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陽が落ちる。
雨と霧はますます深く、強く、城を覆うだろう。
触れれば肌を蝕むそれは、まるで呑み込んだ虜囚を逃すまいと、城が意志を持つように。
吸血鬼の心臓を胸の裡に抱く者は、今――その数、二。
うち一つは、1000年の死の眠りから、拍動の息吹を取り戻そうとしていた。
どうやらこの中には、村人が9名、占い師が2名、呪狼が1名、血人が4名、封印狂人が1名いるようだ。
― B4 ノスフェラトゥの棲家 ―
…ここは…どこだ…?
[穴に落ち込んだ男が目覚めると、
今までとは趣の違う部屋にいることに気づいた。]
……あ、ああ、あああぁっ
[男は、その目に飛び込んできた“正体”に青ざめ、悲鳴を上げる
その、“正体”とは…――]
[悲鳴を上げる“生贄”を一瞥する]
うぬの求めるは我が心臓であろう……?
……そして、我の求めるのも……うぬの心臓……
[ニヤリと牙をむき、イザークの胸に手をかける]
― 1F中庭 ―
[ヤギの背に積んでいた荷物を、石造りの欠けたテーブルや床に展開。
特に必要なものをリュックに詰めなおして探索の準備。
荷物を包んでいた布はタープとして張り、崩れた屋根からの雨漏りに備える。]
さてと……
美しい私を見せに行く……のはもう少しあとか。
[気がつけばヤギが草を食べ水を飲み始めている。
連れていく気はないが、水筒に乳を入れていくため戻ってくるのを待つことにした。
そうして少し時を遊ばせている間に誰か姿を現したろうか、こちらを伺うなら気さくに手を振るだろう]
愚かしい人間が、
たった一人で何をや為さん。
[まるで歌うように独りごちて、イザークの胸に爪を立て、スッと縦になぞる。]
地獄の置土産に、恐怖を味わうがよい。
[くつり、くつりと嗤いつつ、徐々にイザークの皮膚を削り、肉を抉り、
――…やがて…目的の物を掴み取り、摂り入れた]
―B1廊下「水場の小部屋」前―
[>>0:320階段を下ってくる足音。二人、だろうか。重量を感じさせる音ではない。]
(女……か?)
[脳裏にふと浮かんだのは、>>0:191どこか記憶を想起させる面差しを持った女――アシュレイ。
当の本人がそこにいるとまで感じたわけではなかったが。
室内と、背後と、双方に気を張る中で。
ぞ く り と。
気配を感じると同時に、腰の「紅霞」が騒いだ。]
[人影に手を振られた>>5]
見た顔だな
[どこでだったか、思い出そうと記憶を辿る。
少なくとも知り合いではない]
…
[小さく片手を挙げて、反応を返す。
言葉を交わすには少し遠い。そして、空は一段と暗くなっていた]
[ここではない、まだ遠い――深い、どこか。]
(目覚めた……?)
[それでもなお刀が怯える程の何かが、すぐそこに開いた大仰な扉、その先のどこかに――いる。
彼の様子が変わったことに、周囲の者も気づいただろうか。
足を踏み入れてはならない場所を目指しているのではないかと、悪い予感に苛まれる。
その中で、>>6小部屋の扉が開いて、見覚えのある娘が姿を現した。]
[立ったまま手早く棍の一節を外し、固く布を巻き付けた器具を接ぐ。
松脂や硫黄、石灰に、少量の柘榴石を染み込ませた布。石を打って火をつけると片手に持ち替えた]
灯りはあるか?
[松明を、強く一回転させる。焔の軌跡が朱い筋を宙に描いた。
休憩所のフルムセートへ向けた声は、やや大きく。相手に届く分だけ]
[壁伝い進み、並んでいる扉を一つ一つ開き、中を確認してゆく。
少しずつ、感覚が研ぎ澄まされてゆく。
そのうち、僅かに何かの気配が感じられる扉の前で足を止めれば、少しの時間思案する。
そして、わざと小さく扉を揺らし、扉の横の壁に身を伝わせつつ、中の反応を探った。]
― 中庭 ―
どうしたのかね?
この距離、オペラグラスでもなければ私の美しさは堪能しきれまいに。
照れるのも気後れするのも無用だよ、鑑賞は自由にして行っていい。
[遠目に見える人影の顎が僅かに動き、何か呟いたのはわかるが内容までは聞き取れない。
自分の声も届いているか微妙だが、気にせず近付いてくるがいいと椅子に座ったまま手招きしようとすれば、松明で円を描かれて(>>11)]
あぁ、灯りか。
[準備を整えて置いてあるリュックの隣にあったランタンを取りだし、テーブルに置いてみせた。
火をつけるのに少しだけ時間がかかり、ハンター業種の熟練者ではないことを知らしめたろうか]
[人の心臓を、血肉を得た始祖は覚醒した]
久々の血、久々の肉であった。
[上のざわめきに訝しがる]
何を騒いでいるのか…
[“偵察”するためにある手段を講じることにした**]
[銃口を下ろされ>>4、大げさに安心したような素振りで両手を下げる。
愉しそうな視線はそのまま。]
まぁ、そんなものです。
警戒心、ですか。
貴方が吸血鬼だというのでしたら必要かもしれませんが、どうにもそうは見えませんし。
[そうでなければ面白くない。
人を吸血鬼に変えることも愉しみであるのだから。]
ま、それも必要でしょうけれどね。
貴方にしてみたら、正体がわからない私に警戒するのも正しいのでしょう。
普通、というのは分かりませんが、貴方のようなハンターの方が多いでしょうね。
[眉を顰めるその表情を見て、歪んだ笑みが口の端に零れる。]
―B1―
……――。
[ぞくり、とした。
掲げたペンダントの灯りがぼわっと大きくなり熱を持つ。
まるで何かに―共鳴したかのように]
退不能―當然。
[退かない。当然だ]
いく、ぞ、アシュレイ。
[灯りが元の明るさに戻ってから、廊下を進んでいく]
―階段―
[微かな風の音から地下へと続く階段を探り、ふと考え込んだ。]
あの珍しいおっちゃんは高い所好きそうだよね。
[ふと考えて、階段を一歩一歩下っていく。]
うん、寝る時くらい静かな方が好きかな。
[地下へと続く道に、生まれ育った地下墓所を思い出したのか、足取りは軽い。
重い鉄鎚の音を響かせながら、騒々しく降りた。]
あれ、こんなとこにも人がいるんだ。
[階段を降りた先の気配に思わず口走った。]
[暗い雨筋越しにも、どことなく優雅な。見方によっては芝居がかった大仰な仕草で何やら暫くごそごそしていたが、やがて休憩所にランタンが灯る]
誰だったかな…
[灯りに照らされた顔を見ても思い出せない。知っている顔ならばたぶん軍関係者かハンターだろうかと思ったのだが。
幾らか近づこうと庭に足を踏み出した]
[常の彼には見られることのない動揺に、相棒は気づいただろう。
彼を深く知らない者たちが感じ取れる程の変化があったかどうかは分からない。
弾みかけた呼吸を、静かに、静かに。戻す。
ふ、と息を一つ吐いて。]
ああ……お前だったか。確かシンデレラとか、いったか……
[違和]
―――…
[水を飲んでいたヤギは、雨の下。
その身が捩るように蠢いて鳴き声を上げた]
おい!
[声を上げながら、水滴の下に掌を出す]
[茶を飲み交わした時と変わらぬ様子>>15からは、彼女が何を感じているのか、伺い知れない。
今の気配、分かる者には分かること――ただ一言で単純に問うた]
気づいた、か?
― 中庭 ―
[ようやく点火に成功すると、休憩所の中を見渡してランタンを置くか吊るすかする場所を探すが、これといっていい箇所がない。
テーブルはあまり広くなく、置くだけならいいが置いたまま別のものを広げるなら手狭であろうか]
美しき私の舞に用いられるのではないのは、私の得物として正しい使用法ではないかもしれないが、美しき私を照らすためだからより相応しい使い方だろう?
[そんな独り言を口にしながら、腰から提げていたハルパーを手にし、刃にかぶせていたカバーを外す。]
[右腕が閃けば、外刃ハルパーは投じられて柱に刺さり込んでいる。
立ち上がり、ハルパーの柄についている連結用のフックにランタンを引っ掛けてやる……と、灯りは柱に掛けられた。
遠くの人影が近付いて来ていることはフッと頭から抜け落ちていて、突如の声に思い出したろうか。]
伊達忠興……だ。
[政宗、遥か昔にそんな名前のブショウがいるとは知識としてあったが。彼の家系とは全く関係がない。
緊張感のない様子に、何も感じていないのかと思いきや>>27そういうわけでもないらしい。]
(おかしな娘だ……)
[言葉を交わす内に、背後の足音の主も迫って来たろうか。
どうやら、その後ろからも大きな音を立てて来る者があるらしい>>24
先に待つ者は、とても彼と相棒の二人では対処し切れるものではないと感じている。
地下に下りる前、>>0:228見かけた吸血鬼のこともある。
それを伝え、戦力になると判断ば協力を求めたことだろう。
その返答の可否は、今は*知る所ではない*]
[防水のマントを頭から被り、鼻と口も覆う。
ぬるつく手袋の指先と、異臭が示すもの]
おい、雨がおかしい!
[短くそれだけ発して、呼吸を抑える。
人影に警戒に足りる意識を向けたまま、ヤギの方へ走り寄った]
[少年(?)がなぜ首を傾げたのか、わからない。
わかったところで意味を教えたかはわからないけれど]
イシ?
何のハナシだ。
[おばちゃん、といいかけたのは見事にスルー。
言われる年齢だという自覚がないから仕方ない。
不思議な形の鉄槌に目をやりながら、怪訝げに聞きかえす。
先を行こうとするのなら、その背中に問いかけた形になるか]
しっ
どう…大人しくしてくれ
[ヤギは、出所のわからない痛みに興奮して地面を掻きながら首を振る。
雨の当たらない場所へ避難させようと、牽いた]
[石の事を問われれば、不思議そうに首を傾げた。]
あれ、お姉ちゃんたちも石が目当てなんじゃないの?
ええと、ほら。
[ふらりと出た街の酒場で、どうすれば食事に有りつけるかと尋ねた時に返って来た言葉。
『金の無いやつに食わせる飯はねえよ』
『どうすれば金が手に入るか、だってぇ?』
『ははは、吸血鬼の柘榴石を手に入れればいいじゃねえか。あれは高値で売れるらしいぜ』
酒飲みは乞食を誂いつつあしらったつもりだったのだろうが、それがここまで来てるとは酒飲みも想像しなかっただろう。]
ほら、吸血鬼のナントカ石があればご飯が食べれるって話でしょ。
ね、マム、確かそんな話だったよね。
[確認するように鉄鎚へと目を移した。]
んー……
[不機嫌そうな唸りを上げて。]
たしかに、そうだね
油断させて殺そうとしない限りは。
[ああでもそれも、吸血鬼が取るには回りくどい。
この男の言うことに素直に納得してやるのは、
なんだか、嫌な気分になった。]
……、べっつに。不快になんて。
思ってないよ。
[言葉とは裏腹、口調も、翡翠もしっかり不快だと物語る。
ふう、と大げさに息をついて
今度こそ不機嫌な表情を向けた。]
で、先輩ハンターさん?
君の始祖吸血鬼の話を聞いてここに来たんでしょ
なにか手掛かりはあった?
[今更だが名前を名乗ろうかと思ったが。
結局口は継ぐんだままに]
― 中庭 ―
雨がおかしい?
等しく天より地に降り注いできた雨粒たちが、どうにかして美しい私に触れようと必死になっていると?
ふむ……それで君に迷惑をかけているのならすまないね。
しかし世界が私の美しさに見蕩れているのでは、人間にできることはそう多く……っ!?
[椅子の上で膝を組み、人差し指でくるくると髪をいじっていて……ヤギが苦しみ暴れて、男が避難させようとしたのに気付くのがやや遅れた]
なるほどな。
誰か知らないが感謝する。
……頭を下げては美しい顔が見せられなくなるので口頭のみだが。
それにしても、屋根はあるとはいえここを利用するのは正解ではなさそうだな。
移動する! その間ヤギの面倒を見ていてくれたまえ。
[中庭から避難したであろう男に向かって声を張り上げる。
リュックを背負い、柱に刺さったハルパーを引き抜き、吊り下がったランタンはそのままに手に携えて。
タープ替わりにしていた荷物の包みを外套として着込んで一時しのぎとする。]
[石畳を小走りに抜けた時には、外套として身体を守っていた包みの布は異臭を発すると共に、織物として崩壊の危機を迎えつつあった。
ここまで走ってくる間だけではなく、タープとして使っていた頃から既にダメージを受けていたのだろうか。
どちらにしてももう使い物にならないため、その場に投げ捨てて処分した。]
何故かは知らぬが……困ったものだ。
姿も見ないうちにこう一杯食わされるとは。
[自分とリュック、得物とランタンだけはこうして手元にあるが、その他に準備してきてあの場に残置してきた資材や道具と離れ離れになってしまった。
タープとしていた布もなくなり、雨漏りが始まればあの場所も安全な保管場所とは言えなくなったしまうだろう]
悔やんでも仕方があるまいし、その必要もないか。
私が美しいのにはかわりないのだから、何も起こっていないに等しい。
[独りだけ補給が切れた状態になったわけだが、過剰な自信は崩されることなく。]
さて、とりあえずどうしたものか。
とりあえず休ませないとな。
[ヤギの様子を見て、手が施せるなら実行。
男がまだその場にいて何か話があれば耳を傾けるつもり。**]
君の――、ジョセフの目的が石なら、
利害は一致する。
僕が欲しいのは、……いや、ここに来たのは
石より前の吸血鬼が 目的だからね。
[じぃと注がれた翡翠は、一度二度、瞬きによって遮られ]
君が、いいと言うのなら。
[経験の少ないことは先の会話で知られよう。
それでも同行を許すのか、尋ねるように言葉を切った。
可とするなら、自身の名を短く告げる。]
短い間ですが、どうぞよろしくお願いしますね。
[彼が手を取ろうが無視しようが気にせず、笑みを張り付かせたまま。
短い間。それは彼を吸血鬼に変え、殺すまでの間。]
上にはいないと思いますし、おそらく地下にいるでしょう。
私たちの他にも、ハンターが来ているようですから。
[地上にいるとすれば、既に他のハンターが見つけているだろう。
そういった物音は聞こえない。
カークを促し、地下への階段を探そうと歩き出す。]
まずは、二人……。
[カークに聞こえない、小さな声で呟く。
姿をはっきりと確認した二人。
他にもいるハンターたちの姿も、早く確認したいと思う。]
楽しみですね。
[歪んだ笑みを浮かべ、腰に差した短剣に触れる。
熱はもう治まっていた。
早くこれを使いたいという衝動を抑え、地下への階段を探した。**]
―棲家―
[始祖の生贄となったイザーク。
その亡骸は棲家の外の“湖”に投げ込まれた。
この湖は地上で雨として降っているものと同じ。]
さぁ、仲間を増やすのだ…――
[吸血鬼たちに呼びかける。]
[>>30謝罪には、問題ないと言うように頭を振って。表情を改める。
>>27感じたというのならば]
この先に待つのがどんな相手か、分かるな?
