争の生き残り――…
[あの存在は、生き残り、という言葉で本当に正しいのか。
赤竜の言葉>>3を繰り返し口にして、黙りこむ。
…あのアサシンは、3年間この場からの脱出が出来ていない。
何かしらの願いが叶えられれば、場が解体する。そう言った。
そうして、あの管理人である女性は
この聖杯が6組分の力を得る事自体、初めてだと言った。
これらの情報が全て正しいと仮定するならば
前回の聖杯戦争の勝者は、あのアサシンでもなく、他の誰でも無い。
存在しなかった事になるのでは無いのか。]
これは、罠か……。
[魔術行使を行えば事も無く切断できそうな小さい存在。
逆にだからこそ行使をためらってしまう。
嘗て、時計塔で似たような人間を見た事があったから。]
― 1F中央・噴水前 ―
…………
[たけのこ。イネ科タケ亜科タケの若芽を指し、日本という国では食用として愛されているものである。煮てよし、焼いてよし、揚げてよし、歯応え抜群。だが、ランサーはたけのこが何かを知らない。なるほど、アルフレートはたけのこと呼ばれるものであるらしい。ランサーは深く記憶に留めた。]
……マスターもサーヴァントも生存して
しかし勝者が存在しなかったなど、あり得るのか…?
[何処かで歪んでいるのか、ピースが足りないのか。
何を仮定するにもやはり情報は断片的で、真実には遠い。
手が空を掻く感覚に、一つ吐息を零す。
随分と、ややこしい事になってしまった。
ただ、聖杯を■■■■――、それさえ出来るならば、良い筈なのに。]
――……。
[ふと、懐の羽根に服の上から触れて、 思考が止まる。]
―西 森林公園拠点―
そのようですね。
お加減は如何ですか、お嬢さん。
[物腰は丁寧に、それから問いかけには静かに答えた]
――治療は、ヒイラギが。
私はその手伝いをしました。
――、……まずは、お礼を。
スミレを――ヒイラギの大切な場所を、守ってくださったのでしょう?
[…――今、何を思い掛けたのだったか。
数秒考えて、しかし瞬間にして霧散して消えた思考を再び寄り戻すには難しい。ふると首を振って諦めると、赤竜がショルダーバッグに入ったのを確認して、いつものように肩へと掛ける。]
確かに、俺たちだけで考えるには聊か知識の範囲を超えているな。
気になるならば、妹尾達がどういう考えに至っているか連絡先も聞いたし、
…確認も出来るだろうが。
[しかしそこまで慌てる事でもないだろうと、連絡先の書かれた紙はカバンの中のパピーへと預けておく。
お近づきの印とやらのスナック菓子に、赤竜に、メモ用紙。
随分と、このショルダーバッグも中身が増えた。]
タケノコとは、貴様何を知っている。
それにサーヴァントを連れずに街を歩くとは随分余裕だな。
腕に覚えがあるのだな。
[その言葉からするに昨日の戦闘の事をさしていると判断した。
そして敵は魔術師であると判断しそれなりの対応となる。]
礼? ああ……あの場所ね。
ふぅん、無事だったんだ? 運が良かったわね。
[嘯く。
別に、自分にとって大切である場所ではない。ならばあれは無意味な行いであり、単なる気の迷いだ。
そんな、ただの気まぐれを感謝される筋合いはない]
まさか、それだけで手当を?
とどめを刺す絶好の機会だったのに。
…たけのこは、ぬかをつかってゆでるとおいしくなるんだよ。
[何を知っている。
みちるがとっさに思いついたのはそこだった。
さっきまで食事をしていたので、口の端にパンくずもついたままだ。
緊張感がないといわれたらそれまでなのだが、まさかひとりのときにほかのチームとかち合うだなんて思っているわけがない]
…みにおぼえっていうのなら、しってるよ?
[んん、と首を傾げた。
小学生には、偏った知識しかない]
誰の声だ?あの、よく通る鈴のような声は。菩薩か?
………ああ、奴らか。では浄土には行き損ねたな。
[詩人と、柊とかいう少年の声がする。目を薄く見開いた、という表現が適切かはわからない。霊体のままだったから]
リリンも……おるか。………良かった。
― 1F中央・噴水前 ―
…………。
[――かくして、会話はすれ違っていく。これはあまりにも平穏な少女と、あまりにも研究者然とする魔術師ゆえのすれ違い。必然の理と言えた。]
…………。
[たけのこはぬかを使って茹でると美味しくなるらしい。また新しい言葉が現れた。ぬかとはなんだろう。少女の口元についている何かの欠片のようなものがぬかなのだろうか。ランサーには何も分からない。]
惚けるつもりか。
タケノコの調理法など興味が無い。
身に覚えがあるというのであれば、
其処を詳しく吐いてもらおうか……。
[あくまでも惚けとおそうとするその態度。
その態度に苛立ちからか口調は強くなっていた。]
[扉の奥から顔を出した少年に笑顔を向ける。
こんにちは、と言われたからには、もうだいぶん日が高いらしい]
こんにちは、ヒイラギ。
手当をありがとう。魔術、上手なのね。
― 1F中央・噴水前 ―
[語調を強くするアルフレート。明らかに両者の会話はすれ違っている。これはそう、いつか豪奢なホテルで感じた予感に他ならない。この状況はまずいのではないか。ほら、通りすがりのお兄さんやお姉さんがコッチを見ている。]
――――少女よ。キャスターはどうした。
貴君を放って出歩くような者には思えないが。
[ぬるっと実体化し、少女をじっと見つめながらアルフレートの首根っこを掴んだ。]
―西ブロック・拠点・朝―
――そうですね、運がよかった。
けれどその運を引き寄せたのは、
貴方がたなのではないかと。
[たとえ気紛れでも構わぬと眼を細める。]
――ヒイラギは分かりませんが、
私は、物語を聞きたいと願った相手に対して、語るべもなく在るのは我慢なりませんで。
止めを刺したとて
それでは、意味がない。
[ふ、と熱を帯びたような金萌葱の双眸。
>>97 少年の声に、少しずれて場所を譲る。]
[実体化していないセイバーの声は聞こえたかどうか。>>98
空の、気配を感じる辺りにあたりをつけて視線を動かす。]
まだ、……約を果たしていただいておりませんから。
[リリンがヒイラギに対する態度は、
とりあえずは穏やかな様子。
――と]
ああ、そうだ……
エスプレッソ、好きですか?
[質問、忘れていた。]
わたしたちが居なければ、あそこは戦闘にならなかったのだけどね。
[肩をすくめて見せる]
そういえば、前にも言ってたわね。
物語を知るのがあなたの望み。さぞ知っているお話も多いのでしょうね。
良かったらわたしも何か聞かせて欲しいわ。
たとえば……
[戦いの折、耳に届いた片翼の英霊の詠唱。
ギリシア語で唱えられたそれには、たしかにその名が入れられていた]
……シェムハザ、とかいう天使のこととか。
えっ、みにおぼえってなんだろ…。
[言葉としては知っている。
だが何に対して答えたらいいのか首をひねる。
うーん、と唸っているところに現れた英霊に目を丸くした]
…あっ!としょかんの!!
ええと、おしりかたにのせてたひとだ!!
おじさんはねー、おじさんはねー。
…みちるのご飯よりおかしがいいっていうからおいてきちゃった。
[家政婦の真似事をしていた記憶がよみがえって首根っこをつかまれた魔術師を見やる]
…おしりのひと?
[もしかして、と首をかしげる]
離せ、戯けが。
それとサーヴァントはキャスターか。
知っていたなら先に言わんか馬鹿者が。
キャスターとやらは本当に何なのだ。
私に変な視線を送ったりマスターがこれとはな。
エスプレッソ?
いい香りね。いただくわ。
[手当までしておいて、まさか毒など入れないだろう。ありがたくいただくことにした]
―西ブロック・拠点・朝〜昼―
[ >>101 かなり回復した様子の声に胸をなで下ろし、魔術を褒められれば、恥ずかしそうに。]
え、っと、多分祖母の魔術薬が効いたんだと思います。
僕は、ちょっと止血しただけなんです。
あと…菫を守って頂いてありがとうございました。
[エスップレッソと聞いて、]
あー、レティゴメンね。
空腹だったら余り強くない方が良いかと思って、エスプレッソ・ラテにしてみました。
[ラテの乗った盆をレティにお願いした。]
あ、もしセイバーさんも飲み物欲しいなら持って来ます。
[若い女性の寝室に何時までも居るものではないと、祖母にきつく躾けられた賜物で逃げるようにキッチンへ。]
― 1F中央・噴水前 ―
そうだな。彼はおしりの人だ。
まだこの国の言葉は覚えたてのようだ。許してやってほしい。
[頷いた。]
…………ふむ。ごはんより、お菓子がいい。
[お菓子とは何だろう。顎に手を当ててランサーは考える。だが答は出ない。]
みちるよ。そのお菓子とやらの実力が上だと言うならば、まずはそれを認めるのだ。そして、そのお菓子とやらを、貴君のご飯で超えてやればいい。キャスターのおじさんがぐうの根も出ぬほどに。
そうして人は成長する。今よりも素晴らしい人間となっていく。
そうして人は勝利を掴むのだ。
みちるよ。キャスターに「やっぱりお菓子よりみちるのご飯がいい」と言われるところを想像してみるのだ。想像は力となる。キャスターめを貴君のご飯で倒すのだ。
貴様、ふざけた事を抜かすな。
私はアルフレート・ローヴァインという名がある。
[サーヴァントと食事嗜好。
そんな話を熱弁するサーヴァントには呆れる他ない。]
貴様等、熱弁するのは構わんがな。
敵同士である事を忘れておらぬか?
―西 拠点―
いいのですよ、
なってしまったものに、
貴女がたが取った行動に――私が、勝手に感謝をしているのです。
[と、少し悪戯っぽく、言った後]
ええ、貴女が望むなら――語り部は、聞き手があってこそ。
……シェムハザ?
[何故その名前が――と、思いながらも
少し考えてから、諳んじる。]
「神の子たちは人の娘たちの美しいのを見て、
自分の好む者を妻にめとった。」
…「創世記」6章です。
世界を監視するように命じられた天使が、
人間の女に魅せられて禁を犯した――その筆頭が、シェムハザです。
お祖母さんの治療薬、か。錬金術かしら?
すみれは別に、守ったつもりなんてないけれど……なんにせよ助かったわ。ありがとう。
[エスプレッソ・ラテを差し出され、受け取った。
香ばしい匂いが鼻腔をくすぐる。ゆっくりと一口味わって、その優しい味と暖かさに安堵を覚えた。まさか敵陣の中にいて、こんな気分になるなんて思わなかった]
おいしい……。
ですが、……何故?
[もしや、と尋ねるより前に
>>109 ヒイラギの会話を邪魔せぬように一度口を鎖した。]
いいえ、気にしないで。
エスプレッソ、ラテ……?
[そそくさと出ていくヒイラギの足音を背にしながら、>>113エスプレッソラテに舌鼓を打つリリンにやわらかく笑む。]
――ヒイラギも、あの通りなので。
貴女たちが回復するまで
私もなんらか手を出すつもりはないと、誓います。
そっかー。
じゃあしょうがないね!
みちるはね、おおとりみちるっていうの!
よろしくね、おしりのひと!
[酷いインプリンティング振りである]
おじさんを、ぎゃふんって言わせるごはん…。
がんばるよー。
でもね、おかしがダメなんじゃないんだよ。
おかしばっかりたべてたら、おすもーさんになっちゃうよ…
[みたくないなぁ、とつぶやきながら指摘に瞳を瞬かせる。
くびをかしげた]
…てき?だと、なかよくなったらだめなの?
[悪戯っぽい表情を浮かべる英霊。
すみれのことにはもう触れないことにした]
美しい女性に恋をした天使、ね。
あいつ、意外とロマンチストじゃない。もっとろくでもないヤツかと思ったわ。
[片翼の姿を思い出しながら、カップを傾ける。
彼に人を愛した過去があるなら、もしかしたら彼の言うとおり、聖杯を破壊すればこの町の住人は助かるのかもしれない]
ヒイラギも、あなたも、お人好しここに極まれり、というところかしら?
まあ、せいぜい利用させてもらうわ。消耗してるから、正直助かっているし。
お代は……あなたの望み通り、セイバーの全力でいいかしら?
― 1F中央・噴水前 ―
敵というものは、敵意を以ってこそ敵たりうる。
そういった点では、彼女が正しい知識を持ち
正しく貴君を敵視しているようには見えないが――
そうではないと言うのなら、何を躊躇う。何を苛立つ。
何故、彼女を討ち果たしたところで、それを知ったキャスターが恨み、怒り、貴君を道連れにせんと奇手奇策を用い、陥れるであろうと分からない。
……他者を知れと、そう言ったばかりのはずだが。
まあ、いい。
[アルフレートを地へと下ろし、みちるへと向き合う。]
――敵であるとしても、
いつの時も憎しみ合う敵など非常に珍しいものだ。
憎むということ、憎まれるということ、
憤るということ、憤られるということは、
それだけで、少しずつ心が壊れていくということだからな。
別に、俺はキャスターと共にいない君を討とうとは思わないが――
どうやら、彼はそうではないらしい。
すまないな。みちるよ。
[啖呵を切るアルフレートに溜息を吐き、再び霊体と化した。
それ以上、アルフレートの行動に口を挟むことはなく。]
[祖母は三年前に亡くなった、と少年は言った。
そういえば、彼には家族がいないのだったか]
そう。
お祖母さんにもお礼を言いたかったのだけれど……残念ね。
[なにか大きな瓶を持ってきた少年を見る。セイバーに勧める飲み物ということは、日本の伝統のものだろうか]
ねえ、家族がいないと寂しい?
[思い出すのは、自分の親族。
人を騙して道具扱いしていた、ろくでもない人間たち]
眼に見えるものだけが総てではあるまい。
この女が演技であったりキャスターの奇手奇策でないかと疑っている。
故に手を出さず会話をしているのだよ。
貴様の言うように他者を知る事は重要だ。
だからこそすぐに魔術を行使せずにこうやって話しているのだよ。
苛立っているのはその通りであるがな。
―西ブロック拠点―
失墜し断罪されたと
同時、天使たちを従えて
人間に知恵を与えたとも謂われています、が
ろくでもない、とは――もしや、
貴女がたの対峙した者が「シェムハザ」と?
[尋ねる表情は真剣だ。
なんと――それこそ、己の時代、教会の神話に他ならない]
……ええ、お人よし、を否定はしません。
私のは、私利私欲に眼が眩んだ、とも謂いましょうか?
[――さて、本気とも冗談と持つかない。ふ、と薄く三日月のように微笑んだ]
全力――そうですね、それが、望みです。
…そっかぁ、だめなんだぁ。
おとなってむづかしいね、チルチル。
[あやまる鎧に首を横に振る。
おしりのひと、ではないらしい人の言葉を聞きながら]
…おじさんなら、いないよ。
本当にみちるおいてきちゃったもん。
おじさんは15歩いじょうはなれたらだめっていってたけど。
みちるにだって、どうしたいとかあるけど
…よく、わかんなくなっちゃったから。
そうか、何処もサーヴァントは勝手だな。
私のこやつも勝手に暴走してこの間の有様だ。
それで? よくわからないといったい何がだ?
[観察を続けるに演技ではないように感じた。
本来であるならば会話の必要は感じない相手である。
だけど、先程から従者に言われた言葉。
その言葉が刺さっていた。
自らがこの戦争に身を投じた理由も聖杯だけではなく、
成長の機会を期待したからであった。]
[背中を撫でるレティの手が暖かくって…瞼が熱くなった
それでも息を止めて堪えた。]
あ、レティごめんね。
リリンさんとのお話し、僕もちゃんと聞かなくちゃ!
