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銀色鈴 リコシェ は 隠り処の番人 ミリオ に投票した。
鉄の犬牙 アンブローズ は 隠り処の番人 ミリオ に投票した。
光塵を見つめる リュミール は 隠り処の番人 ミリオ に投票した。
魔獣の女史 サラ は 塵の尾 ヘール に投票した。
塵の尾 ヘール は 光塵を見つめる リュミール に投票した。
見えない糸の リネア は 隠り処の番人 ミリオ に投票した。
鳥を懐かしむ ヴァルチャー は 塵の尾 ヘール に投票した。
隠り処の番人 ミリオ は 塵の尾 ヘール に投票した。
隠り処の番人 ミリオ は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、魔獣の女史 サラ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、銀色鈴 リコシェ、鉄の犬牙 アンブローズ、光塵を見つめる リュミール、塵の尾 ヘール、見えない糸の リネア、鳥を懐かしむ ヴァルチャー の 6 名。
>>鉄
[狐の幻影が消えて暫く、]
[甘い香りがした。鼻腔の奥をつんと痛くするような、甘ったるい香りだった。何処から吹きこんだのかもわからない、生温い風があなたの肌をぞわぞわと這いまわるように。
あなたは、もう随分の間眠れていないはずだった。
本来は今宵も“そうだったのだろう。”
しかし、あなたは久方ぶりに眠りにつく事になるだろう。じくじくと鼻を苛むような甘ったるさが、あなたの意識を、まるで泥沼の底に引きずりこむようだった。]
>>0塵
[この人は、頭を抱えたまま呻き声を上げていた。呻き声をやめれば、カラカラカラと喉を鳴らしていた。それらの行動に関して、この人は全く無意識だった。ただ4日間に渡る不眠が、この人を徹底的に追い詰めていた。声を制限することもできず、自分の意識を操ることもできなかった。]
[ふと、奇妙な香りを感じた。
彼は目を見開き、顔を上げた。
幻視と幻聴は、もう随分続いていた。
けれど、ついに幻臭が来たものかと、ぼんやり考えていた。]
[頭が徐々に、ぼうっとしてきた。
やわらかく、白い毛布に包まれたように、
暖かい野原に寝転がるかのように、
意識が闇に堕ちて行くことは、天上の救いに感じた。]
俺を、
俺を、眠らせてくれるのか。
俺を、救ってくれるのか。
俺は、ずっと待っていた、ずっと、
ずっと、
[この場には、自分しかいない。
けれど、独り言を大きな声で呟くことは自然になっていた。
何かに助けを求めるように、片手を上げて、
そのまま、ベッドにゆっくりと仰向けに倒れた。]
>>3塵
───………
[遠い記憶の母に、囁きかけられているようだった。
雑音が徐々に、頭の中から薄れて行った。
暖かく、安らかな、眠りに落ちて行った。]
[ベッドに仰向けに倒れた青年は、深く、深く、長い寝息を立てている。
ぽろりと零れた涙が、真っ青な肌を伝って落ちていて。]
>>4鉄
んーー………
[扉を錠ごと破壊した侵入者は、実に無遠慮にあなたの部屋に踏み込んだ。また、無警戒でもあった。今までの経験上、この深い眠りから脱した者はいなかったから。]
[こつん、][爪先が何かを蹴った。]
――…んん?
[足元を見おろした。飛び散った赤と、血液が付着したナイフ。それを摘みあげて。鳶色の瞳がちろりと刀身をなぞるようにそれを見た。突き出した舌に刀身の腹を押しつける。
甘酸っぱい、人の味だ。]
駄目じゃないか、こんなに零して――。
それに。随分やつれて……あんまり、美味くなさそうだ。
[ナイフをぽい捨てて、のしりとベッドに乗り上げて。あなたの寝顔を覗き込む。死人のような顔だな、と思った。]
[ぬろぉ][首筋に舌が這わされる。]
>>5塵
[壁に飛び散った少量の赤と、ベッドの足元の大量の赤を見れば、この人が随分荒れていたことは分かるだろう。今この人は軽い寝装だけだったが、腿は刃で肉が抉られていた。]
[すう、すう、と、深く細い寝息を繰り返す。
三つ網が解かれた髪はベッドに乱れ、
目を閉じて無防備に眠る童顔つらは、
ただその辺りの単なる少女のようだった。]
ん、ぅ……
[肌に、舌が沿わされれば、
全く無意識の反射なんだろうが、僅かに呻き声をあげる。
細眉を顰めて、少しだけ身体が強張った。]
>>6鉄
[にぢ]
[首筋に歯が立てられた。獣のように効率的に肉を食いちぎるような牙は持っていなかったから、精精常人よりも尖った糸切り歯頼りに、何度か首筋を咀嚼して。ぶつ、と食い破った。ゆっくりと血をすする。細められた瞳の白目が真っ赤に染まっていった。]
[ぞくぞく、ぞくぞく]
[じゅる][じるるる、くちゃ、]
[ぼんやりと発光する額の聖痕が、あなたの顔を薄暗闇に浮き上がらせていた。][つ、ぅ][唇を離すと唾液まじりの血液が糸をひいた。ぺろ、と唇を舐めて。]
――ごちそうさま。
[それにしても、ひどい顔してるなと。あなたの顔を見おろして。]
>>7塵
[首を食まれる。ぴゅぷ、と唾液が跳ねるような音が出されると共に、もぞり、とくすぐったげに身体を動かした。眉が僅かに顰められて、唇をきゅうと浅く噛んで、]
[じゅる、]
──ぁ、ぅ、
[血が吸われて首筋に感じる痛みでは、眠りから脱出し得なかった。ただ身体だけが僅かに反応して、ほとんど寝言の声を、ぼんやりと漏らした。
──君が口を離せば、ほぼ同時に、浅く噛んでいた唇も開放して、薄く唇を開いたまま寝息を立て始める。]
[無垢な少女のように、無防備なつらで、深く、深く、睡眠を貪る。]
[薄い寝装ごしに、心臓部の聖痕が、ふわりと、赤く光った気がした。]
>>8鉄
[喰うだけもない程。衰弱はしていたが、やはり聖痕者のそれのほうが無能の血液よりも、ずっと甘美に感じた。ぺろ、ともう一度。下唇を舐めて。ベッドから身を離した。]
それにしても。なんて哀れっぽい声だったろう。
――救い、 とか?