自信がなくば去れ。行くと言うのなら、人の力を借りることだ。
命が大事なら、な。
[言葉の裏に「人間としての」という言葉を含ませて]
[後続の者たちがそこに達したのは、アルベルトも交えて、娘と会話する内か、後か。
どちらにしても、シンデレラ、後続の者、双方に同様の内容を伝える。]
始祖だけではない。古吸血鬼もいるようだ。気をつけろ。
[相棒からも、目撃したことについて言及があったろうか。
液化の能力が確認できたこと――裏を返せば霧化はできないであろうことを告げる。
敵対意思のないハンターと知れれば、協力を申し出る。ジェフと交わしたもの(>>0:70>>0:76)と似たようなものになるだろう。
こちらから同行を求めることはないが、求められれば拒むことはなく一つ下の層へと*探索を開始する*]
― 中庭近く ―
[雨の当たらない屋内まで退がって、マントの端を裂く。
腐食されていない布地の内側を片手に広げた]
おい、拭いてやるだけだ、そう怒るな
[人に対するごとく、蹄鳴らして角を振り上げる獣へと話しかける。ヤギの背は、密な毛並みに守られたとしても、可哀想なことになっていた]
[小走りに蝕雨を抜けて来るフルムセートを迎え、ヤギの傍らを譲って水袋を一つ投げ渡した。
手当ての初手として、真水で洗ってみてはどうだろう、と無言の提案。
自分の為の飲用水だが、端正な顔の男は荷の多くを四阿に置いて来てしまったように見えた]
…何も起こっていない?
[美しい、の単語は聞き違いかと流したが、呆れる程に楽観的な現状把握へは、思わず声を漏らす]
大した御仁だ
俺はベースを回収し地下へ降りる
雨は凌げでも、この霧――すぐには気付かぬだけで腐食性を帯びているかも
[心配するは肺や粘膜で、決して、肌荒れではない]
…良い野営地選びと見受けのに、困った事態だな?
俺も最低限の装備だが、何か不足となれば融通しよう
[控えめな協力を申し出て、雨の帳の奥へ閉ざされた休憩所の方を見遣った。
城内へ入ったタイミングでのこの怪異。
手の内へと誘い込まれているようで、気に入らない。相手のペースにさせれば戦況は不利に傾くもの]
[壁一枚隔て、立つ位置は同じ。
ピリ、と肌に感じる様な緊張感は、耳に入った声はに僅かに和らいだ。]
ごめん、違ったみたい。
[声は、明らかに違っていた。
その声に、先程の恐れや怯えが入り混じった弱々しさは全く感じられなかった。
敵意は無いと、知らせる様に足音をたてて扉の前に立つと、ゆっくりと扉を開けた。
最も、何かの仕掛けられた時に備え、最低限の警戒を払ってはいるが。
扉を開ける手に一瞬力を込め、押し破る様に。
男には闇色のローブを纏い、首を傾けた人物の姿が目に入っただろう。**]
[大扉にほど近い場所にあった小部屋から現れたのは、広間で出会ったメイド姿の娘だった。
舌足らずな口調をいぶかしむも、「寒気がする」と聞けば、]
体調が優れないのですか?
そういえば、先ほども薬を飲んでおられましたね。
どうか無理なさらずに…
[城を出ることを勧めたいが、そろそろ日没だと思えばそれもためらわれる。]
シンデレラ、具合が悪いようでしたら、上のキャンプで、火の傍で休まれますか?
この城は本当に危険なんです。
ことに、暗い場所は…
[ 忠興がわずかながらにせよ息を乱したことからも、闇の力が増していることは察していた。
これまで自分の中に取りこんで鎮めた吸血鬼の魔精のざわめきをおさえるよう、ふるりと*首を振る*。]
ー地下2階ー
[耳の近くで聞こえると思った声は、今>>52は血の中から、疼く心臓から聞こえるみたい。
今までに会ったどの仲間からも掛けられたことのない、心を揺らす圧倒的な力の波に、ふらふらと体を揺らす。]
産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。
海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ。
[口を蠢かせて笑い声を立てた。
剥き出した牙を唇の下に隠して、迷路のように曲がりくねった通路を歩く。]
―B1廊下―
[シンデレラの「寒気」を>>60体調不良と捉える相棒に苦笑しそうになるも、言われて見れば、確かにどこかおかしいようにも思えた。
相棒の"血"が変調を見抜いたのだろうか。
>>53>>54警告を与えつつも、彼女が体の変調を認めるようであれば、相棒の言葉>>62に同意を示した。]
[相棒と共にシンデレラと話をする内に、階段側の方から何やら>>67話し声が聞こえてきた。
会話の詳細は分からないが、どうやら先刻思い浮かべた女と、他にもハンターがいるようだ。
ハンターが来るのならば伝えたい情報もある。振り返れば、その視線に彼らも気づいただろうか。]
ぅフ。ふ。
[陽の届かない地下は心地よい闇。
古い古い、埃と死んだ石の匂い。]
イタい、イタい、 いたい うふ。
ひどい、ひどいひどいひどい。
[追われて、狩られて、矢で射かけられて、首を刎ねられた。
この胸の骨をへし折って、心臓を抉り出す刃物の熱さ。
体が灰になって消えて行く恐怖!]
こわい、こわいこわいこわい
[人の血を流すものは、人に血を流される。
吸血鬼の血を流すものは、吸血鬼に血を流される。]
ねェ、ハンター…
[遠くに、開かれた大扉が見えた。
何気ない風に、周囲へ目を走らせてる雰囲気でゆっくり歩く。
完全に真っ暗な通路だから、それじゃあおかしい、
なんて、思わなかった。]
[>>67彼の動揺に相棒が気づいたのと同様に、彼もまた相棒が首を振る仕草に気づいた。]
(大丈夫、大丈夫だ……)
[吸血鬼を滅ぼす為にも、そして――相棒を守る為にも。彼が怖気づくわけにはいかない。
その想いが彼の動揺を鎮めていく。
相棒と、自分自身を宥めるように、小さく一つ*頷いた*]
―地下2階―
[ゆらり影が形を成す]
どうした、同胞。
怖気付いたか。
[クリスの真後ろから声をかける]
今のそなたは、以前とは違う。
簡単に殺られることはあるまい。
――…そなたがしくじらねば…な。
[くつりと嗤い…――]
マムっていうの。その武器。
すごいわね。
[軽く持ち上げるエレクに、関心して頷いている。
伊達たちの事を聞かれれば]
ええ。
先ほどあったばかりだけどね。
[アシュレイも伊達をじっと見つめた]
[>>72女の呼びかける声に、「ああ」とだけ応じて。傍にいる相棒もまた、気づいて声をかけるだろう。
女の口元に浮かんだ微笑――やはり記憶の中の少女に似ている。その危うさも。
>>76知り合いか、と問われれば肯定を返す。おっちゃん――と呼ばれる歳ではないと、口には出さない。相棒がどう反応するかは定かではないが。]
[女の他に、派手な武器を持つ少年、傍には少女のような姿もある。
およそ少女に似つかわしい場所ではないが、彼とてハンターになったのは少年の頃である。
立ち居振る舞いは彼女が単なる少女ではないと告げていた。]
そこの二人も、ハンターか?
[この先に向かおうとするハンターと確認が取れれば、>>54警告を*発した*]
ヒアっ!?
[真後ろから、ほんものの耳を通してかけられた声>>75に飛び上がった。]
ぅあ、アア、いえ…
やれます、やり ます。
[叩かないで、と子供みたいに頭を両手で抱えようとして、血が疼く。]
―→地下への階段―
[地下へ続く道を探すなか、男は一度足を止めた。
微かに漂った臭気。
それの原因は何かと辺りを伺う。
雨も霧も、腐蝕の性質を帯びたとはまだ知らず。
それも外に出るか、誰かに聞くか出来れば知ることになるだろう。]
― 1F ―
[マントの首元を鼻先まで引き上げて、ベースへ戻る。
フルムセートに背中を見せることはなくも、警戒の度合いは低い声音で名乗りを上げた]
[姓名を伝えれば相手からも返るか。
名を聞けば思い出すかと考えてのことだが、
劇場前の看板で見かけただけの顔、結局思い出すことはなさそうだった]
[ホールへ戻る道、前後に距離を離して歩く二人連れに遭う。
大剣を提げた男と、暗い色のマント。
松明を、己が顔から離した位置へ掲げ直して足を止めた]
ハンターだな?
[すれ違おうとすれば間合いに入る、と考えながら、低音の声で誰何を投げる]
[前を歩く男は、張り付けたような笑みを浮かべていたろうか。
差し迫った攻撃意志は感じず、ただ、経験から不穏を覚える。表情を変える代わりに気配を締めた。
相手への警戒を伝えることは、手痛い反撃を覚悟しろという牽制には、なる]
…雨に気付かれたか?
もしどこかにベースを設置したなら、荷を回収して地下に移動した方がいい
[掛ける言葉は、ジョセフとカーク、双方に向けて。
傷みの激しい部分は裂き捨てたが、腐食を受けたマントからは幾分濃い異臭が漂っていた]
なんでもないわ。リアン─
ただ少し昔を思い出しただけ。
[それでもアシュレイは、寂しそうな表情を浮かべた。
忘れることなどできなかった。
自分の愛する家族がアシュレイを、縛りあげる。怯えた瞳を─
「死んでもかまわない」と思われた、悲しい思い出を─]
(どくん、どくん)
[私は、身体の疼きに耐えつつも
首筋にそっと触れてみた]
……ッ!
(どくんどくん、どくんどくん)
[首筋がずきずきと痛む……**]
[ゆらりと像を結ぶは崩れかけた2階]
ほぅ、随分と荒れておる
今ここにいるは、欲と業にまみれた狩人ばかりか…
[ふと1階に人影を見る>>49、>>79]
あれは…同胞…か。
[目覚める前の共鳴に反応しないあたり、普通の吸血鬼と異にする者か。
共にいる者は、吸血鬼ではなくとも、共鳴する同胞になり得る人間。
更にハンターと思しき男もいる>>94]
――…面白い。どこまで愉しませてくれるのか……
[口の端を上げ、笑みを浮かべる]
[シンデレラは探索チームに加わるという。
どこか調子外れな様子には不安を覚えたが、逆に側において見守る方がいいだろうか。
少なくとも、彼女は忠興に反抗的な態度ではない。]
腕に覚えがある、とのことですが、武器は何を使いますか?
それによってフォーメーションを組み替えることになると思います。
[そんな質問を投げている間にも、地下への道すじには人の気配が増える。
階段をおりてきた一行のうち、見覚えのあるのはアシュレイひとり。
そして、見たところ、彼女が最年長のようだった。
彼らも始祖を狙うのにハンターチームを組んだのだろうと予測したが、まだ三十歳に手の届かない忠興やアルベルトを「おじさん」と呼んでも違和感ないほどの相手を前にすれば、保護者の気分にもなる。]
失礼ですが、吸血鬼を倒した経験は、いかほど?
[戦った、ではなく「倒した」経験を訊いた。
その違いは大きいと。]
[忠興が宥めるように頷くのを見れば、はい、との応えをこめて微笑する。
言葉を交わさないそのわずかなやりとりだけで、ぬくもりをわけてもらった気がする。
闇に立ち向かうために必要なもの。
忠興は蛮勇型のハンターではない。
敵の怖さを知っていて、なお戦場にあることを望んだ者だ。
その彼が受け入れたチームとともに、進むことにした。]
モナステリーです。
覚えにくければ、"修練士" と呼んでいただいても結構です。
[名乗りとともに、杖の聖印を示して聖教会の者であることを明らかにしておく。
聖教会が吸血鬼撲滅を掲げる組織であることは、この国で暮らした者ならば誰でも知っていよう。
修練士──まだ修道士になる前の見習いに過ぎないが、地位にこだわりは*なかった*。]
[>>94糸を張ったような、隙のない空気を肌に感じる。
意識の向く先まで汲み取れるほどではなく、
自身にも向けられたものとして受け取っていた]
へえ……。雨が。
逃げられなくなった、てことなのかな。
[拠点など設置もしていないので、そこの部分はジョセフの言葉を待ちつつ]
雨のことは知らなかったけど
ちょうど、地下への道を探してたんだ。
……あなたは、知ってたり、するの?
[また「初めてお会いした貴方に教える理由はありますか?」などと返されるのだろうかと、細めた翡翠はジョセフにちらと向く。
ついで幾分か緩められて、屈強そうな男に向けられる]
[なんでもないようなものに過剰なまで反応してしまったのは、かつての恐怖心のせいか。
首筋に流れた汗に気づき、苛立たしげに手の甲で拭った。
自身の体温でさえ、振り払った熱い掌の感覚を思い出してしまいそうで、余計に焦燥が募る]
退路の確保が困難になったな
元凶を滅ぼせば、解決、っと
[緑のローブの方へ同意を示す。
二人が共に、今の荷物だけらしいと聞けば、荷の乏しいジョセフには同行者が他にいるのだろうかと考える。
背後、フルムセートの存在を脳裏に浮かべて、否定する。
つかみ所のない独特な男と見えたが、剣呑さのない人間だった]
[カークが悪寒を覚えるより刹那遅れて、肌が粟立った]
―――
[逆手に持ち替えていた松明を離れた床に投げる。
高い破壊音、床に灯が突き立つより速く飛び退ったが]
……
[襲撃のないまま気配は消えた]
[反応を見比べる。
どちらにも何も言いはせずに、
問われた地下への階段を示す。二人の背後]
階段な…まだ降りてはいないが、見た
探査出来た範囲では他に下り階段らしきものはなかった
戻って、そのまま真っ直ぐ、ここからなら――およそ230歩
[陽が落ちた。地下は元々暗いだろうが]
灯りはあるか?
[>>84はっきり「伊達」と認識する呟きが聞き取れる。時折受ける好奇の視線にも覚えがあった。
とすればモグリではない。どうやら正統寄りのハンターのようだ。
黒髪、この辺りの者とは異なる人種の顔立ち。とすればこちらも予想がついた。
彼が名乗れば、少女もまた聞き覚えのある姓を名乗っただろうか]
[「御大が目覚めた」
その言葉は妙に重々しく聞こえた。
屈強な男の身のこなし、見えていたなら何か思うこともあったろう。けれど男に知覚出来たのは松明の投げられた音だけ。
緊張が続いたように翡翠は強張りを見せて、教えられた階段への頷きを返す。]
灯り、なら。
ある。安物だけど。
……あなた、有名なハンターだったりするの?
