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―地下2階―
[ジョセフへが始祖の問いかけにどう答えたにせよ>>124]
うぬのやり方は全うなやり方ではない。
我等は糧を得るために人を襲う。
そこを履き違える輩を同胞と認めるわけにはゆかぬ。
[ギリとジョセフを睨みつける。ナイフを繰り出されたとしても簡単に払い落とし、ジョセフの首を真正面から掴み持ち上げる]
うぬは享楽で人を殺めたな。
[パンドラのことである。ジョセフが暴れて蹴りを入れようとしても空いた手で払い落とす]
容赦ならぬ。
[ジョセフを持ち上げる手に力を込める。徐々に、ジョセフの首を絞めつけてゆく]
[やがて骨の砕ける不気味な音が響く。首を締める手の隙間から血が流れだす。]
これが、うぬの報い…――
[イザークを殺めた時のように爪で胸を“割く”
中に手を入れ心臓を引きずりだす。
最期に止めとばかりに首を持つ手を捻り首をそのカラダから引きちぎった。
無残な姿になったジョセフをその場に打ち捨て、
始祖は闇に溶けた…――*]
なんか前から気になってはいたんだけど。
[鞄にしまってあった、クリスの心臓を取り出して見つめる。何かパワーを感じた]
…助けられなくってごめんね。
側にいたのに…
でもおかげで吸血できたわ。
ありがとうね。
[クリスの心臓を見つめているうちに、唾を飲み込むほど液が溢れ出した]
…おいしそう。
[妖艶に光ったエメラルドの瞳は、クリスの心臓を口に含んだ。そしていずれは止まらなくなり心臓すべてを食べてしまった]
おい、お前の心臓食われたぞ。
これで縛られるものなくなったんじゃないか?
[人の血を吸ってるクリスに話しかける]
ふふっ!あははは!いいわね!!
力がみなぎって来るわ!
待ってなさい!伊達!
あはははは!!
[熱くなる体がアシュレイを確実に、変えているのを感じて叫んだ]
― 地下2階 ―
ふぅ……。
味覚が変わった感じがするな。
[ヤギの乳を飲み干し、一息。
シンデレラに吸血されたことについて、体力的な消耗ははっきりと自覚していたが、どうやらそれ以外にも自分の中で何かが変わりつつあるようだ]
……日々の食事が生き血のみになるのはぞっとせんな。
[シンデレラの様子からして、吸血鬼に血を吸う以外の食生活があるとは想像しにくい。
美しさのために栄養ある食事メニューにこだわっているつもりはないが、さすがに毎日同じものは飽きがきそうだと肩をすくめた。
一方で吸血鬼になることそのものに生理的嫌悪はあまりないらしい。]
さて……次は何が出て来るのやら。
二度同じ手に引っかかってはやれんぞ。
[また身体が動くようになれば立ち上がり、得物とランタンを拾ってまた奥へと歩を進めた。
何か感覚が鋭敏になったのか、誰かに出会いそうな気がする]
[修道院を名に冠するアルベルトが特殊能力について話す間。
注意は一行の外に向け沈黙を保ったまま、
心臓のもたらす富と吸血鬼を滅ぼす義と、どちらを欲するか尋ねられたと思い出す。
疑う理由はない。そのような異能が現に実在するとは知らなかったが。
世界を禍から救う、と躊躇いなく口にする声に、羨望に似た溜息を吐いて忠興へ視線を流した。
翼によって支えられる、高潔なる日輪。
今までにまみえたどの高位聖職者よりも、修練士の銀の双眸には深い慈悲と潔い覚悟が息づいている]
…胸に刻んでおこう
[希望を失うな、との啓示には、苦笑とともに微かに頷いた。
吸血鬼の血を挿れられて後まで、果たして人でありたいと望み続けられるか。
失うのではなく棄てるかもしれない]
―地下2階―
[始祖も消えた後、男は一人通路に立っていた。しん――と静まった、じめついた通路は、転がったランプの炎で照らされる。]
[妙に寒い。末端なんぞは震えそうな程なのに、その実、胸部は吐き気がするほど熱かった。あの日振り払った、今日与えられた、熱がいまだ体内に残り燃やし尽くそうとするようだ。[この熱さは知っている][逃げられない]]
――…… くそ
[いつだかと同じ毒づき一つ。
男はランプを拾いあげる。]
[聞き終えて、口を開く]
ハンターとも、「白蛇の牙」とも、相容れぬ信念らしいな
[柘榴石という資源を求めるハンターは言うに及ばず。
軍での吸血鬼狩りは、ハントよりも殲滅戦に様相が近い。より迅速により安全に敵を無力化出来なければ、意味がないという思想だった。
村一つが丸ごと吸血鬼化したような戦場ではーー個々の、かつての善き魂は、名も無いままに蹂躙される]
……魔を封じて、戻れたヒトは、また戦力として闘えるのかな?ならば…
[相容れないと言った口が、緩められる]
殺すよりよほど有益。
貴方が近くにあらば、可及的に協力すると誓おう。
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