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近寄るなって…言ったでしょ!!
『ポート』
[転移ポータルを作り出す。冷静さ欠いている彼はそれに気がついただろうか。気がつかなければ千早の後ろへ無理やり飛ばされてしまうだろう。避けられたならその一瞬で自分が後ろへ後退するだろう。]
ハァハァ…ぅぐぅ…魔力使いすぎたかな…?
[動いていないのに消耗は激しい。空間魔法の最大のデメリットだ。もう数回使えば魔力を回復するまで銃撃しかできないだろう。]
…!?
[斬った感触はなく、思いっきり空振り。絶対に仕留めたと思ったのに、と周囲を確認すると、10mほど後方に千早の姿。ちっ、と舌打ちして千早を睨みつける。]
小賢しい真似を…っ!!
早くエリィを返してよ…!
僕がエリィを消した?そんなの嘘だね、だって、あの魔法は千早がかけたものじゃないか!
[そうだ。だから、僕は千早を殺さないといけないんだ。
抑えようともしない魔力で、バチバチとこの一帯だけ昼間だと錯覚させるほどの光を発生させながら、クロロは怒りに任せてそうまくし立てた。]
え?クロロ…なのか?
いったい何を…
[自分の名前を呼ばれ驚いている。
禍々しいオーラを放ち、凶暴な爪と牙を生やしてはいるが面影は少し残っていた。
其奴はまぎれもなくクロロであった]
千早だと⁈
「gravitation barriere」
[>>35 クロロが千早と叫んでいなければ、魔法は使わなかったかもしれない。(残8
光によって照らされたことで、クロロが戦っていた相手が千早だということが分かり、ミツルは瞬時に障壁を千早に張った。]
クロロやめろ!
千早もやめるんだ!
[必死で止めようとし2人に近づくミツル。
(ミツルは千早にプレゼントされたネックレスをしている)]
[死者の兵が崩れ落ち、アレクもまた顔を俯け。短いはずなのにひどく長く感じる時間、沈黙の帳が降りる]
っ……。
[再び上がった彼の顔――セシルと自分を交互に見つめるその瞳が金の色を取り戻したのを目にして、じわりと視界がぼやけた。ばさりと脱ぎ捨てられた黒衣のコートを目で追いながら、ぐいと乱暴に目許を拭う。
かつては無責任に信頼し、今真正面から信じようとした彼の心が、まるで物語の人狼のように獣化していたアレクの身体を取り戻す様を。彼の言葉>>27を受け止める]
――当たり前だ…。
遅えんだよ、ばかやろ……。
[昔とも、つい先ほどまでとも違う笑み>>28に、やっとアレクシス・ベスティアという男の隣に立てた気がした]
……女神の影響は、あまりにも大きすぎる。相手取るには、やる事が山ほどあるんだ。
覚悟してろ、こき使ってやるからな。
[ふらり、距離を詰めて。
間近で金の瞳を見つめ、自分もまた釣られて戻り方を思い出したかのように青い瞳へと戻る]
――こ、こういう時は気付かない振りするのが礼儀だろ…。
[目をそらし、ひどく弱弱しくアレクの胸に拳を叩きつけ。
彼が向き合ったセシルへと意識を向けた]
[いっぱいいっぱいだったためか、人を観察し情報を得る生業のくせに彼女の表情>>32や気持ち>>33の推移を察する事もできず、アレクの問いに答える彼女を見つめる。
確かに、戦闘のみに彼の助力を求めるようでは自分もアレクもまた同じような過ちを繰り返してしまうかもしれないのだと気付かされたような気持ちになりながら]
そうやって、気遣いながら――あんたは。
復讐ではなく、マオの死に意味を求めて戦うのか?