始祖って、どれぐらい強いのか、なって。
[ジョセフが何か問うただろうか、男も自分の気になることを聞いてみる。答えが返ろうが返るまいが、気にすることはないが]
[>>86鉄槌の上で目線の高さを合わせてくる――それほどに幼い少年をどう解釈するべきか。
この小さな体で本当に扱えるのか、と疑問を抱きかけるが"マム"と呼ぶ様子は何処か、彼が「紅霞」に相棒とはまた別の信頼を抱くのに似ている。素人ではない、ということなのだろう。
ハンターとしての資質は相棒の問い>>107への返答を聞くまで量り兼ねた。
>>113渋い顔をするのを見て、もう一度その武器を見遣る。
巻き添えを食らうのは確かに御免だ。]
ああ、それでいい。始祖は人間が一人で戦って勝てるような相手ではない。そのことだけは肝に刻め。
こちらも、援護が必要な時は協力しよう。
いや、
[忠興に告げたごとく新参、と言おうとしてやめる]
――始祖の強さは見当もつかん
水をこれほどに穢して操る術には、どれほどの力が必要なんだろうな
[あるいは瞬間転移の術なら?
ただの霧化とは気配の消え方が違った気がして、眉を寄せる]
[他の人間を見つけようと彷徨い続け、中庭に出る]
あら…雨…?
[降る雨をぼうっと見つめる。段々強くなる]
…中に入りましょうかねえ。…ああ、忌忌しい。
[苦虫を噛み潰すような顔。夫、フィリップが「急変」したのもそんな雨の強い日だった。あのときから雨は大嫌いだ]
[いらいらする。手足ががたがた震えだす…]
いやだわ。また…
[少しでも不快なことがあると体の震えが止まらない。それを落ち着けるために酒を煽る]
…ふう。
[気持ちが落ち着く。震えはフィリップの心臓に矢を撃ちつけた翌日から、ずっと。そのたびに酒を煽った。]
[いつしか、アルコールが切れただけで体が震えだすようになってしまっていた。]
始祖吸血鬼…
[持っていたグラスが激しい音を立てて割れる。]
どこに…いるのよ…
[再び、彷徨い歩き出した]
そ、っか。うん。
ありがとう。
[強いのならば。
ガラス奥で思考する翡翠は、演算を終わらせた。
さて、名を尋ねたのは誰からだったか。誰も尋ねぬまま別れそうならば、男が口を開いたろう。名だけを告げる端的な言葉。
それ以降、ジョセフが何か尋ねるというなら、特別なことがない限り口を挟まないだろう。]
[アシュレイが、この前と同じように問いをそのまま返してくる。]
吸血鬼を倒したことは、あります。
ひとりの力でではありませんが。
[こちらも正直に答える。
聖教会が始祖討伐に送り込むだけの実力者に見えないことをいぶかしがられているのかもしれないとは思った。
自分が、どちらかといえば男として華奢なたちであるのは自覚していたから。
それとは別に、未経験を悪びれることのないアシュレイの態度と、時折、その瞳を過る揺らぎとに、どこかアンバランスなものを覚える。
その隙を吸血鬼につけこまれなければいいと願った。]
[「伊達」の名を意味ありげに呼び、答えの代わりに姓を名乗ったリアン。
その自負にはどこか忠興に通じるものを感じたけれど、向けられた双眸を見て、アルベルトはわずかに表情を陰らせた。
アルビノでもないのに紅を宿した目。
吸血鬼を連想させるそれを嫌う者もこの国には多い。
ここに来るまで彼女はいろいろ苦労したかもしれない、と思う。]
[歩いていると地下への階段を見つける]
…そういえば。
[鞄から夫が遺した手引きを取り出し、ぱらぱらとめくる。10ページ目に吸血鬼は光を嫌うという旨の内容が書かれていた]
そうそう。吸血鬼って暗いところが好きだったかしらねえ。灯りは…と。
[ゆったりとした口調で呟きながら鞄からランプを取り出す、そのランプは通常の形とは違った。]
ふふ、あの人がこれを買ってきたとき、私、悪徳商売に引っかかったんじゃ、って散々怒ったっけ。
[腰にベルト状のものを巻きつける。サイドのスイッチを押すと、正面から眩しい灯りが付いた。最新式の、電池で付く灯りである。両手武器を使うフィリップ、そしてシェリーにとって手を使わない灯りは探索に必須だった。]
[階段を下りる前、誰かの声が]
…誰!?
[振り向くも、姿は見えず。幻聴、だろうか。ここ最近はそれにも悩まされる。再び怒りが湧き上がり。弓を持つ手に力が入る]
…行きましょう。
[地下へと潜っていった]
おかしな気配がしたから、追ってみたのだけど。
[中から姿を見せたのは、若い男だった。]
何か気づかなかった?
[一匹だけじゃないのだろうか、と問いながら、視線は自らの背後へと向けられる。
その時、ようやく腐臭の様な、刺激臭のようなものに気付いたのか、フードの中で眉が寄せられた。]
[鉄球に乗ったままの少年の答えには目をしばたたいた。]
逃げずに向かってくる骨…とか、起き出す骨に関しては、申し訳ありません、存じかねます。
わたしは吸血鬼専門なので──
それと、吸血鬼は「動かなくなるまで叩けばいいだけ」ではありません。
吸血鬼の活動を停止させるには、特殊な方法でその血を清めるか、心臓にあたる紅榴石を取り出すこと。
吸血鬼を完全に滅ぼすには、その紅榴石を燃やすなどして破壊することが必要になります。
どうか覚えておいてください。
……ほほぅ…我の姿が見えぬとな
それで我に挑むとは……面白い。
[シェリーの挙動に>>139くつりと嗤うと、
ゆらりと姿を溶かす]
そういってたわね。モナスナリー
ごめんなさいね。
[それでも何か思ってそうなアルベルトを横目に、それ以上は聞かなかった]
そうよね。
そういう対処法だったわね。
[さすが吸血鬼に対して専門家のアルベルトに、関心して頷いた]
リアンのいう通りね。
大人数は危険だわ。
伊達がいて強そうだし元々そちらはそのチームなら、また別々になってもいいんじゃないかしら?
[どっちかというと伊達たちより、リアンとエルクの方が心配だったのでそう提案した]
>>98
自信はある、か。それはすまんな。
[>>98少し相手の実力を侮ることを言ってしまったか。表情をほんのり顰める。
深まる闇の気配に神経が過敏になっていたようだ。
言葉とは裏腹に>>102様子がおかしいことには気づいたが。娘が吸血鬼ではないことだけは「紅霞」が保障している。
気がかりではあったが、現在の状況に至っては些事である。
そう頻繁に使いたい手ではないが、例え「手遅れ」になったとしても相棒にだけは対処する方法がある。
それよりも、"増える"前に対処することの方が肝要だ。
彼女の様子をどう見るか、と素早く視線だけで問うて。相棒の判断に任せた。]
ともあれ、どうせ向かう先は皆一緒だろう?
[と、顎で大扉を指し示す。
こういう所は下りれば"ダンジョン"と相場は決まっている。
自ずと道は別れることになると予想していた。
そろそろ行くか、と相棒を見遣る。]
[柘榴石という言葉にハッとしてさけんだ。>>141]
そうそう、それ!
柘榴石だよ!
[奥歯に挟まったものがとれたかのように快活に笑うが、ふと自身の得物に気付いて唸る。]
うーん、流石に潰しちゃったらお金にならないかな。
[ぶつぶつと呟く。刃物を持ってはおらず、独力で取り出すのは至難だ。
辺りを見渡せば、伊達の刀が目に入る。]
うん、協力だったよね。手伝うよ!
っと?
[ふと、伊達の顔へと目線を移してその瞳を覗き込んだ。]
おっちゃん、ウチの墓場の関係者じゃないよね? 多分見たこと無いもん。
[ふと感じた既視感は何だろうかと首をひねる。]
[しかし、この灯り。30分も経てば明るさは半減し、1時間もすれば消えてしまう。その度に電池を交換しなければいけない。吸血鬼の心臓を使えば持ち運び、交換の手間も省けるのであろうが彼女は頑なに拒む。]
あんな穢らわしいもの、誰が使うものですか…!
[半年の間、殺してきた吸血鬼。夫の心臓以外は悉く燃やし、灰は空の酒瓶に入れるようにしている。土にも還させたくないのだ]
リアン──
[覚悟はリアンにもあるだろうし、何よりこの子もハンター。心配などしても、かえって気分を悪くさせてしまうだろうと思い]
…そう。
あなたがそう言うなら、止めはしないけれど。
闇は思った以上に、深いわよ。
気をつけてね。
― 城内1F ―
すまないね。
私は良い水場を見つけていないだけに、この子を失わずに済めば越したことはないんだ。
この礼はあとでさせてもらうよ。
……さぁ大人しくしたまえ。
美しき私が手ずから拭いてやるのだ、布越しとは言え私にしっとりと撫でられる栄誉に浸るといい。
[ジェフから水袋を投げ渡されれば、それを惜しげもなく洗浄用に使うべくヤギの身体に振りまき、ポケットチーフで腐食の雨粒を拭い落とす。
優雅に、ややオーバーアクションにヤギを労り終えた頃、地下に降りる旨を聞かされれば]
……あぁ、やはり降りないといけないのか。
私の美しさが衆目に映らぬ地底に潜ることになるのは避けたかったのだが、地上にいるのが危険ではやむを得ないか。
[かなりズレたポイントで嘆いて現状を受け入れた]
[下がれと言われれば、素直に身体を後退させた。
此方の得物は、ローブの為に見えないだろうが、その振る舞いに手練れなのだろう、と思った。]
あの雨は、何だろう。
[始祖吸血鬼と関連しているのだろうか。
目の当たりにした事のない現象に、ぽつりと呟いた。]
[地下2階に向かう大扉の前の部屋に大挙しているのを確認する]
……何用か。
[扉から少し下ったところに像を結び、
唸るような声を上げる]
我の眠りを妨げるとは、愚かな。
[いかなる反応をみせるか]
[ここで立ち話をしていても埒はあかない。
忠興が視線をくれ、わずかに重心を移したのを、出発の合図と察してランタンの油残量を確かめる。
シンデレラは一緒に連れていった方がいいかもしれないと考えて、無理強いにはならない程度に差し招いた。
吸血鬼は時として、食い殺すことも眷属化することもなく、人を襲うことがある。
そういった者たちは吸血鬼に一種の未練や執着、憧憬といった感情を抱く傾向にあると聖教会では言い伝えていた。
魅了の魔力、とでもいうのか。
ここにきて首筋をおさえている彼女は、吸血鬼に悪縁故を結ばれてしまった人間を連想させて気がかりだ。]
[ジェフがベースを回収している間、こちらに背中を向けないことにはすぐ気が付いた。
ただ、それは背後をとらせない軍人気質が無意識に出ているものであることに思い至ったわけではなく]
ところで……君も美しさに自信があるのかい?
私の前にいてなお打ち砕かれぬところは好感に値するよ。
私の美しさと比較すれば誰であっても結果は同じだ。
だからこそ人は己独自の美点を大事に守るといい。
フルムセート・スィープシックだ、よろしく。
[美しさを見せるために常に顔を向けている自分と共通点を見出しただけだった。
勝手に親近感を覚えたせいか、名乗られれば気さくに自分の名前を教えた。
役者としての自分を知らないっぽいことには肩をすくめたが、自分の職業は美しさについての肩書きにすぎないので特に気にすることはなかった]
[忘れ物をしたと階段を戻ってゆく少年を見送ったのとほぼ同時──闇を貫いて響く始祖の声に、とっさに杖の先を振り向ける。]
[カークとジョセフに名を告げた後、
床に刺した松明の光の輪が届く最果てに立ったまま呼吸の数を数えていた。
階段は後方にあると教えたのだから、すれ違うリスクを負う必要はない]
[鼻腔へ、異臭に混じるヒリつく感触]
(獣も、地上に長居はさせない方がいいだろうが)
[独り言は口に出さず。ロバもヤギも、己が管理と保護下においているわけでもない]
[ヤギがようやく落ち着いて元気を取り戻してきたのを見ると、呼び寄せる。
片膝を付き、手を差し込んで乳を絞り出す。]
先程の礼だ。
水の代わりに飲むといい。
[ジェフが承諾すればヤギを洗うときに借りた水袋に乳を入れて返すつもり。*]
[階段を降りていると小さな人影に気づく。おっちゃん?との問いに]
…え?
[と言葉を返せずにいると。向こうが人違いだと気づき、下で待ってて、と。]
おばちゃ…
[まだそう呼ばれるには憚られる年齢ではあったが、そんなことよりも。]
あ、ちょっと…待って!
[エルクを呼び止めようとする]
[エルクが立ち止まり、声が投げかけられる]
あなた…名前は?どうしてこんなところにいるの??
[小さな少年がこんなところにいるということが理解できないという風な質問を投げかける]
[迷路を辿り、扉の近くまで昇りかけた、けど。]
ン、
[わかる。知覚する。
始祖の像が結んだ。
ハンターの前に立って、 ハンターの。
どうしたらいいかわからないから、立ち尽くした。]
[そこに立つ者を認識すれば、闇が重みを増したようだった。
血のざわめきが教える。
これが 始祖。
そして、まとわりつく血の匂い。]
すでに、誰かを──…襲ったのですか。
[話しかけるのは忠興が動きやすいよう、注意を反らすためでもある。
ここで始祖を無力化することができるならしてしまいたい。
小手調べなどするつもりはなかった。常に本気でかかるべきだ。]
[>>173ジェフと出会う、ほんの数分前だったか。
「他のハンターと会ったのか」との問いには肯定を返していた。
望むのなら簡単な外見の説明でもしたろうが
肝心の劉家について知識不足だったため、
説明がなされることは無かったろう。]
[>>131以後、何か問うことのないようならば
階段を教えてもらった礼をして、その場を別れたろう。
最後に一度、視線を上にやって
先ほど感じた悪寒の原因を探るように
辺りを見渡した。
もちろん何も見つからなくてどうしようもなかったが。
男がもし、あの時>>103周りを見る余裕を少しでも持っていたなら。
>>177われ関せずと言った、観察者然の態度に疑念を大きくすることもあったろうか。
けれどもそれは「もし」のまま。
男はジョセフの様子を視界に入れる事は出来なかった。]
[役立たずだときっと、思われてるんだ。
御自らの手を下すのなら。]
……。
[一歩下がった。闇の方へ身を沈めて、ナニカを待つ。
ナニカが何か、は、きっと待っていればわかる。]
だいじょうぶ。
[杖を向ける男からの問いかけに>>180、くつりと嗤う]
目覚めるために、狩人の心臓を…――
[しかし、この男、始祖にまとわりつく血を感じたとは
しかも、今皆が見ているのは、始祖の影だというのに
……しかし、それは狩人にも、そして、この男にも見極めることはできない。]
……うぬはただの狩人ではないな。……
封魔師か………?
[狩人よりも憎悪するべき存在。仲間を無力化する忌々しい……人間。]
[さも当然のようにハンターのことを話す少年。まずは問いに答える]
私は吸血鬼を狩りにきたけど…ハンターでは、ないわね。
[ハンターとは吸血鬼を狩ることを「生業」としている人、と考えていた。ここに来たのは云わば復讐と再生が目的であったので、ハンターとは名乗らなかった。]
エルク、君ね。私はシェリー
[名乗り返す]
もしかして、君は…ハンターなの?