[あはは、と笑い声をもらして。]
……本当に求めちゃってるの?
――あきらめてるの?
――星読みなのに?
――みんな、頑張ってるのに?
――リコも頑張ってるのに?
[雨粒のように、ぱらぱらと問いを降らせる。あなたはきっとこたえない。]
確かに、俺は音叉に味方したけれども。
圧倒的勝利を求めてるわけじゃないんだ。
面白くないと面白くない。
>>鉄
だから、あきらめちゃ。駄目だ。アンブローズ。
希望を持って。俺達に向きあってくれ。
じゃなければ、[ぐち、首筋の傷口に指先をつっこんだ。]
――奮い立つ理由を与えてあげるよぉ。
[あなたの血を使って。赤をなすりつけて。壁にメッセージを刻む。]
[ボクは、青色はぐれ星
瞳に光宿らぬハウンドにご主人様は守れない
ボクの趣味は“つまみ喰い”
精精、お気をつけて ]
[そのメッセージの前で、満足そうに頷いた。]
これで、前向きに僕らと愛し合ってくれる気になるよね?
[ちゅ、と赤くなった指先を口に含んで。]
そう簡単に、勝負を投げさせたりしないよ?
[けらけらと笑って、くるりと背を向けた。今宵はぐっすり眠れるだろう。“今宵だけは”**]
>>11塵
[掻き出された血が、裂けた皮膚を伝ってベッドへと落ちる。
じわりじわりと、薄ら赤が真っ白なシーツに広がってゆく。]
[涙がぼろぼろと落ちていた。
[ゆっくり、ゆっくりとやせ腹を上下させる。
安らかな眠りを噛みしめるように。
もう、きっと彼は、昼頃までずっと起きない。]
[やわらかな月光が、赤の滲む部屋を照らしていた。]
[彼は、起床した時に、
現実を見て、 **]
[震える手で、針金の鳥を飛ばした。せめて返事が来るまでは、今、また悲観に支配されるわけにはいかなかった。だから、あの獣の師が、家族と会えたことだけを願った。テラスに残された痕跡を、頭の隅へと追いやった。それでも足元が揺れ続けているような感覚が収まらずに、こみ上がるものを必死で堪えた。まだ考えなければならない。]
["あきらめるな"。あの気味の悪い文でさえ、そう言ったのだ。]
[はた、と足が止まる。似たような言葉を聞いたばかりだ。こんなことを関連付けた自分の頭に苛立った。けれど――あの文字は、似ていただろうか。大事にしまってあった紙飛行機を、いつもの鞄に移して塔に戻ったのは、そういうことだ。]>
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【魔術師の塔・掲示板前】
[周囲が余りに煩い中で、掲示板を見上げた。ああ。そんな予感はしていた。あの忠実で弟想いな【星読み】は、きっと何があっても自分の大切な人を護るのだろうなと。自分の中で何かがストンと落ちた。足元の揺れは収まりつつあった。]
[踵を返す。]**
>>糸
[例の声明文の文字は金釘文字であった。対して、青年のそれは滑らかにペンを走らせていた。ただ、
あきらめるな。
あきらめないで。
声明文と、青年の言葉があなたの脳裏で歪に絡みあっていたのだろうか。何かの悪意がそこにあるかのように。**]
【寄宿棟・一室】
[もうとっくに昼を過ぎた頃、この人はようやっと起床した。目を覚ました時、自分が一体何をしていたのかさっぱり理解できなかった。
何せ夜に意識を失って、再び取りかえしたというのだ。そういう現象が睡眠と言うことを、この人はすっかり忘れていた。]
[明るい窓の外を馬鹿みたいに眺めて、一切の何も考えない時間が数分過ぎた。
ようやっと「自分が寝ていた」ということに気付いたけれど、その次には、この周辺が不気味なくらい静かなことに驚いた。
鳥は鳴いているし、廊下からは誰やらの話声が聞こえていたが、それでもこの人にとっては異様すぎる程に静かだったので、その理由が分からなくて怖くなった。]
[無意識に首を傾げて伸ばしたら、首筋がずきっと痛んだ。眉を顰めてそこに手をあてたら、乾いて粉っぽくなった血が僅かに付着した。そして丁度偶然、毛布に血が滲んでいることに気付いた。
目を僅かに見開き、咄嗟に辺りを見回したら、壁に描かれた霞んだ赤いメッセージを見つけた。]
[その時、やっと、この爽快な気分と、静寂の理由を知った。]
……!!!
[がばっと毛布を頭から被った。辺りを暗闇に落とし込む。
脚と腕を折り畳んで、犬のように身を縮める。短い寝装からはみ出た尻尾と、頭巾なく開放された耳がひくひくと震えて、いずれ、へたりと力無く下がった。]
[聖痕のある心臓部から、どっくんどっくんどっくんと激しい鼓動が聞こえた。脂汗が滲んで出てきた。呼吸が激しくなった。余りにも急激に、強烈に心臓に負担がかかったものだから、心臓が力尽きてしまうのじゃないかと思った。
物凄く暑いのは、全身を覆う毛布のせいじゃない。身体の内部から、ぞわぞわするような熱が沸き上がってくるのを感じた。なのに寒くて、がくがくがくがくと身が震えた。]
あぁ、
[呻き声を発した。]
[──ああどうしよう、どうしよう、どうしよう!俺は力を失ってしまった!ぼっちゃんを護るために差し出した力が! いや、それどころではなく、どうやら"人と言うべきじゃないもの"になりかけているらしいぞ。一体俺はどうすればいい?このような事態を、ぼっちゃんに、リコシェに、今後何と言えばいい?