[居ずまいを正し、リリンとレティの話しを促した。]
失墜した。天使を従えた。人間に知恵を与えた、……ね。
ありがとう、勉強になったわ。
わたし伝承科ではあるけど、実は趣味で選んだだけだから、けっこう中途半端な知識しかないのよね。
[まっすぐに訪ねられれば、今度はこちらが悪戯っぽい笑みを浮かべる]
さて、どうかしらね?
仮にわたしがそうだと言ったところで、そちらが信じる理由はないはずだけど。
[助けられたのだから情報を流したが、そのまま信じられるのは面白くなかった。
こんな状況とはいえ、あくまで敵同士。線引きは必要だ。
相手がこちらの全力を望むのなら、なおさら]
[ヒイラギの話には、視線を伏せるその顔は泣くのを我慢しているようで、見ていられないほど……まぶしかった。
寂しい、と言った。
たった一人の家族。彼にとっての拠り所が祖母だったのだろう]
そう。
いいお祖母さんだったのね。
[寂しいと、少年は言った。
きっと彼は、愛されていたのだろう]
うーんとね。
…みちる、なんでおじさんがきてくれたのかよくわかんないの。
これ、言っちゃったっておじさんにはひみつにしてね。
[しー。
口の前で指を立てる]
でもね、みちるのところにきてくれたってことは
なにかみちるがやってみなきゃいけないことがあるのかなって。
でもそれがみちるにはあんまりよくわからないの。
…へんでしょ?
ああ、その通りだ。
貴様は選ばれたのだこの聖杯にな。
可笑しいな、非常に可笑しい。
この戦争に参加したい人間等、時計塔に腐るほどいる。
それを差し置いて貴様が選ばれた等とは可笑しくてしょうがない。
貴様の言うとおりこなすべき責務がきっとあるのだろう。
それが解らないというのならば、
貴様自身の手で切り分けろ。
何が出来て、何が出来ないかをだ。
[リリンの話しにはじっと耳を傾け、
>>130 には、ちょっとだけ鼻を膨らますように ]
えーーーっ、っと、良いばあちゃんだったかは…今だから言えることですけど。
4才に満たない僕を押さえつけて無理矢理刻印を移植したり、毎晩酔っ払って暴れたり…
ホスト…クラブ?ですか…お兄さんお持ち帰りしたり
酷かったですよ。
で、僕、寄宿舎に自分から入りたいって言いましたもん。
でも…喧嘩しても絶交しても生きているから仲直り出来るんだなぁ…って。
――勝手に死んじゃって仲直りも出来やしない・・・
[リリンに、ごめんなさい…と、小さく言うと涙が零れてしまった。]
―西ブロック拠点―
[酒か、これは見たことのないタイプの酒だった。]
――いや、謝ることはないよ。
[ヒイラギに視線をふわりと落とした後
リリンに再び向き直る]
それは何よりですよ、リリン
伝承か、物語に興味が?
[――さて。
物語の気配に食いついた吟遊詩人は、悪戯っぽい少女の笑みにはたと瞬く。少し前のめりだった体勢を戻した。]
――嗚呼、……これは失礼。
それは、あなたの謂うとおりだ。
――……ヒイラギ。
[そうして、詩人は口を噤んだ。>>133
英霊は人間をやめて久しい――かける言葉の、 何と難しいことか。或いは寄り添うことで答えとするか。]
せいはいって、ただのなんかすごいコップじゃないの?
…せいはいが、きめるんだー…。
[へえ。
思わず拳をポンと手のひらに一つ]
…そっかぁー、そーなんだ。
じゃあ、みちるももうちょっと考えてみるよ!
ありがとー、おしりのおにいさん。
大きいさばさんも、またねえ。
[とりあえずは行動することにしたらしい。
またね、と一度は手を振ったが思い出したように戻ってきてアルミホイルの包みを差し出した。
中には、冷えて少し噛みごたえを増したベーコンエッグサンドがはいっている。
それから、もう一度またね、と手を振ると、今度は振り向かずに走っていった**]
[少年が涙をこぼす。そこから視線を外すために、手に持つカップへと視線を落とした。
その中身を一口飲んで、口を開く]
……魔術刻印を移植するのは、魔術師にとっては最大級の愛の証よ。
自分を含む、家系に連綿と受け継がれてきた歴史……目指す先への想いを託すことに、他ならないもの。
ま、その様子だとおとなしい人では無かったのだろうけど……いいんじゃない? あけすけで、裏表がない感じで。
わたしはそういうの、嫌いじゃないわ。
― 1F中央・噴水前 ―
[少女が去っていく。霊体化していた手前、別れの挨拶を返すことは叶わなかったが、振り向かずに走っていく姿を、最後まで見送っていた。
――そして、少女の姿が見えなくなってから。]
――――感謝をされたようだが。
[瞼を閉じながら、アルフレートに言葉を投げた。]
伝承には興味があるけど、あなたほどではないわよ。
どちらかと言えば、わたしが好きなのは詩ではなく曲だもの。
クラシックでも、ロックでも、ジャズでも……心が震える音階に惹かれるのよ。
[そこで、ふと思い出したように。
ああ、でも。と付け加える]
まあ、もちろん……アーサー王の物語とか、有名どころなら分かるけどね。
ごめんなさい。少し疲れたわ。
眠らせてもらってもいいかしら?
少なくとも奴が偽りでなければ恩は売った。
これはマイナスにはならぬであろう。
奴が演技をしているならば、
騙された阿呆と思わせる事にモ成功したであろう。
しかし、私は何をしているのであろうな。
まぁ構わぬ、探索を続けるぞ。
[少女とは逆側ぬ向かって歩き出した**]
[…また人前で涙を落としてしまった。
男の癖に情けないなぁ…と、
それでもリリンはきちんと受け止め諭してくれる…]
>>137 愛は…あったとおもいます。
でも、その愛情を僕が子供過ぎて受け止めきれなかったのも確かで…
裏表は一杯ありましたけどね。
[くすり…と小さく笑って]
魔術刻印を移植しない愛って言うのもあって、ばあちゃんが母に示した愛でした。
どちらが正しいとは判りませんけど…どっちも愛なんですよね。
だから…リリンさんも愛されて育ったはずです。
でなければ、こんなに優しい人に育つわけ無いもの。
[レティに向かって、ね!と相槌を求めるように微笑んだ。]
― 1F中央・噴水前 ―
…………まあそういうことにしておこう。
[独白するアルフレートに、それ以上を追求することはしない。
渡されたアルミホイルを剥こうとしない姿に、食べないのかと問いかけたが、腹は減っていないだの毒が入っているやもしれぬだの、よく分からないことを言い出した。
仕方がないので、アルフレートから受け取った包みを剥がし、ランサーはその中身を口にしたのであった。]
――この階層を探索する旨みはそうそう無いだろう。
管理者に再び会いに行くという選択肢もあるが――
どうやら新たな階層も加わっているようだ。
宝具は令呪の恩恵でも受けぬ限り賜れぬ身だが、偵察程度ならば支障は無いだろう。
[アルフレートの判断を仰ぎ、一度コンビニに止めたままの軽トラックへ*戻った。*]
―西ブロック拠点―
[魔術刻印――あいの証。
彼らには彼らの繋がりがあるのだと、
耳を傾けるひと時。
――>>137 あけすけで、裏表のない。
ふと、まだ幽体化しているはずの
セイバーのほうを見る吟遊詩人であった。
口を挟むことあらば
答えもしたろうが、まだ戦いの傷が癒えないか。]
音階に―――ああ、そういえば。
貴女の名前も、高く澄んだ鈴の音のようですね。
りん、…と。
[ふっと、響くような音で一音歌ってみせて。]
―――、……嗚呼。
[緩やかに、長い睫毛を震わせ、瞬きを。
ふうわり、と笑みを浮かべた。
ならばきっと、騎士を見て知って――気づきもしたのだろう。聡い少女だ。]
これは、失礼を。
ゆっくりと、お休みになるといい。
―――うん、
[>>141 大人びた言葉と、
無邪気にも感じられる結論と。
対する吟遊詩人は
少女に見える翳りから、
先ごろ政略結婚という言葉から、
そうは言い切れぬと思ったか。
吟遊詩人は緩やかに微笑んで視線を伏せたのみだった。]
無理しないでください、か。
ばれてるわ。
[二人が部屋から出て行く。それを見送ってから、横になった。
夜になれば、無断で出て行くつもりだった。治癒は良く効いている。今から寝れば、支障なく動ける程度に回復するだろう]
わたしも、愛されて、か……。
もしそうだったら、聖杯戦争には参加していないわ。
[つぶやきは、ではなぜここに居るのか、という自問を呼んだが……それもすぐ、まどろみの中へと溶けていった**]
…… ――
[扉が閉まる前に、
肩越し振り返り――閉じてしまうまでそのまま。
セイバーは兎も角、リリンは長居を望まないだろう。明確な線引きをする彼女だからこそ。]
――ヒイラギ。
私は物語を求めて何処までも
我が身を戦場に躍らせる。
――これは、「戦争」だから。
[神妙な声、廊下に静かに響く。
そう、戦争だから。おひとよし、と評された今の主に、敢えて痛みを告げたのだ。]
何があろうと、どうか、鈍(にぶ)らぬよう 迷わぬよう
心構えをしておいてほしい。
……老婆心かも、しれないけれどね**
―東ブロック―
[パピーの中にまた見知らぬ情報が流れ込んでくる。]
4Fに行けるようになったのか……。
パズルを完成させるには、ピースが足りてない感はあるが、聖杯戦争は着実に進行中らしいな。
3Fに行ける様になったタイミングで、妹尾の相方が変わってたとこを見ると、サーヴァントが1人いなくなるたびに、行ける階層が増えるって事なのかね。
[パピーはバックの中から、ヘイズレクに聞こえるよう、話続ける。]
だとしたら、順調だな!
俺たちは幸い、魔力を消費する戦いにも巻き込まれてない。
片翼が何考えているか知らないが、このまま勝手に階層が増えて行って、聖杯が転がり込むなら文句なしだぜ。
……不真面目ですよって、辰、お前なあ、真面目にやるって事は真面目に殺し合うって事だぜ?
それに耐えうるメンタル、あまりもって無いじゃん、お前。
あ、俺もメンタルの一部だった!
[そう言ってパピーは笑う。
自身のダメージは辰にも伝播し、それは辰を衰弱させるだろう。
今のところ、そうなっていないのも喜ぶべき状況だった。
この辰に対する情は、自己愛になるのだろうか
パピーはそんな他愛も無い事を考える。]
こいつを体に入れられたのが、始まりだったよな。
[そう言って、普段は体内にしまってある令呪を腹部に浮上させる。
辰からはがされた令呪は、赤いクリスタルに張り付いていた。
この赤いクリスタルは、辰が長年魔力をこめたもので、ヘイズレクへの供給源でもある。
パピーの意識は、体を構成する金属へとつなげられているが、マスターたりうる「核」は、令呪のついたクリスタルにあると言ってよかった。]
[令呪をしばし見つめた後、それを再び体内へしまい込む。]
思い出に浸るにはまだ早いよな。
[サーヴァントが2体落ちていたとしても、自分たちの他にまだ5体いるのだ。
そう思い、気を引き締めることにした。**]
………酒か。
[どうせ霊体化したままであったしと、柊とリリンの会話に口を挟まずにいた。いつも以上に会話という行為が面倒だったのだ。だから口を開いたのはリリンと二人きりになってからだった]
ありがたくは貰っておこうが、やれやれ。
わしが言うのも何だが、戦だというのに皆甘いものだ。
まあ、それで助けられたのだから利用すれば良いだけか。
…わしが命を助けた連中もそう思っていたのだろうな。
憎くのうても殺さねばならんのは戦の難儀なところだ。面倒だのう。
しかし…あの黒翼の男。シェムハザ?
よう分からんが、それはあれか。飛天とか天女のようなものか?
……生き残ったのは運が良かっただけであろうな。
[知った今ではもう一度戦いたいと思う相手ではない。そのくらいに、死を覚悟させられた相手であった]
リリン。……その分ではまだ続けるのだな?
せめて傷が治るまではいくらでも厄介になっておけ。身が持たんぞ。こんなことで命を落としても詰まらんと思うがのう。
[リリンが戦う理由はなんとなく理解できたが、それでもなお面倒そうな口ぶりのまま、しばし休息についた**]
― 4F ―
[上なのか、下なのか。
皆目謎な感覚だが、新たな階層の出現を感じて、
未知の土地に足を踏み入れたいという欲望を抑えるのは――、]
…ここは
[見覚えのある竹、竹、竹の林が一面に広がっていた。
竹があると言う事はタケノコがある可能性は高い。
=みちるがいる可能性は上がる。
運が良かったのか、他のサーヴァントの気配はない。
あればすぐに消えるつもりだったから。]
[地に足をつけるだけで、豊富な知力を感じられる。
澄んだ空気、風に誘われ鼻に届くのは竹の香り。
針葉樹とも広葉樹ともまた違う、竹という植物。
樹幹を見上げれば葉の隙間から、光の筋が注ぐ。
思わず手で影を作り目を細める。
黒い影―――視界に、黒の手袋が飛び込む。]
………、…みちる。
[そうだった、と本来の目的を思い出す。
周囲を見渡し暫く歩くが魔力の供給が戻る感覚はない。]
[アーチャー、ミケランジェロ。
彼…いや、彼女との戦闘の後、出現した階層。
そこはシスティーナ礼拝堂に酷似していた。
そして竹を自由に操るアヴェンジャー。
彼女が消えた後、出現した階層がここ。
まるで、死した英霊を吸収して、
それを具現化したかのような―――。]
……
[募る違和感が、また、重なる。]
――――。
[マスターを探しているはずなのに、
いけない、と手を首の後に宛がいながら振る。
そういえばこの場所を兄里も触れていたと思い出す。
とはいえ、神輿の行方は解らずのままだ。
鼻から空気を吸い込む。
国が違えば、芸術も違う。この竹林も芸術の一つに感じられた。
そしてここも、あの礼拝堂のように、
また、戦場に変わるのかと思うと―――]
“ち”の上では、争いは免れないのでしょうか。
[地とも血とも捉えられる発音で言葉を発すれば、
光と共にその場から消えた。]
―1F西・森林公園 拠点 ―
――ん、……
[牛乳が非常に多めの「エスプレッソラテ」を口にしていたクレティアンは、ふと天井を見上げた。聖杯と繋がる身ゆえ確かに感じる違和]
―――「4階」が、…
生成された、のか
[それはすなわち「誰か」が敗北し
聖杯に注がれたことを意味する。
英霊になっても己の手から零れる「ものがたり」の方が多い――歯痒さ。我が儘だ、分かっている。
では、誰が。
よもや灰色の君か、傾国の姫か――創生を編んだ男か――或いは王子か、そう、ページを捲るように考えを巡らせて]
― 南ブロック 古びた洋館 ―
[もしかしたら、本当に少しの買い物で、戻ってきているかもしれない。
淡い期待と共に洋館に戻ったが、人の気配はなかった。
机の上のメモはそのままにしていたので、
ペンを手に取ると、みちるの書いた可愛い文字の下に
『身に危険が及んだ時は、迷わず令呪で呼んでください』
と書き記せば、マスター捜索を再開する。
手始めに向かうは、東の方向と定めて足を運ぶ。]
「シェムハザ」と、
リリンが呼んだ者を加えれば
……8騎、……なるほど。
[王子のマスター――
赤竜パピーが謂っていたのと、数が合う。
己が時代に読んだ詩歌の形式である「平韻“八音”綴」の対句のようで面白い――とは、思考の逸れ。]
推測通り……英霊が聖杯に注がれるたびに
塔の階層が増えてゆくなら、
最上階は……9階?