[ある程度返答の予想が付くであろう質問を投げかけた]
[会話が終わったあとに、階段の方へ一歩二歩]
……で。
階段の場所は教えてもらったわけですが、“先輩”?
すぐに降りる?
それとも対抗となるべきハンターでも探して――
[探してどうするのか、
言ってしまってからそんなことを思う。
途中で途切れた言葉はそのままに
男は別の言葉を探した]
君が行くにしろ、なんにしろ
階段を下りてみるよ
[一人でも。と言い添える。]
[目覚めるためにハンターを贄にしたと告げる始祖の冷徹な声。]
それが、あなたの最期の晩餐となるよう。
[呪詛めいた言葉も告げ終わらぬうちに、己の正体を易々と看破された。
闇を覗き込む魔眼に吸い寄せられそうになる。]
封魔師… そのとおり です。
[肯定の声は静かに溢れる。]
そう…
[誇らしげに胸を張る少年に複雑な心中。何故ハンターになったのかまでは踏み込まず、話題を変える]
ところで…誰か、探してるの?それにさっき「みんな」って言ってたけど、君のお仲間?
[笑みを張り付かせたまま、考えるのはカーク>>181から聞いた他のハンターについて。
目の前にいるジェフと合わせると、これで4人。フルムセートが傍に居れば、5人になる。
誰からにしようか。
歪む口を隠すように、左手を宛てた。
ジェフが名乗れば>>166、こちらも名乗り返す。
カークの時と同じように、手を差し伸べてみたが、果たして反応はどうであったか。]
探して?
どうするおつもりですか?
[カーク>>193へ向かってククと笑うと、階段の方へと歩き出す。]
せっかく教えていただきましたし、下に行きましょうか。
対抗となるべきハンターも見つかるでしょうし。
[喉を鳴らしながら、荷物を上に置いて行くようなら待つつもりで。]
…どうか助けて。
[始祖吸血鬼とアルベルトのやりとりを見つめながら、聞こえるか聞こえないかの細い声で言葉を発する。
吸血鬼を封じる、封魔師に言ったものなのか。
それとも元凶の始祖吸血鬼に言ったものなのか。
自分でもわからないでいた。
2度目の吸血鬼の遭遇は恐怖でしかなかった。
それもやっと会えた、元凶の始祖という吸血鬼だというのに体が震えていた]
[ジョセフが手を差し出す仕草には、遠く離れた立ち位置のまま軽く右手を挙げて応えた。表情変えず、気配も緩めず]
[静かに呼吸を数えながら、階段の方へ向かう背を見送る。
充分に気配が遠のいてから、左掌の内側に落としていた小型ナイフを、袖の中に戻した]
(火と人の気配、か)
[ベースに戻るべく、石床の隙間に突き立てた金属製の棒へ歩み寄り力を篭めて引き抜いた。
灯された松脂の焔が朱い軌跡を描く]
チッ
[重たい空気に足が掴まれている感覚。
それほどに目の前の吸血鬼の存在感は大きい。
これ以上は、足が竦んで動けなくなる。
アシュレイとメイド女性…シンデレラというらしいが、
話す声を聞き流しながら、
モナスナリーが口を開いている間に伊達と目が合えば、
行くぞ、と合図して長棍を握りなおし]
呀!(やぁっ!)
[一歩踏み出して吸血鬼へ長棍を振りかぶった]
[突然変わった話題に、はたと我に返った。]
そだ、おっちゃん探してたんだっけ。
っと仲間……?
[暫し考える。]
仲間と言うか、協力の人たち。
一緒になって吸血鬼を狩るって事ね。
……と、もう上に行かないと!
シェリーのおばちゃんまた後でね!
[よいしょっと鉄鎚を担ぎ直して、階段を駆け上がる。]
―1F 左手通路→地下への入口―
ここには、あんた以外は来てないな。
[>>140 一見すればこれが吸血鬼でもおかしくない、
そんな印象を抱かせるような、容姿、緩く揺れる仕種
本物に相対した時とは感覚を異にするが、奇妙ではある]
面倒なのは確かだ。
[>>156 雨を不審がる様子に一瞥を向けた
長生の吸血鬼は、霧や獣を操る力を得る事もあるが、
闇色の人影は、未だその事に結び付けてはいないらしい]
[雨粒を避けながら、ふいと城の奥へ足を進める
黒ローブがどう行動するかは解らないが
やがて地下に続く入口方面へと近付く
他に1階に人がいれば姿を見かけるだろうが]
さて、事こうなったからには、ヤギも地上には置いたままにはしておけんな。
……地下でも苔ぐらい生えているか。
[当初は中庭で放牧(野放し)しておくつもりだったが、雨粒だけではなくその水分が漂うだけでも危険となるとそうもいかない。
ジェフの傍にはいたつもりだったが、またヤギ任せにふらふら進んでいたら自然とはぐれていたかもしれない。]
[長棍を振りかぶる少女をニヤリと見やる。>>202
と同時に姿を消す]
どこを狙っておるのか
[少女の真後ろで声をかける]
そうなの…あっ、ちょっと!
[心配だから一緒についていこうかと考えていたが、少年は勢いよく階段を駆け上がり、声をかける前に視界から消えてしまった]
…大丈夫かしら。あの子。
[息子ほど年が離れているかもしれない少年に若干の母性が働くが]
とりあえず…その人たちのところに合流しましょう。もしかしたらジェフもいるかもしれないし。
[再び階段を降りだし、「協力の人たち」を目指した]
[>>197問い返されてしまえば
困った様に視線を落とした]
……探して、……どうもしない。
誰より先に目的果たせば良いわけでしょ。
[困惑を知らせないようにすぐに視線を持ち上げる。
探して、その先はどうするつもりだったのか自分でも分からなかった。
元より荷は少ない男はそのまま地下へ続く階段へと歩みを進める。
多少の距離を持ってから、ちらと肩越しに後ろを振り向いた。
ジェフの姿を確認できようができまいが――
背を向けたのは聊か無防備すぎたかと。]
[けれど特に何かすることはなかった。
そのまま地下の階段につくころには誰かの姿でも見つけたか。それとも、地下から感じる、先ほどの悪寒に身を震わせたか]
[かすかな、縋るようなアシュレイの声がする。
始祖を見やる銀の双眸は外さぬまま、アルベルトは静かに続ける。]
選んで負いし使命により、
あなたを、ここで留める──!
[裂帛の気合いとともに攻撃に移る動きにあわせてランタンを壁際に投げ出した。
底部は丸みを帯び、頑丈に作られているので投げ落とした程度では壊れも倒れもしない。
空いた手をシースナイフへ滑らせる。]
―1F・ホール―
[野営地とした小部屋の一つへ戻ろうとホールへ踏み込む。
左手の松明も、崩れた外壁から忍び入る霧に暗く感じられた]
[人の動く気配が随分減っている。大規模戦闘の物音はなかったから、皆地下に降りたらしいと思考しながら]
[瞬間、目の前から始祖の姿が消えた。]
霧化ですか。
[それ自体が幻影だとはいまだ気づかぬ。
だが、慌てることなくナイフを抜いた。
その鋭利な切っ先で自らの腕を軽く裂いて、血を滴らせる。]
……ッ!
[背中をかかれ終わると
目の前で戦闘行為が行われているようだ]
……さて、私もいっテきマしょウかね
[愛用の「鞭」を取り出し、始祖らしきものに
むけて攻撃を開始することにする]
[私は「標的」に接近し……鞭をふるうッ!]
―二階―
[階段を駆け上がり地上へ。そのままの勢いで二階へと進む。]
そういやおっちゃん、部屋の片付けは済んだんだっけな?
[呟きながら二階へとたどり着いた。目にしたのは瓦礫の山。]
うっわ。ボロボロじゃん。
[呆れた声を上げて回りを見渡す。]
掃除するより別の部屋に住んだほうが早いよね。
[崩れた壁面から入り込んだのだろうか、薄い霧に思わず手を出してみた。]
うわ、なんだこれ!
[手がほんのり熱くなったと感じた瞬間、痒みが走り目を丸くした。]
[ざわり。突如現れたうそ寒い気配に、一瞬にして総毛立つ。
始 祖
これまでに感じたことのないほどの感覚。恐怖、というよりは畏怖と言うべきか。
逆らってはならない者――そう認識しようとする体を気合で押さえ込んで。
紅の刃を抜く。]
[吸血鬼の前で血を見せるなど愚かと思われても構わない。
これがアルベルトの封魔の技。
自らの血を操り、吸血鬼の血だけを呼び込む。
誰かの攻撃で始祖が血を流せば、その技を行うつもりだった。]
[地下の方へ向かう人影を新たに見かける>>204。
一つか、二つか、互いに充分な距離があると判断してそのままにした。
地下への道がわからないならば、教える気はあったが]
…
[皆が一斉に攻撃してくる。それをすべて瞬間移動で躱してゆく。]
それで終わりか?
[もっと立ち向かってこいと言わんばかりに挑発する]
[シンデレラと伊達も戦闘に加わるのを、見つめている]
…………。
[臨戦態勢は取っているものの、始祖への戦いに加わる事はできず今だ震えている]
[美しい姿――その声、この世のものとは思えぬそれは。
従うことが幸福だと、誘うように響いたが。魅了に抗する訓練は詰んでいる。
息を一つ吸って、吐いて。その一呼吸で平静を取り戻すに足りた。
あるいは――]
(実体ではない?)
[本来の力ではないからこそこの程度で済んでいるのか。
瞬時のことではっきりそう認識した訳ではないが。漠然と頭の片隅に判断がかすった。]
什麼!(なにっ!)
[振上げた足が空を切る]
是不是幻影?(幻か?)
或…。(それとも)
[長棍を持つ手を下ろし、ペンダントの光をかざす。
同属の光は、その実体を映し出すや否や]
[判断が脳裏で像を結ぶよりも、体が動く方が早い。
>>202リアンの視線を受けるや、己も逆側から飛び出そうとして、その姿がかき消える。]
くっ……速い……
[>>221震える女の姿を、ちらりと視界の隅に捉える。
吸血鬼を倒したことはない、と言っていたか。
予期せぬ遭遇は、やはり彼女には荷が重いか。その姿は遠いある日の少女の姿と重なり――
その一方でリアンのペンダントが輝いた。]
なに…この感覚…
美しい―
[始祖を見つめるエメラルドの瞳は、恐怖を映し出すと同時に魅入られている感覚もしていた。
アシュレイに襲い掛かった、吸血鬼に及ばぬ別格の美しき吸血鬼に、目が離せなくなっていたのだった]
[刀を片手で保持しつつ、咄嗟に腰のバッグに手を伸ばす。
素早く取り出せるよう仕込まれた細い針状の鉄心を数本、取るや瞬時に放つ。
それぞれ軌道を異にするそれは、新たに像を結んだ"始祖"とその周囲を狙う。]
そう…。
[此処には誰も来ていない、という言葉に小さく返事した。
聞こえたのは只の小さな悲鳴の様な声。
戦闘した様な音も無く、始祖吸血鬼を狩りに来たハンターが、おいそれとあげる様な声では無いだろうと彼女は思ったのだが。
吸血鬼が何匹か居るのであれば、男が言う様に面倒だ。
だからこそ確かめておきたかった事もあるのだが…。]
[長く生きる吸血鬼が獣を操る事や、自らの姿を霧へと変じさせる力を持つ事は知っているが、雨を降らせる事ができる事迄は彼女の知識が及ばないところである。
彼女が師事していたハンターも、つい先日、死んだ。
闇色のローブの下、師の形見でもある、腰に下げられた短めの二本の剣が彼女の身体と共に揺れた。
柄には、銀で狼の装飾が施されている。]
[少女の光、男の投げた鉄心、女の投げた水溶液が始祖の体を突き抜ける]
……小賢しい。
[吐き捨てるように言い放つ]
………如何程の狩人か見にくれば……
[その場の人間を睨めつける]
我が領域でどれだけ堪えるか楽しみにしておるぞ
[高笑いと共に、始祖の“影”は闇に溶ける…――]
[足は自然と、まだ踏み入れていない城の奥へと。
背嚢を負い、奥へと進む男の後ろを、少しだけ距離をあけて追う様な形となったか。
途中、他のハンターらしき男の姿を見かければ、確認する様に僅かにフードを浅くした。]
…
[廃墟と化した城、城内へと吹き込む雨のひとしずくを、黒の革の手袋へと、落とす。
直ぐに異臭を放ち、ぬるりとした感触へと変じた其れを目の当たりにし、恐ろしいとは思わないが気味が悪いとは、思う。]
[物体が始祖の身体を擦り抜ける。
アルベルトの腕を伝わる血にも反応がない。
始祖が変じた闇は扉の方へと流れてゆくかに見えたが──]
タダォキ …!
[忠興なら、投げかけられた声の調子で、深追い無用と察してくれるはずだ。]
[>>234放った鉄心――鏢は虚しく空を切った。
美しい姿がかき消えて。
ようやく、幻影だと判断が実を結んだ。
笑い声の残響がいつまでも頭に残る。
刀を鞘に納めて、掌の冷たい汗を装束の端で拭った]
[吸血鬼に“話す”]
『仲間になる者を引き入れよ、
狩人共を撹乱させよ、
期待しておるぞ…――』
[仲間になり得る者にも、この聲の影響が及ぶかもしれない**]
[刀を納めた忠興の側にゆく。]
これで… 噂は 現実になりました。
[信じていなかったわけではないけれど、圧倒的な存在感を突きつけられれば溜め息も出る。]
[場に居たもの、それぞれが武器を手に対処する中で、一人震えていた女のことを思い出す。
>>227陶然とした様子はまだ抜け切っていないのだろうか。
手練れが揃っていてもこの体たらくである。ハンターとしての訓練を受けていないのであれば当然の結果だった。
駆けつけて、その肩を掴む。]
おい! 大丈夫か、しっかりしろ!
― 2階への階段 ―
私なら高いところには君臨しないな、さりとて地下も論外ではあるが……。
[階段から2階を見上げる。
権力者はその権威を誇るために高いところに鎮座することを好むが、劇場のステージに立つ自分にとって観客は仰角にも俯角にもいるものだ。
この城で眠るものの性格は知らないが、俗物なら上にいるのだろうなとか思いつつ、探索は拠点を築き直すべく地下を目指すほうを優先した。
階段の先から先ほど聞いた何か引きずる音が聴こえて来たかもしれない。
それで急かされたりはしないのでそのうち追いつかれもするだろうか]
[止血バンドで手早く腕を巻いて手当する。
慣れたものだ。
ほんのわずか切っただけだから、行動に差し障りがでることもなかった。
傷痕もほとんど残さない。
本当は歩きながらでもできるくらいだけれど、あえてひと呼吸置くために待たせた。]
[>>242女が声に反応するならばよし。でなければ、怪我を負わせない程度に少々手荒に活を入れる。
>>241ため息を吐く相棒を振り返り、不安を振り払うように頭を振った。]
ああ……予測はしていたが、これほどとは、な。
……ッ!
