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…まだ、真夏じゃないから…空気は澄んでる方、だと思う。
[普段よりも大分、ぽつぽつと静かな話し方をしているのは、目の前に広がる星の綺麗さもさることながら、星を見ている時に一人ではない、と言うことが初めてのせいか、それとも夏蓮が一緒だからか。多分、両方だ。
すぅ、っと息を吸い込んで吐いて、それからハンカチの上に座った相手の横に腰を下ろす]
…初めて見たとき、俺も綺麗、位しか言えなかった。…なんかもっと良い言葉ある気がしても…圧倒されて。
[すごい、と言う相手の顔を見て素直な表情で笑う]
どんな風、って聞かれても言葉でうまく説明する自身、無かったから。
香月が今晩連れて行ってって言ってくれたの、嬉しかった。
[どんな言葉より実際見て感じることが一番だからと。
向こう向いていて、と言われれば相手と反対方向の空を見上げて]
…キャンプファイヤーの、香月の歌…よかったな。
[眼鏡をかけると、より一層星が近づいた。くっきりはっきりと一つ一つの星の表情が分かるかのように。赤い星、青い星、遠くにいる星、近くにいる星。
そして、天の川を形成する小さな星々達]
今度、真冬の星空も見てみたいなぁ。
[彬の見たという、宇宙に投げ出されそうな錯覚をするという、その景色も見てみたいと思った]
でも、寒いでしょうね。
[今でも十分に寒いのに]
でも、これでも十分圧倒されるわ。
そう?ごめんね、我が儘言って。でも、連れてきてもらって良かった。
[眼鏡をしまって。
さっきの歌のことを言われると]
超目立ってたでしょ?ああ…恥ずかしい。
[人前に立つことは慣れていた。けれど目立つことにはあまり免疫がなかった。あくまでも会長のサポート役という立場を守ってきたから]
…でも…ありがとう。
[自分の歌を褒められることは正直嬉しかった]
[だーん!と音を鳴らして演奏をやめた。
そんな終わり方なだけだけれど。ぐぐーっと伸びた。
毛布がばふっと床に落ちた]
…。
[毛布をかぶり直して、ぽんぽんぽんと、ピアノを鳴らす。
もう皆起きている頃だろう]
…
[す、と星を指さして]
こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のアルタイル…夏の大三角形。まだ、余り上に上ってないけど。ベガと、アルタイルは織姫と彦星。
[天の川を挟んだ二つの星を示していってから、プラネタリウムの解説の受け売り、と]
…寒いけど、うん。一緒に、見られたらいいな…
[小さい声でぽつりと言って。それから謝る相手に視線を戻して笑い]
謝る必要ない。嬉しい我が儘だったし、嫌だったら嫌だって言うし。
…誰かと一緒に見る星空も、良いなと俺も知れたから、香月に感謝。
んー目立ってた、って言うより…なんだろう。
らしいなぁ、っていうか、生き生きしてるって言うか、そういう風に見えた。
なんでだろうな、俺の中の香月のイメージはずっと、“副会長”だったんだけど。副会長やってた香月より、歌ってる香月の方がなんていうのかな…自然?
[ちがうな、うまく表現できないと鼻の頭掻く]
歌ももちろん声綺麗でうまかったけど、そう言う意味も込めて“良かった”って思った。
ね ぼ う し た !
何だよもう超安らか! ぐっすり!
<<おちゃらけ三枚目 愁>>が*12殿様蛙*になった夢とか見ちゃったよ……!
[予定より遅めに起き出して、もそもそ蒲団を片付けた。]
[たぶんお姫さまのキスで人間に戻ったろう。後で「ヘビに襲われたのは災難だったな!」とかなんとか愁に話しかけたが、説明はしなかったから意味不明だ。]
なんか、濃い数日だったなー。
[しばらく研修所内をうろついて、名残を惜しむ。途中誰かと顔を合わせれば、挨拶を交わしただろう。]
ふうん、詳しいわね。大三角形って聞いたことあるかも。冬にもあるのよね?
[うろ覚えで聞いてみる]
七夕伝説ね。
[言われた通りに目線を動かしていく]
そうね…。いつか…。みんなとも一緒に見たいな。
[若干彬の夢を壊すかも知れない発言をしたりして]
うん、たくさんの友達と見に来るのもいいと思うわ。さすがにみんなで抜け出すわけにはいかないけど。
[ふふふと笑って]
生き生きと…?
