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楽しいの?そういうの?
[ババロアを口にしながら。味で思いついたのは、新撰組。なんでだろ?]
ねぼけてなんかいないわよ。失礼ね。
ワイルドって言ったら、スギちゃんとかじゃないの?
[最近見始めたテレビが意外に楽しい。受験期間はほとんど見てなかったから]
ガンジーがワイルドね。
[ワイルドの定義が違うのか]
じゃあ、ワイルドじゃなくって、エネルギッシュっていうのかな。
[ナナミには底知れないエネルギーというか、パワーを感じている]
……
[香月からのメールを読み終わるとずるずると座り込んで、頭抱える。
香月に言われた言葉は、散々中学時代教師や生徒会室で言われていた言葉だった。当時はただ、反発だけを覚えていたけど]
そっか、今のままじゃ、だめなんだ。
[夏蓮にそれを言わせたのは自分だとわかって、彬もまた乾いた笑いを漏らす。
今みたいな事をしている自分では彼女が羽目を外すなどとても無理だろうと、文面から伝わってきた]
to:香月
…うん、ありがとう。
ご褒美のことは関係なく、改めて誘わせてもらう。
[さっきとは違う短い文面。ちゃんと、夏蓮の言いたいことはわかったと伝われば良いと思いながら送信した]
楽しいで?
なんやろ。押せるかどうかもわからん壁に手をついて、延々押し込んでいく感触いうんやろか。
……自分の限界がわからな、先にすすめへんしな。
[はたしてどう説明したものか、悩みながらもそんなふうに。]
いや、ナナナミはワイルドでええわ。乱暴なんは間違いないし。
おとといも蹴られたばっかやねん。
そうやなくて夏蓮が、やな。
エネルギッシュっちゅーか……パンク?いやロックやろか。そんなイメージ。
― サボった日の午後 ―
[チケットは買ったけど、何となくこのまま見続ける気もしなくてまだ上映が始まっていない時間だったからキャンセルし、自宅に戻る。
それから制服に着替えて学校へ。
その日、ものすごく重役出勤してきた彬の姿が昼食頃に見られたかも知れない/*]
[多分、さっきのメールはテンプレート。優等生らしい。誰にだって言える、誰に対してだって言える。そんな言葉。
でも、それを送った夏蓮の気持ちはテンプレートに添ったものではなかった]
TO:彬くん
わかってくれてありがとう。
[とだけ送った。
昼過ぎに登校してきた姿を見て、何か安堵というか。
でも、複雑な気持ちがあった*]
― バイト中>>222 ―
ちょ、毒味役がなんでそこ。哀れ過ぎる。
[突っ込み入れてはクスクスと笑って]
食べるのか?まずくても、本当に?
男がお菓子作るなんてーって言う見方が一般的にないか?
想像してみろよ、俺が白いエプロンして泡立て器持ってお菓子作る姿。気持ち悪いだろう。
……絶対いらない。
[愁からのクッキーとかあり得ない、と本気で嫌な顔をした。
女の子からもらう方が絶対に良い]
ん、じゃあ後で。
[油売ってるな、とか店主に怒られつつフロアに戻っていって就業時間まで仕事した。
すぐに着替えて店の外に出ればすでに待っている美緒の横に立って]
お待たせ。
…特にこう、話が合ったわけじゃないんだけど…さ。林間学校以来中々話す機会が無かったから。
うっちーの方がずっとワイルドだわ。
そういう…なんていうか、盲滅法に突き進むのが楽しいなんて。
[茶化すでもなく、感心するわけでもなく]
まあ、蹴られるのは、大抵うっちーに原因があるわけだしね。
[それはナナミの責任ではないと断言し]
…。
[パンクとか、ロックとか。
どうして、こう、この人は見透かすような言い方をするのかな、と絶句する]
そんなことないわよ。
そうかいな?
きまったレールに乗って、できることだけしとるとか楽しくない、てだけなんやけどな。
あと、なんでもわいのせいにすんなや。
ナナナミ、わいには挨拶がわりに蹴りとかしょっちゅうやで。
[いまだに蹴られたところが痛い。
続く言葉には、かんらと笑って。]
パンクでもロックでもない、アンセルフィッシュなやつが、いい子ちゃんの仮面なんかかぶるかいな。
そんなん必要なんは、おさえこんでるもんがあるやつだけやろ。
違うか?
決まったレール?
子供の頃に反抗期のない子はそういう風になるって、どこかの精神科医の先生が言ってたのを聞いたことがあるわ。
[本当か嘘か分からない情報を鵜呑みにした発言]
アンセルフィッシュってなに?
別にいい子ちゃんなんかじゃないもの。本当にイヤな言い方するわね。
[ここはスルーしよう。そう思うのだけれど]
仮面はお互い様でしょ。この前もそう言ったわよね。
[ついつい意地の張り合いになってしまう。
落ち着こうと、紅茶を飲む]
…………あー。
その先生はたぶん正しいわ。
わいの子供のころとか、反抗期なにそれおいしいんですか母様、だったしなあ。
[痛い。痛い。
けれどそんな動揺を隠す手段は慣れたものだ。]
滅私奉公、とでもいえばいいんやろか。自分が自分がのわがままの逆、ちゅー話。
それに、わいは夏蓮がいい子ちゃんなんておもってへんよ。
むりやりそういう仮面つけてたんやないか?っておもってはおるけどな。
[けらけら笑って、紅茶を一口。]
……救急係呼ぶほど酷いと思われてるなんて……
[などと言ってはショックだ、とよろける真似をして笑う。
静かになった商店街を並んでいつもより大分ゆっくり歩きながら]
んー、そうだな。寂しかった。から、話せるのは俺も嬉しい。
[さらっとそう言って少し真顔になり]
時々ちょっと、空気が考え込んでる見たいに見えてちょっと心配だった
良いこと…?
んー良いことはない、かな…色々、考える事は増えたけど。
[図星だったとか。意外]
仮面、仮面、言いますけどね、じゃあ、その仮面剥がしてどうするつもりなの?
楽しい?そういう、人が隠している部分とかほじくって。
[それこそ、仮面だと分かっている、けらけら笑う顔が疳に障った]
[かちかちと、携帯をいじる。メールを送っているわけではないけれど]
…。
[ずずっ、と鼻をすすった。
メールを送ってこない人を冷たい、となんては思わないが。
逆に送ってくる人にはそれは、少しくらいは]
…。
[こうなると、なかなか手持ち無沙汰というか、もの足らないものだ。
仕方ないけれど。とりあえず、見舞いにもきてもらえるようだし、
早く元気になりたいし、と、熱いけれど、ふとんをかぶった]
楽しくないで?
そんなんで楽しむほど趣味悪くないわ。
[あっさり翻す。]
どうするもこうするもあらへんなあ。だいたいどんなんかはわかっとる、とおもうし。
ただま、一ついえるとしたら。
[指を一本だけたてて。]
普段の夏蓮よか、そーやって怒ってる夏蓮のほうに惚れてる、ってだけやろね。
本音隠してる人間て、みてて悲しくなるから、な。
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