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[穴だらけのキャスケットを矢の先に引っかけ、くるくる回す。
振り向いてカインを見れば、苦笑を浮かべて首をかしげた。]
煙草中毒の鑑だねえ。
さあて、ランスらの住処ときたか。
まさか彼らが煙草を吸うとは思えないけど……材料のひとつでもあるかもねえ。
探してみるかい?
[家荒らしの提案だ。
しゃらり、しっぽをひと揺らし。]
所詮この世はすべからく生者のものだろう。
ならば老い先短い私らに、使われるが花ってやつだと思うけどねえ。
[どのくらいそうして震えていただろうか。
――からんからん。
扉につけられた鐘が、鳴った。>>21
ナデージュが戻ってきたのだと思い、のそり、と顔だけを向ければ、実際その通りで]
……おかえり、なさい。
[心底ほっとした風に笑ってそう告げて、するりと瞳を閉ざす。
真っ暗な景色の中で、足音が遠ざかるのを聞いていた]
[動けないのは今や、どこかへ行った暖かさを求めて震えているせいではなかった。
内側から何かが暴れ出す感覚のせい。
どうして負ったのか定かではない傷口から外へ出ようとするそれは、
包帯の下から滲み出て、白を赤に、染める]
………あ。
[慌てた動きで顔の右半分を手で覆う。
――どろり、と涙のように一筋流れ落ちた赤が、
包帯だけでなく手までも染めたのが、分かった]
…あ、――うあ…っ、
[――ここにいてはいけない。
汚してしまうから。
恐慌をきたしかけながらソファーから降り、ここを出ることしか考えずに前へと進む。
身体が椅子やテーブルにぶつかっても構いもせずに。
がたん、と椅子が倒れる音は、静けさの中でけっこう派手に響いたかもしれない]
っ、…こ、の。
[前に伸ばした手が触れたのは扉ではなく壁で、
思わず弱々しい力で殴りつけてしまった。
前に進む勢いはそこで失せ、ずるり、とその場に座り込む。
右目からもう一筋赤が流れ落ち、
顔を覆う手をつたって床に落ちた。
綺麗にしなければ、と思うのに。動けない**]
……何か咥えてないと落ち着かないんだよ。
[苦笑に、面倒くさそうに答える。
家捜しには、反対しない。
ダメージで率先して動けない故に、パースの後についていく形になる。
いくつかの、廃墟。
くるくる回る二つ目のキャスケット、その持ち主の遺体はあるいは、其処に横たわっているのだろうか。]
なあ、老い先短いパースは。
……手紙以外の未練とか、あるの。
[灰を被せた崩れた家で、何かを探しながら問いかける。]
[近付いてくるふたつの人影。
ひとつは、よく知るセルマ。
そしてもうひとつは───……]
……マ、イダ……?
[あの日から、片時も忘れたことのない。
金色の髪の少女。
死に包まれたこの世界で、ひ弱なグレイフェザーが生き延びられる筈などないと分かっていても。
けれど、心の片隅ではずっと、もしかしたら……と願い、望み続けていた。]
[灰の降る中、足はふらりとそちらへ向く。
人影は更に近付き、教会の前へ。]
マイ───
[歩み寄ろうとして。
手を伸ばそうとして。
しかし彼女の姿がはっきりと見えたところで、それらはすべて止まる。
彼女には、その背にあるべき筈のものがなかった。
他人の空似か。
それにしては、似すぎているが。]
[カインの先に立ち、近くの家に勝手に入ってまわる。
咎めの声は誰からもない。
ポケットから肘まで覆う手袋を取り出すと、シャツの上から口を使って片手に装着する。もう片手には変わらずキャスケットを矢で掲げながら。
床の灰埃を足で払い、そこらの棚を開け、ベッドの下を覗く。
途中、後を付いてくる彼から声がかかれば]
未練、みれんねえ。
ううん、手紙以外に限定されると難しいなあ。
君はどうなんだい?
それとも、それを聞く前に私が答えるべきかい?
[問いに問い返す。]
[何か見つかるかもと、期待はせずに静寂に踏み込んだ。
パースの行動一つ一つに、灰だか埃だかが舞っていた。]
……俺?