[自分でもそう感じる。あの瞬間だけは自分自身になれる。
だから彬の言っていることはすっと胸に落ちた]
…そう?なんか、照れるわ。
[照れ照れになって。真っ暗闇だから、彬には見えないだろうけれど、多分頬は紅潮しているはず]
ありがとう。素敵な天体ショーに連れてきてくれて。
[帰りのバスでは<<おちゃらけ三枚目 愁>>の後ろに座って、グダグダと駄弁った。
さすがに、帰りは少し静かにしていたけれど**]
[ロビーで、かすかに聞こえるピアノの音に耳を傾けていた。
部屋に戻ってもよかったけれど、眠ったら起きられないのは自明。かといってPC持ち出すわけにもいかず。
ありていに言えばここ数日ではじめての「ひま」。]
……まーだ、おこっとるやろか。
おこっとるやろなあ。
[なにも自分から虎の尾を踏むこともないのだが。
怒りをといておかないといろいろめんどくさい。
自販機でジュースを二本買って、とてとてとピアノのところへ。]
……
[毛布をかぶった奈波の後ろに、そっと。気づかれるまでそのまま聴いているつもりで。]
[緊迫感のある歌を弾いて居たので、ふと、首を一つ傾げる。
ねこふんじゃったをだんだんと早くして行く]
?
[ぴん、と手を止めて振り向いた。2、3度瞬きして、
最後の小節を弾いた]
あー、邪魔してもうたか?
ならえらいすまんかったわ。
[>>54小さく拍手して、ジュースを目の前に差し出して首を傾げた。]
や、あやまっとかな、とおもてな。
[帰りのバスでの席は一緒。
誰かに何かが起こった時にいちばん対応しやすい。
隣の席に座ったのは誰だったろうか。
さすがに往路のようにみんながはしゃぎ回る様子もほとんどなく、静かな帰路となったろうか。
自分も疲れが溜まっているけれど、誰か気分悪くなるかもしれないしと眠らずじっと起きていた。**]
プラネタリウムで見て聞いた分、だけ。
うん、冬の大三角形もあった…けど、何だったかとっさだと出てこない。
[にわか仕込みの知恵じゃだめだな、と肩すくめた。
みんなで、と言われれば小さく肯いて]
みんな、か…それも楽しそう、だけど。
いつものメンバーだと星見てるのか騒いでるのかわからなくなりそうな、気もする。
(まだみんなとがいいと香月が思うならそれでも良いかと、みんなの顔を思い浮かべると寒いって言う声が冬の夜空に響く様を想像した]
うん。
私の何を知ってるの、なんて言われたら困るけど…こう、すとんとさ、「香月らしいな」って思えた。
[照れる気配の夏蓮にもう一度同じ言葉繰り返し]
どういたしまして。…そろそろ戻った方が良いかな。
自分一人ならこのまま朝方日が昇るのを見たりするけれど、さすがに気温も低いし、戻った方が良いだろうと]
― 一学期後半のある日 ―
[もう、夏だ。
あの楽しかった林間学校から幾日が経っただろう。
夏服の半そでになったり、軒先で紫陽花が鮮やかに咲き誇っていたり、傘が必需品になったり。
季節が移るのは早いなと思う。
晴れた今日の空はまだ淡い青で、海の果てに雲が浮かんでいる]
あー、……
もうすぐ、例のお祭りかぁ。
[カフェにも宣伝の貼り紙を掲示したから、内容はよく覚えている。
まことしやかな言い伝えも耳に届いていた。
ぼんやりと呟き、屋上のいつもの場所から街並みを見下ろす]
確かにそうね、あのメンバーだと、じっとはしてなさそうね。
[その様子を想像するのはたやすかった]
みおちゃとななちゃとは行ってみたいな。いつか。
[と、ぼそり]
わたしらしさ…か。
[改めて言われると、自分らしさって、何だろうと思ってしまう]
そうね、戻りましょうか。
[今度は来た道を逆に下りていく。今度は慎重に。
途中、足が滑りそうになって、何度かしがみつくことがあったかも知れないが、多分、すぐにその手は離すだろう。
遠慮と、気恥ずかしさと、まだ気がついていないある何かのせいで**]
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