俺は果たして追放されてしまうんじゃないだろうか。もうとっくに、今まで築いてきた殆どの社会を捨てて、俺の命を正義のために使ってる。なのに、遂に旦那様にまで首を切られたら、俺はきっと死ぬだろう。
ああ、何てことだ、……]
………
[……いや…………待てよ?]
[ベッドに横になったまま腕を突き出して、跳ねあげた毛布を、腕と脚で抱きこんだ。]
[これは実のところ、好転なんじゃないだろうか?
"来たりし者"は波動の力を受けないと、賢者は言った。
ならば、ならば、
"かの人ら"が俺を追放する力に、一切勝ることができるのではないか?]
[そうだ。何ら悪いことなど無い。
俺は何の障害もなく、ぼっちゃんを御守りできるじゃないか。
この身は、"人と言うべきじゃない"身は、実に都合がいいじゃないか。]
[──ああ、ぼっちゃん。
決して私は貴方を離しません。
貴方が仮に"御力"で私を追放しようとも、
私は既に人生を貴方に捧げたのです。]
[覚えておられますか。
あの時時の情熱を。魂の響きを。
決して私は忘れておりません。
幼い貴方の一挙一動を。一言一句を。
私は貴方をお育てしたのです。]
[私はうれしいのですよ。
身を切裂く痛みを伴った裏切りも、
永く続いて死に近かった苦しみも、
貴方にお捧げできる事が幸せなのです。]
[左手首に巻かれた網紐が目に入った。
そっと眼前にそれを近付ける。
前歯でそれを噛みしめる。
きりきりきりと音を立てて。]
[喉を焼くほどに甘い血の味を想像した。
湧いた唾液を喉に流し込んで、身悶えする。
シーツをぐしゃぐしゃに乱して、
毛布を強く抱きしめて、
一人、自意識の世界に耽った。**]
【寄宿棟・一室の前】
>>鉄
[男は部屋の前にいた。部屋の場所は塔の人間に聞いた。本人が中にいるかは知らない、どこにも見た人がいないのだから、多分中だという検討をつけているだけである。
ゆっくりと片足を前に上げ――引き絞った弓を放すように前に突き出す。衝撃音と、木に亀裂が入る破壊音が同時に響く。
けたたましく、男は無言で扉を蹴り飛ばす。亀裂から木のささくれが飛び出し、割れ目から破片がはじかれる様に飛び出して幾つかは腕や頬を掠っていく。
蹴るのはそこでやめた。ちょっとしたノックの換わりだったので。
次は挨拶である。]
出て来いアンッッ!!!てめぇミリオを売りやがったな、あぁッッ!!?
同じ目見てぇのか!!!目も耳も鼻も全部そぎ落としてきれーな丸坊主にして欲しいんですかァって聞いてんだよおら!!!
全員!!!弄って痛めつけて!!!それがてめぇの本性か!!!
なぁにが「ぼっちゃんのお世話ができるだけで」だ、このこのド畜生、犬畜生、クソ犬、ぶっ殺してやる、
[後略。]
[今朝、青年はいつも通りに。兄を見送った。そして、これもまたいつも通りに弁当にミートパイを用意し。兄の詰所まで届けた。結局、この十年間自分を捕まえるどころか、姿すら把握できないままでいた無能な自警団員達に、いつも通りの愛想の良い笑顔をふりまいて、詰め所をあとにする。
詰所の帰りに、市場で買い物をした。いつもより沢山、食材を買い込んだ。店の顔馴染みの親父に、今日は良い日だからと機嫌良く笑んでみせたという。これが、今日の彼の足跡。あとはどんなに鼻の良い犬でさえ、彼の足跡は辿れそうにない。]
【自宅】>>鳥
[大層良いにおいがしていた。香ばしいかと思えば、甘やかであったり。少し刺激的でもあったり。そんなにおいが混ざりあっていた。
いつも二人が食事を囲むテーブルには、あなたの好物ばかりがずらりと並んでいた。誕生日の祝いにだって、こんなに御馳走を用意したことはない。食器はあなた一人分しか用意されていなかった。帰ってくるつもりもないのだろうか。
置き手紙の類はおろか、二人の家のはずだった場所からすっぽりと。青年の存在だけが抜けおちていた。**]
>>24鳥
[君が暫く喚き続けた後だ。あるいは、まだ喚いている途中だったかもしれない。]
[がちゃ。──と、扉が僅かにだけ開いて、緑色の眼が、君を覗いた。その目の下にはくっきりと隈が浮かんでいたが、その緑は爛爛と鈍い光を放っているようだった。
ジロリと視線が君を見てから、]
──落ち着けよ。
[まず、そう一言。
もう少しだけ扉が開く。身体が抜けられるだけ開けば、この人はするりと抜けて外に出て、部屋の中はきっと君には見えなかった筈だ。
この人は今の今まで寝ていたのだろうか。寝装だった。頭巾は無く、いつもの三つ編みも結ばず、ぼさぼさの長髪から、犬の耳がぴんと立っていた。短いパンツの裾からふさふさの尻尾がはみ出ている。]
>>16
[恐る恐る広げた、かつての紙飛行機の文字と、扉から剥がされ、未だ会議室の机上に放置されていた張り紙の文字は似ても似つかなかった。
針金の鳥が戻って、同じような文字列が目に入っても、それは同じだった。彼とは違うのだろう。喜ぶべきところだった。しかし、どうにも浮かないままの気分の正体を、その時はまだわからずにいた。]
>>28 鉄
[ちょうど言葉が途切れた瞬間だった。息を吸って次の罵声を、と思ったところであなたが出てきたので、言葉がのどに詰まって。咳き込んだ。口を押さえて、あなたの目を見返す。]
