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【魔術師の塔・掲示板前】
>>糸 >>銀 >>隠
[何人かの研究員が、幾度か行きかっては、貴方達を興味深げに覗き込んだり、噂話をしていた。
それはほとんどが野次馬だった、気にも留められていなかったろう。
ただ。
そのうちの一人が、掲示板を確認すると、何処かへ足早に去り。またそこへ戻ってきて、こう言った。
「随分、消耗していらしたので」
「何か変化があれば知らせるようにと」
「代行で貼らせてもらうよ。」
そんな事を幾つか言って、一枚の紙を貼った。]
>>192銀
[毅然とした反論、に一瞬、目を丸くした。貴方のか弱い印象は、大分しっかりした物に変わってきていたのだけれど、それでも、これほどはっきりと攻撃をする貴方は、見たことがなかった。]
>>193
[眼差しに芯が通っている。男の子はすぐに置いていってしまうなんて感情が、不意に沸いた。貴方の決意は、大人びて見えた。]
……そうなの、かな。
[苦く笑う。目の前の相手を疑っていることを、隠しただけでこんなにも辛いのに、と思っただけ。自分は優しいとは程遠く思える。それだから、苦く。]
>>192銀
たぶらかそうなんて、思ってないよ。
そう思ってるから言っただけだ。
きみはどのみち僕に投票するんだろう。お兄さんの言葉を信じて。
[ぼんやりときみの瞳を見続ける。さっき見た人と同じ赤だ。そう思った。]
>>194糸
[貴方に入れる。そう聞いても、青年は首を振るだけだった。]
…そう。
リネアさんが信じるならそうすればいい。
何を言っても、もう変える気はないんでしょう。
僕も、信じる方に進むだけ………だ…、
[と、新たに貼られたメモに気付く。出来るだけ感情を抑えていた様子であった青年の目が、驚くように見開かれた。]
【寄宿棟・一室】
[もしこのうるさい音が無くなって、
安らかに目を閉じることができたなら、
俺はそのまま死ぬのではないだろうか。
沼にゆっくりと沈んでいくように。]
[柔らかい毛布にくるまって、
安らかに眠ることが出来たら、
どれだけ幸せだろうか。]
[夜分に意識を失う感覚とは、
随分楽なものだと知った。
その何刻もの間、何も考えずに済む。]
>>196獣
[新しく貼られた紙へ目を向けた。顔がくしゃくしゃに歪むのを、止められなかった。同じだ。信じたいから信じているだけ。矛先が、完全に違ってしまっただけ。]
……私たちも、投票。いかないと。
[ようやく、それだけ。]
[ぽつん、と誰も居なくなった居間に佇んで。]
――来たりし者でも?
ふふふふふふふ、あははは、うれしいなぁ。うれしいなぁ。
俺も愛してるよぉ? 兄さん。
[歪な笑い声をあげながら、ざくろの果肉を指先ですくいとった。]
[人肉の味は、甘酸っぱかった。**]
[ベッドに腰かけて、ナイフを抜いた。
小さな刃が、小さな灯りに照らされて輝いた。]
[生身の腿に、そっと冷たい刃を当てる。
すうと引くと、ぷつりと皮膚が裂けて、
赤い球がぷっくりと膨らんで現れた。]
[刃先を球に当てると、小さく弾けて刃に纏わる。
そのままくりと切り口をほじった。
肉が掘り拡げられて、どくんどくんと血が垂れ出た。
耳の奥でぎんぎん響く雑音と共に、拍動の音が聞こえていた。]
[無感情に。**]
【寄宿棟・一室】
いつの間にか。狐のような白い影が。あなたの部屋の片隅に佇んでいる。
扉は締まっているのに。窓は締まっているのに。
ただ。
貴方を見ている。見ている。みている。
[塔についた。
ミリオとサラの、掲示板に新しく貼り出されたメッセージを読んでいる。
とん、とん、とん、と、足先で地面を叩く。
考えている。]**
>>205狐
[刃を持ち上げた。
刃を見る。
俺の血がついた刃だ。]
[視界の端に、白いものが映った。
ただ、無感情な視線を、そこに投げた。]
まだ、きさまは、
まだ、俺に文句があるのか。
>>199隠
[それは紙を読む前か、貴方の言葉を黙って聞いた。変える気がないと言われれば、瞳を揺らがせながらも、貴方の方を見て。しっかりと頷いた。]
>>隠、銀
[――声をかけてから、この日を惜しむように二人を見て、会議室へと歩き出す。]**
──見るんじゃねえ!!!
[その白い影に向かって、思いきりナイフを投げつけた。
コントロールはめちゃくちゃで、壁に跳ねて転がった。
床に、壁に、点々と赤いものがついた。]
俺の正義だ!
俺の正義だ!!
てめえに何の文句がつけられる!!!
俺の確固とした人生だ!
俺の……俺の人生のための…………
>>208 鉄
狐は何も語らない。
刃にもひるまない。
ただ、じっとあなたを見ている。
それはかくりよのモノか、うつつのものか。
判然とせぬ気配は、ただ、貴方を見て。
責めもせぬ。襲いもせぬ。
ただ、何かを待つように。見ている。
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