いや、しかし……
[管理人―ーモトコは、何と言っていた?
聖杯に上限を超えて注がれるのもまたイレギュラー、だと。]
― 東ブロック 病院周辺 ―
[すっかり外は暗くなっていた。
また、どこかで戦いが――あの竹林でも、と感じる。
それなのに、どうして、自分は今こうなっているのだろうか。
息を吐いて肩を落とす。]
…一体、どこにいるんですか。
みちる。
[近くにあったベンチに腰を落とし、*項垂れた。*]
―1F西・森林公園 拠点 ―
……推測ばかりでは
分からない か。
[想像力ばかり広げていられる宮廷とは違う。ここは戦場なのだから――と、誰に聞かせるわけでもない、そのくせ読み聞かせのような独り語りを閉じる。]
ヒイラギ、…… 聖杯を求めるなら、
[――物語を、願うなら]
上階に、足を踏み入れるべき頃合いだろうね。
白刃の方とリリンがいるから、
すぐに、とはいかないけど。
――王子たちからは、
特に連絡は、ないんだね?
[戦いになったなら、協力関係たる彼らから何らかの連絡があったかもしれないが此処までヒイラギがなにも謂わないのならその可能性は低いだろう――ただの、確認だった。]
[リリンとの話し「シェムハザ」…創世記には詳しくないので、レティの話しからしか想像できず…
書庫から「創世記」を引っ張り出しキッチンのテーブルに置いた。]
ええっと、第6章…ノアの方舟の前のお話しだね。
………………なんだか話しが抽象的で良くワカンナイ。
[創世記のぺージを閉じ、再び書庫へ。数冊の辞典を重そうに運んでテーブルへ乗せた]
えーっと、「シェムハザ」…あった!
人の娘を愛してしまい、堕天したってことかしら?
でも、最後まで反対していたって説と、先頭切って娘と結婚したって説と二つあるね。
あっ!「ヘルモン山の頂に降り下った。」って、この街の塔に準えていたり…するかしら。
一番気になるのが「すべての魔法使いと根を断つ者とを教え」って書いてあるけどどういう意味だと思う?
[結局書物からの知識だけでは頭がついて行かず、レティに質問の嵐を投げかけるばかりだった。]
[ヒイラギが自ら本を開き、
先人の知識をなぞっていくのを、
さながら彼仕えの教師か何かのような気持ちで見守りつつ己も本棚をゆるりと確認した。]
念のため――リリンが、
本当の事を謂っていない、ということも
可能性として考えておくのだよ。
[――先程。詩人自身も物語の現れに前のめりになってはいたが、ヒイラギにはそう注意をひとつ、添える。
自戒、でもあった。]
[中世、聖書を読むのにはそれなりの学習が要求さた。一般大衆に馴染みのないそれを詩人が知っているのは、ひとえに彼が仕えたフランス王女マリー・ド・フランスの力添えによるものだ。
彼女はフランス語とラテン語を読み書きでき、自身の図書館を持っているほどの才女であった。
――古びた紙の匂い、保存に適した湿度。此処の書庫は、詩人の古い記憶を撫でていくようだった。]
山の頂、――どうだろうね。
彼は数多の天使を率いていたと謂う。
「旧約聖書」通りなら……
[なかなか、荘厳な事になりそうだ。
さぞ絵になるに違いない。
想像の中、数多の天使の軍勢を幻視する。]
……ああ、それはね、
堕天使は人間に知恵を授けたと謂われている。
シェムハザは、その知恵のうち魔術の担当だったという解釈――かな、ここは。
[そうなるとクラスは魔術師だろうか。
だが、――しかし。]
[サーヴァントは、
“人型”与えられることで元の
“人間性”を取り戻した英霊。
―――だが「天使」となれば
たとえ堕天していても神性が高すぎる。
そのような者が、“サーヴァント”として召喚されることなど、在り得るのだろうか?]
[しかし、それは魔術師が考える領域。
詩人が思うのは――ー]
……もし本当ならすごいことだな。
ああ、いや、そう、
…さっき自分で注意したばっかりだったね…
[輝きかけた眼を誤魔化すように伏せた。
天使の降臨という輝かしい神話(ものがたり)の可能性に再びの自戒>(>169) を込めて楔を打つ。]
[>>168 ヒイラギに頷いて、それから。]
――、そう、わかった。
とはいえ確証は無しか。自らの眼で確かめてみるしかなさそうだね。
[静かに本を、閉じる**]
― →2F ―
[――相談の末、現在の魔力状況を鑑み、非戦闘区域となった場所で何かしらの痕跡が無いか調べて回ろう、という結論に至った。中央区の近くに軽トラックを止め、粒子となってランサーとアルフレートは2Fへと向かう。]
あれから数日が経っている。
貴君の言う、我々が確認した戦のみが起こっている、ということは無いでしょう。宝具を制限されるとは言え、アーチャーと小競り合いを起こしたように――。
…………、――――
[転送された場所は、いつかと同じ、
瓦礫と塵芥が住み付く亡都の階層であるはずだった。
だが、再び目にした景色は、かつてそこに街があった、
という名残も怪しい、真の意味での死の大地と成り果てていた。]
[粉々に砕け散った瓦礫は、荒野に転がる岩と見分けはつかず。
天地創造によって築かれた、どこか退廃の美を感じさせる破壊痕とは異なる、全てを無に帰す巨大な孔によって蝕まれ。
黒く焼け付いた土からは、未だ焦げた臭いが充満している。
あらゆる人工物の痕跡を失った大地は、『塔』の果てに透けて見える大地と繋がっていると錯覚させるように、遥か彼方まで地平が続いていた。]
――――、
誤って異なる階層に出てしまった、
…………ということでは、無いようですな。
[かつて、此処がここであったと証明するものは、唯一の面影。
死と灰の満ちる大地に於いて、――その花は未だ夜明けを示し。]
……………。少なくとも。
[奔る風。過ぎる音。それは虚ろな鳴き声のように。]
この場で、これだけの破壊を齎す何者かが在る
――ということですな。
[まるで人為的に護り抜かれたかのように、変わらず花の揺れるアーチャーの墓標。乾いた足音と共に歩み寄り、担いでいた樽を、花の傍へ置いた。
――宝具の制限を受けてなお、これだけの出力を成す存在。
――かぐやが告げた、アヴェンジャーというクラスの意味。
知らぬ間に這い寄る蛇のように、謎はまた一つ。
見た目以上の痕跡を見つけられないと知れば、ランサーとアルフレートは、また別の階層へと*跳んだ。*]
[暫く辞書の頁を舐めるように読み解くと…
持っていた「クローバーの押し花の栞」を挟み閉じた。]
レティ、ちょっとした賭になるかも知れないけれど、
賭けて損は無いかも。
僕、策を講じるよ!
あ、あとで栞挟んだところ見てねー。
[言うが早いか庭園に飛び出していった。]
―西ブロック・拠点・庭園―
[何百とある樹木から記憶を頼りにお目当てを見つけた。
木に駆け寄ると、幹を抱きしめるように両手絡ませ…]
うん。
呼んで欲しい子がいるの。
僕と仲良くできる子が良いな…お願いしていい?
ありがとう。大好きだよ…
[木の幹に軽くキスして、暫し歓談していた…**]
[ こわい、という言葉には
ぱちん、と一つ瞬いた。
物語を追い求める吟遊詩人は、ふとした時ひどく鈍感だった。 ]
――畏れ、というものかな。
……旧約聖書に従うなら
そうなるかもしれないね
[教会の教えを諳んじながらも
詩人の心はあの頃からすれば自由だった。
数多の創世神話があることを知っている故の可能性の示唆。
あとの言葉には
求められない限りはヒイラギの思うままに任せ]
――え?
……あ、ああ、うん。
[ とすり、と渡された本の重み。
庭園に行くヒイラギから離れすぎないよう、
窓際に場所を定めてページをめくる。
時折、リリンとセイバーのいる部屋の方を、気にしながら** ]
―2F―
これは……。
[異なる階層ではない(>>176)の言葉にうなずく。]
間違いなく同じ階層のはずだ。
しかし、これは全く様相を変えているな。
これだけの力となると貴様も全力で当たる他ないだろう。
まぁ、いい次に飛ぶぞ。
[再度辺りを見回しながら次の階層へと飛んだ。]
……………あ゛あ゛あぁ〜〜〜〜〜………
美味い………良いぞ、混ざりものがない酒はそれだけで良い……
腹に染み渡る………
酒がこれだけ美味いなら、茶もさぞや美味かろうな…
判官殿が生きておったらさぞや喜んで闘茶に持っていったであろうのう…
[その頃セイバーは酒浸りになっていた。負傷しているのだから少々気を休めても許される。いや、許されざるをえない。]
奴ら………さてはいい奴だな?
いずれ戦わねばならぬとは言え、愛い奴だ。やはり手元に置いておきたいものだが…
[相変わらず。]
― 東ブロック 病院周辺 ―
近くにサーヴァントがいるぜ。
[魔力を感じ、パピーはバックから顔を出しながらそう言った。]
令呪の反応は……無いな。
単独行動か?
まあ、単独行動でも力を発揮できるサーヴァントはいると思うし、用心して行こう。
[辺りを見回すと、教会で見た眼鏡のサーヴァントが、途方に暮れた様子でベンチに座っているが目に入る。]
何だ1人か?女の子はどうした?
[まさか、死んだのか?
そんな考えが頭をよぎり、声をかける。
自分でも意外なことに少し動揺していた。]
― 東ブロック 病院周辺 ―
[サーヴァントの気配に顔を上げるが、
魔力も十分ではなく、外は暗いため気付くのは遅れる。]
…、…
[人影に気付き、聞き覚えのある声が聞こえた。]
私とした事が、まさかの迷子です。
一生の不覚ですね。
[地理学者が迷子。]
―東ブロック・病院付近―
……迷子か。
[サーヴァントらしき男の言葉を、一度復唱。
…少しだけ、沈痛な面持ちになった。
相手が地理学者だとまでは知らずとも、まさか英霊の身で迷子の憂き目にあうその心持ちは、想像に難くなかった。]
――いや、まぁ。なんだ。
幾ら地理に強くとも、やはり不慣れな場所では勝手も違かろう…。
[必死に捻りだしたフォローも、フォローになっているのかどうか。
近くまで歩み寄って、ようやく先日「お近づきの印」を貰ったあの男だと気がついた。
パピーの言葉に、緩やかに周囲を見回すが――あの可愛らしい少女の姿は見当たらない。]
[寝て起きたらヒゲが酒をかっくらっていた]
……判官殿とか闘茶とか、よく分からないけど楽しそうね、セイバー。
元気そうで何よりだわ。そろそろ行くわよ。
[軽く身体の動きを確かめ、体力が戻ったのを確認してからそう言った。
ここから抜け出すのは簡単だ。上階へ転移すればいい。妨害の結界などは張られていない]
……………そうですね。
[全くフォローにはならず、ただ心に言葉が数多の槍のように突き刺さった。昨晩みた蒼い炎の槍とは全く違う槍だ。]
あなたも気を付けて下さいね。
[何だか悲しくなってきたけれど、流石にこの状況をつけ狙われては、みちるにそれこそどんな顔で会えばいいかさっぱりわからないので、せめていつでも逃亡可能にとベンチから立ち上がった。]
お菓子はお口に合いましたか?
[どうしたものかとパピーは考える。
普通に考えれば、これはチャンスだ。だが、知的な風貌からパズルのピースを持っている事も考えられた。]
あんたが迷子なのかよ!
マスターとは言え、お嬢ちゃんの方じゃないの、迷子は。
まあ、いいや、あんたの知的な感じを見込んで、ちと聞きたいことがあるんだ。
俺たちは、片翼のサーヴァントについて調べている。
奴はどうも、この聖杯戦争で召喚されたサーヴァントではなく、随分以前からここにいて、聖杯獲得以外の事にご執心らしいんだよ。
奴の手の平の上で、陰謀めいたものにつき合わされるのもごめんなのでな。
何か知っていたら、教えてくれないか?
[そう問いかけて、相手の様子を見る。]
お菓子か、あれどうしたっけ……。
確かバックに入れたけど、ヘイズレクが美味しくいただいたんだっけ?
[回答が戻るまでの間、ヘイズレクにそう聞いてみる。]
―西ブロック・拠点・庭園―
[はてさて、お目当てのものを手に入れると、今度は東屋の方へととことこ走り出す。
詠唱を唱え小さく魔術が発動する…
小一時間も掛けて屋敷に戻ってきたときは、あちこちに蜘蛛の巣や枯れ葉をくっつけて ]
レティ!取りあえず一つは準備できた。
次は…っ、と、、、
[根を詰めすぎるな。と窓際の英霊が主を心配して声を掛けたのだろうか…]
僕だって闘うレティを黙って見ているだけじゃ嫌なんだ。
魔力を安定して送るのも大事だけど、
何か一つでも手助けできる手立てがあるなら手伝わせてよ!
[鼻息も荒く]
コンソメパンチさんの事ですか。
確かに…私も、彼の事は気になっています。
が、…―――
[鞄の中からつらつらと喋る竜。
ちなみに現段階では、そっちをサーヴァントと誤認している。
その竜が言う、「以前からいる」という言葉は、拾ったメモの「ループ」という単語と繋ぎ合わせる事が可能になるものだ。]
…なるほど。
[暗闇の中、顎に黒手袋の手を添えて無駄に眼鏡を光らせる。
メモの中でひとつだけ引っかかっている部分があった。
それは―――「3、アサシンが他のサーヴァントと交渉をしている。」だった。]
確かに、彼についての情報は私も持っていますが、
――…そちらからも情報が得られるという事ですか?
―――…、…。
[長い沈黙だった。
何か、フォローを失敗したどころか
トドメを刺す手前まで追いつめてしまった気がする。
赤竜の言葉を聞きながら――はたと、相手の言葉に一度だけ瞬いた。]
…嗚呼、菓子は…
すまない。折角頂いたのだが、まだ食べていないんだ。
[昨晩遅くて、食べ損ねた。
そう言ってバッグに入ったままだったスナック菓子を、
パピーの入ったバッグの隙間から引っ張り出して見せる。
…少しだけ潰れている気がするが、一応スナックの体裁はまだ成していた。]
――、今食うか?
[パピーの言葉に、そちらを見やる。
頂いた本人の前で食べるものじゃないだろうが
このまま後回しにすると、今度こそスナックが粉々になりそうだ。]
……すまない。
ちょっと聞いて良いか。
コンソメパンチさんとは、何の事だ。
[彼是幾度目かの、サーヴァントとマスターの誤認に気付く事無く
――というか、それより気になる事があり過ぎた。
続く問いには、一度だけ赤竜の方へと視線を向け
そうして再び男へと顔を向けると、一つ頷いた。]
そちらが持つ情報と、俺たちの持つ情報が
どれ程重複しているかは判らないが――…多少は渡せるモノはある心算だ。
…………!?