[大切なものを奪われ復讐と戦争をなくすために動く自分たちと、大切なものの死を無駄にしないために生きる彼女の信念とはぶつかり合うかもしれない。
紛いなりにも聖職者として、連合国に勝利を導こうとする彼女と、ほんの数日前だったら迷いなく対立しただろう。しかし、シエラと言葉を交わし、アレクと向かい合えた今、なんの躊躇もなくセシルを切り捨てる事は出来なかった]
………連合国が、勝利し女神像を得て、昔のような形で平和を得ようとするならば。
俺はあんたと戦う事も厭わない。
たとえば、マオの姿に変じてあんたに酷な思いをさせようとも。容赦も躊躇いもしねえ。
[だが、と言葉を繋ぎ]
――今は、その時ではないと考える。
俺には、取り戻せないもののために何をしてやるのが最善なのかは分からねえが、あんたも俺も自分の道を行けばいい。
その時までは……お互い、少しでも納得のいく未来を掴めるように願ってるぜ。
[誘うでもなく切り捨てるでもなく、そう結論づけて。そっと目をそらした]
はっ…!ははは!!
エリィが戻らないだって!そんなの嘘だ!
僕にエリィを渡す気がないから…千早はそう言うんだろ?
[クロロは千早の銃口に真っ直ぐ剣の切っ先を向けて。]
そんな言い訳、僕には通用しない。
エリィは帝国には連れて行かせない…女神を嫌っているエリィに…あの場所は地獄だ!
僕は千早を殺して、エリィを取り戻す!
[クロロは、障壁ごと千早を消そうと、魔力を強く込める。
>>40国に帰る…?ミツルは、何を言っているんだ。今重要なのは千早を殺してエリィを元に戻すこと…それだけじゃないか。]
[もうクロロ自身の魔力はほぼ枯渇している。これ以上使えば、時間とともに魔剣の侵蝕が進むだけだ。…爪と牙だけだったのが、目は赤く輝き、拳は黒い獣のような体毛で覆われていく。…もし、魔剣の魔力も枯渇した、そのときは。]
エリィを返せ…エリィ、エリィを…!!
[そして、千早に向けて特大の電撃が放たれた。]
―回想/数日前・帝国同盟 基地の外>>3:103―
……そうか。今は、それでいい。
ただ、俺があんたを必要としている事、絶対忘れんなよ。
[半ば予想していた答えに、ふっと笑みを返す。
歩み去る背中を見送りかけ、少し考え込んでから声をかける]
おい、シエラ!
[彼女が振り向いたなら、紅い宝石のような魔道具――情報の漏洩を防ぐために指定した使用者と回数のみ利用できるよう設定された通信機を投げ渡し]
考えが変わった時でも情報が欲しい時でもいい。それを使えば、俺に繋ぎがつく。
――これから易々と彼方此方動き回れない状況になるかもしれないからな、お試しで一つくれてやる。
魔力の波形を探られて逆探知できないように、回数制限で使えるのは二回。必要になったら呼べ。
[シエラの反応を見届ければ、鷹に身を変えうすあおい羽を残してその場を去っただろう*]
−3d午後−
[ジロに思いの丈を吐露する内に、またも気を失っていたらしい。本日二度目の覚醒は、前と違い急激だった。はっと目を開ける。起き上がって周りを見渡せしたが、室内には他の病人以外の姿はない。ジロは外に出ているらしい。]
(とにかく、誰かに事情を聞かないと……)
[目眩は治まっていた。彼にもらった薬が効いたらしい。ベッドから出て歩き出そうとして、軽くたたらを踏む。たった一日とはいえ、全く動かずに過ごした所為で、身体が固まっているようだ。
怠さの残る足に鞭打って、廊下にいた適当な兵士にここ数日のことを尋ねる。エリィゼの凶行とクルーク・アレク両名の謹慎。停戦協定に向かった外交部と他同行者の暗殺。自分が寝入っている間に、随分色々なことが起きていたらしかった。まず自分を庇ってくれたことの礼が言いたかったので、アレクシスの居場所を聞けば、兵士は困ったように答える。]
「それが……謹慎が解けて後、移動用魔導具を用いて何処かに出掛けられたそうで。」
[口には出さないが総司令官も業を煮やしているらしい、と小声で付け加えられる。単独行動ということか。]
それは…こっちのセリフよ!!!エリィを返せ!!