……。ん。落ち着いてる。すまん。
[怒気は無かった。あなたが出てきた途端に、しぼんだ。
まったく、張りぼての怒気だった。
けれど謝ったのに扉を壊したことは含んでいない。]
久しぶりに見たな、お前の耳。
[普段の生真面目な様子とはまったく別人とさえ思える様相に、驚きもせず。ただただ、感情薄く。やや同情を含んだ声音で呟いた。]
【魔術師の塔・掲示板前】
[約束の時間まではまだあった。連絡さえついたのなら、もう家に居る理由などなくなった。街にも悪い噂は降る。悪意の雨は、つい最近まで日常の象徴であった街より、相応しい場所で身に受けた方が気が楽だった。それに、彼との間は、針金鳥が渡ってくれる。]
[塔へ足を伸ばした時に、その掲示板を眺めるのは、どうにも癖のようで。増えていた三枚を、極自然に読んで。]
――――ああ。
[じんわりと心が凪いだ。その時、もやついていた想いの正体を知った。
筆跡が彼の物と"一致しなかった"。
その時抱いた感情は、落胆だった。]
[そうだ。彼の正体を、だとか、彼が何もしないことを、だとか。信じていたのは最初からそんなものじゃなかった。
周囲に都合よく響くように、彼が受け止めやすいように、『信じる』だなんて安易な形を取らせただけの、もっともっと粗野で勝手な感情だ。
それを無理して繕っていたから、いつもいつもいつも泣き言ばかり浮かんだのだ。"頑張る"理由に嘘をついていた。彼を信じていたんじゃない。彼の風が吹かなくなることが嫌だったのだ。]
[彼が、彼のまま、
この空を渡る自由な風のままであれば良かった。]
[そうだ。【音叉】でもよかった。彼が首謀者なら、彼は自由だったことだろう。【来たりし者】。それなら【音叉】の影響を受ける事もないらしい。もう敵は【音叉】じゃない。
この手紙を見て、昨日までの自分のように、安易に隔離しよう排斥しようだなんて馬鹿な事を言い出す"聖痕者達"だ。]
[三枚の手紙を剥がそうと手を伸ばして、職員に止められた。布を扱うような細い腕で、振り払えるはずがなかった。兄のようだと慕った彼らのように、力があったら違ったのだろうか。もっと、最初から、頼ったり頼られたり。そうあったのだろうか。
恨めしげに見つめた先に、新しい紙があった。]**
>>30鳥
[──"落ち着いてる"なんて言葉を返されれば、拍子抜けしたように肩を竦めた。いきなり殴られる覚悟だったのに、とばかりに。
謝罪を否定するように、首を小さく横に振った。静かな落ち着きを孕みながら。]
ああ。みっともないよ。
耳を晒した、こんな寝姿で人と会うなんていつぶりかな、……
──……それで、お前の用件は。
"クソ犬、ぶっ殺してやる"だっけか?
[僅かに眉を下げて、君の罵倒文句を引用して述べた。普段のように君と挑発し合う時と、言葉の内容は似たようなものだ。ただ、にやにや笑みを含んだりするところだけど、ただ睨みを利かせるように君を見ていた。]
何か誤解してるよ、ヴァルチャー。
【どこか。】
[りん、と鈴が鳴る。その鈴の音はかそけき音以上に震えた。
音は、ずるずるに長いローブを羽織った少年の周囲へと、やんわりと広がっていく。]
[その音に包まれたまま、少年はすいと手を伸ばす。それはまるで、紙飛行機を飛ばすようなしぐさ。けれどその手には何もない。]
── しばらく って言ったよね。
約束を破るのは、嫌いなんだ。
最後のひと茶番。それとも一騎打ち。
やりたいのなら、おいでよ。
[その音がどこかへと届いた。**]
>>34 鉄
[ここに来ることすら、鉛のような体を引きずるようにして来たのだ。残りを振り絞って、扉を蹴り飛ばして罵声を出すだけの力は残っていても、それで最後だ。
人を殴る力は残っていない。昔は、物を殴るほうが手足が痛いかった。今は人を殴るほうが、ずっと痛い。]
いつもそうしとけよ。リコシェみたいに、みんなからちやほやされるぜ。
ただの挨拶だろ?真面目君はなんでもマジにしちゃって困るねぇ〜。
[そう、声をわずかに上ずらせて軽口を返す。こちらは、にやりと薄い笑いを浮かべた。しかしそれは自嘲するような。]
誤解ね。
どう誤解してるのか、言ってみろよ。
【風鳴きの丘】
[奇しくも。はじめて“君達”と邂逅を果たしたその場所で。]
[りんっ]
[夜空に星を浮かべるように、淡い光を放つ鈴を放りあげたんだ。ざわざわと耳の裏をくすぐるのは、風ではなかった。]
――…? どういう意味、かな。
[呟く。“君達”に届くのかは、知らない。一騎打ち?とか呟いて。答えは返らなかった。]
>>36鳥
[ひく、と、毛だらけの獣耳が震えた。]
冗談じゃない。
「犬を召使にしてる」なんてのは、余り語感として良くないんだ。
………。
[君がにやりとした笑みを浮かべれば、それを静かな目で眺めながら、僅かに口端が歪んだ。歪めたまま、軽く頷いてみせる。けれど、その笑みらしきものはすぐに消えて、僅かに眉が緊張を帯びた。]
"ミリオを売った" ……冗談じゃない。
つまりお前は、俺がうそをついていると言いたいんだろう。
信じたくない事実か?