[赤い竜が呼んだ彼の名。>>193
どこかで聞いた事がある名のような気がした。
恐らく、北欧の方――で、剣が出てきたような、]
…え、あ、ああ
是非食べてみてください。
[>>196 好物の芋があればついつい思考が逸れた。]
ああ、持っていると思うぜ。
[あるいは、すでに相手の知っている事かもしれないが、強気に出てみる。]
おっと、ちょい待ち、同じように奴の事調べているチームがまだいるのよ。
一度、そいつらにも聞いて、情報を総合した方が良さそうだな。
[そう言うと、尻尾を伸ばしてバックの中から携帯電話を取り出す。妹尾から電話番号を渡された夜、手に入れておいたものだ。
器用にボタンを押すと、数回のコールの後、向こうが出たようだ。]
あ、妹尾か?実は今、奴の情報を総合してて―――
みちるはねー♩
みっちるっていうんだほんとだよー♩
そんでちっちゃいかーらじぶんのことみちるってゆーんだよー♩
[中央駅前のバスターミナルで町内循環のバスを待ちながら背伸びしたり少ししゃがんだりしながら歌う。
バスがくれば、はーい、と手をあげながら運転手にじぶんの存在を知らせて乗り込んだ。
街の中をぐるぐる回っているバスだから、目の痛くなるところで降りればいいわけで]
みっちるってばあったまいーい。
[ねー、と、肩の青い鳥に同意を求めたが首を傾げられた]
―西拠点、庭園の見える窓際―
[ 客間でひとり酒盛りしていたらしいのは
離れていたから置いておいて。
>>194
何やら忙しく動き回る少年に、
無理のないよう声を掛けはしたのだが。
鼻息荒く
やる気を見せる様子に瞬いたあとふわりと笑む]
――ありがとう、
ヒイラギのはたらきは、
必ずや良い方へと道を照らすだろう
[ 栞を挟んだ本を抱え、そう、詩人は言ったのだ ]
リリン。体の方はもうよいのか?
あれだっらもう少しや休んでいっても許されると思うぞ?
[まだ動きたくないという言外の抗議をするが、リリンが行くなら着いていかないわけにも行かず、かなり渋々と立ち上がる]
上か。そう言えば2階から上にはまだ行っておらなんだな。
良いぞ。…………いつでも。別に。
[まだ乗り気とは行かないようだ]
彼がコンソメパンチを口から血が出る勢いで
貪り食べていたのがあまりにも印象的だったので、つい。
あ、そのお菓子の味違いですよ。
[鞄から出てきたサルヴァトーレピッツァ味のポテチを指差して、
重複する事はあっても、――、思考の間は少し長く。]
……
[聖杯の獲得が目的ではないらしい片翼、と赤い竜は言う。
メモには確かに、聖杯の破壊という単語があった。
そういう部分が重複なのかもしれない。どちらにせよ、―――]
先日お会いした時、今度会う時は情報を、と。
そう言って別れましたからね。
…いいでしょう。構いませんよ。
随分と口が達者だね、ゴーレム君。
[だが、パピーは闇の中で、闇に持ち上げられていた。
気配遮断が解除されていく。
闇に浮かび上がるのは、パピーの首を鷲掴みにし、持ち上げているアサシンの姿だった]
ぐっ…なっ……て、てめぇは……!!
[言葉をつなげなくなり、携帯が手から離れる。
電話中に派手な音を立てて、地面へと転がった。]
他…?
[誰かと連絡を取るらしい様子は待つを決め込むが、
妹尾の名に、おや、と片眉を上げ かけた。]
――――… !?
[視界からは突然鞄の中から赤い竜が飛んだようだったが、
闇を背にその姿を見せる、アサシンの姿を見た。
気配は全く感じさせなかった。
これがアサシンというサーヴァントなのか、と。
息を吞み、マスターのいない今、じり、と半歩退く。]
−東ブロック・建物の物陰−
・・・・・・
[ただ、物陰から命令通りアサシンを見守っている。
彼の左手の甲にある令呪は、1画失われていた。]
寝ぼけたことを言ってるんじゃないわよ。
まだ3Fにも行ってないのに、4Fまで開放されてるのよ?
分からないことだらけだって言うのに、出遅れてばかりはいられないわ。
[ベッドから降りながら、簡単に身支度を済ませる。
令呪の反応はあっても、近くにヒイラギとあの英霊はいないらしい]
まずは3Fに行くわ。
それから1Fの適当な場所に行って、それから4Fね。
[簡単に今後の方針を口にして、光りの粒子を纏い……3Fへと転移した]
[バスはビジネス街から高校前を経由し、商店街を通り抜けて図書館前を通る。
最初に目が痛くなるところはどこなのかわからないが、今は先ほどのおしりのひとが話していたことを考えることにした。
[ ――花のワルツ。メロディが華やかに鳴り出す。
待っていた電話が来た。と通話ボタンを押した。]
はいっ。もしもしパピー?
えっ、、、シェムハザの事…
あれ?パピー どうしたの…?
[レティの方を向き、青い顔をして]
―― 切れちゃった…
てめえは?
そんな口をきくなんて、しつけが悪いな。
[パピーを掴んでいる手で、その首を軽くぎゅっと締める]
僕は君たちともっと友好な関係を築きたかったんだけどね。
君はそうじゃなかったみたいだ。
僕の情報を、他のマスターやサーヴァントに渡してどうするつもりだ?
お久しぶりです…。
[アサシンを見るも、嫌な汗をかいているのが解った。
地面に落ちた謎の機械。…通信器具の部類とは認識している。]
君たちにとって十分な条件を提示したつもりだったんだけどね。
君は、それで賢く振る舞ったつもりかい?
悪いけど、君の行動はすべて監視していたんだよ。
君たちに渡したその羽根で、ね。
…血が出る食べモノなのか、これは。
[手元に持ったままの、サルヴァトーレピッツァ味へと視線を落とし眉を寄せた。
しかも味違いと言う事は、様々なバリエーションで展開しているらしい。現世は随分と危険な嗜好品があるものだ。
バッグの中で携帯を掛け始めるパピーを横目に、男の言葉に一つ頷いた。]
――ならば決まりだな。
無論、伏せたい事は無理に聞きだす心算は無いから、
[安心してくれ、と続けるつもりだった言葉は霧散する。
突如現れた覚えのある気配に目を見開いた。]
――パピー!
ああ、久しぶりだね、保護者。
今日は娘さんとは一緒じゃないのかい?
残念だね、君が死ぬのをマスターに見届けて貰えなくて。
[アサシンの左目が、徐々に光を帯びてゆく。]
君たちには、失望したよ。
もういい、直接命令をしてあげよう。
[持ち上げているのとは別の腕に、魔力が宿る。]
君の中に令呪があるのは知っている。
魔力のパスが本体と通じたまま、コントロール権を君が持っているね。
優秀だ、君の本体は。
だが一度崩した術式は、他の誰かにも崩されやすいという事も承知しているんだろ?
―3F―
[竹があふれた礼拝堂を見渡す。
そして昨日のサーヴァント戦を思い出す。
拠点で再度考え直したアヴェンジャーについて。]
かぐや、か。
なぜ、童話の姫が復讐者になるのだろうか?
[無意識で呟く、童話の姫と結びつかない復讐者。
また一つイレギュラーな事態が起きているように思えた。]
やれやれ。やることが多いと退屈がなくて良いな。
[ため息をつきながら、リリンに付き従う。転移した先は始めに訪れた教会のような、しかしかなり広い場所のようだった]
………ここは、前に来た場所に似ているな。しかし…二階とそう気配が変わらん。やはり本命はもっと先か?
……生憎、品は無いんでな……
よく言うぜ、願いを叶えれば町の人も消える、なんて嘘つきやがってよ!
羽根……あれか、とっとと捨てときゃ良かったぜ!
そこが唯一の反省点だな。
賢くは無いだろうが、俺は聖杯が欲しいし、駒になるのもごめんなんだよ!
王子様!出番だぜ!
[監視?羽?――いや、考えるより詠唱をすべきだ。
宝具は使用できるわけもない。
簡単な魔術程度でサーヴァント相手にどうにかできるとは――思えないのが正直な現状だが、黙ってここで死ぬわけにもいかない。]
…、ッ
[懐からアストロラーベを数個取り出して握る。]
ヘイズレクさん!
あなたのマスターを取り戻しましょう。
[握りしめた道具に魔力を込めて、増幅をはかる。]
いや、しかし。何だ?この竹は。
リリン、お前のところの寺では中に竹を祀るのか?
[やたらにあちこちから竹が伸びている。]
筍がまだあれば良いが…
しかし、竹もここまで来ると壮観だな。
一本ぐらい中が光っておるのがあったりしてな。
ー北ビジネス街→東・高校前ー
[中央からバスは北上し、そこから左回りに循環する。
少しばかりちくりと痛んだが、それはすぐに消えて左目が涙の幕で少しばかり潤っただけだった。
そのまま、新聞社前を通り、地方信金本店前を過ぎてバスは町の東エリアへと入っていく]
っ、たい。
[文字にするなら、ズキーン、である。
左目が握りつぶされそうに痛い。
いくら緊張感のないみちるでもわかる。
ここのエリアで、何か起きているのだ]
チルチル、降りよう。
[いたた、と呻きながら高校前で下車する。
その場所から、四方に数歩ずつ動いてみて痛くなる方向へと進む。
進むが、足の速い子供とはいえ大人の急ぎ足に比べればずっと遅い]
[事態を考察しながら闘いの後を見ていると不意に令呪が疼く。]
やれやれ、戦いは避けたいところなのだが。
今度はどんな相手であろうか?
[顔をしかめながら呟く。
先程会った幼児とは違うだろう。
わざわざ3Fまで上がってくる相手なのだから。]
残念だが、そんな時間はないよ。
[だが彼らが動くより早く、彼の腕はパピーの体を貫き、その手には核となっている宝石が握られた。]
君たち、ちょっと静かにしていてくれないかな。
今は僕とパピーの時間だ。
[それと同時に、アサシンの魔眼がその場にいるバーサーカーとキャスターに向けられようとしていた。]
―西拠点、庭園―
――ヒイラギ?
[軽やかなワルツが途切れ、
四角く平べったいものから微かに音声のようなものが漏れ聞こえる。
あれは遠隔通信用の仕掛けらしい、と知識の中にはあるが]
――、技術も進むと魔術だな……
[ひとり、感嘆していると。
声の調子が変わった。
俄かに眉を寄せて四角いものを覗き込む ]
切れた?――なぜ?何か彼らに異変が?
……あぁ、
来てくれると 信じていましたよ。
[増幅をはかる最中、突如、魔力供給の戻りを感じる。
会ったら熱い抱擁と接吻をしたい気分になったけれど、途中からこの国では法に触れると本能的に察した。そもそもできる状況ではない。]
― 3F ―
……システィーナ礼拝堂。
[見回し、つぶやく。
その天井に描かれるはミケランジェロの傑作だ。
広さや物品の縮尺にはだいぶ違いがあり、簡潔に言えばずいぶんと巨大化していたが……それは知識にある荘厳な出で立ちといささかも変わらない]
……竹?
[だがその礼拝堂に、異質なものが茂っていた。
否、異質な痕だ。
この壮麗な場所において凄まじい破壊を巻き起こしたその痕跡は、おそらく英霊の仕業であるだろうが……どうにも、景色に似合わなかった]
[掛かってきた番号当てに何度か呼び出し音を鳴らすも
不通のままだった。
屋敷へ戻りリリン達を探す。]
居ない…出ていったんだ。
[取るものも取りあえず、家を出ることにした。
行き先への心辺りなど無いのだが]
テラじゃないし。教会だし。
竹なんて飾らないわよ。というかどう見ても戦闘の痕じゃない。
[呆れた顔をしてみせる]
セイバー。
あなた、竹にまつわる伝承とか知らない? 竹の英雄とか。
がっ……
[魔力のこもった一撃で、パピーの腹部がつらぬかれた。
始めて感じる激痛とともに、車椅子から崩れ落ちる辰の姿を知覚する。]
……か、返せ……
[パピーが小さく何かをつぶやくと、のど元にオレンジ色の光が瞬き始める。
その瞬きが集積し、輝きへと変わった直後、灼熱のブレスが放たれた!
己を構成する金属を体内で融解させて叩きつけるドラゴンブレス。
文字通り身を切った攻撃が、辺りを熱波と光で包み込む!]
[止めるよりも先に、竜の身体を貫く腕に目を見開く。
――あの身体は、生体のモノでは無い。
貫いただけでは、事がどうなるとは思えないが、 しかし
その手に握られた水晶に似たその塊に、ぎりと歯噛みする。]
パピー!!!
貴様…ッ!その手を、離せ!!!
[掌へと魔力を巡らせ、瞬間。一振りの剣がその手へと収まる。
――鞘から抜けば、その剣の呪いは発動する。
…誰かを護るには、あまりにも向かない己の剣、だが。
それを悩む場合では無いとは、十二分に理解をしていた。]
…無論、取り戻す!!助太刀を頼んで良いか。
[男の言葉に、一つ、頷く。
…恐らくは、前回の聖杯戦争からの生き残り。一人でどうなる相手とは、思い難い――そう思う矢先、アサシンの目の奥、何かが鈍く光った気がして僅かに目を細めた。]
やはりそうか。まあ、そうだろうな。
……それでシステイナというのは何だ。菩薩みたいなものか?
まあ、何でも良いが。竹にまつわる英雄だと?
[少し考え込んだが、答えはすぐに出た]
知らんな。竹と言えばなよ竹のかぐや姫と決まっておるだろう。竹から生まれたこの世の者とも思えぬ美しい女で、国中の貴族や帝の求婚を断り、月へ帰っていったとかいう話だ。
…………ん?
[なにか思い出しそうな気がしたが、サーヴァントの気配がする。]
リリン。まだ誰かおるようだな。
[不意に、令呪のうずきを感じる。
ここに誰かが居るのだ。すでに4Fが開放されているから油断していた。
周囲を見回す。
見つけたのは知った顔。教会で会った、あの槍がどうのとか言っていた武人の英霊と、そのマスター]
っく……まずいわね。
何にも食べてなくてお腹減ってるのに、ご飯食べそびれちゃうじゃない!
[だから次1F行こうとしてたんですね]
!?
[魔眼から光が放たれようとしたのと同時に、パピーの放った火炎はアサシンの顔の半分を焼いた]
ぐ、ぐああああああっ!!
やってくれたなあ!!
[パピーの体を地面に叩き付けるように放り出し、アサシンはその手で顔を覆った。
火傷はそこまで深くはないが、魔眼の瞼は焼かれている。
治癒まで使えない。]
最後まで余計なことを・・・・・・見事バーサーカーが思うとおりに勝ち上がれば、お前の本体ぐらいは助けてやったものを!!
