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― 中央ブロック・噴水前 ―
[霊体化した状態でリリンの傍に控えている。だからその表情は見えないだろうが、もし見えたなら、驚きが浮かんでいることは分かっただろう。
男の方はともかく、もう一人が十歳になるかどうかというぐらいの少女なのだから無理からぬこと。]
………
[ちらりとリリンの方を見て、少女をじっと見つめる。]
これはまた。
―西ブロック・土手―
[独りか、との呟き>>313に、一度だけ榛色を瞬いた。
正しくは一人と一匹。しかもその一匹はカバンの中だ。
肯定する心算は無いが…わざわざ事実を伝える必要もあるだろうか――逡巡。
…沈黙を貫き通す事にした。
代理の形を取っている事は、知らせなければアドバンテージにもなり得る話。
それを晒すかは、マスターもといパピーに任せる事に決めた。]
…嗚呼、邪魔する心算は無かったんだが。
良いなら、安心した。
[立ち上がる少年を少しだけ見下ろす形になる。
まさかそこに苛立ちを覚えられているとは露と思わず、投げられた言葉にぱちりと瞬いた。]
ちょうど教会へ行く途中に近く気配があったから。
挨拶ついで――と、言えば良いのだろう…かな。
…君も、参加者だろう?
…ゆ、ゆうかいじゃないもん。
ちゃんと、知ってるおじさんだもん。
[痛みをこらえて半泣きの状態が続いているせいで
そう見えなくもないのだが本人にその意識がない。
こちらを見てくる二人をみあげながら]
…みちる、しってる。
えんじょこーさいっていうんでしょ。
[既に二回も言われてしまった上に先ほどぷんすこ怒ってきた小学生は、これくらいのことは言ってやらないと気が済まないようです]
[どちらがマスターなのか。それを確認しようとして、しかし口をつぐむ。
教えてくれるかどうかの心配ではなく……知ってどうするのかという自問。
これは戦争なのだ]
……そう。
それで、あなたたち。覚悟はあるの? 聖杯戦争に参加する理由になるだけの、願いはあるの?
[だから、代わりに意思を確認する。
他ならぬ自分のそれが、いまだに定まっていないことも忘れて]
―中央ブロック・高級ホテル屋上―
[戻ってきた場所は、同じホテルの上。
同じ場所だ、令呪に反応があるのはわかっていたので、非常階段をまっすぐ下へと降りていく]
他のチームがいるかも。
[非常階段からロビーへ戻ると、先ほどよりも人が集まっているようだった。
流れているのは、鍵盤の音。
誰が弾いているのかと思えば、スイートルームにいたサーヴァント、――レティと、レイは呼んでいた――だった]
…?
[冷静さを保つ努力をしてきたつもりだが、
みちるからの聞き慣れない言葉に暫し考える。
援助交際。
私はサーヴァントでみちるを援助する立場であり、契約を結んでいる事を交際と表現したのか。
なるほど。]
そうです。
援助交際です。
あ、はい…そうです。
[参加者かの問いには隠しようもないので頷くことにしたが、魔術師が一人で出歩くのも合点が行かない。
親方の問いにも答えがないようだったので、もう一度尋ねて見ることにした。]
えっと、「君も」って事はあなたも魔術師なんですよね。
サーヴァントはどうしたんですか?
―――。
あ、えっと。
[体裁を整えて向き直る。]
私、この「塔」が聖杯戦争の舞台としてのみの役割を持って何者かに作られた、と断じているわけではないのよ。
確かに、ひょっとしたらそうかもしれないけど、それだけなら、別にこんなに大掛かりじゃなくていいもの。
「聖杯」と呼ばれる反則は他にもあるけど、それらの聖杯全てがこういう機構に収まっているわけではないわ。
だったら他にも目的があるのよ。
きっと、この場所にはね。
……え、もう?
[リリンに援助交際について尋ねようとしたところ、いきなり命じられてやむなく霊体化を解いた。
若干疲れたような表情の40絡みの和服の男の姿がリリンの隣に現れる]
………まあ、命なら受けよう。面倒なことになる気しかせんが。
んー…
[どちらかというと気さくに話しかけてきているその人物の様子を、しばし目を細めて観察する。
魔術師? いや、違和感だ。佇まいから察するに、その服の下にある筋肉はよく発達した立派なものだ。では。]
おまえがサーヴァント、か?
[思ったことをそのままに問い掛けた。]
ま、でも、言えるのはそれだけね。
[両手を広げ、「分かりません」のしぐさ。]
聖杯を起動させるプロセスとか、聖杯を何かから守ってるとか、作ったヤツの趣味とか、色々考えることはできるけど、それだけのことで、確たることは何も言えないわ。
そもそもこれが「人工物」なのかすら分からないしね。
[いたずらっぽく笑ってみせる。]
―中央区高級ホテルロビー―
[曲の最後はふわりと空気に溶ける。
聴衆の拍手を当然と受け止めて、微笑む吟遊詩人は軽やかだった。 ]
お時間いただき、
感謝します、レイ様。
[ 恭しく礼をすると、
そのままそっと耳打ちの姿勢。 ]
――さて、……居る、ようですな。
気配があります。――勇壮な音色、でありましょうか。、
[>>322覚悟を問う女性の言葉に繋ぐ手に力を込めた。
変な意味ではない。
が、なぜか殴るように指示と飛ばす女の声。
理解出来なかった。
同時に相手のクラスを知るが、すぐに悟る。]
みちる。
相手は恐らく、とても 強いです。
[霊体化を解いて姿を現した男の姿。
全く見たことのない異国の服が現れた。]
いや、サーヴァントはいる…というか。
[どう説明したものか――とはいえ、貫き通せる程の説得力を持つ作り話があるとも思えない。
一度トートバックへと視線を落として、とはいえマスターも異論無いのか、僅かに身動ぎがカバンごしに伝わってきたので胎を括る事に決めた。
ゆるりと首を振って、短い否定を返す。]
――ええと。
何か勘違いしているようだけど、俺は魔術師じゃ、なくて。
…俺が、サーヴァント。マスターは、ココ。
[ぽん、とバックの上から軽く叩いて見せる。]
始めまして。セイバーのサーヴァント。
[こちらは戦うとなっても特に衣装が変わる事もなく、
みちるの父親の服のままで挨拶を投げる。
おかしなことを言った自覚はないのに
殴られるのはさすがに嫌だったので、
戦闘に備えて繋いでいたみちるの手を解いた。]
えんじょこーさいって、だって、ごはんたべさせてあげたり
おようふくあげたりそういうのするんでしょ…?
…あっ、おじさんてぶくろ!あしたかいにいこー。
[ダメ、ゼッタイ。
そんなポスターをどこかで見た気がするが気のせいだろう。
んん、と首をかしげると後ろでうさぎ耳がたらりと傾ぐ。
先だって頼まれていたことを思い出したように付け加えたので余計な想像のスパイスを全力でぶちまけていることにあまり気づいていない]
あのねえ…かくご、ってあんまよくわかんない。
でも、みちるはみちるのおねがいがあるからがんばるの。
どうしてもおねがいしたいことがあるから、
みんな、せいはいせんそー、がんばるんでしょ?
[ちがうのかな、と問いかけた女をじっと見る]
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