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さらに奥に進むと、目の前に扉が現れる。
見たところ、どうやら勉強部屋らしい。
扉をあけようとするも、恐怖感が邪魔するのか、扉は動かない。
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さらに力を込めて、扉を開けようとする。
びくともしない。
どうやらこの扉はロックされているらしい。
とはいえ鍵らしきものは見当たらない・・・。
それでは内側から鍵を掛けているのか・・・。
はたまた不思議な力で開けられなくしているのか・・・?
「むぅ・・・。」
と思案していると、扉に紙が貼られているのが目に入る・・・、
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私は走った、ひたすら走った。そして息も切れ切れになった刹那、少女の姿は忽然と消えていた。
少女、いや、少女のいたはずの場所を見てみると、少女の服だけが落ちていた。
「今のは、一体なんだったんだろう」
気を取り直し、孤児院の探索を続けることにした。
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上を見上げるとまたもや張り紙と・・・、レバーらしきものがぶら下がっている。
このレバーを下げると扉が開く仕組みなのか・・・?
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夢?いや私の英雄願望の表れか…
「なかなかいい感じだったな、おっと?」
妄想で体力を使った私は小腹が空いている事に気づいた
「調理場を探そう。腹が減ってはいくさは出来ぬ…ってねぇ!」
テンションの高い私は一番近い襖を勢いよくガラッと開けるとそこは…
●
「よく来たわね、ここは現世と魔界のちょうど境界線のようなもの。もし貴方がここの結界を破ろうとするならば国家認定陰陽師である私が相手になるわ」
くっ、凄いオーラだ
やはり国家の陰陽師ともなれば福利厚生が充実してるのだろうか?それは許せない!
ここは…
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さてレバーを引こうとなったところで私は思い至る。私は身長が残念な程しかないことに。それだけが幼少期からのトラウマであった。相撲で誰にも負けないようにする為には筋肉を鍛えればいい。村一番の物知りになるためには人一倍努力して勉学に励めばいい。しかし、背丈だけはどうにもならなかった。
「どうしようかな!!!」腹立ち紛れに大声を出してみる。あたりにイス等踏み台になるものは見あたらなかった。
そこで私は思い出す。食卓の机がある部屋に置いてきた、獣人の存在を。
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この場から立ち去ろうとすると、あたりから
「えー、もう帰っちゃうのー。」
「つまんないやー。」
「ああ、やっぱり今回も駄目だったよ・・・。」
「このいくじなしー!!」
「くすくす・・・」
子供らしき笑い声とも罵声ともつかない声が響いてくる。
その声を振り切るようにあの部屋に戻っていった。
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獣人が倒れていた筈の部屋に戻ってみたが、その部屋には誰ひとりとして残っていなかった。
代わりに残されていたのは、一枚の紙きれ。
私は、その紙切れを手に取った。
それは、多少汚れで見辛くなっているものの、どうやらこの建物の地図の一部であるようだ。
裏には「おまえさん、このまえ」と書かれている。
これは一体どのような意味なのだろう。
何かしらの暗号なのだろうか。
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「もう面倒だからお前も来いよ、一緒に行こうぜ。」
国家認定陰陽師の手を掴んで、一緒に部屋を抜け出した。
こうして、俺達の愛の逃避行が始まった。
●
「待って、貴方に渡したいものがあるの」
そういうと母は手提げのバッグからあるものを取りだしたのだ
「これは……」
母は頷いた
「そう、これはふくやの明太子よ。貴方が好きだったね」
自分でも忘れてた事を母は覚えていてくれたのだ!
私はしばらく涙が止まらなかった
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この建物の地図らしきものを手に入れたのはいいが、
このままではあのレバーを引く事が出来ない。
「仕方がない、あの椅子を踏み台に使うか・・・」
部屋に置かれていたマボガニーの椅子を持って行く事にした。
忽然と消えた獣人・・・。
あの地図に書かれていた暗号・・・。
私には色々と引っかかるものがあるが・・・、
とにかく先に進まねばならない・・・。
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身長が低い私でも、力比べなら負けない。椅子を片手に持って軽々優雅に運んでいく私・・・そんなイメージを持って椅子に手をかけた。
「ふんっ・・・むっ・・・」
仕方ないので押して歩くことにした。
私はレバーのある部屋に戻ってきた。出たときと同じ声が部屋の奥から聞こえてくる。
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「ふぅ、これで…届くかな。」
私は椅子の上に登って少し背伸びをした。
…
………あと少し、ほんの数センチ足りない。
今ほど自分の背丈の低さを恨めしいと思ったことはない。
例の声に笑われてる気さえしてしまう。
あぁ…足場は不安定だがジャンプをすれば届きそうだ。
――――さぁ、どうしよう?飛ぶか?
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