[苦しんでいるアサシンをよそに、バーサーカーが預かっている羽根にで、緑色の魔術回路が光り始めていた。]
………どこかで会ったような気がするが…
[近づいてくるランサーとそのマスターに教会で会ったとき、セイバーはだらけきっていたのでよく覚えていない。]
―西拠点―
[ ――さて、実は吟遊詩人は
セイバーがいなくなったのに気付いていた。
マスターの感知はできないが、
彼がいなくなったのならそういうこと。
おそらく上へと移動したのだろう
――と、此処までは想定内。
見られていては立ち去る後を濁すだろうという、吟遊詩人、いや騎士なりの美学である。]
――、……
[ ヒイラギは連絡が途切れたことにいたく動揺し
ともすれば詩人をおいて行きかねない勢いで行く。
それに付き従うのも己の役目、と。
しばらくの間は彼のやや後ろに静かに在った]
…、大気よ集いて、―― ッ
[竜の身体を貫くのに一切の迷いはない。
これが本来あるべき聖杯戦争の姿か、
しかし、――そうだとしても。
積み重なる違和感、異質感が違うと警報を鳴らす。]
我が腕を取り巻け…
[球体のアストロラーベを周囲に巻いて、右腕に風を帯びさせる。
>>231 助太刀、の言葉が掛かれば、無言でそちらを見て頷きを返す。
顔をアサシンへと向けたのはその後――、
目?、と認識するがこちらはしっかりと見た。]
[リリンはどうやら空腹のようだ。]
お前なあ……
だからもう少しゆっくりしようと言うたろう。
飯ぐらい食わねば戦もできぬと言うたではないか。
[そこまでは言っていない。]
こんなところには筍しかないぞ。それも灰汁を抜かんと食えんし。
まあ……戦わんで済むように善処することだな。
英霊の癖に察しがいいな。
その姿といい、貴様はこの国の英霊に違いない。
[かぐや姫の単語を聞いて感心しながら当たりをつける。
あえて、それが正解であるとは言わないが。]
あった事が歩きがするか。
貴様も阿呆のようだな。
[高めた評価は一瞬で地に落ちる。
まさか存在すら記憶されていないとは思わなかった。]
ヒイラギ、
白刃の方たちた恐らく上だ。
彼らもこの戦争の参加者、
出て行ったのなら
追いすがるべきではないよ。
次見えるなら、
戦いになるかもしれない。
[ これは、忠告。静かによく響く声を向け―― ]
――、それより、ヒイラギと協力関係にある、王子たちのことだ。
約束があるなら、それを果たさなければ。
― 3Fシスティーナ礼拝堂 ―
……そのことも含め、管理者に訊ねたいことがあったのだが。
次に出会う時に謎が解けることを祈るばかりでありましょう。
[先日のことを思い返しながら、焦げた竹を撫でる。
……これほど多くの竹が鬱蒼としながらも、天井に、壁に、聖壇の後ろにと散りばめられた芸術が損なわれていないのは、やはり彼女の技術の粋であるがゆえだろうか。
そうこうしている内に、不意にサーヴァントの気配を感じ、]
…………
[何故自ら近付いていくのだろう、と無骨な掌で半顔を覆いながら、一歩退いた位置で見守っている。]
…、申し訳ないのですが、私はキャスターのサーヴァント。
近接は、かなり、得意としません。
援護なら…任せてください。
[自身のクラスを明かして、剣を手にする王子と呼ばれた青年を見る。]
厭な感じがした目でしたが、…まあ、
貴方のマスターがやってくれたみたいですね。
[風を纏った腕を身体の前で球体を抱える形にすると、
地球を模った緑と青の球体が出現する。]
[かぐや姫―――その単語には、神妙な顔で口元に手を当て、視線を中空へと向ける]
……ごめん、アジアの伝承には詳しくなくって。
[知らなかった。
だが美姫と聞けば、兄里のサーヴァントを思い出す。
他に思い当たる候補もなく、ここで誰が戦ったのかを察した]
[竹の向こうから現れたのは、始まりの頃に教会で出会ったリリンという少女と、そのサーヴァントだった。]
…………ふむ。
[リリンという少女は、初めに見た面持ちとはどこか違って見えた。ランサーはそれが覚悟の違いだと解釈したが、まさか空腹ゆえの真剣味であるとは思いようもなく。
供にあるサーヴァントは、いざ眼前に立つ姿を見ると、隙だらけであるようでいて、まるで隙がない。]
見事だ。
[それだけ呟いた。]
ふ、空腹で集中を切らすとは準備不足も甚だしい。
相変わらず覚悟が出来てないようだな、女。
[鼻で笑いながら言葉をかける。]
随分と…ご自分の事を探られるのが嫌なようですが、
サーヴァントとして自分の正体は弱点に繋がりますから、
そういう事なのかもしれませんが―――
[この戦いを、彼は何度も繰り返してはループ可能性がある。
自分の正体よりも、その異質さの方を隠したいがための行動なら、]
…、そうじゃないなら、
随分と…必死なように見えますね。
[羽、という単語に違和感は感じたけれど現状それがどうなっているかは知るには及ばない。]
何だと?弟ならともかく、見ず知らずの奴にそこまで言われる筋合いはないぞ。
[魔術師なのだろうか、リリンと同じように。悪態をついて近づいてきたその男に目をやる。先ほどの戦いがあるだけに、自分から刀を抜きはしない。第一、今はまだ骨喰も使えないのだ]
その言い分だと、本当にかぐや姫が…?
確かにそれらしい女子はいたが…
[パフェを美味しそうに食べていた和風の美人を思い出した。]
あんな男の前で美味そうに甘味を頬張る女だというのは少々意外だったな…
ッ!
[叩きつけるように投げ捨てられる、赤竜の身体。
――されど、その核となる水晶は未だアサシンの掌の内。
魔力のパスは繋がってはいる、己が直ぐさま消滅する心配は無いが。
己が厭う、しかし己たらしめるその剣を鞘から放とうとし。
…ふと、違和感にその手が止まる。
僅かな熱にも似た、何か。
じわりと内側から 己のモノでは無い何かが滲む感覚。
…それが、羽根を納めていた場所だと気付くのは、数寸の後。]
[しかし、男から投げられた声に意識を切りかえる。
――今は、目前の状況を変えるのが最優先。]
…いや、助力頂けるだけでも感謝する。
幸いにも、俺は近接の方が向いているし、
むしろ、離れて貰える方が、有難い。
此度の戦――バーサーカーのクラスにて、現界している故。
[近付くなと、言葉裏に秘めた理由は其れだけで十分か。
魔眼の封じられたアサシンの様子に、これを好機かと判断すると――アサシンの方へ、一歩前へと踏み出した。]
[穴の開いたパピーの体は、地面を数度跳ねた後、転がるようにして止った。]
うう……
[腹部から液状化した金属が流れ出し、空気に触れると赤い塵へとと変化する。
パピーの体も、つかみ出されたクリスタルの魔力によって維持されて来た。
それが無い今、体に残ったわずかな魔力で何とか形を保てている状態だ。]
…………。
[セイバーの言葉に、これ食べれるのかぁ……と竹の幹を見る。しかし生では食べられないらしい。残念だ]
……あのねセイバー。敵陣に長居してご飯までごちそうになる気?
そういうのって厚かましいじゃない。やっぱりちょっと、遠慮の心とか出ちゃうものでしょ?
弟なら良いのか。
兄弟仲が良いのだな、貴様は。
それで、貴様何者だ?
[こんな問いかけをして回答がくるはずが無い。
しかしこの英霊ならば名乗るではないかと問いかける。]
そこについてはただでくれてやる道理は無い。
等価交換といこうか、何か有益な情報をいただこう。
空腹と準備不足と、覚悟はまったく、全然、これっぽっちも、金輪際関係ないわよ。
そもそも今はこっちも非常事態なの。
敵陣のまっただ中から逃げ出してきたところなんだから、多少拙速を重視しても仕方がないでしょう?
[嘘は言ってなかった]
[アサシンは悶絶しながら、空へと浮遊していく。]
くっ・・・・・・ははははは!
保護者のサーヴァント、何か勘違いしていないか?
戦う相手は僕ではないよ。
[手にした赤い宝石が、緑色に侵食されていく。]
それじゃあ、はじめようかバーサーカー。
君の戦いを。
[宝石に移植された令呪が光る。
もはや、バーサーカーのコントロール権はアサシンによって侵食されていた。]
令呪をもって命ずる。
バーサーカー、アサシンの魔術を受け入れろ。
[宝石から一画が失われるのと同時に、バーサーカーの所持していた黒い羽根が強い輝きを放つ。
次第にその光は、バーサーカーを包んでいく。]
構造解析・・・・・・構造強化。
[その黒い羽根は、バーサーカーの体にアサシンの魔力を通していた。
本来構造解析は自身の魔力が通った状態で実現が可能であり、他人の魔力が通った状態では不可能に近い。
だが、今のバーサーカーはアサシンの構造強化を受け入れる全ての条件が整っていた。]
―西ブロック―
――、そうだね、
魔力の感知は、疾くできる。
[ く、とそらを見上げて ]
――高いところに行こう。
より、見渡せる場所ならきっと目視も使えるはずだ。
[ そうして、詩人は手を差し伸べる。
昨日のようにセイバーとリリン同時は無理でも、小柄な女性や少年なら抱えること叶うだろう ]
これでも、英霊なのでね。
――しっかりつかまって。
[ 言い置くと、吟遊詩人は衣を翻し蝶のように跳躍した。 ――中央区付近なら、均等によく見渡せるはずだ。]
バーサーカー…?
[見かけによらない。
続く言葉は飲み込んで、代わりに地を蹴り距離を取った。
みちるが少しずつ近づいているのが解る。]
ここは戦闘区域ではありませんから、
向こうも…全力を出せるわけではないでしょう…
……、おそらく。
[と、付けたして。
地面に叩きつけられ跳ねた赤竜の傍に駆け寄る。>>254]
パピーさんッ!
……これで、少しは…どうにかなりますか。
[パピーに差し出すのは自身が作成した魔力を帯びた真鍮製の日時計。]
さあ、バーサーカー。
手始めに、目の前のサーヴァントを、殺せ。
[構造強化が終わる頃、バーサーカーを包む光は収まり。
バーサーカーの背中には、シェムハザと同じ黒翼が生えていた。]
[ランサーは、サーヴァントの挙動に注意を割きながら、静かに会話を聞いている。アルフレートはいつも通りだった。だが、今度はかのサーヴァントまで敵マスターを批判するようけしかけ始めた。一体どうなっているのだろう。命じられていない以上、アルフレートの盾になる道理はなく、また口論に口を挟む余地はない。ゆえにランサーが呟く言葉はただ一言だった。]
見事だ。
[周りに生える竹を見つめながら呟いた。]
……は?
[空から理解がすぐにできない言葉が降ってきた。>>259>>260
パピーの傍に日時計を置けば、更にバーサーカーと距離を置くために地を蹴る。]
…一体、どういう事ですかッ。アサシン!
まぁ、ご尤もだな。
しかし、非常事態で敵陣から逃げ出すとはあわただしい。
一体何があったか教えていただきたいところだな。
[サーヴァントから掛かる声に向き直る。
そしてその様子を伺うとわずかばかり表情が曇ったように見えた。]
ふむ、そちらも良くない状況という事だ。
情報交換ということでここは手を打とう。
本来であれば別の方法もあるのだがな。
[武力行使をにおわせながら言葉を吐く。
自身と従者についても万全ではない。
故に戦闘を行うのは危険が高かったから。]
あ、ありがてぇ……
砂漠に行き倒れて、水筒を渡された気分だぜ……。
[日時計を受け取ると、その魔力で腹部の穴を塞ぐ事にする。]
[レティに抱えられビルの屋上へ]
ここは…中央区?
だめだっ!僕じゃ感知出来ないよ。
[レティの感知を手助けするように…]
落ち着いて…・魔術回路を研ぎ澄ますんだ。
……め、眼鏡の人、やばいぞ……
王子が、王子が……くそ、おもちゃじゃねぇんだぞ……
[己の召喚したサーヴァントが、急速に自身の制御から遠ざかっていく感覚にパピーは震える。]
とりあえず、状況は最悪、と言う事は
私でも解ります。ええ。
[このフロアで戦闘はないだろう、油断していたのは自分だ。
修復を終えた魔法道具の貯蔵は十分だ。]
抗う―――…いえ、
[腕を取り巻く風が広がり、キャスターの周囲を守るように取り囲む。
風の障壁を作りながら、視線は、黒翼を生やしたバーサーカーへ。]
―――…倒します。
[この場で戦闘を避けたいのはやまやまだ、考えを巡らすが、情報と言って、思い浮かぶのはあの片翼の英霊の事だけだった。正体はリリンの方が詳しいのだろう。
自分が言えることはただ一つ。
………あれは、段違いに危険だ。]
甘いですよ。
[何せマスターと別れて暫く行動していたくらいだ。]
いつも貴方には驚かされてばかりです。
アサシンのサーヴァント。
[上昇気流にとある物をアサシンに向けて届ける。
―――― サルヴァトーレピッツア味だ。]
それでも食べて見物してて下さい。
[食べている間はそれに夢中になってくれるのではないか、と、
―――甘い考えだが、さて、どう出るか。]
……いいわ。情報交換ね。
[お腹減ってるけど]
ただ、あなたたちが何を知っていて何を知らないのか、分からないのよね。
……そうね。
[一拍、考える。
といっても、目の前の相手が欲しがりそうな情報なんて知れている]
わたしたちは現状、自分たちも合わせて八体のサーバントを確認していて、その内の三体とは戦っている。
その内の一体の情報を話す代わりに、ここで戦ったらしきかぐや姫について教えてくれる?
…パピーさん。
これ以上―――、貴方を庇う余裕は、正直ありません。
できれば離れてください。
[周囲の風や地形から、バーサーカーとアサシン両方の位置や高度を測定し始める。]
――ところで剣を持っていましたが、
…貴方のサーヴァントは一体、どこの英霊ですか?
―中央区、ビルの上へ―
――仰せのままに。
[少年の魔力が、
感覚を研ぎ澄ませと命じる。
風の音に、耳を傾けるように見渡す眸は水鏡――]
――――あちらに、なにか……、
[>>260そこに微かに、乱れ。
だが確信ではなく、近づき確かめる為に中央区、東の建物へと跳躍する。
見上げれば通行人にもわかるだろうに
彼らは何にも、気づかない。]
それで構わぬ。
[視線を相手サーヴァントへも移す。
何かを考えている素振りが見えたから。
恐らくこのペアは重大な情報を所持している。
ならば引き出さねばならない。]
ここでみた英霊についてだな。
[あえて戦ったとは言わなかった。]
…―――な、
[令呪。英霊にあらゆる奇跡を強要する、絶対的な行使権。
パピーの核、――つまりは令呪が付随するその水晶が
アサシンの手の内にあると言う事は。
その行使権すら、彼の英霊の物と同義だという事だと気付くのは、同時。]
あ、ああぁ、…ッ!
[ギシリ、と内側から浸食される感覚。
その意識が黒に塗り潰されるのに、時間はそう掛らない。]
[は、と。短い吐息を零し、緩やかに顔を上げる。
背に生えた黒翼に意も留めず。
ただ下される命に、僅かに、目を細めた。]
――承知した。 “マスター”。
[その視界に、赤竜の姿は入っていないかの如く。
キャスターと相対するように向き直ると
宝具とも成り得る筈のその剣身を、鞘から引き抜いた。]
[サーヴァントらしき男の気配が張り詰めていく。
ランサーは竹から目を離し、気を巡らせるだけではなく、視線をそちらへと向けた。先程までは剣気を散逸させながらも張り詰めていた彼が、どこか思いつめたように沈黙している。]
――――……、
[そうしている内に、リリンという少女から、情報交換について言葉が滑り出た。]
八体のサーヴァント。
[顎に手を当て、暫し考え込むような所作を取る。
アルフレートの言葉を聴く限り、自身の情報は隠す心算であることは、短いながらも長い付き合いであるランサーには見て取れた。]
――思ったより事態は深刻なようだが。
それでいいのかね、マスター。
貴様がそういうのであれば考えよう。
よい、お前が語れ、ここでの顛末を。
[此方のカードは出来るだけ伏せる。
そのつもりであったが今の従者の言葉で相手も気づいただろう。
ならば、もはや語らせる他なかった。]
相手の場で闇討ちは流石に厳しいものがあるな。
そもそも魔術師の工房や本拠地に入る事自体が愚策だ。
[>>284の会話へと口を挟む。]
ー東ブロックー
[眼の痛みが強くなる方を選んで動いているので進めども先は見えず。
痛いばかりで少しもいいことなどないし、本当は凄く諦めたいのだが、よばれているような、そんな気がするのだ。
歩いて、走る。走って、歩く。
行かなくちゃ。行かなくちゃ、いけない。
だから、進む]
チルチル、見える?