俺が【星読み】であり、
ミリオは【音叉】であること。
これに相違はない。
[こん、ころ、][りんっ、りりりん、]
[星になりきれなかった鈴が草の上に落ちて転がった。それを鳶色の瞳が無表情に見おろして。]
――まあ、いいけど。興味はあるしね。
[そんな呟きは、びゅうと吹いた風に掻き消された**]
【会議室】
か わい
そう な いぬ
墨でぐしゃりと、筆致も荒く。
壁に大きな文字が書き残されている。
貴方がたの筆跡とは、いずれも異なる文字である。
わずかな星の気配と、魔力の残滓。それを嗅ぎ取るものもいたかもしれない。
――その文字が発見される前後。
風もないのにカーテンが揺らいだり、誰も触れていないのに扉が開いたり、不意に天井が鳴るといった現象が、その一帯で観測されたという。**
>>36 鉄
[震えた耳をみて、くはっ、と笑った。相手は軽口に乗ったんだと感じて。]
言葉なんか気にすんなよ。耳があんのは事実だろ。
[緊張を帯びた相手の表情を見つめる。眉をわずかにひそめはするものの、それは彼の素の表情。憮然としたかお。]
お前のあの字さ。[ミリオが音叉だと告げたその字。]
…俺と、一緒だった。[弟をかばった自分の字と。]
[字を鑑定する技術など無い。ただの直感。当てずっぽうともいう。
そんな感覚だけで男はその場に立っていた。]
信じたいとか信じたくないとか、そんなんじゃなくてよ。
話せよ。全部じゃなくていいから。
お前が星読みかどうかとかどうでもいいから。
言いたいこと言えよ。お前、何がしたいんだよ。
[かるく首をかしげる。]
>>41鳥
[耳、についてはもう言葉としては答えなかった。流すように、雑に頷いただけ。
──けれど、その耳は、
君が憮然とした調子で、その"二言"を言うと、ぞわ、ぞわぞわり、と、少しだけ毛が逆立った。恐れおののくように。かと言えば、怒り震えるように。あるいは、哀しみ嘆くように。
病気の少女のようなつらは、ひくひくと目尻を痙攣させていた。]
──お前が何を言っているのか。
ちいとも分からないな。
星読みかどうかを抜きには、語れない。
俺は"正義"を遂行しているだけだ。
音叉を探し当て、行動に移す。
当然だろ、音叉は── 平穏を壊すものだから。
ヴァルチャー。
何が言いたい。
>>42 鉄
[耳の動きはほのかに気づきながら、それでも言葉を続ける。
相手のためじゃなかった。自分のためだった。扉を蹴り飛ばしたのも罵声を出したのも、自責をひたすらぶつけただけだった。
弟を甘やかしてやれよと言いながら、それも、無意識ながら、自分に対しての言葉だった。
簡潔に言えば、相手と自分を重ねることが、よくあった。]
リコシェやリュミールが音叉でも、お前、同じこと言えんのかよ。
正義とか、そんな薄っぺらいもんで、何いきがってんだよ。
俺は何も言うことなんか無い。
聞きたい。…お前の正義の先に、何があるんだよ。
めんどくさいから、お前が正直にモノ言ってるとしてだ。
訓練つけてやったミリオや、優しいリネアを追い出せるワケってなんなんだよ。
[問う。ただの疑問だ。]
>>43鳥
["リコシェがリュミールが"、
ひく、と目頭に緊張が走る。その言葉が相手から発されることを恐れるように。この数日間で僅かに深まった怒り皺の通りに、眉間に皺を寄せた。歯を噛んで、笑みでなく口端を歪ませれば、僅かに鋭い犬歯が見えた。]
──聞きたいなら、聞かせてやる。
[いらいらするように、僅かに強くなった語調で。
君の前ぎりぎりへと詰め寄り、君の目に強い視線を投げ込む。]
俺の"正義"の先にはな。
俺の"正義"があるんだ。
お前らと何の関係も無い。俺自身の正義がな。
ミリアも、リネオも、
どんな個人だって関係ない。
人情など要らない。
問題を排除して、俺の正義を果たす。
……それが俺のやり方だ。
[その言葉の強さからは、"嘘をついている"などとは判断しづらいだろう。
事実、この人は、 ]
──分かったら、出ていけ!!
[君の肩を軽く突こうと片手を伸ばし、
過剰な怒りを発露した。]
>>47 糸
【寄宿塔・談話室】
[また扉がギィと開いて一瞬静まった後に薄くざわめきが広がった。その反応であなたは誰が来たか察しただろうか。
ゆっくりとした足音がそちらへと近寄って、]
こんばんは。
話しってなんだろう。
[いつもより顔色が悪くどこか熱っぽそうなその人は、あなたの前に腰かけて、そう僅かに首を傾げた。]
>>48 鉄
[相手の怒りに歪んでいく表情、犬歯、それらから目をはずさない。はずせない。]
剣に慣れれば、そういう風になれるのかよ。
人の肉を切るもん振り回してりゃ、そんな風になれんのかよ!
弟も!自分の好きな人も!全部切れるようになんのかよ!
俺はそんなのは嫌いだ。
物を盗んだって、強姦したって、人を殺したって、
どんなことをしようとしたって、俺たちは人間だ。
[1階のテラスに広がった赤黒いものが、目の前全体に想起された。目を閉じる。赤の補色、緑色な残像がまぶたの裏に残る。
目を開けば、相手は自分を突き飛ばそうとしていた。
反射的にその手を掴もうとするけれど。]
>>51光
こんばんは。来てくれてありがとう。
[貴方へと向いた顔に、色濃い疲れが見えた。しかしその表情は、まるであの鏡越しの話の頃の様に笑んでいた。貴方の様子を気遣うこともなく、唇を動かし始める。]
単刀直入に。
アンブローズさんの星読みを、今日も貴方は信じますか。
それとも、彼が出したのは……貴方が望んだ結果?