[なぜかしらないが、急に頭がいたくなってきた
でモそコまで酷いわけデはナいよウだ]
……
[少しすると頭痛はおサまっタ]
[他に怪我人がいないか確認して、応急キットをウエストポーチに仕舞う。]
お待たせしました。いつでも出発できます。
──アシュレイ、立てますか?
[かけた声は、ほんの少し固いと感じられたかもしれない。
自分ではそれと意識することなく、床からランタンを拾い上げる。]
気持ちを切り替えていきましょう。
まだ追撃戦ではありません。
この先は ── 闇の領域です。
[扉の向うへと視線を*投げた*。]
[それにしても先ほどまでの戦闘のせいか
なんだか急にのどが渇いてきた]
[私は懐から「black◆のドリンク」を
取り出し、その場で飲みほした
……喉が潤った**]
["強き存在"の残滓とそして、>>199「助けて」という声の響きがまだ頭の中を木霊していた。
「助けて、兄様――」
助けることができなかった。いや、彼が滅ぼした最初の吸血鬼は、彼の妹だった。
妹に似た面差しの女――吸血鬼と化したなら、「紅霞」は何の躊躇いもなく斬るのだろうか。
相棒の声が、感慨から彼を引き戻す。
そうだ。彼の傍にあるのは今は紅の刀だけではない。相棒が、いる。]
[特に警戒することなく歩きながら、無造作に崩れた部屋を覗いて人がいないか確認していく。
暫くすれば音が止み、おそらく戦闘が終わっただろう。]
音が止みましたから、後で行ってみしょうか。
誰と誰が戦っていたのか、知ることもできるでしょうし。顔くらいは確認できるでしょう。
怪我とかされていたら、休まれているかもしれませんね。
[隣にいる相手に話すように、数歩後ろを歩くカーク>>249へと話し掛ける。
ジェフと同じように上に荷物を置いていたら、若しかしたらそちらで休む者もいるかもしれない。
どちらにせよ、顔を確認できればそれに越したことはないと。]
>>253
そう、だな。奴は"遊びに来た"だけ。
本体はもっと奥だろう。
[シンデレラの首筋のこと、アシュレイのこと、液化して消えた古吸血鬼のこと。懸念はいくらでもあったが。
行動以外に道はない。
抱いてしまった畏怖を奥底にしまい込んで、現在対処すべきことに頭を向かわせる。
相棒が傷の手当てをする間にわずか、壁に寄りかかるように体を休めて。準備が整ったと聞けば。
二人、あるいは共に来るという者を連れて、扉の奥へと*足を踏み入れる*]
ー 地下への階段 ー
[やがて、地下への階段へと辿り着く。
背嚢を負った男の他に、ハンターの姿はあったか。
地下への階段は暗く、途中、隙間から漏れる光が届かなくなれば、漆黒の闇が覆う世界となるだろうか。
地下へと降りる者が、ランタンに火を燈す様ならば、深く被ったフードを脱ぎ、申し訳ないが後ろにつかせて貰えないかと願うだろう。]
光に、弱くて。
[深くローブを被っていても、近くに光があると目を痛める。
暗い場所は慣れたものだが、階段だけは苦手であったし、怪我をするリスクや罠が仕掛けられているリスクも高い。]
― 1F・ホール ―
[小部屋から、選別された荷物を負って、人気のない広いスペースへ。
コツリ。
石床に響くごく軽い足音へ、歩み止め意識を払った]
…ハンター……?
[ドレス。服の褪せた紅と金髪が、弱い灯の輪に照らされる]
階段を、降りた先迄でいいのだけれど…。
[白い髪の下、血の眼は、不随に揺れる。気味が悪いと思われるかも知れない。
容姿の所為で疑われる事があれば、牙が無い事を見せたかもしれない。
了承が得られない様な事や、誰も地下へと降りる事が無い様であれば、注意深く灯り無しで降りてゆくのだろう。**]
[如何にも不釣り合いな出で立ち、いつぞや垣間みたメイド姿にも劣らない。
見た所武器を携帯しないようなのも、奇妙で]
止まれ
[最初に掛けた声は鋭いものになった]
―地下1階・廊下―
[地上に比べれば、大分綺麗なまま残っているようだった。
雨や霧の影響はここまでは出ていない。
さびれ、崩れた部屋をいくつか覗く相手
その後方で周囲を警戒していた。
吸血鬼、というよりかは、ジョセフを含めたハンターを含めてだが。
>>257提案には一つ頷いた。
吸血鬼が死んでいたら、どうしようか――
というのも多少は考えたが。考えたところで、現実は変わらない。
そうだったならば帰るだけか。]
地下で戦ってたけれど、城が崩れることにならなくて良かった。
……そんな、大きな戦闘ではなかったのかな。
[などと言いながら後ろをついていく。
ランプと、もう片方にはフリントロック銃を携えて。
果たして戦闘後の人間に気付くのが先か
それともあちらが気付くのが先か]
[幾らか言葉交わし、ハンターと名乗る娘の纏う雰囲気を、表情を、気配を探る。
やがて戦闘の体勢を緩め、影を落とす瞳を見て尋ねた]
パンドラと言ったか
――己が吸血鬼でないと、証せるか?
[反応がどうあれ、彼女から感じ取るは憎悪のようなもの。
吸血鬼を殺す意志は衝動的なまでの性急さを持っているように思えて、]
わかった
疑うのは職業病、悪かったな
俺も証を立てようか?
[パンドラに告げ、緩やかな動きで松明を掲げ直した。
灰色の瞳に宿る危うい、昏い光。
この遺跡に入って見るのは二度目だと思った**]
[行き止まりまで、適当な部屋を覗いてみても人の姿はなかった。
勿論、吸血鬼の姿も見えないがそれは目的ではない。
明かりを用意していないわけではないが、後ろにいるカーク>>265が持つランプの明かりで十分な為、両手は空いたまま。]
火薬が使われたなら、崩れた可能性もありますが……もし崩れたら、皆で生き埋めですね。
[カークの言葉に愉しそうに笑い、少し汚れた両手を払うとくるりと振り返る。]
こちらには何の気配もありませんね。
しかし、こんな広い地下があるとは、意外でした。
[外から見ただけでは分からない広さ、しかも、まだ下にも階があるように思える。
地上への階段のところまで引き返そうと、そのままスタスタと歩き出した。]
[途切れた言葉>>270に、おや、と首を傾げる。]
人は、死ねばそこで終わりですよ。
死に方なんて選べない者が多いのですから。
[詠うように笑みを貼り付けたままそう言ってから、ですが、と続けた。]
カークさんは、お望みの死にざまがあるのですか?
是非とも伺いたいものですね。
[片側に寄った彼の前を通り、先程と同じように前を歩く。
前を向いたまま、]
初対面の胡散臭い相手に、背を見せない、というのは正しいですよ。
[そういう意図ではないのかもしれないが、声に愉しげな響きを含ませる。
そのまま振り返ることなく歩いていれば、前方に人影>>269が見えた。]
……じゃあ、なんでジョセフは僕に背を見せてんだが。
[>>271返す言葉はごく小さく。
僕は死にざまを選びに来たからね。胸中で呟き返す。
妙に達観した相手だ、と、そうぼんやり思う。
その顔が歪むときがあるのだろうか。
吸血鬼と対峙したときには、
もっと大きな表情の変化がみられるのだろうか。
詮のない思考は、頭を振ってそこで終わらせる。]
聞いて、それでどうするのさ。
ジョセフが与えてくれるわけでもあるまいし。
[それは>>230「人を殺したらただの「人殺し」」を反映させたものだったろう。
翡翠はそれでも、少しく細められた。
期待するものを眼前に描くように、ランプの中に揺れる炎を見る。]
ええ、たてるわ。
…ありがとう。モナスナリー
[静かにそう答えて、まだ微かに震える手を押さえて隠した]
そうね。今度こそ私も…
[アルベルトに視線の先を睨み付けて、そういった]
きた。
[闇の中。
ふらふら揺れながら立ち上がる。
あの方が去ったのはわかる。わかる。]
大丈夫。ふ…
[胸が疼く。いたい。
牙も疼いた。 あのハンターの顔。]
お役にたてなくって、ほんと申し訳なかったわ。
ちょっと一人になりたいの…
いくわ。
[持ってきていた水を一口飲み、一息入れてから大きい荷物を持って皆とは別の方向へ、一人で歩きだした]
― 地下:2階 ―
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…
ここ一回通ったわよ。
[迷路に迷い込んで歩き通し。壁伝いにぺたりと座り込み、始祖との戦いの事を思い出していた]
…不甲斐ないわ。
何しにきたのかしら…私…
[強くなりたくて、この忌まわしき血の正体を探りにきたのじゃない。
逃げてしまっては答えはでないのよ―]
[”城”の構造を保っている地下1階は、
大扉のこちら側、から違う表情。
うんと、そう。 過ごし易い。]
どうしよう、かな。
[静かに笑んで、胸を押さえた。
扉を抜けたところに少しの空間、そこから別れる道は、
狭い道、狭い道、細い道。]
おやおや。
私は貴方に背を預けている心算なんですが。
[実際は違うのだが。
小さく返ってきた声>>273に、やはり冗談めかしてそう言ってから。]
カークさんは、人に与えられる死を望まれていましたか。
てっきり、暖かい春の日に両手で数え切れないほどの子や孫に囲まれて愛する妻の手を握って、などおっしゃるのかと。
[以前、そう言っていた同行者がいたことを思い出して哂う。
その願いは叶わなかったのだが。
ランプの灯を映す翡翠を愉しそうに見ながら、その答え>>274を聞いて目を細める。]
それはそれは。
……叶うと良いですね。
[短く返し、ナバールの傍へと向かった。]
―B1大扉付近、始祖との邂逅の後―
[>>276女の声は弱弱しく、肩を掴んだ手から伝わる体の震え、逸らされる視線。
「大丈夫」という言葉をとても信じられる様子ではなかったが。
正気ある者の受け答えに胸を撫で下ろす。]
(動けなくて……か)
[女は、その幸せに気づくことはないのだろう。動けることは、優れているようにも見えるのかもしれないが、むしろ情緒が壊れている、と言えるのかもしれない。
彼は、初めて吸血鬼と相対した時にも――それが彼を慕う少女の姿をしているにも拘らず、動けたのだから。
斬ることをこの体は拒否しないのだから。]
いや……あれほどの相手だ、仕方ない。
[過ぎる思いを隠して。ただ、それでいいのだと力づけるように、ぐっと、もう一度肩を掴み直してから身を離す。
相棒を振り返り、話す後ろで――
「……たい」
>>277小さな呟きが聞こえた気がしたが、何を言ったのかは分からなかった。]
[危ない道。
天井が崩れる。
危ない道。
浸水。酸の水たまり。
危ない道。
吸血鬼が出る。]
…ああ……。
[壁に触れる。ごつごつした手触り。
やわらかいなにかに、さわりたい。あたたかい血に。]
…怖かったわ。
[うずくまってぽつりとそう言って。
思った対象はなぜか、アルベルトと伊達へ向けてだった]
殺してくれたらよかったのに…
[両親のアシュレイに向ける思いは、今のアシュレイには計り知れなかった。
ぽつりといった「心臓は高値がつく」という言葉だけが、アシュレイの中でリフレインしては、悲しい思いにさせていた]
――ノスフェラトゥ
今度こそ、あなたに答えを聞こう。
今度こそ――
[胸元をぎゅっと押さえながら立ち上がると、また迷路を歩き出す]**
アシュレイ!
[>>280一人でいく、と歩み出す女に思わず引き止めるように声を上げた。
どうしても彼女の姿は過去と重なろうとする。行かせてはならない、と脳内で警鐘が鳴り響いていたが。
冷静な判断力はこんな時でも発揮される。「足手まとい」と思考は冷酷に断じる。]
[彼の声に女はどう反応しただろう。
結局彼が返すことができたのは短い一言だけ。]
幸運を、祈る。
[必要以上に喋ることを嫌う彼が言うには珍しい言葉。
この女に対してだけ態度が違うことに、彼の相棒は気づいたかもしれない。]
(らしくない……)
[それは彼自身も自覚していて。
振り払うように頭を*振った*]
― 少し前 地下1階 ―
…伊達。悪いわね。
甘えるわけにはいかないのよ…
私は特にね。
[伊達を見据えて、そう静かにいった。
決意は変わる事はないだろう]
[[壁に片手をつけて真闇の迷路をゆっくりと歩く"ハンター"。
光に出会えば、どこか困ったような、卑屈な笑みを浮かべて、
「ああ、良かっー …ハンターだよね?」
いきなり襲って来たら、
と、声には少しの不安が混ざる]]
ン、んー…。
[大丈夫、きっとうまくいく。
”殺される”までは、うまくやれてた。
侮られた。虫けらのように無力だと、すぐにヒトは考えた。
隙をつくのは、だから、難しくないんだ。
感覚を思い出そうと、ゆらゆら頭を振る。]
―棲家―
……ん?
[誰かに呼ばれている気がする]
我が出るには……まだ早い……
[静かに目を閉じて、その時を待つ**]
[振り返り、男は血の瞳を見て背を向けた。
無言で階段を降りてゆくが、其処に拒絶は感じられず。]
ありがとう。
[男の背に小さく声をかけ、フードを深くかぶり直すと彼女もまた階段へと足をおろした。
男の身体に遮られ、光は弱くなる。
しっかりと足元を注視し、降りてゆく。
傾けられた首の角度が、深くなった。]
ー 地下一階 ー
[階段を降りた先、二人分の足音が聞こえた。
間もなく現れたのは、二人の男。]
…っ、
[そのうちの一人、先を歩いて来た男の張り付いた様な笑みが目に入り、血の瞳が開かれた。
僅かに、口から絞り出された様な空気が漏れた。
首が傾く。
その瞳は、強者に対する弱者の恐れの色をたたえているが、深く被られたフードの為に見えたかどうか。
知る男ではない。
しかし、それと似た笑みは、知っている。
ずきんと、全身の古傷が痛み、熱を持つ。
無意識に、僅かに後ずさった。**]
― 1F・ホール ―
君は自分の身を守れるか?
[パンドラに尋ねるのは、ハンターの多くが個で自立した狩りを行うことに慣れきらぬ名残。
歩きにくそうなヒール、ドレスを指して、本来は非戦闘要員なのかと]
[シェリーのように肯定を返して来るなら、深くは立ち入らない]
俺が近くにあらば、状況によって援護行動をとるが構わないか
[確かめるように、断りを入れた]
―B1大扉前、アシュレイと別れて―
[相棒の準備が整ったと見て、軽く壁にもたせかけていた体を起こす。
その仕草だけで、出立の意思は通じるだろう。]
お前たちは、どうする?
