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ー 夏休みのある日 ー
[給料日。夏休みはなんだかんだと出費がかさむ。普段は放課後だけのバイトを、朝から入れたりして。
今年は準備したいものもあったから。
夕方過ぎ、挨拶のそこそこに着替えてカフェを出る。仕事用にとまとめた前髪を直すのも惜しいとばかりに]
まだ間に合うかな。
[カフェの横に止めていた自転車にまたがって、自宅とは反対方向へ。
傾く夕日を見ながら梅雨頃になるとものすごい人手に賑わう寺院の側へと急いで行った。]
−夏休み中旬(8/11)−
[彬にメール
To:彬くん
明日バイトある?もしなければ、この前約束した遊園地行きたいな]
[無事何とか閉店前に入れた店内。
散々悩んで手に入れた何かを受け取った所で携帯が震えた]
あ、先超された。
[店を出ながら携帯をぽちぽち]
to:夏蓮
ちょうど俺から誘おうとしてたら先超された。
大丈夫、明日は一日フルにオフ。朝、迎えに行く。今回は弐時間遅刻とかしないように(笑)
[彬からの返信メールに含み笑いして。
TO:彬
やったー☆ (・ω<) テヘペロ
最近バイトで忙しいみたいだから、自分のお誕生日忘れてるのかと思って心配してたよ。
じゃあ、お弁当作って待ってるね]
あはは。
[帰ってきたメールに爆笑。
TO:彬くん
やっぱりヾ(≧▽≦)ノ
よかったね、しっかりしたカノジョで( ̄ー ̄)ドヤァ]
― 翌日朝 ―
今日はちゃんと起きた。
昨日買った何かはまだ早すぎるから置いておく。
大して物の入っていないリュック背負って家を出る。
夏蓮が両親と待機しているなんて全く知らずに迎えに着いたのは待ち合わせの55(60)前だった]
−翌日朝−
[彬が到着したのは、まだお弁当の仕込み中だった。
当然出られない夏蓮に代わって、父が応対した。そのまま家の中に連れ入れられてくる]
あら、どうしたの?随分早くない?
[時計を見て]
ちょっと待っててね、急いで用意するから。
[そう言って、また台所に駆け戻る。
居間は12畳くらいの板の間。ダイニングテーブルとテレビセットが壁に。シンプルな部屋だった。
居間には、夏蓮の両親と彬。どうぞ、とお茶が出され、二人からは、色々質問が飛び交うだろう]
[さすがに早すぎた。一応外に居る事だけ伝えて待っていようと思ったら、夏蓮の父親に中で入っているように言われる]
や、いつも遅刻した分と思ったら早く着きすぎて外で待っていようと思ったんだけど。
[ごめんなさいとかもう夏蓮に謝ってるのか両親の方に謝ってるのかわからない緊張状態。
いや慌てないで良いよとか台所に駆け戻る姿に言って。
出されたお茶も手を付けられる余裕がないくらいカチカチの中、飛び交う質問にまともに答えられたどうか]
[お弁当の用意ができて]
着替えてくるから、ちょっと待っててね。
[と、二階にあがろうとしたところで、両親から、夜ご飯一緒にと言われる。ガチガチになっている彬ちらを見てから]
うん、いいんじゃないかな。彬くん一人暮らしだし。いいわよね?
[と、目配せしてから、二階にあがる]
え、あ、うん、急がないで良いですよ。
[心なしか夏蓮に対する言葉使いも若干いつもより丁寧というか不審気味]
え、は?夕飯?
…え、有り難くお言葉に甘えます。
[良いわよねと目配せされてしまえば断ろうとか頭回らずに使い慣れない敬語で恐縮することしきり。
借りてきた猫状態]
お待たせ。
[97分後、戻ってくると、彬の石化状態67%くらいだったろうか]
じゃ、行ってきます。
[両親にそう言って、彬と家を出た。背中には少し大きめのデイパック。お弁当も詰め込んで。
今日はラフな格好。黒のブラウスにジーンズ]
[何分待ったかなんてもう全然わかってない。
早いような長かったような時間を過ごして夏蓮の両親に深々と頭を下げて行ってきます、とか言って]
……緊張した……
[歩き出して少ししてからはーっと息吐いて。
デイバックは問答無用に預かった]
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