[蒼い瞳が、揺れずに、試すように貴方を見た。]
>>52塵
お茶。召しあがり、ますか。
[ようやく少年は立ち上がる。どこか、左の腕をかばうような動き。だぶだぶのローブを着ているせいだけではあるまい。]
[はい回る羽虫の中に転がった鈴の音が、まだ、響く。それは確かに君の「言葉」を理解している。]
"──ぼくが、ぼくの「意志」で選んで歩む道だ。"
"貫くためなら、なんだってやってやる。誰だろうと、だまして浚って裏切るよ。
でも、「やる」のはぼくだ。"
"悠長面したきみに、勝利をめぐんで「もらう」なんて。ご勘弁。"
"それでも、きみが。もうここで去る負け犬なら、
遠慮なく、ぼくはきみを踏みつける。"
>>53鳥
[彼の眼輪筋はひくひくと震え、この場から脱そうとするのに出来ないような、急速な怒りを無意識下で表していた。
彼を突き飛ばそうとした手は、がちりと手首で掴まれる。その手首には、茶と緑の糸で編まれた組紐が結ばれていた。それに君が触れれば、強く眉を吊り上げ、君の手を振り払おうと腕を引く。]
触るな!!
……お前には分からない、
綺麗事を抜かすようなお前には、決して分からない!
俺から見れば、人間には大きな違いがある。
最も優先すべきものか、そうでないかだ。
俺には、俺が最も護るべきものがある。
──それこそが、俺の"正義"だ!
全てを捨て払ってもいい程の正義だ!!
>>54 糸
ううん、僕はどうせここに泊ってるから。
[そんなに手間じゃない、と首を振って。
少しけだる気に席に着けばあなたを見た。]
リネアったら、変なことを聞くね。
僕がアンのことを疑う訳がないでしょ。
アンはアンの能力で見つけた者を示してくれてるんだから、僕が望むとかじゃない。
――リネアの話しって、アンは嘘をついてるから、私を信じてってこと?
[そう僅かに首を傾げた。]
>>塵
[それはあなたが何も言う前だ。言葉を脳裏に浮かべる前だ。]
[唐突に、少年は目を見開いた。口がぽかんとあいて、──4秒。また、表情は元に戻る。ただ、なんとなく浮かべただけの笑み。]
>>56 鉄
[手首。何かついている。しっかりと隙間無く編まれている真新しい紐。それを目で確認する暇も無くその手を引かれた。力をこめる前で、簡単に振り払えた。]
綺麗事言ってんのはお前だろ、アンブローズ![略称ではなく。]
全部排除しても、お前は残るだろ。
お前もうボロボロじゃねぇか、このままこんなこと続けたら、全部なくなっちまう。
[護るものがある。その言葉にすぅっと目を細めた。
先ほどまで荒げていた声を小さくした]
わかった。
多分、聞きたかったのは、それだ。
…それがわかれば、いいや。
悪かったよ。俺が星読みだなんて言って。
迷惑かけた。…お前が護りたいもん、護れたらいいな。
[一歩はなれる。踵をかえす。
石をくくりつけた様に重い足取りで、出口に向かって歩き出した。]
>>59塵
じゃあ。お入れ、します。ね。
[ぎこちない動きで、設えられたティーセットへとゆっくりと歩み寄る。
陶器が触れ合う音の中、またちりじりとあなたにだけ届く、音。]
"……。……きみは、ぼくらの目的をしらない。"
[笑うような音。]
"目的も知らずに手を取りあえる、なんて。
きみは、よほどぼくらに恋してるらしい。
フラニーはあげないよ。"
[かちゃかちゃと陶器が触れ合って、そして黄金色の茶がカップに満たされる。
その水面のようにゆらゆらと揺れる音は、不意に途切れた。うつつの音が、あなたの鼓膜をくすぐる。]
約束。しました。よね。
紙飛行機、の。──あの、約束。
守れなくって。ごめんなさい。
>>57光
半分、そうじゃないです、リュミールさん。
[首をゆるりと横に振る。]
私が【音叉】だとか、そうじゃないとか。それは、いいんです。
……でも、アンブローズ、さんは。アムにーは、嘘をついてる。
ミリオさん以外に、【牧羊犬】。いなかったでしょう?
[声に震えが混ざる度に区切りなおして、一言一言を毅然とさせていた。]
貴方が音叉でも、そうでなくても。
彼の、結果を正しくできるのは、貴方だけだって思って。
お願いに、来ました。
[すぅ、と息を吸う音。]
アムにーに、本当に本当のことを言うように、言ってください。
嘘をつかなくていいって、言ってあげてください。
貴方にどうしても事情があって、全部が無理なら、少しででもいい。
貴方じゃないと、できないこと、なんです。
[じ、とまっすぐに貴方を見る。]
>>61鳥
[簡潔に言えば、この人は完全に冷静さを失っているようだった。当初の静けさは完全に無くなっていて、犬歯を剥き出し、肩を激しく上下させていた。この人はいつも感情的で、君の挑発にすぐ乗って怒鳴るのも、多々あった。けれど、今日の怒りはあまりに過剰に見えただろう。
踵を返した君の背中へ、]
──俺に同情するんじゃねえ!!!!
[わなわなと手を震わせながら、強く怒鳴った。]
………俺の心がわかったつもりか?
お前もだ、ヴァル、ヴァルチャー、
お前だって安全圏には居ないんだよ。
お前だって俺の剣の切っ先に居るんだよ。
お前は音叉じゃないって知っている。
だが、お前が俺の害悪なら、それは決して関係しない!