『オンウェイ・グラシス』
[空間を歪め、魔力の方向を"真逆"に変える魔法を唱える。簡単にいえば反射させる魔法である。]
消炭になりなさい…ッ!
[魔法が完成する直前、魔力がそこを尽きたのを感じる]
え…っ!?
[未完成の魔法に直撃した電撃が四方八方へ飛んでいく。そのうちの一つが、千早の左足に命中した。]
アァァアアアッ!?!?
[今すぐでなくとも、いずれ彼は戻ってくるはずだ。なら、それまで待ってから会いに行けばいい。わかっているのに、それでは駄目だという気もした。
一体どうしたものかと悩んでいると、伝令を受け取る部署の人間が慌てたように走ってくるのが見えた。どうやら、B地区で何か異変があるらしい。軍同士の衝突ではなく、内部発生した派手な戦闘のようだ。A地区にも同様に何かが起こっているらしいが、同盟国領付近なので詳細がわからないらしい。もしかしてと思う。]
(内部からなら、火種はスパイか侵入者だ。アレクシスの出た時間からしても丁度いいし、彼も戦ってるのか?……くそ、これだけじゃ分からないな。)
[情報不足に悪態をついても、状況は変わらない。焦燥という程ではないが、何か心に引っかかりを感じる。]
(あいつの死で弱ってるのか?…らしくもない。)
……ただ、礼を言いたいだけだ。待ってればいい、ここで……
…大丈夫。
[言い聞かせるように呟いて、その場に座り込んだ。決めた側から、そわそわと落ち着きない身体が恨めしかった。]
[怯えて背中を向けるのでは無く、真正面から。>>43目を逸らされては、弱々しいながらも。胸に叩きつけられた拳を、微笑を浮かべたままに軽くグレンの胸にも返して。]
……ああ、存分に使えよ。
随分遅刻したが…、このアレクシス・ベスティア、仮にも帝国の総司令官補佐を務めた男だぜ?お前の望む働きくらいしてやるさ。
[『気付かないフリをするもんだろ』と言う言葉には、ククッ、と軽く笑いを漏らして。]
…はっ、さっきの威勢は何処行ったんだよ?見逃す訳ねえだろ?
[其処までのやり取りを交わせば、>>34此方の見上げるセシルの方へと向き直る。瞳へ浮かぶのは申し訳なさともつかない何か。]
もうやめろ…
[そう呟き、先程よりも強力な重力を2人にかけた。
しばらくは動けないだろう。(残4
千早はまだミツルに気付いていない様子。]
帰ろう…クロロ…
[もう2人には傷つけあって欲しくなかったミツル。
武器を構えクロロに近づき、話をしようとしている。
もし、クロロが攻撃する気配をみせたら、ミツルはクロロに斧を振りおろす。]
う…あ…!?
ミツル、魔法を、解いて…
[思い切り、地面へと押し付けられる感覚。千早が反射させた電気も当たったが、それは全て魔剣に吸収され、無効化される。それにしても…くそ。空間魔法といい重力魔法といい厄介だ。
頼んでも魔法を解こうとしないミツルを見て、完全に自分の味方をしてくれるのではないと悟ると。
クロロは、電磁力による反作用を使い、バチバチと音を鳴らしながら、ゆっくりと体勢を立て直していった。
だが、かけられた魔法に抗っているため身体にかかる負担は半端ではなく、身体中の骨が軋むような音がする。
それでも、ぐ。と足に力をこめて、一歩ずつ前へ向かい。]
…げほっ。…くっ、僕、は…!!殺らないと、いけないんだ…!!
そこを、どけえ…ミツル…!!!
[重力場から抜け出すと、おぼつかない足取りのまま、クロロはミツルに向かって剣をふりおろそうとした…。今のクロロになら、ミツルは斧を当てて吹っ飛ばすぐらい造作もないだろう。]
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