[飛んで先を見渡す小鳥を仰ぐ。
答えはしないが、待ってくれる。
先を急げと追い立てるようだ。
視界の先に、病院の遠い看板は見えている]
本当に苦労かけちまうな……
[パピーはキャスターの言葉に従い、身を引きずるようにして2人から距離を置く。]
辰……俺が行動できてるって事は意識はあるようだな、すまねぇ、もう少し耐えてくれ。
[生きてはいるが、衰弱していっているようだ。
今は、事態を見届けられずに、意識が飛ぶことをパピーは恐れていた。]
貴方のマスターはッ…、―― くっ、
[黒翼の狂人が鞘から剣を抜くと同時に、詠唱を始める。
球体に黒手袋の手を添えながら、]
この手は地を知り、測りし手。
[宝具の時とは僅かに異なる詠唱を紡ぐ。
周囲に巻いた魔法道具が仄かに光を帯び始める。]
侵食の輪廻の理
――壮年の時が来た。
高らかに、高らかに。
眼前の敵を
―――、打て、砕け、 貫け ッ!
[詠唱と共に、メルカトルの周囲の地形がぼこぼこ、と隆起して、
鋭い円錐が何本も突き立っていく。
それはそのまま伸びて、バーサーカーを襲う。]
顛末……とはいえ、我が身知り得たことは、マスターと概ね同じであると思いますが。
[竹林を見上げ、窓より漏れる陽の光に目を細めた。]
……昨日ここで、我々と、『かぐや』と名乗る英霊と槍を交えた。
既にいない者の情報を仔細に語るのは憚られるし、貴君らとしても必要ではないだろうから省くが……結果として、宝具の撃ち合いの末、彼女らは敗退し、我々が生き残った。
ちなみに、彼女のマスターは、既に参戦資格を失っている。
……後は、そうだな。
八体目、の情報の返しになるかは分からないが。
『かぐや』と名乗った彼女は、アヴェンジャーであると自称していた。……おおよそ謀る理由も無いであろう状況であったことは、俺が保証しよう。
―中央区―
ったくう。
[町を歩いていた時のこと。
私は空を跳ぶ人影を見た。
鳥だ!飛行機だ!いや、
―――詩人だ!!]
やめてよ、あんまり目立つことは。
「気付く」人が増えちゃうのよ。
―中央区、ビルの上へ―
――― っ、!!
[――凛とした命令。>>289
その一画が燃えるや否や
千里眼もかくやというばかりに、
限界を超えてクレティアンの感覚が研ぎ澄まされる。
東地区――その細かな場所まで、把握できるほど。
これが、令呪の成す奇跡。]
――畏まりました、我が主。
[ふわ、と。羽の生えたようだ。
詩人は、主を連れて王子の元へ向け――跳ぶ。]
[管理人に見られていたなどいざ知らず。
近づくにつれ肌を刺すような殺気が剥き出しだ。]
――何が起きた…!?
[ここは戦闘区域ではなく、
本来の力を発揮できないように制限されているはずなのに。
なんなのだ、これは。
警戒も露なれど
令呪の命令は“絶対”だ。
萌黄色の尾を引いて、只中に、降り立つ。]
[この期に及んで、未だサーヴァントの真名を言う事に抵抗があったパピーだが、意識があるうちにキャスターへ伝える事にする。]
ヘイズレク……ティルヴィングと言う剣を操る北欧の英霊だ……。
[絞り出すようにそう答えた。]
[武人の英霊がことの顛末を話す。
竹林を透かし窓の外を眺める彼は、どこか遠く、討ち下した相手の姿を見ているような気がした]
一組減った、ということね。まあ朗報だわ。
その言い方だと兄里……マスターの方は死んでないのかしら?
[何度か会い話した相手の顔。それを思い出しつつ、その質問は淡々と]
アヴェンジャー……。
たしかに、彼女のクラスは通常とは異なると聞いていたわ。
でも、復讐者とはね……。そんなふうには見えなかったけれど。
―東ブロック・病院前―
[ふわりとしかし力強く飛んだ先は…王子の横
目の前にはキャスターが例の球体を手に
手にした球体からは鋭い円錐が何本も突き立てていく
王子の肩には見知らぬ黒い羽根と 見知らぬ形相
思わず周りを見回し]
パ、パピーは?パピーーーッ!!
そうか。
……敵の城の中にあるのだから、城主の首を取るのが危なかろうと定石の気はするが
まあ、まあ良いか。そんなことは。今の時代はそういうことを好まぬのだろう。
[その方が良いに決まっている。自分はなぜ、あの時代に生まれてしまったのだろう。今なら平穏に引きこもって一生を過ごせたかもしれないのに]
アヴェンジャー?聞き慣れぬな。
[かぐや姫についての情報を聞き、不思議そうな顔を浮かべる]
数が多いとは思うておったが…
[となると、詩人も7騎以外の別のクラスと考えるのが自然なのだろう。おそらくは]
ま、あっちの連中よりゃいいけどね。
[東の方角。
「塔」の魔力の流れが乱れている。
なぜ、上の階が着々とオープン24時間営業なのに「町」の中でおっぱじめようとするのか。
特にあの脳みそパタパタ天使、「町」やその住人の重要性を理解していないとしか思えない。]
詩人さんたちは行ったか。
穏便に済ませてくれればいいけど―――
そういうわけにはいかないわよねえ。
[ぐしゃぐしゃ、髪をかき混ぜる。]
復讐者か。
[かぐや姫と聞いて思い浮かぶ姿からはおよそ似つかわしくない。パフェを美味しそうに食べていた姿とも。しかし、思い浮かぶことはある]
なよ竹のかぐや姫は、そう言えば月で罪を犯したために地上に落とされたのだったな。
[幼い頃に聞いた話を思いだし、言葉が口をついた]
死んでいない。
だが、彼女がこの戦に戻ることは無いだろう。
[淡々と質問するリリンに合わせるように、ランサーは短く答える。]
八体目の件といい、第二階層の件といい、アヴェンジャーの件といい、教会の管理者に訊ねようとしていたことは幾らか出来てきているのだが、先程は不在でね。
……先程語った通り、
我々には戦を仕掛けるだけの魔力は足りていない。
[そこで言葉を切り、一度、男のサーヴァントをちらと見やった。]
――貴君らと同様に。
必要であれば同時に退くが妙案であると考えるが、どうだろうか。
―――ッ、
[襲い来る円錐に顔色すら変える事無く。
手にしていた鞘を、地へと滑り落とし―――
一閃。
それが地面へと叩きつけられ、鈍く響き渡る音を掻き消す様に
抜いた刀身を横凪に、技巧とは掛け離れた力任せに振るった剣は
広範囲の衝撃破と形を変えて、バーサーカーへと至る直前それらを砕く様に薙ぎ倒し。]
[崩壊に上がる土煙の中。
軽く地を蹴り――瞬間、相手の目前へと跳躍する。
剣を抜いたことでの狂化に加え、
アサシンの魔術により槍兵に迫るに至るその速度を乗せ
繰り出すのは、右上から振り降ろしの一撃。]
せ、妹尾、来てくれたのか……
俺はこっちだ……
[すでに自分に令呪が無い事を思い出し、声をかける。]
すまねぇ、片翼に王子を乗っ取られちまった……。
今のあいつは正気を失っている……眼鏡の方が味方なんだ……。
[そう声に出して伝えた。]
…な、っ!?
[突如、空から跳んできた二人。
一人は知った顔の妹尾柊で、彼を連れてきたサーヴァントは初見だ。
消去法で、ライダーだと誤認する。仕方ない。]
っ、妹尾柊。
あの通信機の類で危機を察してきたようですが、
一歩遅かった、とだけお伝えします。
ここは危険ですから、離れて下さい。
[赤竜の心配をする声。探す声はどうにも放っておけない性分。]
パピーはあそこです。
おそらく、ですが…核を―――アサシンに、
[言葉は続かない。]
[額に手を当てる。
戦闘する余力がない事まで離す必要は無いというのに。]
大体理解できたであろうか。
重要な点としては、かぐや姫が存在した事。
復讐者というイレギュラークラスについていた事。
これが我等から提示できる範囲だ。
マスターについては命はあるがこの戦争の参加者とは成り得ないだろう。
…何だ。御辺らには気取られていたか。
[英霊の方の提案に、ため息をついてあっさりと認める。御辺とあえて呼ぶのは、少し話した限りでは敬うべき相手だと感じた故の、自分なりの敬意の表し方だ]
それは助かるが…やれやれ。
これではわしらの方も話さぬわけにいくまいな。
―東ブロック・病院前―
[着地と同時に令呪の効果がふつりと切れる。
視界に満ちるは黒き羽の少年。]
……天使 ……?
[否、違う―――もうひとり、片翼の誰か。]
――っづ、…!!
[>>304はっきりと確認するより前に、 土煙もうもうと立ち上がる。
離れたところから、声。>>306 >>305]
乗っ取られたとは、どういう―――
[北欧の英雄―――剣、おそらくそれが宝具の類。
その威力はごらんの通りだ。
土煙の中から、その剣が突如迫る。]
―――― 集え、荒れ 吹 、 ッ
[反撃までは間に合わない。>>304
風の障壁すら抜けて振り下ろされる剣戟を眼鏡は捉える。
風を纏う左の腕で身体を守るように翳し、その腕に風を集中させる。]
―――― ぐッ
[バーサーカーの一撃は、
左の腕、皮膚を容易に割いて、骨の直前まで到達する。]
そう、生きてるの。
というより、こっちが空腹だけじゃなく、本調子じゃないこともばれてるのね。
[そっと安堵したあと、諦観の息を吐く。
それから、こちらの出すべき情報を考える。
八体。その言葉にランサーは返礼として、アヴェンジャーのクラスの情報をこちらに提供した。
であるならば、八体目の情報が喜ばれるだろうか。
まあ、彼らがもうすでに、あいつと会っている可能性もあったが……今まで遭遇した中で最も情報があるのも、やはり八体目ではあった]
わたしたちが現状、八体目と認識しているのは、片翼の天使よ。
わたしもそこまで知ってるわけじゃないけれど、真名はおそらく分かるわ。
その情報でいいかしら?
構わぬ、イレギュラーの可能性が高いであろう。
片翼で天使とは大層な者が召喚されているな。
[静かにうなずく。
アヴェンジャーの対価としては上等な情報だった。]
[問いかけは後だ。
己もまた、剣を取らねば討たれるだけ。
咽喉元に指先を添えて、輝く若葉色を紡ぎだし]
――疾く駆けよ、
汝は杯を頂く穢れなきもの――
――聖杯の騎士ペルスヴァル!
《Percevel,le conte du Cleal》
[槍持つ若き騎士が顕現し、
黒き翼の剣士へ躍りかかる―――]
お客さんが増えてきたね。
そろそろ、かな。
[また宝石に刻まれた令呪が一画、光を帯びる]
君には最大限の仕事を期待しているよ。
−令呪を持ってバーサーカーに命ずる。
アサシン、ブライ。この2名を除いたマスターとサーヴァント、すべてを破壊せよ。−
[宝石に移植された令呪の1画が、また消滅した。]
…、召喚… だと?
[ライダーだと思っていた英霊の声色。
その声に魔力を耳で感じる。
召喚物に騎乗するのかと思ったが、
それには相応しくない剣士が顕現した。
その姿はまるでどこかの英雄。]
―――…頼もしい、限りです。
[剣越しに感じる手応え。
骨へと至るそれを、更に押し込もうと両手に力を籠め]
――ッ、…
[新たな気配を感じ取ったのは、強化を施された故か。
剣を引き、咄嗟に一歩後ろへと下がるのと同時――
目前へと繰り出される槍の一閃>>314を、刀剣で弾こうと試みる。]
[僅かに晴れた土煙の先に見えるは、
肩に傷を負ったキャスターである男の姿と、地に伏したままの赤竜の姿。
新たに少年と――吟遊詩人の影。
…そして、姿が見えるのは、相手とて同様か。]
―――よし。
[ここでこうしていても仕方ない。
もう少し近付こう。]
しまったな、詩人さんたちに便乗すればよかった。
潜ってくしかないか。
[そう呟いた刹那、管理人の姿は消えた。
後には夜だけが残っている。]
はははははは!
安心してよパピー、君の大事な令呪の最後の1画はさ。
君の可愛いバーサーカーの、自害の為に取っておいてあげるよ!!
あ、あの野郎……辰にもらった令呪をこうも易々と……。
[そして、その命令はパピーの身を凍らせる。
全てと言うのは、妹尾もみちるも含まれている。
令呪の命令は絶対で、ヘイズレクならやるだろう。]
じゃあ、そいつの話ね。
[アルフレートの返答を聞いてから、自身の頭の中を整理しつつ、情報をそらんじる]
真名はたぶんシェムハザ。クラスは不明。マスターは存在を感知はしたけれど、姿は見ていない。
そいつとは昨日、2Fで戦闘したの。
麻痺の魔眼で動きを止められた後、魔力での攻撃を受けた。
こちらも宝具での反撃を試みたら、相手も宝具を使ってきて……非戦闘区域で制限されてるはずなのに、ちょっと尋常じゃない威力だったわね。
ただ、問題はその強さだけじゃない。
その英霊は、聖杯を破壊すれば、町の人たちは解放されるって言ってるの。
その話を信じるにしても信じないにしても、なんだかこの異常な聖杯戦争について、事情通な感じはするでしょ?
これってちょっと異質だと思わない。
……ぐ、
[骨すら砕かれれば、この左腕は少なくともこの戦闘中は使いものにならなくなる。下手すると切り落とされる。
足で蹴り上げようとするより先に、槍の一閃が黒翼の英霊を襲ったので届かない。
ぼた、ぼたぼた、と血が赤に染まる。
左腕が熱くて、痺れたような感覚が襲う。]
……は、…っ、く。
[もっと魔力が必要だ。このままでは、と、黒翼の狂人を睨みながら、肩を激しく上下させる。]
貴様等か2Fで戦闘を行ったのは。
[つい先程見た光景の原因に頷く。
続く言葉には顔をしかめる。]
威力ある宝具だけで厄介だというのに
戦闘区域の制限を受けない上に聖杯に通じているだ、と……。
異質ではすまぬぞ、管理者を問いただす必要がある!!
情報交換は終了だ、さらばだ。
[言葉と共に従者へ付いてこいとの視線を送り、
1Fへの転移を始めようとする。]
[2つ目の令呪の願い。
―――、最悪だ。
姿は見えないけれど、このフロアに確かにいるマスターも標的にされた。
甘い、というアサシンの声が嫌でもまとわりつく。]
……っ
[眉間に皺を寄せて、アサシンが放つ令呪の3つめの願いを聞く。
自害―――それも、令呪をもってすれば可能な事、だが―――]
これでは、…これでは、あまりにも
ヘイズレグが救われません。
[リリンがあの片翼について語っているなか、自分はあの時の戦いの様子を思い出していた。よく戦えたまのだと自分でも思う。運、だろうか。自分が付け加えることは少ない]
わしが戦ったときは、あれは全力ではなかった。
撃退はできたが、なぜできたのか、自分でもいまだにわからん。
…あれはもはや、神性がどうという類いのものでない。
忠告しておくなら……御辺がいかに高名であろうと、全力の状態の奴と単騎でぶつかるのは避けておけ。
―東地区病院前―
――成り行きですが助太刀します。
離れてください。
ヒイラギ、あなたも。
パピーを連れて、巻き込まれないように。
[>>317 この土煙の中でよく響く声をかけながらも
振り返る余裕はない。――眼を逸らせばその一瞬が命取りになろう>>318 ]
……王子、気を確かに持たれなさい、
貴方の剣はそのような為にあるのですか!
