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……――私の物語と踊っていただきますよ、王子様
[そう、囁く声は届いたか。
否、大きな力が庇ったはずの背後で爆ぜた。>>370 >>369]
[妹尾の腕に抱えられたまま、夜空を見上げると空に浮遊するアサシンの姿が目に入った。]
……悪いな、妹尾、俺は行かなきゃならない……
辰もそうしろって言うんだ……。
珍しいな、奴との気が合うなんて……。
[そう言いつつ、パピーは腕の中から這い出すと、翼を広げて空へと羽ばたく。]
[―――、詠唱は『創世記』。
右手の前に浮かぶ球体を円柱が囲い、
光と共に弾ければ地面に巨大な地図を描く。
クレティアンも傍らにいれば、それをまさに真横で見る事となり、自分の足元に世界が創造されていくかのような光景を目にする。]
―― 「天の下の水は一つ所に集まれ。乾いた所が現れよ。」
[最後の詠唱の完了と共に、
地図の端に創世記の一章が書き記された。]
[言葉に呼応するよう、地面が唸りを上げ始める。
龍脈が、唯一点、キャスターの方角へと集う。
それは大地から筋肉隆々の巨大な金色の男が湧きあがり、
キャスターと同化するように目視できる。
クレティアンは突然横に金色全裸の男が出現したかと思うと
キャスターに溶けたように思うかもしれない。]
[魔力を与えられたとは言え、既に崩壊は近い。
体の末端を赤い塵に変えながら、アサシンに気取られぬよう、死角から慎重に浮上していく。]
悪いな王子……お前はあの取引を諌めてくれたのに、こんな事になっちまって……。
[ある距離まで近づいたところで、一気にスピードを上げた。]
[方々で増幅する魔力の気配。
それが令呪か、宝具か――そこまでは判らずとも事態を把握するには容易く。
肩から腕から滴る緋色を右手で押さえ、小さく舌打ちを零す。
傾く身体を、見えない地を踏むように支え空中にて立て直すと
手の内の柄を握り直し、その気配の集う場所を一閃しようと
その腕を緩やかに持ち上げようとして。]
―――、
[高く響く声に、詩に。
容易に意識を奪われたのは――少年が、狂戦士であるが故か。]
[――周囲の風が、灰色の槍へと吸引されるは一瞬のこと。
蒼炎が吼える。
天狼星が猛る。
膨れ上がる魔力の渦。
加速する星の輝きは収束し―――]
[神代を駆けた槍兵と供に
正気を失いし王たる者を喰らわんと、放たれた。]
な・・・・・・!?
[完全な油断。
一瞬の隙をつかれ、手元にあった宝石が破壊された。]
き、きさまああああああああああ!!
ことごとく邪魔をしやがって、ゴーレムのくせにいいいい!!!
[怒りをあらわにしたシェムハザは、暴力的で粗雑なガンドを、パピーへと打ち込んだ]
[球体は身体の前で浮かせたまま、早口で詠唱を開始する。
膝を落とし黒手袋の右手を地図が浮かぶ地面につけると、
両腕に腕輪のように平面のアストロリーベが重なっていく。
更に、周囲に球体のアストロリーベを惜しみなく浮遊させて魔力を上げ続ける。]
世界を記せしこの手は地を知り尽くし、
それでも尚、探り求める手。
[大地から龍脈を通じて両手に魔力を集中させると、
左腕から流れる血が徐々に止まり、指先が動く程度まで回復する。]
地に触れれば、傷を癒す大地を知る。
風に触れれば、荒れ狂う風を知る。
水に触れれば、人を飲みこむほどの水を知る。
火に触れれば、人の英知の始まりを知る。
知は即ち、統べる也。
[礼拝堂で見た、>>385蒼の炎を視界は捉える。
その一閃より遅れて、詠唱は終了する。]
[ばち、ばち、と地面から力を吸い上げて火花が散るような音が鳴る。
輝く両腕を合わせ、手を握り合わせる。
両方の人差し指を、バーサーカーの方へと 正確に、正角に向ければ、
照準を合わせるかのように魔方陣が展開される。]
――…目標座標セット。 完了。
朝の爽やかな風で目が覚めず
氷水を受けても起きないのであれば、
その怒りをその身で受けよ。
―――― 砕け 散れっッ !
[周囲の大気を操り、水と風を圧縮させれば、
大地から吸い上げた魔力で強化させたそれを、巨大な砲撃のように*放った。*]
[落下しながら、できるだけ、口の端を吊り上げて笑ってみせる。
もし、辰が生きていたとしても、自分は感情の揺らぎに戻り、自身で行動できる機会は2度と無いだろう。
まあ、それでも良いか。
ガンドがのど元を貫通する中、パピーは、最後にそう思った。**]
[高らかな歌声に逸らされた意識は、
大気のうねりによって、渦を巻く土埃に僅かに戻る。
膨大なる量の魔力の奔流――それらが、ひとどころへと収縮していく。
その正体が、槍兵の神すら穿つ一突きであると気付くのは
数寸の、間の後。]
―――グゥ…ッ!!
[己の身を庇うように、背に携えた黒翼を咄嗟己の前へと展開する。
高い魔力を帯びる天使の翼。
ともなれば、大概の宝具とて威力を弱めるだけの力を有する筈であった。
――が、高い神性にこそ真価を問う槍兵の宝具の前には
黒翼の防護など、無力に等しく。]
ア、 アアァァァアアァッ!!
[貫かれ、蒼炎を纏った黒翼に叫びながらも
――しかし、バーサーカー自身が動きを止めるには、僅か及ばない。
目前の槍兵へと、
その呪われし剣を突きたてようと右腕を、振り翳し――
直後、男の背後から迫る巨大な魔力の砲撃に、目を見開く。
先の一撃で黒翼は失われた。
翼の魔力で補われていた飛翔すら、維持が難しくなっている所に跳躍で回避する事など出来る筈も無く。]
―東ブロック病院前―
――…… 物語は聞くものあってこそ。
貴方の耳に届くなら光栄です。
[>>382 うたに、こえに。
意識を奪われたらしきに、
戦場にあって吟遊詩人は微笑んだ。
――赤い竜が、自らクリスタルを噛み砕いたのを、まだ知らず。
>>388 静かに、男が詠唱をはじめた。
満ちよ、満ちよと命じるままに
動かぬはずの龍脈が、彼へと注がれるのがわかった。
重なれ、重なれ、アストロリーベ。
黄金の巨人が首をもたげていく幻視。
――蒼い流星が、司会を焼いた>>385]
[いくつもの宝具が黒羽のサーヴァントを狙う。
その英霊は尋常な様子ではなかった。最優先に止めるべきだと判断したのだろう。
間隙を縫うように、セイバーの宝具も振るわれる。
骨喰藤四郎。
視界内の相手を、斬る動作をするだけで裂く呪詛の剣。
一度ならず、二度、三度と。
回避不能のそれは、彼の英霊の暴走のような行動を阻害するように振るわれる]
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