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あ、マドモアゼル・フラン!
お帰りなさい。お疲れ様でした。
[ 街の中央、広場へと幾人か連れたってフランが戻ってきたのを見留め、声をかけた。]
買い出し、大変だったでしょう。
[にっこり]
あっ、ちょうど良かった!
えへへ、ただいまです。
いろいろ、ありがとうございますリュミエールさんっ。
[リュミエールの姿を認めて、駆け寄る。
久しぶりの「ただいま」はなんだか面映ゆい]
だんだん余所も大変そうな雰囲気になってきてました…。
水源がどうとか、汚染の進行がどうとか、学校で勉強してた頃より地理に詳しくなっちゃいそう。
[「お土産に」と焼き菓子を差し出しかけ、赫眼を見てそういえば食べ物で大丈夫かな、と今更気づいたり]
[ 駆け寄られれば、両手を広げ、数歩歩いて出迎える。]
いえいえ、お役に立てて光栄です。
[ フランが、他所での出来事や目にした物を語るのはうんうんと頷いて聞いていて。その後、お土産を差し出そうとすると。]
お菓子ですか?
わあ、ありがとうございます。
少しなら食べれますよ♪
[ フランが焼き菓子を差し出すのを躊躇う素振りと、自分の赫眼に注目しているのに気付き、付け加えた。]
[ほっと息をついて、焼き菓子を差し出す]
良かったぁ。
今日行ったとこは食品工場があったんですけど、生産ライン止まっちゃってて。
残ってる人が、あれこれ工夫して手作りしてるんですって。
やろうと思えば、まだやれることはあるんですね…。
[やれることをしようと、集積体に攻撃を仕掛ける者もいれば、日常を支えようとする者もいるんだなぁと少し物思いにふける。
こちらはどうでしたか?と首をかしげた]
[ 焼き菓子を受け取り、掌に乗せてしげしげと眺める。くんくん。]
んー、いい匂いですね。
[ フランが物思いに耽る間、焼き菓子を見ていた。]
僕の方ですか?
建物や機械の修理や、服の繕い物とか、皆さんのお困りだったことを助けてました。
でも、一番はマダム達とお話ばかりしてましたね。
[ あはは、と軽快に笑った。]
はは……、そういえば、ジムゾンさんという方が、集積体の事を尋ねに来ていました。
[ ジムゾンの容姿、教会の神父服などを触れて補足する。]
[ぼーっとしていたことに気づき、気を取り直してふむふむと相槌を打つ。
さっき住民から聞いたことも思いだしつつ、手が及ばなかったあれこれが解決したことを嬉しく思う]
ふふっ。
本当、お喋り大好きですもんね。
[情景が目に浮かぶようで、ふと笑みがもれた]
――あ。ちらっとお見かけした人、かも。
集積体のことなんて聞いて、どうするんだろう…?
[ジムゾンのことを聞き、頭の片隅に見かけた姿が浮かぶ。
血気盛んな若者ならともかく、神に仕える神父と集積体の取り合わせがなんだか不思議に思えた]
今になって新しく訪れる人がいるのって、だんだんどこも汚染や被害が酷くなってるってことなのかなぁ……。
リュミエールさんも、これから、また何処か行っちゃうんですか?
帰る先や、行く先に。
医療電子技術士 フラット が参加しました。
―街の中心、小さな医療所―
[ぱらぱらとカルテを整理してから、息をついた。
目も肩も疲れている、と自覚する。]
何でしょうね、僕は。
いつもと同じように過ごす必要なんて、どこにもないのに。
[技術士とは肩書きだけのこと。
実際はただの見習いに過ぎない。
そんな僕が働けるのは、世界の崩壊のおかげ。
でもそのせいで、つい診療所にとどまってしまった。
本当はもっと、やるべきことがあるのではないか。
人を助ける、そんな大義を掲げているわけではない。
ひとりの人間らしく生きてみたかったのではないか。
………………。]
[雑念を払うように、首を横に振った。]
……いや、これでいいんだ。
僕がいたことが役に立つなら。
こんな小さな街でも、誰かの支えになれる。
[だがその実、不安に押しつぶされそうであった。
駆け出しの、経験も殆どない医療者が、
一体どれほどの強さを持っているだろうか。]
ふわぁ……。
男の人って、そういうものなのかな。
[金髪の神父をぼんやり思い浮かべながら]
今の状況ってなんだか途方もない感じで。
何かしようっていうのは、きっといいこと、なんでしょうけど。
[神父の心の裡など知らず、立ち向かおうとする姿のイメージが印象に残った。]
うーん、残念。
やっぱり、行っちゃうんですね。
[リュミエールの答えを聞きながら]
リュミエールさんの行く手に幸運がありますように。
凪いで平らかな航行であれ。
[航行の無事を祈るおまじないを口ずさんだ]
[手伝ってもらいながら、お喋りを楽しむ]
新しい話題って久しぶりです。
きっと、お婆ちゃん達のお喋りループにもリュミエールさんの事が加わるんだろうなぁ。
[安易に「また」とは言えない気がして、話すことは今のことばかりになりがちだった**]
マドモアゼル・フランも、そういった男性を他に知っているのですか?
[ 悪気なく、くすっと微笑む。]
出来の悪い小説みたいな話ですよね。
ある日、空からお化けみたいな虹色の泡が降ってきて、地球が汚染されて、人々も文明も緩やかに死んでいってるなんて。
[ 街の中心からでも、遠目に見えるのは、集積体によって汚染された七色の斑の海。今は、血のように赤い色をしている。]
それが何なのか、誰も分からないなんて。
[ 一時、言葉を切る。宇宙からの災害で災厄。集積体が落ちてきた当初は、きっと皆大混乱していたのだろう。今は、遠目に見える海のように、寄せては返す波のように、奇怪な光景も日常の一部ともなって。]
本当はあれは神様で、僕達……いいえ、人間達を罰する為に舞い降りた神様なのかもしれませんね。
[ 強大な存在に伏し請う者も居るだろう。]
でも、もし神様でも、僕は。
「リュミエールさんの行く手に幸運がありますように。
凪いで平らかな航行であれ。」
[ 小さく呟いたその時、ふっと、フランのおまじないが耳に入る。]
………。
ありがとうございます。
[にっこり]
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