いつだってお前を切り捨てられるんだ、
お前を……
………。
[感情を失禁するように、ただ思いつくままに言葉を並べたてた。
けれど、少し言い続けただけで、急に勢いを失った。
自分の言葉に打ちひしがれるように、頭を垂れて。]
>>銀
[続]
[揺れる黄金の水面を眺めながら、]
アンに、“わがまま”は言えたの。
[彼の人の。無垢な少女のような寝顔を思い出す。色濃く浮かんだ憔悴の色を思い出す。彼の真意を知ることはなかったが、彼の人の能力を殺せと命じたのは。まぎれもない、君達で。君は、兄に手をかけることをどう思っていたのやら――。]
>>65 鉄
[重い足を、止めた。石を引きずる音がこれまでしていて、それが止まったような気がした。]
同情じゃねぇよ。負けた。
護りたいもんがあるやつはさ、止まらねぇよ。止められねぇ。
[星が降ってくるすこし前から、指名手配されている女性を匿い続けている。十数年の間だ。短くは無い。
誰にも言えるわけが無い。やましい。全部吐いて楽になってしまいたい。拷問に近い厳しい追求をうけたこともある。つらくて自ら死ぬかもしれない。
何度そう思っても、匿い続けた。人の目から護り続けた。
護りたい理由は、恩があるわけでもなんでもない。好きだから。それだけだった。]
[弟に関しては言うまでも無い。ひもじいなら、自分の肉を切って食わせたって、護りたい。]
>>鉄(続き)
いいさ、アン。お前の好きなようにしろよ。お前の、やるべきことに、必要なら。
俺だって、お前らをみんな切り捨てて弟を護ろうとしたんだって。…それは間違いだったと、今ではわかってるけどよ。
みんな、お前を叱っても、憎んだりしねぇよ。
リュミールもリコシェも、お前の護りたい正義のために切り捨てられたって、恨んだりしねぇだろ?
…でも、お前がうらやましいよ。
音叉だから切り捨てるとか。俺にはできない。
[再度、足を動かした。 そのまま、止まることはなかった。]**
>>64 糸
つまり自分は【音叉】だけど、ミリオの結果は嘘だって言ってるの?
ミリオ以外の人から牧羊犬じゃないって聞いたの?
【音叉】であるミリオが苦し紛れに出て来たのに釣られたら、
アンのこと守れなくなるからまだ隠れてる、とは思わない?
……リネアが何を言ってるのかも、何がしたいのかも分からないな。
[その声音だけはいつもの調子で話をしたのだろう。最後に溜息をついたけれど。]
リネアは何をみたの?誰の何を知ってるの?何も知らないんじゃないの?
……大体、ミリオに投票しておいて、今さらそんなことを言い出すなんて虫が良いんじゃない?
音叉のあなたにはきっと僕と違って事情があるんだろうけど。
[そうどこか呆れたような響きで言葉をつづけた。]
>>69>>70鳥
……… …………。
[勢いを失ったそのつらは、引き攣っていて。強く、強く、下唇を噛んでいた。
無言で、君の言葉を聞き続ける。聞けば聞くほど、この人が握りこんだ拳はぶるぶると震えた。
君の静かな態度に、寧ろ怒りを覚えるように。]
[顔を上げて。
彼が立ち去る背中を見ながら、脱力したように、膝を折った。
両手を床に突き、肩を震わせる。
へたりと、耳も、尻尾も、頭も、全部下げて。]
……… なぜ……
なぜ、俺を憎まない………
なぜ………
ヴァル……頼むから、
頼むから、俺を許容しないでくれよ、
俺に……捨てさせてくれよ………
どうか……
どうか…………
[か細い声と共に、
床にしずくを落とした。**]
>>銀
【会議室】
[張り紙を見たのは書かれた時間の頃。やや、急ぎ足で向かった。
体の重さは幾分かましになっていた。いや、重さは同じでも、動く力がついたように思えた。]
…待たせた。
何の用だ?リコシェ。
呼びつけといて、くだらねぇことだったら承知しねぇぞ。
[扉を開けて。そう言う声は、いつものからかうような声音だったが、右目に笑みはない。]
>>57光
私が音叉じゃない、って、今言っても、仕方がないってこと。
だって、貴方がそうさせたのかもしれないんだから。
[眉根を寄せて、貴方を見る。]
聞いたわけじゃない。でも、ミリオが音叉なら、残り一人。でしょう?
名乗り出て、アムにーが今日も、星を読んで。そうしたら、あと一人なんて、見つけ出せる。
だから、きっと生き残ってたら、その事実だけでも知らせるはずだって思う。
[首を振って。]
……そんな話、じゃない。
[それから、貴方の呆れ調子の言葉を、ただ、だまって聴いて。]
私は、アムにーが、本当のことを言ってるって、信じたかった。
でも、嘘だった。私が、自分のこと音叉じゃないって知ってるだけで、貴方を説得できる言葉じゃないけど。
アムにーが嘘をついた。
私は、アムにーが嘘つくなんて、大切な人を護る時くらいだってことを、知ってる。
音叉が、貴方か……そうでないのか。わからないけれど、きっと、貴方のいう事なら、聞いてくれると思う。
だから、頼みに来てるの。
アムにーに、嘘をつかなくていい、って言ってくれることを。->
->
貴方が音叉じゃないなら、私が居なくなって、事件が続いていたらでいい。
その時に改めて聞いて、【音叉】へ投票して欲しい。
問題を起こしたのは音叉で、他は関係ない筈だから。
[膝の上においていた手をきつく握った。]
……貴方が音叉なら。
こんなの[右手を、聖痕を貴方に見せるように、差し出して。]あげるから。
アムにーを、解放してあげて。
[お願い、と、搾り出すように言う。]
>>76 銀(塵)
[何も言わないまま、通り過ぎていくのを、きょとんと見る。]
…なんだ、変な奴だな。
[そう、ヘールにも聞こえるように言った。]
>>78 塵
よぉ、ヘール。
…変な手紙が掲示板にでてたけどよ。
なんか俺に言うことあるか?