[ふとした問いを、逆に返される。
随分と開けられていない戸棚を覗き込みながら、うーん、と一つ唸る。]
……諦めてるよ。
[やや間をおいて、返事はぽつりと。]
「諦めてる」ぅ?
[返ってきた答えに手を止めて、にやりと笑いながらカインの方に近づくとその目を覗き込もうと]
へえ。
それは、君、気になるよすごく。
誰がロバの耳って知っても黙っててやるから
ちょっと話してごらんよ。
[興味深々と言わんばかりに、しっぽがしゃらしゃらと揺れる。]
……
[近づいてくるパースの気配に、顔を上げる。
楽しげな表情に、少し驚いたように瞬きする。
それから、]
……知りたい?
[目の前の相手へと、優しそうに、寂しそうに笑う。
瞳を覗き込める距離は、頬を撫でられる距離。
腕を伸ばす間に、逃げる事も叶う距離。]
[わたしがホールに降りようとした時、その音は響きました。
椅子の倒れる音、木材と木材とがぶつかりあう音。
花の生けられていない花瓶が落ちて、割れる音。
一体、何の音でしょう。
先程酒場に戻った時、ソファーにいたのはスーさんだけの筈なのに。
わたしは少し早足でカウンターから出て、店内を見回します。
スーさんのいたソファーから、赤い雫が点々と続いています。
雫の向かう先は倒れた椅子、花瓶の破片達でした。
そしてその先、扉から程近い壁にうずくまる、スーさんの姿がありました。
わたしは慌てて近寄ります。
わたしがマスターの元へ向かっている間に、誰か、暴漢でもやってきたのでしょうか。
―――来客を告げるベルは、鳴っていないのに。]
[カインの浮かべる笑みの複雑さと、何かの念押しのような言葉にちょっと目を丸くした。
相手のまとう空気が常ならぬものになったことに、若干動揺を覚えて、んん、と口を噤んで視線を上へ。
奥歯の溝に飴がつまっていることに気づく。甘い。
躊躇は2、3回の瞬き程度の間。
相手の目を見て、そのまま口は、火のついてない煙草の先を食んでやる。
彼の「答え」を待って。]
[火の無い先端を食むパースに、逆にこちらは唇を離した。
本来ならば、健康には決して宜しくない行為を叱るべき所なのだろうが。
何時付けてしまったか記憶に無い噛み跡を目にし、カインの口元に浮かぶのは、自嘲に似た微笑みばかり。
両腕をパースの背に回し、ゆるい檻に、捕まえた。]
どうなったって、良い。
世界が灰に沈んでも、良い。
俺は、もう。
[腕の中に、甘く掠れた退廃を、響かせる。]
救いたかったものと共に、滅びるよ。
[彼がランスなのだろう。
でも、憶えているから名前が沸き出してくるのではなく、
セルマに教えられてから、名前が分かるだけで。]
……………。
[憶えてはいないのに。
分からないのに。
どうして。]
[どうして、胸が痛いの?
傘の取手を持つ指先が震えるのは感情のせい。
無意識に震える喜びの気持ち?]
…………、ランス さん 。
[その呼び方はきっと違うだろうと気付いていて。
一対の翅は蒼穹、灰色の羽根には似ても似つかない。
エステルとして目を開いた時には、もう。
何かを押し出したように根元が血で濡れた翅はあって。]
ぁ…………。
[ぽろり。
涙が零れた。]
―自宅にて―
[…おかしい。
予定していた量の倍ほど入っているビーカーを見て、
ごしごしと寝ぼけ眼を擦る。
…確か、家に帰って調合を終わらせて。
後は、溶液を灰の上から垂らして抽出を…]
・・・あー。
抽出中に寝ちまったのか。
・・・使うには厳しそうだな。この液。
[余分な成分を取り除くため、
ビーカーを二回変えて初めと終わりを取り除くのだけど。
…眠ってそこを忘れたせいで、透明な液は真っ白け。]
…ま、過剰投与で枯らせりゃ問題ないんだがね。
[…白い薬品小瓶に詰めて、のそりと森へと歩き出し。
右の懐に入れたのは、もしもの為の、粉薬…]
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