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―集会場・大広間―
英裕君は見なかったのかい。
村の入口にあった鎮守塚を。
ここで人が死んだのは確かなんだから、
……死んだ人の衣服かも よ?
[懐中電灯が回転して天井を照らし出す。
颯太も英裕も天井を見る機会はなかっただろう。
見ていればそこには何かが在ったとしても気付くことなく。
改めて引き千切られた布の向こうへ懐中電灯の光が向けられた時、そこには、]
[真っ赤な血痕]
[ではなく]
[ぼろぼろだが辛うじて読めるこの村らしき地図が飾られていた。]
[墨と朱。
のたくった文字の連なりと見取り図。]
なあ、英裕君。
[颯太の目は地図のある一点に無意識に向けられていて]
大手柄じゃあないか。
これは探検の戦利品だよ。
おめでとう。
[懐中電灯の範囲外の暗闇の中*歪んだ笑み*を浮かべていた。]
浮遊霊 輝志 がいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(浮遊霊 輝志は村を出ました)
[布で鼻と口を簡単に覆う。
先程の廃屋。
中に何があるのだろう。
中に何がいるのだろう。
見たい。見たい。
足は、“彼女”の居る家へ舞い戻る。]
どうしたんですか、皆さん?
[奥の、千切れた縄が揺れている部屋では
真子と露瓶が青い顔をしていただろうか。]
[至極愉しそうな笑みを浮かべて、床に落ちた縄を見つめた。
そして、赤い縄の痕を持つ“彼女”を見上げる。]
…………残念です。
[きっと、おそらく、居るのだろうに
僕にはあなたがわからない
どうすればあなたに会えるのでしょうね。
くしゃりと顔を歪めて、揺れる縄を見る翔太の姿は
周りから見れば心を痛めている様にも捉えられるかもしれない**]
―鳥居近く・糺森一行と―
[斎藤君が頑張っているようすは微笑ましい。やっぱ女子の前ではカッコいいとこ見せたいものです。お兄さんは応援してるぞ。]
……へんなの、村の入り口に鳥居とか
[くわえタバコをぴこぴこと上下させつつ、僕は呟く。あと追う早乙女君が追い付きやすいようなのんびりとした足取りをさらに緩めた。]
――千本鳥居とは違って、
古びた感じがまたなんとも……。
[やばい、顔ひきつってる自覚はある。]
[愉悦に満ちた笑み、視ている、見て、いる?]
…そう、残念なの?
欲しいのなら考えなさいな。
[この男、隣で縄を見つめる男より余程欲深と見える]
[意識的に眼をとらえることはしなかった、けれどもし視線がぶつかれば]
[此方の姿が眼に映ったことだろう]
あー?しょーた戻ってきたん?
[くだらない思い付きを実行に移そうとしたと同時にあがった、入口付近の声>>301に、思わず振り返った。]
なんかこーさーガタガタっとなったわけよ。そしたら2人ともビビり出すからぁ。
なんか見たって?黒髪?俺は知らねーし。
[ゆるゆると、彼の疑問に簡単に答える。分かりやすい文章を心がける気遣いなど、あるはずもなく。
彼の悲哀の表情>>302を気にすることはなく、またバックパックの奥底から、目的のものを引っ張り出し、
空に揺れる縄を指差す。]
な、これすごくね?首吊りの縄っほいん。
そういうのが、生者を引き寄せるって、出来の悪い怪談にありがちじゃん?
[そして、荷物から取り出し、手に持った縄を、ゆらゆらと振り子のように振って見せた。]
おれたちでさ、仕立てあげて帰ろーよ。
仲間を増やすの。古い縄と、新しい縄。
冷静に考えたら分かることだけどーー愉快じゃない?
まるで、本物みたいなここに、ほんの少し、嘘を混ぜて帰るの。
人口くささと、本物っぽさ、どっちが勝つか、試してみようぜ。
近頃はネットなんて便利なものもあるしね。噂は作りあげりゃいい。
[やっぱりマネキン、持ってきたら良かったなあと、小さな声でぽつりと漏らした。]
――……、
[鳥居を越えて、先。
幾分か肌寒く感じるのは気分のせいだろうか。
それとも、視線の先にあるものが原因か]
……鳥居どころじゃない。
鎮守の塚、とはまた……いよいよ。
[薄ら寒くなった気分を落ち着かせるように、ゆっくりと煙を吸う。
僅かに明るさを増す煙草の火が、なんとなしに有り難かった。
肺いっぱいに溜めた煙は、吐いた傍から頼りなく散った]
―鳥居をこえて―
……さむ
[小さく呟いてしまった。
なんだろう、芯から冷えるような心地がする。
石川君が何か言っている。]
……鎮守の塚……?
[皆がはぐれないように気を使いつつ、
繰り返してみる。
民俗学とかだっけ。僕は詳しくないんだよなあ。門外漢だ。]
なんか、こう、
おどおどろしいな 既に
[冗談めかしたつもりだったけど、
そらぞらしく響いた気がする。
だって、なんだかここ―――]
本当に寒いね。天気予報では今日は暖かくなるって言ってたのに。
[風1つ吹いていないのに奥底から凍えるような寒さに思わず身震いをする]
ジャンバー持ってこれば良かったなぁ。
[塚を見つけ、美奈の話を聞くと]
触らぬ神に祟りなしよ。鎮められているなら、鎮めておいてもらうのがいいね。
後で塩でも撒いておこうかな?
なんだか、崩れてて可哀想だし。
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