[と、一度は取り決めたことだが確認を取って。
前方を確認しながら進む相棒と、後背を彼が守るいつも通りの配置で、更なる地下へと下っていった。]
[「ひとりになりたい」と告げてアシュレイが離れてゆく。
常には余計なことを言わない忠興が、彼女に向かって投げた「幸運を、祈る」との短い声の中に、彼の真摯な危惧が垣間見えて、アルベルトは額に落ちかかった前髪を払った。]
[ 耳にかかる髪を梳きあげ、忠興から渡された鈴を示す。
誰かか近づけば「紅霞」と共鳴する鈴。
お守りであり、大切な――、]
彼女に渡した方が、よかったでしょうか…
[ もっと早く言い出すこともできたはず。
そうしなかった理由を、自分の弱さを、神に懺悔しなければ*ならない*。]
― 地下2階 ―
わ!っと、危ない…
ここも案外もろいわね。
[崩れそうな所を身の軽さで、ぴょんと跳ねてかわす。
か細い灯りを頼りに、迷路を歩く]
[気を張っているので、油断はしてはいない。
もう一人の吸血鬼の存在には、気がついてはいないだろう。
感の趣くまま危険は避け、アシュレイは歩いていく]
[重い何かを荒く引き摺る音>>302
存在を誇示するも同然、気付かない方が難しい。
音の方へ体を向け、一方で陽動を懸念する意識は周囲を警戒したが]
……
……。おい
[扉の影から小動物のようにひょこんと顔を出して引っ込んだ影に、暫くの沈黙の後、声をかけた]
………
[無邪気に響く言葉。集ったハンターの数を数えるらしい指。
笑顔を見据えて、背から丈短の棍を抜く。松明として用いているものと二本を構えた]
吸血鬼か?
[吸血鬼を即座に見分けるような特殊能力は持ち合わせがない。
先程のように戯れに強い気配を発してみせられれば、人の殺気と同じように察することは出来る、程度。
明らかな敵意を感じ取れない場合、重ねた経験は、人間時と吸血鬼の行動パターンの違いに照らして危険度を測る。
つまり出会って間もないほど精度は低い]
頭数の情報は持ち合わせがない
[少年のことは「ハンターらしくない」と判断した]
[>>303彼女に渡した方が――その言葉に首を振る。]
それは、お前の為のものだ。アルベルト。
[鈴は、誰よりも優先して相棒を守ることの証。誰よりも、己自身よりも絶対に。
残念ながら、誰もかも守れるほど人は万能ではない。その中で彼が選んだただ一人。
相棒はただ一人、彼に「救い」を見せる者だった。
吸血鬼を殺す為だけに生まれたはずの彼に、その刃に別の価値を与える存在。
その血を忌むべきものとされる相棒を補佐したいという者は聖教会になく。偶然居合わせた吸血鬼退治の現場で手を貸した彼はこれ幸いと金で雇われた。
相棒が"鎮める"為に手を貸して、得られる報酬は心臓を売る額には遠く及ばない。便利に使われているのだ、とは分かっている。
それでも相棒の傍にいるのはきっと――]
[相手が構える動作につられ、鉄球から飛び降りた。>>311]
遊ぶの?
そんな棒じゃ、マムに簡単に折られちゃうよ?
[鉄槌の柄を握りしめて一振りした。
鉄球の重量からその足取りは自然と振り回されることになる。
楽しげな表情を浮かべながら、鉄球と自分の力が釣り合う点を探る。]
吸血鬼……ボクが? 何で?
まあいいや。
[相手の言葉に初めて笑みを消す。
否定する訳ではなく、ただ相手の真意が分からずに聞き返した。]
そか、みんな下に降りちゃったけどね。
……と、そこのおばちゃんはどうするの?
おばちゃんもボクと遊ぶ?
[楽しそうに笑いながら男の背後に尋ねた。]
[フードを深くかぶった影は、近くにいる人物と比べれば小柄。
体の線までは分からないが……。]
[全く、様々な狩人が集まっているのだと思う。
僅かに体を引く様子を見れば、首を傾げる。]
……
[あれは警戒か。それとも。
瞬きの合間に考えるが――]
…… 僕、先行くね。
じゃあ?
[ナバールも明かりを持っているようだし
ジョセフも持っているだろう。
特に気にせず、先に向けた足を進める]
[鉄槌に振り回される様子>>313に、意識を留めた。
吸血鬼のほとんどは――体重に関わらず――転化した直後から人間離れした膂力を示す]
何で?
吸血鬼の城で初対面の相手に尋ねるのが不思議な問いだろうか?
[誰だと聞くより早い。
イエスかノーで答えられる質問を選ぶのは明快さを重視するから]
―地下1階 廊下―
[怯えは。
自分に一番近い感情だと思う。]
[翡翠は揺らぐ炎を映す。]
[あれは嫌いだ。
どうしようもなく、嫌なものを思い起こさせる
あれが嫌いだ。]
[縋る手]
[暗んだ目]
[力任せに――]
だから――言ったじゃないか。
[廊下に影が伸びる]
…… ……
……ああ、『和らげることのできぬ残酷な獣よ』
答えないなら肯定とみなす
[警告。
パンドラへ向く質問を聞き終えて、静かに数えていた息を吸う]
これが遊びか?
俺は生憎、相手を殺すのが楽しいとは思えない
[パンドラが参戦を申し出たとして、戦力の計算が出来ない。
「どの程度、邪魔になりうるか」を考えていた]
『おれはその 冷酷さえも あ』
[暗唱は途中で途切れた。
廊下の奥に光を見かけた……ことよりも
それを操る姿がなかなかに珍しいことが原因だった。]
[初老を思わせる髪色は光を受けて、時折反射していた。
ゆる、と持ち上げた手には銃。
打つべきタイミングを見失い、多少困惑の色がにじむ翡翠が注がれる]
レディ?
あなたもハンター?それとも、「残酷な獣」かな?
[返答がどちらにせよ、銃は一度降ろされた。
彼女の顔に何を見出したのか。]
向かう方向が同じなら……ご一緒しても?
(遊んで欲しそうな格好って…なんだ)
[色街に立ち並ぶ娼館の窓辺で手招く姿を想像した。
あるいは、褥からこちらを見上げ誘う姿態を]
……
[自分の格好を見下ろす。
戦闘服に、ボロボロになったマント。
何か間違えた気がした]
やらない
[棍を足元へ下ろす。
軽い音がして、下端が石床の隙間に刺さり直立した]
吸血鬼を探しているなら、君もハンターか?
それとも、吸血鬼と遊びたい趣味の持ち主なのか
[ゾッとしない、と苦笑する]
[丈短の棍を構えたままの男に焦れて床を叩いていたが、回答にため息を付いた。>>324]
それなら早く言ってよ……気合入れて損したー。
[鉄槌を床に置き、柄をふらふらと玩んでいる。]
そだよ。ボクもハンター。
柘榴石があればご飯が食べれるじゃない。
まあ、肉の付いたのはあんまり相手したこと無いんだけどね。
[しばらく柄で遊んでいたが、思い出したように掴み、背へと担ぐ。]
吸血鬼は一匹じゃないってダテのおっちゃんが言ってた。
なんかたくさんいるっぽいけど柘榴石が人数分あるか分からないから、急がないとおっちゃんたちの分ないかもしれないよ。
まだ――
[人たるを信用するとは言ってない。
大仰な武器と、それを玩ぶ子どもらしい仕草に息を吐いて。
パンドラをちらと見た。
吸血鬼とみれば見境なく襲いかかりそうな剣呑な気の持ち主だったが、少年を前に彼女が戦闘態勢になることはなかった。
吸血鬼ではないと感じる何かがあったのだろうか]
パンドラ?
[視線を合わせると、影を宿した双眸が瞬いて首が横に動いた]
[気配を緩める。ついでに表情も、少し]
ダテ殿が?そうか…
情報に感謝する
[人数分、という言葉にまた肩を透かされたような奇妙な感覚を味わったが、そういう子だと思う方がいい気がした]
いったい何百年分の飯を確保する気なのかしらんが、急ぎすぎて自分の心臓を取られないよう、気をつけてな
-地下2階-
[私は今「地下」を探索している
少しうろつくうちに、私は
とある小部屋へとたどり着く]
くすり、か……
[どうやらこの部屋は「薬品置き場」のようだ*]
[>>318先に行けと言うリアン、>>328一人で行くと言うシンデレラ。
始祖との邂逅で垣間見た実力、落ち着いた様子から、己のことは己でできるだろうと判断する。
相棒と目配せを交わして]
そうか。では二人で行くか。
後で一度、上に戻るつもりだ。また会うことがあれば、情報を提供しよう。
[液化して消えた古吸血鬼、あるいは更なる下層への道、何かしら得れば野営地まで戻る心積もりで、それだけを伝えた]
―棲家―
[洞窟の中に建つ城。屋根や壁には刺のようなものが突き出す、それが始祖の棲家。]
……来れるものなら……来るがよい。
[“城壁”の上に立ち、ここを目指す闖入者を待ち構える。
と、その刹那、始祖の体は霧散した**]
―B2―
[足を踏み入れてみれば、地下一階までとは空気ががらりと変わっていた。
細い通路の先、すぐに道が三つに分かれている。十字路に立ち、見渡せば、曲がりくねって先が見えない道、あるいはすぐにまた枝分かれする道。
迷路のようだ。と、すれば。罠もあるだろうか。
筆記具を取り出す相棒を尻目に、かりり。と、壁にひとつ印を残す。
地図を描きながら慎重に進むべきだろう。]
[罠の対処をし、時折、壁に傷をつけながら進んでいく。神経の削られる道中。
そうしてしばらく進んだ先で見つけたのは――+パー+
石:強酸の水溜り 鋏:小部屋 紙:クリス]
[あれは。
一時見た、蹲る人影と同じ色の衣装。あの時、顔までは確認できなかったが。
「紅霞」が騒いでいる。
古吸血鬼――刀に手をやり、臨戦体制を取る。緊張が*走った*]
ー地下2階ー
[暗闇を近付いてくる光。ハンターの血。
疼く。疼く。
描いた通り>>293に。]
ああ、良 ーッひ
[刀に手をやるハンターの目に、笑みを怯えに凍り付かせた自分の顔が映った]
や、ァ
だめ
[あとじさりする。]
この心臓はー
オレのだ、オレ、の だ!
[腰の片手剣には手を伸ばさない。握っても使えない。
小さな荷袋を胸に抱える両腕が震えた。]
[私は今、薬品がおかれた小部屋のなかにいる
……みたところ、薬は数えるくらいしか残っていないようだ]
[私は室内にある薬品をすべて回収する]
つかってみるか……
[せっかくなので私は、回収した薬品のひとつである「赤い飲み薬」を試しに飲み干してみる]
[甘味とほろ苦さがマッチしたような感じがして……とてもおいしかった]
(……ど、くん)
[薬を飲んだとたん、私の身体が少しうずきはじめる]
(ど、くん、どくん)
[しかし私は、そこまで問題はないだろうと思いつつ、この部屋を後にする]
[地下二階の探索を再開した
しばらくさまよううちに、人の姿を複数発見する]
おーい、なにやってんだー
[声をかけつつそちらへ向かった**]
[忠興から与えられた肯定の言葉は、その率直な確かさで胸に温もりを届ける。]
ありがとう──、
[心の闇をも切り裂いてくれる伴が護ってくれるかぎり自分は大丈夫だと、視線を上げた。]
[リアンは構うなと言ったが、頬の血を見ればそのままにもできず、油紙に包んだ軟膏を差し出して、塗っておくよう勧める。]
あなたのおっしゃるとおり、血の匂いは魔を引きつけますから。
[シンデレラがひとりで歩いてゆくのを見れば、やはり不安を覚えるものの、呼び止めることはなく、あれはあれでいいのでしょうと首を振る。]
── 地下迷宮 2階 ──
[結局、忠興とふたりで進むことになった。
気心の知れた彼との探索は、余計なことを口にせずともそれぞれが為すべきことを果たして無駄なくはかどる。
やがて前方の暗がりからやってくる者と遭遇した。
両手に荷物を抱えているとはいえ、灯りもなしでこの地下迷宮を進む男(>>73)は奇異で、忠興が刀の柄に手をかける気配に、自分もカンテラを床に置いて杖を傾ける。]
──止まりなさい。
あなたが人であれば危害は加えません。何も奪いません。
この先で、何を見たのか聞きたいだけです。
[穏やかに諭す口調で語りかける。]
[刀に手はかけたものの、狭い通路は刀を振るうにはいくらかやり難い。
それでも、必要となれば抜くつもりではあったが。
左手は刀の鯉口に当てたまま、す、と右手はバッグから鏢を二本、指に挟む。
何かあればすぐに投げられるように。]
[人がいるほうへ向かうと、そこには
「先ほどあった同業者たち」と「知らない人」がいた]
一体どうしましたか?
[ひとまず何があったのか聞いてみることにした]
─ 地下 2階 ─
あれは実体ではないのよね。
2階は何もないようだったし。
どこにいるのかしら…
[けっこう歩き回ったが、吸血鬼らしき手がかりはなかった]
…紅榴石。
[私は吸血鬼にならず、もちろん紅榴石も取り出す事はできなかった。
がっかりした親の顔が目に浮かぶ]
私の変わりにくれてやるわよ。紅榴石──
そんなにほしいならね。
いくらでも私が取ってきてあげるわ。
…たすけて
やだ、とられる
心臓 やっと、やっと
[穏やかな声の主。首を振る。
その瞳に映るのは縋るような必死の笑みを浮かべる自分の姿。
がたん。
地べたに膝がつくと、剣の鞘がぶつかった。]
この、さき
このさき……?
[長い年月を経て、人ならぬ能力を身につけた者――と、しては>>336怯えるその表情は戸惑うものではある。
が、刀に添えた左手からより確かに伝わる鳴動は、それが人ではないことを示している。
油断を誘う手、なのだろうか。]
いや、そいつは――
[相棒に告げようとした所で、怪しい影の後方から、何やら声>>340]
落とし穴だ。
あぶない、いたいよ。
[見上げるメイド。
穢れた血。近しい者の臭い。]
たすけて、
たすけて ころされるのはいや
(……ど、くん、どくん)
[ここで、身体の疼きが少し強まる]
(どくん、どくん、どくん)
[ついでに「知らない人」から
得体のしれない「におい」がする気がしてくる]
…強さとは、何かしらね。
[歩きまわったので、一旦休憩に入る。
瓦礫に座ると、一人ぽつりと呟いた。
今はただ始祖を倒して、強さの証として紅榴石≠ェほしいと思っていた。
ただその先の運命が、どうなるかも知らずに─]
[出会った男は「心臓」と言った。
吸血鬼を倒してきたというのだろうか。
「紅霞」が反応しているのは、男にか、その荷物にかとふと思ったが、油断はすまい。
そこに新たに増えた声は聞き覚えのあるものだった。
男が、「落とし穴があった」と言った方向から来たシンデレラの姿を見やる。]
[ 駄目だ、近付くな
ハンターの声。駄目じゃない。
なにも駄目なんかじゃない。
手を伸ばす。メイドの服の袖を掴んだ。]
ーーたすけて。
[メイドの背後に、背に隠れる位置に這いずって。
ぎゅうと袖を握る。
背中に額を押し付けた。
どくん。]
─ 地下2階 伊達たちと反対側 ─
…!!
何か始まったわね!
がららららららら!
[アシュレイの感が、何かが起こっているのを感じた。
すくっと立ち上がり、行こうとする。
しかし同時に小部屋の入り口の、瓦礫が崩れて目を見張った]
閉じ込められた!!