[声を荒げるも、届くかどうか。
ペルスヴァルは腰を低くし、槍を構えるが――
ひたりと汗が眉間を伝う。なんという圧力か。]
……取引というものは、自身と相手が対等であることを示さなければ成り立たちませんからな。
[語る言葉は静かに。常と変わらぬままに、ランサーは言う。]
片翼の天使、シェムハザ…………でありますか。
…………、
[思い出されるは、第二階層で見かけた爆発跡。およそ宝具を封じられたと思えぬような――、キャスターとアーチャーが見せた天地創造に匹敵する、焦げ付いた破壊痕。]
つまり、シェムハザとやらは我々とは違い奇襲が可能であり、知り得ぬはずの機構を知り得ていると。
……、宝具を使った、ということはサーヴァントには違いないのでありましょうが。天使と呼ばれるものはそもそも神の使いであり、英霊にはなりえぬはず。
――――、
[瞼を閉じ、――淡々とした声で続きを呟く。
畏れもなく。怒りもなく。ただ、静かに。]
一度、槍を交えられれば良いのですが。
――――、
[サーヴァントの男の言葉に、ランサーは顔を上げる。
――その顔には、僅かに笑みが浮かんでいたか。]
……敵が神に匹敵する者であるならば、
それを俺が超えれば良い話だ――えっ
[言葉が終わるまでにアルフレートの声が響き、ランサーは転移の光に包まれた。]
大丈夫!きっとレティが守ってくれる。
そして、令呪も王子も取り返してくれるから。
パピー!死ぬなっ!がんばれ
[バックの中から祖母の魔術薬を取り出しパピーの傷に塗り込む…属性は違えどパピーの体を通して辰に届くように、治癒魔術を重ねた。]
……、
[投げられる声>>328にも、その顔色は変わらぬまま
更に上書きをするように、令呪を介して下される命。
それに抗う術も、意思も、…既に持つ筈など無く。
――狂化によって言葉は失われている故に、承諾こそ返らずとも。
それでも僅かに細められた目が、その命への了承の意を孕む事に容易く気づけるか。]
[ト、と軽く地を蹴り、空中へと跳躍する。
否、黒翼を背に持ち、その魔力の力を借り受けたそれは飛翔にも近い。
軽く十数メートルは上空の場所へとその身を置くと
ゆらりと、その剣身を持ち上がる。
そのまま降ろされれば、その周辺へと襲い来るのは
ただシンプルに、最上を誇る力と
槍兵と同等の速度だけを乗せた――純粋で 凶悪な衝撃破だと
その剣が纏う魔力で、その場の者たちは感じる事が出来ようか。]
―東地区病院前―
――卑怯な!!
[令呪を持ってして、自害を命じるというか。
詩人はらしくなく声を荒げた。
ブライ。アサシン。先ほどの命令でそう謂った。
即ち彼は、片翼の男は「暗殺者」だという]
……そのような天使が在ってなるものか。
盗人猛々しい…っ!!
[自分たち以外は
余さず標的にするというか。逸れは即ち最後には――、誇りも何も、あったものではない]
ペルスヴァル!!
[槍使いの力を与えられた物語の騎士へ旋律が注ぎ込まれる。
騎士は、片翼の主犯へ向けてジャベリンを構え、投擲――。詩人の紡ぐ物語の中でも最速にして、投げやりの名手と謳われる騎士の一撃は―――]
こちらの情報、お気に召したようで嬉しいわ。
もし良かったら、あれについて新しいことが分かったら教えてちょうだい?
[彼らと戦い……アヴェンジャーは脱落したが、兄里は生きている。
その情報の対価に、ヒイラギたちにも教えなかった詳細を渡した。奮発はしたと思うが、どうせ自分の腹が痛むわけでもない]
じゃ、わたしたちはご飯行こっか。
[アルフレートたちを見送ってから、セイバーに提案する。
彼らがこれから向かうだろう教会には、後に自分たちも行く必要があるかもしれないが……空腹には勝てなかった]
―東地区病院前―
―― っ!!!
[投擲の直後、空に王子が舞い上がる。>>333 ]
――疾く駆けよ――!!
[命ずるはペルスヴァルへ。
槍を投げたその重心を移動させ、
語り手を守るために、それから――]
こちらへ!!!
[血塗れの、眼鏡のサーヴァントをその手で引き寄せ共に守るように。
一瞬――静寂の後、一閃の剣戟は嵐を呼んだ。]
う……ぐ……わ、悪いな……
[パピーを抱えて走る妹尾に、そう伝える。
自身を融解させたブレスと、穴からもれた量を合わせると、パピーの体はかなり軽くなっているようだ。
妹尾に抱えられたことで、それを自覚する。]
た、助かる……
[与えられた魔術薬は、もう少しパピーの崩壊を防いでくれるようだ。
辰と共にパピーもまた感謝した。]
神を超えるか……
あれはきっと上代の英雄なのだろうな。
比べるなら倭建命あたりといったところか。
[不敵な言葉を告げて去っていった英霊と魔術師を見て、腕組みをしながらその後をしばらく眺めていた]
わしも他の連中に負ける気はせんが…あのような者がかつての世の中には大勢いたのだろうな。
……少し思いを馳せ、憧れんでもない。
………さて。
[リリンの方を向く。食事というなら付き合わぬ道理もない]
よい提案だ。行こうか。
―1F―
[転送は速やかに終わる。
そして元の中央ブロックへと戻る。
途端に騒ぎが聞こえてくる。]
「病院付近でなんか爆発とかで騒がしかったぜー。」
「えっええ、まじでー?」
「物騒ねー、近づかない限るわー。」
[辺りの喧騒から何かの異変があったことは間違いない。
教会に向かうか悩むところであった。
しかし、爆発との言葉に2Fの光景が思い浮かぶ。
ならば教会を問いただす為にも情報が必要だった。]
助太刀が来なかったら…
大事な腕が一本消えてました。
[男の足元を中心に、アストロラーベのような文様の魔方陣が
メルカトルの左腕から滴り落ちる血で描かれ始める。
メルカトルの手の内の地球を模る球体の周囲に
真鍮のリングが何重にも表れ、
巨大な天球儀が身体の周囲を守るように広がる。]
―――…、すみません。
[>>336 眉を下げて伸ばされた手を右手を伸ばし掴む。
球体を操り、自分だけではなく吟遊詩人も核と位置付けると
天球儀が大きさを増して防御を展開する。]
― 1F・中央 ―
[――辿り着くや否や、平穏な街並みは騒動に見舞われていた。
夜がざわめき、――気を巡らせずとも、風に紛れる濃密な余波。]
――――、承知した。
[すぐさま軽トラックに乗り込み、キーを回した。
アクセルを踏み抜けば、荒々しくタイヤが回転する。]
少々飛ばすぞ。掴まれ!
あら、憧れるなら、あなたもそうなればいいじゃない。
どうせシェムハザは敵よ。次に会ったら倒しなさい。
[さらりと言って、1Fへ跳ぶ。
……できれば、今はヒイラギたちとは会いたくない。なんだか気まずいし。
だから彼らの拠点から一番遠い、東ブロックを選んだ]
― 1F・東ブロック ―
な……。
[絶句した。言葉が出なかった。驚いた。
ビリビリと全身に響くような、激しい魔力の余波。おそらくはサーヴァントが全力で戦っているそれは近くはないが、決して遠くもない]
なんで、こんな場所で……!
ああもうセイバー、行くわよ! 見つけたら早急になんとかしなさい!
[時間は夜だ。1Fでも戦闘は起きるだろう。
だがここは病院が近く、南ブロックの住宅街にも近い。人目に触れないように戦うなら、もっといい場所はいくらでもある
戦闘区域だって用意されたこの聖杯戦争で、なんでこんな危ういことをしでかすのか。わけが分からなかったが、とにかく焦燥に駆られるままに走りだす]
わしはそんな器ではないよ。
将軍になったのだって、何かの間違いのようなものだった。
己の力ではないさ。
しかし、まあ、シェムハザ…か。次に会ったら、今度こそどちらか斃れるまでは終わるまいな。
[1階に戻ってきて、何か騒がしいことに気がついた。]
……騒々しいのう。何かあったか?
[]
[槍持つ騎士が、彼らを護り
更に防御が陣されたと同時――振り降ろされる、一閃。
一瞬の静寂。
その直後、それを打ち消す閃光と共に轟音と衝撃が襲い来る。
宝具の真名こそ解放していない故に、本来の威力からは格段と落ちるが
それでも狂化に強化を加えた、ただシンプルな力任せ一撃は
建造物までは至らずとも、ベンチや木々等の周囲を
軽く吹き飛ばすだけの威力はあったか。
濛々と土煙が上がる一帯、防御陣の先はバーサーカーの視界からは窺い知れず、僅かに目を細める。]
任せる、私の事は気にする出ない。
[そして意識を集中して軽い体の強化を行う。
この前のような無様な気絶をしないためにと]
いや……
[考えないようにしていたが、間違いなく戦闘だ。町中で随分と派手にやっている気配がする]
これでは、帰ってもおちおち寝ておれんではないか…
[心底関わりたくなさそうにしつつ、リリンが走り出したのを見てすぐに後を追った。サーヴァントの気配を追って]
随分と集まっておるではないか!
[目的の場所に着くのは、ほどなくのこと]
[防御に専念していては攻撃は出来ない。
解っている。理解している。
そして何より、この――場所が、地が悪い。]
っ
[令呪があれば―――思うけれど。
みちるがここに来れば命の危機が襲う。
しかし、ひとつふたつと、増えてくるサーヴァントの気配。]
―東ブロック病院付近―
[近づく家庭で何かが起きているとすぐにわかる様子だった。
大気のマナが激しく乱れていたのだ。]
見つけたぞ、降りてちかづくぞ。
[魔力が集約されていくエリアへと走る。]
ー病院前ー
[痛む左目からだけではなく、たどり着いた時にはもう両眼から涙が落ちるばかり。
置いてきたはずの英霊の姿を見つけて、近寄ろとしたものの思いとどまる。
背中は随分小さく見えた]
…えっ、と、
[なんだか、迂闊に近寄ってはいけないような有様。
これが、皆が言う戦争なのだと]
―東ブロック病院前―
――それは何より… ――っ !
[>>341 輪が幾重にも絡まりあう
奇妙な球が広がり、衝撃からふたりを守るよう。
が、ペルスヴァルの身を衝撃波は掠めて。
騎士と同様、吟遊詩人は
ぎしり、と痛みに顔を顰めた。]
ァ、く――っ
――っ
……っ貴方は弱っている、無茶をしないで。
[息を詰めながら、いつの間に手にしていたか、リュートを高く、鳴らして]
――汝が槍は雲をも貫く、一閃の雷!
[>>346 濛々とこもる土煙――その只中より
歌声も鋭く、投槍が「王子」目掛けて放たれた――!]
― →東 ―
[――軽トラックが行く道は、不自然な程に人気が無かった。まるで『異常』そのものから目を逸らすように、関わるという機能を忘れてしまったかのように。]
――――、
[けたたましいエンジン音を鳴らしながら近付く東の地区に、異様な『何か』が浮かんでいた。それは背より黒き翼を生やし、剣を手にする――紛れも無い、サーヴァントの気配を纏う者。]
黒翼。
……あれがシェムハザ――――、か?
[――彼とは別に、もう一つ浮かぶ存在には、まだ気付けない。
区画に在る濃密な気配は多く在り過ぎて、正確な数が測れない。
車体がつんのめる程の急ブレーキをかけながら、近くの路傍へと軽トラックを止め、鍵を開いた。]
[そこにいたのは、
ヒイラギ、リュートの英霊。
キャスター、キャスターのマスター。
小さなドラゴン、そのサーヴァント。
そして片翼。
反対側からは今別れたばかりのアルフレートたちも見える。なんだこれは。まるで惹き寄せられるように集まっている。
混乱する思考を整理する。考えるまでもなく、この中で最も気兼ねなく殴れる相手は……明白だった]
セイバー、器とかの話はまた今度にしときましょう。
さっそくお目当てが居たわよ。
だ、大丈夫か?妹尾?!
[植え込みの陰に隠れてなお、激しく揺れる視界にパピーは声を上げた。]
王子がやったのか……
町ごと何もかも破壊するつもりか……?
[他のサーヴァントならば、町中でこれほど見境なしに技を放たない気がして、そうつぶやく。]
―東地区、こっそり―
何よ、この状況は。
[顔が歪む。
あのパタパタ野郎が何か仕組んだようだ。]
警戒してって言ったのにな。
[と言っても、あれだけの情報で彼らに何かできたかと言うと、できなかっただろう。]
何やらかしたのかしら。
これは―――はじめてだわ。
[もう少し近くで確認したいが、これ以上近付いたらあの野郎に自分の存在がばれるとか以前に、死んでしまう。]
……、
[周辺に、集まりつつある気配。
上空へと飛翔したままのバーサーカーは、
緩やかに土煙の立ち上る下へと視線を向けたまま、瞬いた。
令呪によって下された命は、ブライとアサシン。
この二人を除く全てのサーヴァントとマスターを破壊する事。
手間が省けた――理性を失った狂戦士に
その思考があったかは知れないが
その剣を、再び、ゆらりと持ち上げる。]
[その方角には、軽トラックの影と、
ともすれば幼い少女の姿もあったか。
何の顔色も変える事無く、振り降ろす――直前]
[凛と、鋭く響く声>>354と同時、迫りくる槍。
高く立ち上る土煙に姿を隠していたそれは
振り翳していた剣で庇うには余りにも速く。]
……ッ!
[左腕から肩を穿つ一投に、少年の身体は大きく傾いた。]
間違いないな、先程の話と一致する。
それと、他にも多数いるぞ。
貴様、戦闘に事足りるのか?
話どおり強力な力を持っているぞ。
[戦闘能力は恐らく高いだろう。
気配だけでそれは感じ取れた。]
やれやれ…
[黒翼のサーヴァントと、それを取り囲む英霊に魔術師達。確かにどうするべきか明白ではあったが]
宝具は一応使えるようにはなっておるか…
リリン。いざとなればこの間の宝具を再び使っても構わんのだな?
