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[音がするほうを見れば横たわる何者か。
白と蒼、ともすればそれは真珠と貴石のようにも見える。
このような森の中に1人、
貴族であろうか。
ウェスペルは不思議そうに少しだけ首を*傾けた。*]
[馬車の影が草原の上に落ちたのに気付いたのか気付かぬのか。
気怠く水面を掻き混ぜる指は止まらない。
一見無防備に草叢にうつ伏せて横たわる、その姿態はあくまで白く艶かしい。
ふと、伏せた面がもたげられ、倦怠を湛えて半眼に閉じられていた瞳を背後へと向けた。]
……。
[湖の畔、水音がふとリズムを変えると
闇色の馬はそちらを向く。
成程、確かにこの魔は主であるらしい。
艶かしい気配を纏ったそれは気だるげな様子で
瞳を薄く開いていく様子で。
――淫魔か。
ウェスペルは眼を細めた。
少しばかり警戒の色を滲ませる。]
……お邪魔をしたかな?
[肩越しに振り返るその瞳は、蠱惑の艶を帯びて濡れていた。
紅い唇が口接けを誘うかのようにうっすらと開いて、]
[くくく、と喉を鳴らして嗤った。]
[濡れたような瞳に、嗤い声。
やはり淫魔。
ぞっとするほどうつくしいが、
それ故に警戒心は高まり、金の瞳の魔は眉を寄せた。]
……何が可笑しい?
邪魔?
邪魔になるほど忙しくなんかない。
丁度暇を持て余していたところさ──
[機嫌の良い猫のように喉を鳴らしながら、ゆっくりを身を起こす。
白い肢体もまた、さながら猫のようにしなやかになめらかに動き。
下肢を開き片膝を立てて草叢の上に座れば、隠すものとてない秘所が全て露わになる……威容を備えた男の徴も、その下にひっそりと息づく女の花弁も。]
[黒衣の魔の警戒心たっぷりの視線も気にならぬらしい。
立てた膝の上、両手を置いて頬を乗せ、唇の両端をうっそりとつり上げた。]
[魅惑を武器とする淫魔に恥じぬ
しなやかな動きは無駄がない。
両の性を持つ様子も微塵も不自然ではなく
寧ろそれこそがその者に相応しいように思えた。
闇馬が鼻を鳴らす。]
……暇か。
無防備な姿を晒しては辺境の地とは言え
危ういのではないかね。
[自信があってのことだろうが、敢えて尋ねる。
腕を組み、笑みを浮かべる魔の様子を伺った。]
危うい……
であれば護っていただけますか?
見たところ貴方は、弱いものを甚振って愉しむような下賎な趣味のない、志の高いお方のようだから。
[芝居じみてあからさまな媚を声に乗せ、愉しげに目を細めた。]
……さて、どうだろうな。
寧ろ其方の様な魔には、
甚振って愉しむ者を引き込む方が得意なのではないかとお見受けするが。
[乗せられた媚もすげなく流すように、
ウェスペルもまた眼を細めた。]
つれないなぁ……
私はお気に召しませんか?
[拗ねた口調で顔を背けるが、艶含んで送る流し目は変わらず愉快そうに煌いているし、唇もかっきりと微笑んでいる。]
[魔の意識と細指とが逸らされて、静寂を取り戻していた水面の闇が揺らいだ。
岸辺より離れた場所にて、音もなく小さな波紋生まれ、緩やかに広がり、薄れて、消えゆく。
それきり、湖は再び鏡と成った。
*影はなく、風もない。*]
生憎と、じゃれ合う趣味はない。
……媚を売る者なら幾らでも居るだろう。
其方なら幾らでも釣れるのではないか。
[言外に、眼の前の淫魔に対し
一定以上の評価をしていることを滲ませる。
が、あいも変わらず警戒はしたまま。
ふと。
再び鏡の湖面が揺らいだのが眼に入ったが、
それは直ぐに消えてしまう。
泡沫のように。]
――……。
[いまは亡き、ヴァイイ伯の居城。
ロネヴェは門前で騎乗の足を止めさせ、首に凭れた。
館に、その主の居る気配は無い。
単に外出しているといった風でも無く、長らく主を持たない空虚さがあった。
門扉のまえに、石版が突き立っていた。
青白い、稲妻のような光で、石版に文字が刻んである。
後継者”候補”とされている者の名だ。
ロネヴェはそれらを眺め、一つずつ確かめ、あくまで優美に唇の両端を*つり上げた。*]
[湖面の漣に気付いておらぬ気に、快活な笑い声を上げて立ち上がる。]
お堅いんですね、貴方は。
網を張って待ち受ける蜘蛛の誘いには乗らぬと思っているのか……
[そこで一度言葉を切り]
……それともうぶなのか。
[そう言って浮かべた笑みは、これまでと全く異なるふてぶてしい男臭い嗤いだった。]
[突然上がった笑い声に
些か面食らったように瞬きを2度。]
……それと分かっていて飛び込むほど
物好きではないのでな。
[続いた言葉には]
……。
[少しばかり憮然とした表情になる。
先程とは全く違った笑みを浮かべる眼の前の魔を見据えた。]
[候補者の名が列記された石版の最上部には、一般に魔王と呼ばれる、悪魔、魔物達の王、名を呼ぶ事も憚られる魔界の王の捺印がある。
これは、勅令。
此処に記してある者共の間で領地を争えという令。
細かなルールなどは無論、存在しない。
殺し、奪う。背き、欺く。]
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