[自宅のごちそうも赤い紙も知らないけれど。一言だけそう聞いた。 茶をすする様子を、のんきな奴だな、と観察する。扉のそばに立ったままなのは、長く話す気が無いので。]
【寄宿棟・一室】
[彼はいつものように、暗闇の中でベッドに腰かけていた。
背を丸めたまま、ひたすら部屋の隅ばかり見ていた。]
……なあ。狐よ。
俺が間違えているって。
やっぱりお前は、そう言うのか。
[部屋の中に白い影は見えなかった。
けれど、この人は低く呟いて。]
>>80 塵
[手紙に名前が並列して書いてあったので、出くわすかもしれないとは思っていた。]
そうか。
[眉尻を下げる。どうしようもないわがままを言われてこまったように。]
ヘール、俺、言ったよな。絶対助けるってよ。お前がどう思ってようと、嘘のつもりは無い。
愛してる。
お前になら殺されたっていい。
[それだけ言って。返答を待たずに立ち去った。]**
>>75 糸
[また僅かにため息をついた。]
リネア、例えばアンが嘘を言っててリネアが音叉じゃないとしよう。
本当に僕が音叉じゃないとか思ってる?
君が音叉じゃなくて、僕も音叉じゃないとしよう。
明日もまだ投票なんて制度が残ってると思う?
吸血鬼のヘールか音叉に良いようにされるだけ。
[それでも良いの、というように首を傾げた。]
僕を音叉だと思っているなら、そう糾弾すれば良い。
良い人の振りでもしたいの?万が一僕が音叉じゃなかったら困るから?
アンと会って嘘が苦しいとか聞いた?
妄想ばかりで話をされても迷惑だよ。
――僕はアンを縛ったことなんてない。
そして、もうあなたと話すこともない。
[そうしてその席を立てば来た時と同じゆっくりとした足取りでその部屋を出て行った**]
会議室の照明の影。ゆらりと白いもやのようなものが、影絵のようにうごめく。
決着か、更なる道か。
それを伺いに来たのは、星痕をもつあなた方だけではなかった。
狐は、誰が気づこうとも気づかなくとも、ここにいる。
[壁に書かれたままの、赤い文章が視界に入って、チラと見た。
力のない、死人のような目つきだった。
ベッドに乗った尻尾は、ぴくりとも動かない。]
[何分もの間が空いた。
また、ゆっくりと唇が開く。]
幸せだったなあ。
全てが平安そのものだった、
毎日が踊りで、歌だった。
[零れ落ちるように呟く、]
その生活が、俺の命の"幹"だった。
"檻の鍵を持つものは、
自覚があろうがなかろうが、
皆そう言う。"
墨文字が、いつのまにか床を濡らし、会議室から気配は失せた。**
[また、間が置かれて、]
幹が無くなると、
枝葉は崩落する。
[部屋の隅を見つめたまま、ゆっくりと何度か瞬く。]
俺は、悪か?
【寄宿舎・一室】
>>86 鉄
この世のものでないものは、名前に縛られるという。だからというわけではなかろうが、いつのまにか、それは、そこにいた。
あなたを見ている。責めるわけでもなく。
ふわり。青ざめた火がゆらめいた。ひとのよならぬ、かくりよの。
命あるものとはことなる、遥かな星のような炎。
それは問うた。
"ただしいものならば なぜわらわぬ"
俺がどこで間違えたっていうんだ?
俺は愚かか?
それでも俺を哀れむのか?
俺は……
[独り言が闇に浮かんで、消える。
頭を抱え、身を縮めた。]
>>26、>>27 塵
【自宅】
[投票を終えて自宅に戻ってみると、そこには弟の気配がなかった。
今ここにいない、という意味でなく。ここを家にしているという気配がなくなっていた。
並べられたご馳走はきっと冷めてしまっているのだろう、揚げられた肉を口にぽいと投げ込んでからそれに気づいた。]
うまいな、やっぱり。
[首をかしげて、それだけ。おかしそうに笑った。]**
>>89狐
[ふわりと部屋が青く照らされた。
顔を上げたその人は、驚きを示さず、ぼんやりと火を眺めた。]
……なぜだか心が、いたむからさ。
[独り言のように、ぶつりぶつりと。]
>>93 鉄
静かな眼差しで狐はあなたを見る。
もやばかりであった姿は、いまや正しく狐の姿をとっていた。
青い星のような眼差しの、銀河のような毛並みの。
それはまだ、不安定な揺らぎを伴ってはいたけれど。
"痛みは正しいやり方で消せる"
"痛むのならば。あってはならぬものならば。"
"――お前がかつて市場で俺にしたように"
>>84光
……貴方も私も音叉じゃない可能性は、まだあるでしょう?
[まだ、可能性はある。嘘の可能性を考えるなら、ヴァルチャーが音叉だとか。けれど、それならきっとヘールは悪いようにならないと思った。だから、それをはっきりとは言わなかった。]
[それから、しばらく貴方の話を聞いて。彼の名前が出た時一度、失せ物が見付かった時のように微笑んで。それから、また、最後まで聞いた。]
貴方が音叉じゃなければ、アムにーが本当のこと言ってくれたら、それで何とかなるかも、って思った。
そう、だね。最初から、音叉の貴方に向けて、頼めばよかった。
結局、大切なこと、言えないところだった。
[そうして、独り言のように零して。貴方が席を立ったあと頃だろうか。]
ヘールから風を奪わないで。
[去り行く貴方の背中へ、そう声が届いた]**
狐はふわりと後足で跳ねた。
狐の時間もまた、わずかであった。
風が温み、そして狐はいなくなった。
あなたの幻覚であるかのように。**
>>94狐
[死人のような目つきで、その言葉を聞いていたけれど。]
[目を浅く閉じて、口端を小さく歪めて。]
[小さく首を横に振った。諦めの様に。**]
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