[そう言って前に立つ]
[――正気を失った黒翼の青年――その眼下に辿り着いた刹那。
一筋の雷。否、槍が、煙の内より放たれる。
向かう先、立ち塞がる少年の顔が照らされ、はっきりと見えた。]
――――、
[闇を喰らう翼と同様に、その瞳には光がない。
理性を以って人を罰する天の使いに相応しき面持ち。
――されど。]
――――正気を失えど、満ちに満ちたその我気《オーラ》。
どこぞの王族といったところか。
[オリーブの輝きと共に、手の内へ槍を具現化させながら、
雷の直撃に、大きく傾ぐ姿を睨ぐ。]
――――構わん。
敵が強大であろうとも、いずれは超えねばならん山だ。
令呪を寄越せ、マスター。
[考える。
こういう時、どういうふうにしたらいいのか。
まじかる☆まろんで、まろんが苦しい時。
自分と違うと知っても軽蔑しなかった彼女の友達は、まろんになんていっていたか]
…おじ、さん
[大事なお願いはあと二つ。
でも、きっと今使わなかったら後悔する。
今伝えなかったら、きっと伝えるときはない。
だから]
ええ。宝具の使用を許可するわ。
[セイバーに返答する。
状況を観察すれば、いろいろ混迷しているようだ。
放つ命は、おおざっぱに。
歴戦のセイバーに任せる]
この状況をなんとかしなさい。
>>353
…完全に別個体を呼んだわけではないのですね。
[は、と短く息を吐く。
左腕が痛い。筋が切れたのだろう、指先がまともに動かない。]
ふ、
[だからどうした、と不敵に笑む。
まだこうして口は動く。足も動く。
晩年の自身を思えば―――どうと言う事はない。]
…私はキャスターのサーヴァント。
しかし詠唱に時間を要します。
―――、時間稼ぎを。
[はっきりとそう言葉を発して、>>352姿を見せたマスターを捉える。]
―東ブロック病院前―
[>>368 こくり、と金の髪をたゆたわせ
自ら詩人は騎士と共に矢面に立つ。]
――かの槍は狂えし者に裁きを与えん。
――聖杯を手にするものの眼には曇りなし。
[土煙の只中に、血を滲ませながらも
吟遊詩人は歌いて在る。
複数の気配が集うのが分かるが
王子の体が傾いだならば、この好機は逃せない。
ペルスヴァル、と祈るように名を呼んで、
歌を高らかに響かせた。]
――いざ、その刃を振り下ろして―― …… っ!
集まったサーヴァント共め、令呪を使って宝具の真名を解放するつもりか!
ならば・・・・・・
[自害に使おうとしていた最後の令呪を、出力を増幅すつあめに使うべきか?
その場合この区画がどうなるかも想像がつかないが、好機である事は間違いない。]
よかろう、くれてやる。
アルフレート ローヴァインが令呪をもって命ずる。
ランサーよ、目の前の敵を己の槍にて焼き尽くせ!!
[令呪に命令をこめて発動する。
三度しかない貴重なものだが今の状況は出し惜しみを許さなかった。]
さすが私の…マスターです。
[令呪の使用―――、
それによりこの区域で戦闘するに十分な魔力が湧きあがるのを感じる。
周囲にサーヴァントが集う中、宝具の使用が今後にどう影響するかなんて考えはしなかった。今は、ただ、目の前の“敵”であるバーサーカーを倒す為、―――]
……――私の物語と踊っていただきますよ、王子様
[そう、囁く声は届いたか。
否、大きな力が庇ったはずの背後で爆ぜた。>>370 >>369]
[妹尾の腕に抱えられたまま、夜空を見上げると空に浮遊するアサシンの姿が目に入った。]
……悪いな、妹尾、俺は行かなきゃならない……
辰もそうしろって言うんだ……。
珍しいな、奴との気が合うなんて……。
[そう言いつつ、パピーは腕の中から這い出すと、翼を広げて空へと羽ばたく。]
[―――、詠唱は『創世記』。
右手の前に浮かぶ球体を円柱が囲い、
光と共に弾ければ地面に巨大な地図を描く。
クレティアンも傍らにいれば、それをまさに真横で見る事となり、自分の足元に世界が創造されていくかのような光景を目にする。]
―― 「天の下の水は一つ所に集まれ。乾いた所が現れよ。」
[最後の詠唱の完了と共に、
地図の端に創世記の一章が書き記された。]
[言葉に呼応するよう、地面が唸りを上げ始める。
龍脈が、唯一点、キャスターの方角へと集う。
それは大地から筋肉隆々の巨大な金色の男が湧きあがり、
キャスターと同化するように目視できる。
クレティアンは突然横に金色全裸の男が出現したかと思うと
キャスターに溶けたように思うかもしれない。]
[魔力を与えられたとは言え、既に崩壊は近い。
体の末端を赤い塵に変えながら、アサシンに気取られぬよう、死角から慎重に浮上していく。]
悪いな王子……お前はあの取引を諌めてくれたのに、こんな事になっちまって……。
[ある距離まで近づいたところで、一気にスピードを上げた。]
[方々で増幅する魔力の気配。
それが令呪か、宝具か――そこまでは判らずとも事態を把握するには容易く。
肩から腕から滴る緋色を右手で押さえ、小さく舌打ちを零す。
傾く身体を、見えない地を踏むように支え空中にて立て直すと
手の内の柄を握り直し、その気配の集う場所を一閃しようと
その腕を緩やかに持ち上げようとして。]
―――、
[高く響く声に、詩に。
容易に意識を奪われたのは――少年が、狂戦士であるが故か。]
[――周囲の風が、灰色の槍へと吸引されるは一瞬のこと。
蒼炎が吼える。
天狼星が猛る。
膨れ上がる魔力の渦。
加速する星の輝きは収束し―――]
[神代を駆けた槍兵と供に
正気を失いし王たる者を喰らわんと、放たれた。]
な・・・・・・!?
[完全な油断。
一瞬の隙をつかれ、手元にあった宝石が破壊された。]
き、きさまああああああああああ!!
ことごとく邪魔をしやがって、ゴーレムのくせにいいいい!!!
[怒りをあらわにしたシェムハザは、暴力的で粗雑なガンドを、パピーへと打ち込んだ]
[球体は身体の前で浮かせたまま、早口で詠唱を開始する。
膝を落とし黒手袋の右手を地図が浮かぶ地面につけると、
両腕に腕輪のように平面のアストロリーベが重なっていく。
更に、周囲に球体のアストロリーベを惜しみなく浮遊させて魔力を上げ続ける。]
世界を記せしこの手は地を知り尽くし、
それでも尚、探り求める手。
[大地から龍脈を通じて両手に魔力を集中させると、
左腕から流れる血が徐々に止まり、指先が動く程度まで回復する。]
地に触れれば、傷を癒す大地を知る。
風に触れれば、荒れ狂う風を知る。
水に触れれば、人を飲みこむほどの水を知る。
火に触れれば、人の英知の始まりを知る。
知は即ち、統べる也。
[礼拝堂で見た、>>385蒼の炎を視界は捉える。
その一閃より遅れて、詠唱は終了する。]
[ばち、ばち、と地面から力を吸い上げて火花が散るような音が鳴る。
輝く両腕を合わせ、手を握り合わせる。
両方の人差し指を、バーサーカーの方へと 正確に、正角に向ければ、
照準を合わせるかのように魔方陣が展開される。]
――…目標座標セット。 完了。
朝の爽やかな風で目が覚めず
氷水を受けても起きないのであれば、
その怒りをその身で受けよ。
―――― 砕け 散れっッ !
[周囲の大気を操り、水と風を圧縮させれば、
大地から吸い上げた魔力で強化させたそれを、巨大な砲撃のように*放った。*]
[落下しながら、できるだけ、口の端を吊り上げて笑ってみせる。
もし、辰が生きていたとしても、自分は感情の揺らぎに戻り、自身で行動できる機会は2度と無いだろう。
まあ、それでも良いか。
ガンドがのど元を貫通する中、パピーは、最後にそう思った。**]
[高らかな歌声に逸らされた意識は、
大気のうねりによって、渦を巻く土埃に僅かに戻る。
膨大なる量の魔力の奔流――それらが、ひとどころへと収縮していく。
その正体が、槍兵の神すら穿つ一突きであると気付くのは
数寸の、間の後。]
―――グゥ…ッ!!
[己の身を庇うように、背に携えた黒翼を咄嗟己の前へと展開する。
高い魔力を帯びる天使の翼。
ともなれば、大概の宝具とて威力を弱めるだけの力を有する筈であった。
――が、高い神性にこそ真価を問う槍兵の宝具の前には
黒翼の防護など、無力に等しく。]
ア、 アアァァァアアァッ!!
[貫かれ、蒼炎を纏った黒翼に叫びながらも
――しかし、バーサーカー自身が動きを止めるには、僅か及ばない。
目前の槍兵へと、
その呪われし剣を突きたてようと右腕を、振り翳し――
直後、男の背後から迫る巨大な魔力の砲撃に、目を見開く。
先の一撃で黒翼は失われた。
翼の魔力で補われていた飛翔すら、維持が難しくなっている所に跳躍で回避する事など出来る筈も無く。]
―東ブロック病院前―
――…… 物語は聞くものあってこそ。
貴方の耳に届くなら光栄です。
[>>382 うたに、こえに。
意識を奪われたらしきに、
戦場にあって吟遊詩人は微笑んだ。
――赤い竜が、自らクリスタルを噛み砕いたのを、まだ知らず。
>>388 静かに、男が詠唱をはじめた。
満ちよ、満ちよと命じるままに
動かぬはずの龍脈が、彼へと注がれるのがわかった。
重なれ、重なれ、アストロリーベ。
黄金の巨人が首をもたげていく幻視。
――蒼い流星が、司会を焼いた>>385]
[いくつもの宝具が黒羽のサーヴァントを狙う。
その英霊は尋常な様子ではなかった。最優先に止めるべきだと判断したのだろう。
間隙を縫うように、セイバーの宝具も振るわれる。
骨喰藤四郎。
視界内の相手を、斬る動作をするだけで裂く呪詛の剣。
一度ならず、二度、三度と。
回避不能のそれは、彼の英霊の暴走のような行動を阻害するように振るわれる]
[膨大な魔力の砲撃へと、身体が飲み込まれる直後。
――ぱきん、と。
魔力のパスが、欠けて
断たれる感覚。]
、ー…
[音にならぬまま。はく、と口唇が僅かに動く。
本来のマスターである男との繋がりは、
赤竜に埋められた核である結晶。
それが失われれば、魔力を断たれたも同じ。
狂化の身では、持ちうる魔力も直ぐさま枯渇し現界し続ける事は敵わない。
しかし何より、
令呪の宿ったそれが屠られたということは
アサシンの手の内から 逃れたと言う事でもあり]
[――放たれた勢いのまま、流星の如く突き立つ穂先は、
狂気に囚われし王子の黒翼を以って阻まれる。
だが――触れた直後、蒼炎はそれすらも貫かんと勢いを増した。]
民を省みぬ王が――――どこに在る――!!
[一歩届かない。一つ届かない。
黒翼を貫き、狂気に囚われし王たる者を穿ちながらも――止まらない。
噛み付いた狼に、王子たる者は不敬の罪をその剣を以って断罪し――]
くっ、―――――
―――――!!
[睨み合う眼前のいろなき瞳に反射して映るは、魔力の気配。
――背後より膨れ上がる創造の魔力は、紛れも無く――、>>390]
堕とせ、キャスター――――!!!
[右腕の徒手空拳を以って、狂乱の王子の背に触れ、キャスターの気配在る方角――背後へと押し出す。
ランサーはそのまま流れに逆らわず、
すれ違うようにして、更に先へと通り過ぎた。
――更にもう一つの英霊の宝具の気配も、替わるように湧き上がり>>395]
[この聖杯戦争において、これ以上の規模の戦闘はもうないだろう。
余波の衝撃に身を持っていかれそうになりながら、その光景を目に灼き付ける。
魂の輝きを。
信念の煌めきを。
戦いの激しさを。
悪意のおぞましさすらも。
片時も見逃さぬよう、目を見開いていた]
[その魔力に焼き尽くされるのと――
その身の消滅と、どちらが先か。
飲み込まれ、溶けるように。
少年の身体は世界から失せた。
目標へと着弾した魔力の塊が、激しい閃光と共に飛散して後。
残されたのは黒色の羽が一枚。
土埃が晴れ、荒れた地の上にはらりと落ちる。**]
[――民を省みぬ王が何処に在る。>>397
咆哮劈き、星が走った爆ぜる、爆ぜる、空を焼く。
夜の闇など払拭して、今宵神話が花開く。
閃く白刃に、その身を焼かれながら>>396 ふ、っと。
糸の切れたような
気配が過ぎる。]
――… 王子!!!
[>>386 パピー、と。
ヒイラギの声が耳を打った気がした刹那。
詩人は腕を伸ばして駆け出した。]
令呪まで使って落とせないわけが無かろう。
私のサーヴァントとして当然だ。
[決着は付いた己のサーヴァント達の勝利という形を残して。
代償は大きいが前に進めたのは間違いが無いだろう。
その結末を満足そうに見守っていた**]
[槍より蒼炎が潰えると同時。
夜に舞いし王たる者の気配が、より強大な奔流の中に溶けていく。]
―――――……。
[背を向けていたがゆえに。その最期を見届けること叶わず。
されど、――――一片、たゆたう残滓は、羽の如き粒を残し>>400]
――どこの王族であったかは分からないが。
言葉を交わせなかったこと。……残念に思う。
[呟き、ランサーもまた、夜の大地へと落ちていった。
――刹那睨いだ天に、
果たしてもう片方の黒翼の気配は、*あったかどうか――*。]
[はた、、、と、空を仰ぐと、王子に向かって流れる流星のような煌めきが一つ、二つ…
大きな魔力の塊がぶつかり…王子の体を飲み込む。
最後に花火が塵落ちたような、微かな赤い光が糸を引いて…消えた。
――それが何を意味するか…
英霊達の戦いの終わりを告げたのか…周りは静けさを取り戻していた…
そして僕は…植え込みの中、肩を振るわせ涙を堪えるように膝を抱いていた**]
くそ、バーサーカーめ・・・・・・・とんだ無駄死にだったな。
[眼下を一瞥し、ブライが病院へと退避するのを見届け。
アサシンもまた、遠くの空へと飛び去って行った**]
[光、のなか――失せる。輝きが失せる。
気配が、失せる。
誇りを踏みにじられて、
己の意思を捻じ曲げられて、
異形の姿にまで、変えられて。
――はらり、落ちるは黒い欠片。否、羽、か。>>400 ]
こん 、な ものが 、……っ!!!
[乾いた土に落ちる羽を、
吟遊詩人の物語――騎士ペルスヴァルの槍が大地に縫いとめるように貫いた。
クレティアンは、理想を謳う吟遊詩人だった。
たとえ現実が、叶わぬものだったとしても。
在るべき姿を。
己の光を―― だから。]
[こんな理想を踏みにじるようなことを、
どうして許せようか。
詩人はこめかみから血を流しながら。
虚空を、にらみつけた**]
[バーサーカーと話す事も叶わず、こうして最大の宝具をもって撃つ事になるなんて思ってもなかった。
甘い、そう言ったアサシンは上空に消えて。
やがて男の足元の地図は光が霧散するように消えて、龍脈は正しい流れに戻る。
全てが終わり、羽が一枚地に落ちる。
遅れて左腕の痛みを感じながら、その黒羽が顕現した騎士により貫かれるのを見た。]
あなたがいなければ、……
確実に倒されていたのは私でした。
感謝致します。
[ぺこ、と、吟遊詩人へ頭を下げる。
それから、遅れてやってきたセイバーにも軽く頭を下げ、
ランサーへとついで顔を向ける。]
[追うように、ランサーのマスターの方を見ると頭を下げる。
そして最後に足を運び、自身のマスターの前に。]
みちる。
[ようやく会えた。その嬉しさもある。
そして、彼女はいつも最善と思う場所で大切な願い事を、令呪を使用してくれる。]
……、っ みちる。
[伸ばす腕は気づけばボロボロで、服もあちこち破れていた。
それでもその腕でみちるの小さな身体を抱きしめようとする。]
私はあなたのサーヴァントとして
あなたを誇りに思います。
だからどうか、もう、こんなことは、やめてください。
身体が引き裂かれるみたいでした。
……、一緒に帰りましょう。
[幼女を抱きしめようとしている中年男性の姿。他の人からどう見えているか、それを考える余裕はもちろんなかった。**]
[1]
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