[完全に入り口は塞がれた。
何とか空気は流れてるのをほっとするも、進路は完全に絶たれたことにため息をついた]
させるか!
[右手の鏢を放とうとするが、それよりも一瞬早く、対象は娘の後ろに周り込んでしまう。
放つギリギリで軌道をずらした鏢は、娘の足元の床に突き刺さる]
…地道に瓦礫をどけるしかないわね。
[閉じ込められた小部屋。
幽閉された時の事を思い出して、首をぶんぶん振った。
しばらく小部屋からは出る事は、できないだろう]
[再度鏢を取り出すかと逡巡して。どうにも位置関係が悪いと諦める。
駆けるしかない。間に合うか……]
ち……
[舌打ちを一つ。駆け抜けざま相棒の名を叫ぶ。
それ以上言わなくても相棒に何をしろと言っているのかは、伝わるだろう。]
[どくん。どくん。どくん。]
[穢れた血だ。
それに、「くすり」の臭い。]
ぁぁぁあーー!
[武器が投げられる気配に、クチから悲鳴。
床に突き刺さるそれは目に入らない。]
っこ、こ、こわい、こわい
だめ やだ 痛いの
[強く、メイドにしがみついた。]
”ころされる”
”たすけて”
”タスケテ”
[メイドの背に触れそうに近いクチビルから、聲(こえ)を漏らす。]
”仲間”
”デショウ?”
[「たすけて」と懇願しながら男がシンデレラの方へと逃げる。
忠興の制止も間に合わず、男はシンデレラの背後に回り込んだ。
男を怯えさせている、その状況には逡巡を感じるも、シンデレラに縋り付く男の悲鳴はひどく耳障りだった。
コウモリがバタついているような、そんな感覚。]
[間髪をいれず忠興が間合いを詰める。
その支援にとアルベルトも動いた。
陽動、そして杖の先についた聖印の翼部分でシンデレラのベルトをひっかけて引き寄せんと試みる。]
シンデレラ、こちらへ!
[駆け抜け、間合いを詰めるハンター。速い。
同時に動く、穏やかな声の男。
ああ、だけど、 そちらへは行かせない。]
[聲(こえ)をかけたメイドは、 ]
チッ ――駄目か。
[静かな笑い声。 耳障りな蝙蝠。]
[ ばしゃん ]
[刀は振り抜かれたのだろうか。
飛び散ったのは血ではなく。]
[水で一杯の革袋が破裂するような音を残して、二人の姿は、 ――消えた]
[駆ける間に>>370娘の喘ぐような声。その目が一瞬、赤く光ったような気がした。
彼の刀の刃に似た――紅榴石のような、赤。
様子がおかしい。
刀を抜く暇はない。"手遅れ"になる前に気を失わせようと、走ってきた勢いそのままに、肘をその腹に入れようと――]
― 1Fホール ―
ああ、降りるなら早い方がいいかもな
パンドラも行くのだろう?
[少年の背>>371の無防備さに、本当に大丈夫かと思うが]
俺は少し広間の様子を見てから行く
気をつけてな
[シンデレラの足は床に根を生やしたかのように動かず。
が、そこにかかっていた重みは不意に消えた。
忠興の目の前で、飛び散る液体となって、シンデレラの姿は男もろとも失せてなくなる。
階段をおりる前に見たのと同じ──]
―地下3階―
[霧たちこめる細道に立つ始祖]
……時は……来た!!
[クククと嗤い、立ち込める霧に紛れるように姿を消す]
[目の前の女性の、年はいまいち判別がつかない。
ランプの炎で陰った表情はとっくに何もかもを失ったようにも思えたし
揺れる炎を浴びた目は危うい何かを胸に秘めているようにも思えた]
[けれど大事なのは目の前の女性は人間であろう、ということだ。]
[だってちりちりしないからね]
[確証はないが、自分で判別するのがそれで充分で
それが全てだった。]
-???-
……んっ、うぅ……ん……
[気がつくと、私は先ほどとは
別の場所に、運ばれていたようだ]
……これは、一体……!?
[二人が水と溶けたその後で、地面に刀を振り下ろす。
しかしそれは虚しく床を傷つけたのみで、一足遅く、染み込み消えた。
特別製の刀は、硬い石の床に当たっても刃毀れ一つしない。
始祖と邂逅する前からも様子のおかしかった娘、先刻光った瞳。
疑いようもない]
手遅れ……か。
[時を経て得た、特別な能力。
だけど、重力に逆らうことは出来ない。
ただ、下に滴って、降りて来ていた。]
ー地下3階・落とし穴の下ー
[真っ暗闇。
鋭い槍状に尖った岩>>237が、近くに見える。]
ああ、起きたの。
[笑う。起き上がるメイドに、顔を近づけた。]
[袖をあげて忠興の顔へ近づける。]
雫がかかったりしていませんか。
[追わなければ彼女が危険だ ── でも、どこへ行けばいい?
相反する思考を抱いて杖を引き寄せる。
血を交えた相手ならまだしも、目撃しただけの吸血鬼を辿る術はアルベルトにはない。
手遅れ…、と呟く忠興の声に目を伏せた。]
…下を目指しましょう。
[始祖を倒せば、逃げなければ、助けられる者もいる。
そう言い聞かせてランタンを*拾い上げた*。]
[二人の消えた床を見下ろす。下層に居るに違いないが、人の身で床をすり抜けられるはずもない。
下層に下るには迷宮を抜けねばならない。
「落とし穴」のことが頭を過ぎるが、下に何があるか分からぬ穴を落ちてみる気はない。
そもそもあの吸血鬼の戯言で端からそこには落とし穴などないのかもしれない。]
一度戻るか……?
[暗いし、とても心地いいから、気にならない。
地下3階いっぱいを満たす、濃い霧。
深く息を吸う。
心臓が疼いた。]
メイドさん?
助けてくれないの。 ひどい。
助け合うんだよ、オレたちは、みんな。ね。
― 広間 ―
[雨の届かない位置に、キャンプは築かれていた。
そこでお茶を飲んでいた4名の姿はない]
……お前、元気か
[喉が乾くのか桶に首を突っ込んでいたロバが、耳を動かして嘶く]
[天井の一角から、濃くなる一方の霧が入り込んでいた。
腐食の気は、広間を侵そうと舌を伸ばす魔物がごとく、棚引きながら漂っている]
[>>386気遣う相棒に頭を振る]
いや……問題ない。
[それよりも、娘を先に行かせた判断の後悔が過ぎる。
その一方で、それがアシュレイでなかったことに安心している自分がいた。シンデレラもアシュレイも、同じ、ただここで会ったばかりの者だというのに。
それと同時に、彼の知らない所で既に、という懸念も過ぎった。
>>386下を目指す、という相棒に、黙って*頷いた*]
[このまま、大丈夫かもしれない。
楽観して荷を全て失うリスクは、自分なら避ける]
…ふ、む
[少しの間考えていた。
そして、灯りをつけていない棍で床を軽く叩いて、キャンプに近付く。
極細の糸は容易く切れ、微かな鈴音が霧を揺らした]
どう、何もせんよ
[嘶くロバの首を叩いた。防水の布をとってその頭にかける。
農婦のごとき…とはならないが、なかなか可愛らしい姿になった]
[それにしても、身体の疼きが止まらない
全身がむずむずしてくる]
っ……んっ……!
[あまりの痒みに、私は思わず
首筋の「痕跡」を手で直接触り
その場でぐりぐりと弄りだしてしまう]
どうするの?
[なんで、そんなこと、オレに聞くんだろう。
あの方。あの方。
あの方は。]
仲間を殖やせって。いわれた。
そう、うふ。 ふ。
[牙を剥き出した。]
くすりの匂い。
疼く…?
[視界が赤く染まる中、私は
首筋の「痕跡」を弄り続けていく]
(ぐりぐり、ぐりぐり)
あっ……あぁぁ……っああぁぁっ……!
(ぐりぐりぐりぐり、ぐりぐりぐりぐり)
痒い?
[疼くのとは、違うの。
おんなじか。]
ぅ、ふ。
[メイドの首に残る華に触る。
爪の先で痕を掻きむしった。]
だいじょうぶ。
だいじょうぶ。ほら、うまく…やれる。
そんなに弄って、血が出ちゃう。
いたい?
いたい?
[首に噛み付かれた一世紀の昔より、思い出すのは、
首を切り落とされた20年前。]
― 地下1階 ―
うーん…
[階段を降りきり廊下を歩く。先ほどすれ違った少年は、他のハンターがいると言った。人影を求め歩くが見つからず]
誰も…見つからないわねえ。
[あの少年の口ぶりはとても嘘をついているとは思えないが。薄暗い灯りを頼りにうろうろと歩く。]
… っわ、ァ。
[大きくなる悲鳴に、跳ねるように体が震えた。
逃げ、はしない。]
いたかった?
ごめ、ん、 ?
[爪は首筋を離れて、また触る。
メイドは気持ちいいらしい。
ほら、やっぱり疼くのと同じか。
もう一方の手で疼く心臓の上を、少し、掻いた。]
いいの?
もっとしてほしい?
[気を良くして、笑う。]
[落ち着くためにここでも酒を煽る。特に震えなどはないが、なんとなく。]
ふう…
[と落ち着いた矢先。レディ、との声。]
…っ!
[びっくりして振り向く。クロスボウの引き金に触れ、発射の準備。灯りが声の元に触れると帽子を被っている柔和な雰囲気を漂わせる男がいた]
[念のため警戒は解かない。ハンター?残酷な獣?との問いに]
…残酷な、ね。確かに私は残酷なのかもしれないわね。
[その回答に相手は何を思っただろうか。相手は構えていた銃を降ろす。それに合わせて彼女も引き金から手を離し警戒を解いた]
[荷車では行けない。
自分は変事に対処できる身の軽さを保つなら、これ以上の荷物は持てない。
被った布を外そうと耳を振るロバを宥めながら、野営セットを見回した。
秩序立てて整えられ、急な撤退に備えてか、帰途で重要なものほど取り易いように纏められている]
(合理的。しかしこの食料で4人ならせいぜい2日分じゃないか、っと)
[カップなどの食器も二組しかない。と、さり気なくチェックしながら、ロバの背に勝手に荷を積んだ。
最低限の野営セットを積めば、早々に地上階を離れて地下へと向かう*つもり*]
[質問の答えは、どうだっただろうか。…とにもかくにも。]
うーん、まあこちらとしても助かるのよね。これ、実はまだなれてなくって。
[腰につけている明かりに視線を移す。替えの電池は大量に用意しているとはいえ、まだ操作にもなれず、電池の交換にも時間がかかる。使わないですむのならそうしたい。]
ええ、一緒に行きましょう。
[頷き、男の隣に位置取り、歩き出した]
―階段―
[階段までさしかかり、下を見た。
そのまま降りようとした所をパンドラに止められる。]
んじゃ降りよ……と? 明かり?
カンテラなんかボク持ってないよ?
[一族の上位の者が持っていた道具を思い出す。
元々が日の差さぬ地下墓地住い。
暗闇でも目が利くせいか、その辺りの配慮はからっきしだった。]
んーと、そだ。目を瞑って暗いのに慣れちゃうといいよ。
じゃないと降りられないし、ここでさっきのおっちゃんを待つ?
[行くという意思表示を受け取り、パンドラが闇に慣れるよう時間を掛けて降りる。]
爪と…牙? 牙が欲しいんだ。
どうして、こんなに跡がついてるのに、
まだ吸血鬼じゃない?
[「なすがまま」のメイドは、
とても、 心を満たす。
気絶したままのあのハンターから血を盗んだって、こんなに満たされなかった。]
ねえ、どうして?
[ガリガリと肌を引き裂く。
どうしよう。 嬉しい。]
[ガリガリガリガリ。
メイドの衣裳が台無し、なんて。
気に出来ない。だってこんなに楽しい。]
[血の臭いが霧に溶けて、凄く気分が良かった。]
んぁあぁぁ……あはぁぁあぁぁ……
[私の血のにおいが、霧に混ざりこんでいく]
あはあぁっ……あぁぁあぁ……っ
[血なまぐささを取り込んだ霧の
においが、私を犯していく]
― B1廊下(大扉前) ―
謝謝。
すまない。
[素直にモナステリーから軟膏をもらい、
扉の向こうへと見送った]
………。
[険しさを表情に残したまま、黙して傷に軟膏を塗る]
ッ……可悲的。(情けない)
[沁みて、小さな肩を落とす]
― 1F ―
おや、やはり上ではないようだね。
瓦礫の中からの脱出ショーは……誰も見に行かないなら起こりはしないか。
[1階をヤギと歩いていればエルクからいろいろと情報を聞かされて(>>256)]
複数?
数が集まっても最も美しいものが私であるのに変わりはないのだから、私が気に病む必要は何もないね。
けれど、柘榴石を狙う人数のほうが多いならゆっくりもしていられないか、ありがとう。
礼ついでに、地下はどっちだい?
["要るもの"と、"そのために倒すべき相手"だけの知識。
他のハンターとの競争であることにあまり現実感が無かった。
目の前の少年やヤギの面倒を見てくれたジェフらの知人だけではないらしい。
地下への入り口の場所も尋ねた後、いつものスピードでそこに向かうことになる。
もし教えられなかったとしても、そのうちヤギが何か見つけるだろうか]
[メイドの躯が、腹の白い魚みたいに跳ねる。
全身のたくさんの跡を全部掻き毟った。両手の爪の全部が、穢れた血の紅に染まる]
ワクチン…!
だめ。そんなの。
[なんてことするんだろう。
やめさせないと。
ああ、耳がぞくぞくする。 こんな声が聞けるなら、血なんていらないからずっとーー ]
ぁ、 あ?
[傷跡をなぞって切り裂いたところが、じりじりと炙られたみたいに爛れて紅い華になる。
辺り一面に満ちた毒の霧が、弱い肉を溶かし侵していく。
流れた血が、
ふつ
泡立って霧に散った。]
ぅふ、ああ……たいへん。
欲しいもの、あげないと。溶けて死んじゃう?
[深く抉れて血を噴き出す首筋に、笑い顔を近づけた。
甘い、甘い、穢れた血の匂い。
少し舐めると、
甘味とほろ苦さがマッチしたような味がした。]
行き先は、上か、奥か。
[改めてジョセフへと問い直した
地上階に戻るつもりならあっさりと別れるのだが
まだ奥へ行くなら、この場合は同道も視野に入れた]
…………
[背後に視線を流す]
あんたはどうする。
[黒フードにも同じ主旨の質問を投げた
未だに緊張している所を見るに、何かあるのかと思いつつ]
―B2、クリスを取り逃して―
[相棒と己の逸る気持ちに押されるようにして、下を目指そうかと思ったが。
その折、ふと"細い"震えを腰に感じて。冷静さを取り戻す。
どうやら>>394何者かが野営地の鈴に触れたらしい。
盗まれてどうしても困るような物は置いていない。急ぎ戻る必要はないが、ふと地上に思考が流れれば雨に感じた嫌な気配を思い出す。
空気に嫌なものが混じる気がするのは、深い地下故だけではないのかもしれない。
一人にして攫われた娘――残してきた少女のことも気にかかった。]
アルベルト。やはり一度戻ろう。
上が気がかりだ。戦力も、必要だろう……
[ここに辿りつくまでに作り上げた地図もある。罠も確認済みだ。来た時よりは早く行って戻ることもできるはずだった]
[ヒップバッグから携帯食と水を取り出した]
如果イ尓現在不喫了
我不知道什麼時候喫…
(今食べておかなければ、いつ食べられるか…)
[気を取り直す切欠にしようと、
携帯食を口へ運び、もそもそとした水で流し込む]
不好吃。(まずっ)
[恭しい名前の聞かれ方に微笑する]
ふふ、随分小難しい名前の聞き方をするのね。
私はシェリー。シェリー・ウォーカー。あなたは?
