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【魔術師の塔:掲示板前】
[掲示板に新しく張り出された紙を、反芻しながら読んでいた。
ゆっくり。文字を噛み締めるように。
昨日中、歯噛みして待ち望んでいた内容だ。ヘール以外の誰かが【音叉】である、ということ。]
……。
[攻撃的な文字に目をやる。ぼんやりと昨日の自分に重なって、湧いてきた羞恥心に思わず目を閉じた。
これ以上は、何が目的であろうと、意味がない。そう結論にたどりついた。
自分が張り出した羊皮紙に、手早く訂正をし、その場を去った。]**
>>70>>71鉄
[突然あなたが叫び出すのを聞くと、青年は驚いたように目を見開いて。さっきよりも大きく、瞳の奥を揺らした。頬をぽろり、と落ちる一滴。]
……あっ…、
[矢を差し出されても、小さく呻くだけで。青年は何も言えなくなってしまった。震える手で矢を受け取り、ぼうぜんとした表情でそれを見つめる。
「突き刺してみろ」、その言葉がぐわんぐわんと頭の中に響いた。
皆を守るために、【音叉】ではない彼を手にかけてしまうのか。自分が、僕が、この状況でやるべき事は、]
―――ローズ、っ!!!
[いやに生々しい音を立てて、唾を呑み込む。それから、からからになった唇をぎゅっと噛み締める。ぷつり、と薄い皮が破れて血が出てきた。]
[青年は、ぐあっと、目いっぱいに矢を掴んだ腕を振り上げて。]
[ぽろ、と。矢を、また取り落とした。]
[そして。
弱々しい拳が、あなたの心臓のあたりを叩いた。]
>>69〜 塵
【自宅】
[その張り紙をした帰り道。
甘いにおいが家の外までたちこめていて、思わず目を細めた。
いつもの、帰ってくる場所。長いこと住み続けた住みかだ。
扉に、手をかける。開く。香ばしい香りと、料理をしている湿っぽい空気がわっと頬に触れる。
いつもと、同じだ。]
ただいま。ヘール、またパイ焼いてんのか?今度はどこに配るんだ。
…弁当うまかった。手紙、ちゃんと気づいてくれたんだな。
[そう、声をかける。服についた埃を落としながら。]
>>76 >>77隠
[心に溢れ返った鬱憤を投げつけるように、叫んだ。君の涙を見ても、噛んだ歯から熱い息を何度も吐き出すばかりだった。君に矢を渡せば、両腕を軽く掲げて、身体の左右へとやり、俯く。一切の抵抗も示さない姿勢。]
[目は伏せられていた。君の動きは見ていなかった。]
[叫びの後。何拍だろうか。静寂があった。
そうして心臓が叩かれた。
それは刃でなく、はたまた武器たる拳でなく、]
[目を開いて、顔を上げて、すぐ目の前にいる君を見た。
その目は酷く──がっかりしたような目で。]
だから、お前は。
俺なんかに負けるんだ。
[自分から離すため、君の肩を軽く押して、]
俺は【星読み】。
ミリオは【音叉】だった。
[踵を返して、歩き出そうと。]
>>82 塵
俺は実験台かよ。ヘールも同時に、同じ量ならかまわねぇけどな?
[向かってきて、顔が見えれば、毎日のこととはいえやはり安心する。今日も元気そうだ、と確認できて、いつもほっとする。]
あー、飲むもんはいい。喋れなくなるからよ。
もったいぶることでもねぇし、さっさと話していいか。
…ヘール。俺な、嘘をついてた。
知ってたか?
[いつも自分が座っている場所につけば、相手が座るのを待たず、そう切り出した。]
>>80鉄
[あなたのがっかりした目は見てなかった。
肩を軽く押され、力無くよろけて、先程弓を取り落としたあたりに情けなく尻餅をつく。
俯き顔からは小さな啜り泣きさえ聞こえたかもしれない。でも、]
まだ…負けてない。
…ぼくは、僕は。
[青年の目にはまだ小さく光が宿っていた。震える手で弓を取り、矢を静かにつがえる。
その矢の先は、あなたの心臓の裏っ側に向いていて。]
僕は、【音叉】なんかじゃない…!!
[歩き出そうとするあなたの背に、
矢を、放った。]
[「だからお前は」
「俺なんかに負けるんだ」]
[なんて言葉を聞いて、かっとなったとか、ばかみたいだ。]
[僕は今、取り返しのつかない事をしているのかもしれない。]
[風に乗って真っ直ぐ飛んでゆく矢を見送りながら、どこか他人事みたいにぼんやり思った。]
>>84 塵
悪ぃな。すぐ済む。
…俺は【星読み】じゃない。
お前が音叉なら、とうにわかってたことだろうけどな。
[椅子を引いて座る相手に、頬をこわばらせながら、苦笑い。]
フラニーが、お前が【音叉】だって貼り出したのを見て、カッとなってさ。俺もバカなことしたよなぁ?いつものことだけどよ。
お前が隔離されたりしないようになるまで、ずっと嘘つくつもりだった。
…でも、アンが自分も星読みだって言い出してるのみて、もう意味ねぇなって思って。
嘘吐きは俺です、って貼り出してきた。
[おどけるように、肩をすくめる。何かの笑い話のように。
それでいながら、相手の目を見返したまま視線をはずさない。]
>>85隠
[もう、君には失望しきっていた。隈の内側からジロリと君を見た目は、君には最早何も期待していないような目だった。だから、ただ肩を押したばっかりで、それのみで無防備に背を向けた。]
[既に歩き出していた。背後から、洟を啜る音が聞こえた。
無関心だった。けれど、]
────、
[ある時、頭巾の下に隠された獣耳は、はっきりと弦を絞る音を聞いた。]
[ど、
その音は、木製の的を射った時とは少しばかり違って、
艶めさがあった。]
>>鉄、>>86隠
乱入は、その時に行われた。
ミリオの射た矢は、正しく心臓を射抜いた。
――不意に物陰から飛び出した、狐の心臓を。
>>85隠 >>89狐
[この人は振り返ったばかりであった。
この人に矢は突き立たなかった。]
[その矢は、狐に突き立った。]
[この人は呆然として、振り返った姿勢のまま、
少しばかり立ちつくした。
そうして、ようやくその狐が、いつか自分の僅かながら対話をした狐だと気付いて──言葉を漏らす。]
なぜだ、
>>88鉄 >>89狐
[自分が放った矢が、いつも的に打つものとは違う――たとえば、狩りに成功した時みたいな、そんな確かな手応えを持ったのを青年は自覚した。]
[でも、アンブローズの背に突き刺さったと思った矢は。
いつもじゃないけど、森で、何回も触れ合った、青年にとっては大切な仲間の心臓を。
無慈悲なほど、きれいに射抜いていた。]
……なん、で。
[からん。音を立てて弓が地面に落ちる。
青年は、絶望の淵に叩き落とされたみたいな表情で、狐のもとへふらふらと寄っていった。]
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