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何度言われても、
そういう貴方が、面白いの。
そう言って居るでしょう?
虐められた猫のような姿が、―――。
[肩を抱いていた腕を広げた。]
どうしてそれ程までに触れられることを嫌うのかしらね、
”触れずの君”?
[広げた腕の先、手をしならす。
ウェスペルの退路を断つよう、彼の背後を取り囲む半円の形であがる黒炎。]
―或る屋敷―
[それは、豪邸と呼ぶにはあまりに小さい屋敷。その屋敷の外壁は全て白い大理石に囲まれており、小さな庭と幾本かの木、そして蔦の群れが、たおやかな姿で屋敷に寄り添っている。]
[闇色の世界の中で小さくひっそりと息をしている屋敷の中に入ると――そこは外見の「白」とは異なり、無数の「青」と、「青」を縁取る「黒」と「白」に彩られていた。白い大理石の壁には黒の模様が施され、その隙間を青の宝石が埋め尽くしていた。
純粋な青、鮮やかな青、闇を抱く青、魔界には昇らぬ「太陽」とやらの光を抱く青、土色にくすんだ青――「群青」。]
[壁に無数の青が飾られた一室――ある青は無邪気に、ある青は優しく、またある青は妖しく煌めく部屋――で、かれは前髪をかき上げ、鏡に向かってしかめ面をしていた。]
んんー……何もしてなくても、額にシワが。
すっかりおっさんになっちゃいましたねぇ……
[あはは、と笑うかれの目尻には、くしゃりと笑い皺が寄っていた。]
[泡がひとつ浮かび、弾けた。
鏡面に皹が入ったかの如くに水面が割れる。
岸辺に手がかかり、内より、小柄な身体が現れた。
灰色のブラウスに、胸元の辺りに細いリボンをあしらった白のワンピース。襟元と裾は、黒く縁取られている。他には何もなく、素の脚を晒していた。
しかし髪から衣服まで全てしとどに濡れており、絶え間なく滴が落ちる]
ん、はあ。
[魔自身はそれを気にしたふうもなく、大きく伸びをした]
ッ、
――不愉快だ。
誰が猫だ、失敬な。
[やはり眉を寄せたまま。]
よく飽きないものだな。
……お前には関係のないことだ。
[さて、どう逃れたものかと
黒い炎へと視線だけを向けた。]
―青の屋敷にて―
あー……せっかく領主の地位を争うならば、「セッション」の場に、いつもの服じゃなくて、礼服で向かわねばなりませんかねぇ。アスコットタイがいいでしょうか……
[従者である、細身のオンナ――のカタチをした悪魔――に笑い掛けるジュアン。そして、かれの笑みに呼応するかのように、従者も目を細めて笑った。ふぁさり…とひとつ、背中の羽根が動く。
その従者の右目は、とても綺麗な青い瞳をしていた。]
んー……やっぱり、アスコットタイはやりすぎですね。普段の服装がラフすぎるから。どうでしょう?
[黒のロングタキシードの首元に、いつものインディゴブルーのマフラーという少々奇妙な出で立ちで、ジュアンは従者に振り返る。
無言でちいさく笑う従者の左目のあたりは――黒く、窪んでいた。
そして――それに呼応するかのように、壁に立て掛けられている琵琶の瑠璃色の端が、キロリと光る。]
飽きはしないわ
[眉根を寄せるウェスペルに、歩み寄った。
しかし近寄るのではなく、少し距離を空けてゆっくりと彼の周りを歩く。]
その苦渋に満ちた表情、触れられんとした瞬間に慌てるさま……
もっと怯えさせたくなるばかりよ。ウェスペル。
[彼の視界へ割り込むように]
―青の屋敷にて―
[ジュアンはしばし従者の右目をじっと見つめる。従者の顔に双の掌を寄せ、その親指で左右の目のあたりを優しくなぞる。]
[美しい青を抱く右目。
どすりと重い黒に染まった左目の跡。]
……あなたのきれいな「青」、好きですよ?
[ちいさく笑むと、ジュアンは従者の双の瞼にひとつずつくちづけを落とした。微かに頬を染める従者に、しばしの留守を預けると伝えると――かれは琵琶を手にし、何処へと飛んでいった。]
―屋敷→……―
[不機嫌そうな面持ちで黒衣の魔が立ち去るを見るも、やはり薄い笑みは消えない。
愉しくて堪らぬというように、くつくつと肩を揺する。
馬車に乗り込む刹那、僅かに振り返るその視線に、唇をすぼめて小さく鳴らした。]
[巡るように歩く、妖艶な容姿をした魔へと
警戒も露わに、隙を見せまいと注意を払う。]
……悪趣味だな。
私は、お前の悪趣味を悦ぶような素地は
持ち合わせていない。
悪ふざけも程々にするがいい。
[視線に割り込むようにロネヴェが動く。
それを睨むように見据えるウェスペルの手には
銀の針が編まれるように現れた。]
[ふわふわと空を舞うかれの目は、何処かに面白そうなものが落ちていないかといわんばかりの楽しげな色に染められていた。]
んんー……ざわついてますねぇ。いろいろ。
野心家さんたちの「音」がしますねぇ。
良い声です、良い響きです。
[闇の馬を差し招くと、近付いて来た太い首に腕を回し、夜色の鬣に顔を埋める。
鏡のような湖面が割れ、小さな姿が這い出してきたのをちらり眺め──]
[悪趣味と誹られ、ロネヴェは高らかに笑う]
失礼しちゃう
悪ふざけだなんて
私は本気よ。
[銀の針が、ウェスペルの黒手袋の中で煌めいた。
ウェスペルの視線もまるで針の如く、鋭い。]
おお怖い。
そんなモノで串刺しにされるのは御免ね。
[笑いながら腕を伸ばし
彼に触れるのではなく、宙を舞わせる。
半円を描いていた黒い炎は、二人を囲む真円に]
[緩くかぶりを数度振り、飛沫を散らす。
頬に手を当て曲線に沿って撫ぜると、顔を濡らしていた全ての滴は掌に集まり、吸い込まれた。
闇の黒馬の許に佇む魔へと乾いた顔を向け、首を傾げて濡れた髪を揺らす]
遊び相手に、逃げられてしまったの?
[一定の距離を保ったまま、問いを投げる]
[地上を見下ろすと、鏡のように光る湖があった。]
あっれー……?
こんなところに湖ありましたっけ?
[ふわり、その場所へと舞い降りる。]
[高らかな笑い声に
益々険のある表情を浮かべた。
笑う女と、不機嫌極まりない男、奇妙な図であったろう]
本気なら猶更性質が悪い。
此方は堪ったものではないぞ。
[黒炎が奔る。
囲む炎は逃げ場を無くす。
ち、と短い舌打ち。]
私としてはお前を動けないように
縫いとめてやりたい心地だがな。
[機会を伺うように、じり、と下がる。]
[ふわりと黒い霞のようなものが身体を取り巻いて漂ったかと思うと、薄衣は消え失せ、代わりに深い夜色の光沢帯びたローブが膚を包んでいた。
愛馬の鬣を指で梳りながら、幼い顔立ちの魔を見遣る。]
どうやらそのようだな。
何ならお前が遊んでくれてもいい。
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