[名前を聞き返す]
[見つめていることへの質問の答えが返ってくる。その答えに納得した様子で]
そうよねえ。普通はそう思うわよねえ。だけど残念。ここにはね、一人で来たの。
[「旦那」のことには触れずに言葉を繋ぐ]
階段ですれ違わなかったかしら?確か…エルクといったかしら。小さな子供。
あらまあ、お上手ね。
[付け加えの褒め言葉に悪い気はしない。]
そりゃあ、レディに相応しい名前の聞き方ってもんがあるからね。
[もう一人、名前を聞いた女の子は
これを聞いたら怒るだろうか。
などと脳裏をかすめる。]
どうぞよろしく、シェリー。
カークだよ。ただの、変哲もない。
ひあぁぁっ……あぁっ……!
[深く抉られたことにより血が噴き出ている
首筋を、その場で舐められた]
すきな、だけ……どう、ぞ
めし、あがって……くだ、さい……
[吸血鬼いわく「甘くてほろ苦い味」らしい]
[歩きながらの返答には眉がより]
階段会ったのは……“ナバール”とフードの人だけど
小さな子には、会わなかったな。
貴方と言い、その小さな子といい。
吸血鬼ハンターというのは実に様々だね
色々な人生の重みを感じるよ。
[付け加えたのはフザケタ物言い]
そういえば、若い女の子にもあった
[大扉の近くまで歩けば、その女の子の姿も見えるだろうか。
見えるのならば、「……ああ、ああいう、若い子」と付け加えるが
様子のおかしさに笑みは消える]
[歩き出した忠興の手が小さく跳ねて、何かを感知したのだとわかる。
「気がかり」の理由は説明されずとも、忠興の判断に異を唱えるつもりはなかった。]
わかりました。いったん戻りましょう。
[分岐を記録した筆記具を出して、元来た道を逆に辿ることにする。]
[ぞくり。震える。
彼女が飲んだ、赤い飲み薬>>339の味。]
好きな、だけ…?
[そんなこと、言われたことない。
ぼんやりしながら、悶えるメイドの肩を、腰を、背中を掻く。]
ぁーーー
[躯が跳ねた拍子に血が噴き出して、
甘い味が開いた口から入って来る。]
ン。 ぐ。
[首筋に、 かぶりついた*]
[さあ、行こう。
立ち上がって、背の長棍の位置を直した]
什麼?(ん?)
[人の気配が近づいてくる。
誰だろう。
壁に背を預けたまま気配に意識を向ける]
― 1F・広間から地下へ ―
[ロバの歩みは殊更緩い。
牽かれ慣れない相手だからか、]
いや…辛いのか?
[呼吸が乱れるのは、鼻面を防水布で無理にマスクされているせいだけでもなさそうで、
少し垂れた鼻水を拭いてやると、淡い桃色の泡沫がついた]
(厄介)
[長く1階にいたかもしれないパンドラは普通にしていたように見えたが。雨の中庭にいたフルムセートは?
あの鉄槌の少年は。
抑えた呼吸の数を数えながら階段へとロバをひいた]
カーク、ね。よろしくね。
[相手の名前を認識する]
フード…そうそう、その子もフードを被ってたわね。その子のお父さんかもしれないわねえ。
ハンター…ね。まあ、そうよねえ。人生いろいろ、なのよ。勿論…貴方も。
[自分のことをハンターなどと名乗りたくはないが、ここは話をあわせる]
そうなの。若い女の子までいるの…どうなってるのかしら。
[悩ましげな表情を浮かべる。
小さな子供や若い女の子。想像しているハンターとは違うことにどこか現実感のなさを感じた。ハンターというのは屈強、或いはそれに準じる男であると思っていたからだ。ジェフや、フィリップのように…]
― 地下1階 ―
やはり暗いな。
ランタン1つではやはり足りないな、脚光用に松明でも持ち込んでくるべきだったか……。
[遮光シャッターなどない簡素な代物だが、そのぶん頑丈で長持ちするランタンをかざして通路の奥を見やる。
薄暗い空間にまだ慣れていないのを差し引いたとしても、前方と障害を視認する目的であればこれで明るさが不足ということはない。
ただ彼が求めた灯りとは周囲を明るくするものではなく、美しい自分を照らすものなわけで。
とはいえ足元に松明を並べながら進むのはさすがに現実的ではないと考え、やや不満顔なままヤギと共に進むことを選んだ。
そのうちヤギは水のある場所を選んで一息つき始めるだろうか]
いえ、何でも無いんです。
すみません…。
[ジョセフが一歩近寄れば、びくりと身体を震わせた。
フードからは、異常に白い肌と怯えた様子の血色の瞳が覗いただろう。
張り付いた様な笑みに、こくりと喉が鳴った。
男に対する口調も、鉄槌の少年やナバールという名らしき男に対するものと違っている。]
……。
[続く問い掛けに答えるまでには、暫く間があく。
自分を指す言葉のみならず、相手を指す言葉、名前を呼ぶなと、教えこまれたその習慣は、故郷を旅立って…、追放されてからも簡単に抜けるものではなかった。]
ナバールさん…?とは、知り合いでは無いです。
[たどたどしく告げ、それからまた迷った様な時間の後に、ゆっくりと口を開いた。]
私は、…アレクトーと呼ばれていました。
あら…
[とカークの言う「若い子」を見る]
こんばんは。…こんにちはだったかしら、ねえ。
[「危険」の言葉はカークに向けられているものと思って]
[ゆるりと、首が傾く。
差し出された手を、戸惑う様にじっと見つめた。]
…
[大分時間がかかった様に、彼女には感じられたが実際にはどうだっただろう。
ゆっくりと、右手をあげて男の手へと伸ばした。]
― 地下2階 ―
助けてー
って誰もいないわよね。
助けを求めるのも、ほんと私何をやっているんだろう。
[瓦礫をどかしているのに、疲れてへたれこむ]
どうもこういう密室は、まだ慣れないわね。
[幽閉された感情が、呼び覚まされそうで怖かった]
ああぁぁっ、あひぃぃいぃぃ!
首筋に……きたぁぁ……!
[私は首筋をかぶりつかれ、そこから
直接血を吸われていく]
ああぁん、あはあぁぁあぁん……もっと
いっぱい……飲んで、くださいぃぃ……!
[吸血鬼による「直飲み」が、あもりにも気持ちよかたせいか
私は思わず淫らな表情<かお>になってしまう]
― 地下への階段 ―
[それほどの移動速度ではなかったが。
ロバを連れて降りようと松明で照らした階段に、さっき別れた2人を認める]
…どうした?
[灯りがないだけとは気付かず、
パンドラを支えるようなエルクの体勢に眉を顰めた]
[迷宮を戻りながら、忠興に話しかける。]
あの吸血鬼は「たすけて」と言っていましたね…
最初に上の廊下で聞いたのもその言葉でした。
今回はともかく、あの時は誰かを騙す必要もなかったはず。
彼は本心から怯えていたのかもしれません。
[吸血鬼側の実情はともかく。
吸血鬼を憎まない、そんなアルベルトを胡乱に思い敬遠する者も多かったが、忠興はまともに取り合ってくれる。
ゆえに、他のハンターよりも無茶をさせてしまっているのかもしれなかったが──]
[びくりと身体を震わせる様子>>447を愉しむように、更にもう一歩近付く。
フードの奥から微かに見えた白い肌と、血色の瞳。
笑みが僅かに消え、しかし直ぐに元の笑みを浮かべた。]
何でもないのでしたら良いですが。
ああ、ナバールさんとは此処でお知り合いになったのでしょうか。
アレクトーさんですね。どうぞ宜しく。
[名乗られた名>>449を繰り返す。
手は、焦れることなく差し出したまま。
戸惑いからか、幾分か時間はあったが>>452伸ばされれば、軽く握って挨拶を。
アレクトーの、警戒とはまた違うその反応が、心地好い。
ククッと喉が鳴った。]
わた、ひぃ……貴方様にぃ……おいしく
いただかれて……とても、とても……
しあわせですッ……!!
[私は首筋から吸われつつ、快楽に浸った
表情のまま、両手でピースサインをした]
「封印」を試みる機会がほしい──
[そのためには、吸血鬼に傷を負わせて出血させる必要がある。
自分の血と吸血鬼の血を触れ合わせて初めて「呼べる」
吸血鬼となった者にそれを説明している暇はないから抵抗は必至だったが、それでも、忠興にやってもらわねばならぬことだった。]
お願いします。
[吸血鬼が現われた、相当強い]
噂は…間違いなかったのかしら。
[この情報だけでは始祖かどうかは、わからない。ましてや若い子がいう「強い」がどこまで「強い」のかなど。ただ、その子は特に怯える様子もないので、ある程度の自信があることは伺えた。]
そうなの。それなら、のぞむところ、ね。
[さっきのゆっくりとした喋りではない。]
そのためにここに来たんですから。
[弓を強く握る]
顔を確認した方たちだけでも、十分選び甲斐はありますが……そうですね。
せっかく再会したのですから。
[前を行くナバールの背を見つめ、小さく呟いた。
唇が歪んだ笑みを作る。]
[ぼんやりしていた。
喉を通るほろ苦い感じ、甘さ。
声を聞いて、顔を見上げる]
ん――
[眉をハの字に下げて情けなく唇で笑みを作った。
血を吸い上げながら首を、振り回すように引き摺って、
少しずつ傷が塞がっていく背中をまた掻き毟った**]
[吸血鬼が現れたと言った後、カークを見た。
彼が銃を持っているのを見て、眉を寄せる]
行くツモリか。
ならば……
[止める理由は無いが。
言いかけて]
老婆子?!(おばさん)
[望むところだと婦人が言うのに驚いた]
―???―
[“仲間”が増える気配を感じる]
……これは……
挨拶を、しなければ…な。
[くつり、くつりと嗤いつつ、その像はゆらりと霧散する]
[松明の光に慣れるのを待つのは退屈だった。]
んじゃ、ボクが前行くからおっちゃんたちは付いてきて。
[松明の灯を背にするように階段を降り始めた。
ごつんごつんと鉄鎚が階段を打つ。]
……あれ?
[暫く進み水場に差し掛かると、別の灯に照らされた見知った顔を見つけて声をあげる。]
あれ、珍しいおっちゃんじゃん。
疲れたの?
[そこに佇むフルムセートに声を掛けた。]
[行くのか、とのカークの問いに]
え?当たり前じゃない。何のためにここに来たと思ってるのよ…
[意識が戦闘モードに切り替わってるからかやや苛立ちが混じった返答。そして驚く少女に]
あら?何で驚くわけ?ちょっと失礼じゃないかしら?
[こちらにも苛立ちの混じった声を発する]
["止まない者"、と呟く声に、血色の瞳はナバールへと向けられた。]
…前にも、そう呼ばれた。
[また首が傾ぐが、ピントを合わせる為というよりは不思議そうな声に応じる様にという意味合いが大きかった様に見えた。
以前、彼女をそう呼んだ師は、もう居ない。
そのアレクトーという名は、遠く辺境の地にて、彼女の様な色の無い子に対しての呼び名の様なものであった。
色の無い子は、古くから人々の不徳に対し神々が怒っている事の現れ、つまり凶事の前兆であると恐れられ、忌み嫌われてきた。
そうした信仰も、時代が経つに薄れ、恐れは失われ、形だけのものになった。
そして、彼女が受けてきたものは…、]
[謝罪の言葉と少女の名前を聞けば]
…わかればいいの。
私はシェリー。そうね、気をつけましょ。
[退いた少女を少し見た後大扉を見つめる]
みんなと合流しないと。
[先行した者はもう奥へと進んだのだろう。
少なくともそこへと向かわなければ吸血鬼にはたどり着けないだろう。
耳を澄ませば、微かな声を拾いそちらへと視線を向けた。]
よいしょっと。
[灯を携えること無く、物音の方へと小走りで向かった。]
[と、思い出したように鞄の中から新しい電池を取り出し交換する。構造上数十秒で、というわけにもいかず、数分の時間を要した後交換が完了する。古い電池を放り投げ改めて大扉を見る]
さて…行きますか。
[独りごち、扉の中へ。「一緒に行く?」とは言わなかったが、行く方向が同じならば自然と同行という形にはなるだろう**]
["止まない者"が、何を意味するか彼女自身もよくわからずに、ナバールへと向けられる瞳には迷いの様な色が浮かんだだろう。
読み書きも、世間の事も何も知らぬまま、始祖の柘榴石をとってこいと放り出されたのは、何年前の事だったか。
逃げ出す事も出来た、それでもこうして此処まで来た事を考えれば確かに"止まない"のかも知れないが。
彼女の中では、そうとは結びつかないらしい。]
―B1 廊下(大扉より奥)―
[あの二人はそのまま扉を超えたのだろうか。
脳の片隅で考えるが、それは気にしても仕方ないことだろう。]
[シェリーの様子が変わったこと。
リアンの緊張した面持ち。
それは真に吸血鬼に対する思いがあるのだろうか。]
みんな……、俺たちより、まっとうに吸血鬼探してるよ。
なぁんでハンターなんてやり始めちゃったんだろうね。
やらなけりゃ、今頃。
――……バッカバカシイ
[足元の小石を、思いっきり蹴ってやった。
それこそ吸血鬼の塒で行うには馬鹿馬鹿しい行為だったが。]
[苦笑を見せて去っていったカークを見遣る。
それから、シェリーを。
電池を換えている彼女に、向けるのは
カークのそれとは少し趣の違う苦笑]
(…可怕的)
[こわい、こわい。女のヒステリーは避けるに限る。
一歩退いたのはそんな理由だったからとかなんとか。
一人ごちて大扉へ向かうのを見て肩をすくめ]
ワタシも行くネ。
[そういえば、劉家で一番偉いのは祖母だったな、
などと思いながら、シェリーの後について大扉の向こうへ]
[同道した時からおよそ5年――ジョセフに関しては、
木乃伊より木乃伊取りの方を狩った数が多いのだと
そんな尾鰭付きの噂がついて回った]
[実態は定かでない
貼り付いた笑みの下だろう、と思う]
[ゴロゴロと重い物音を間遠に聞いて、周囲に目を遣る]
[くだらないことを考えていたせいか。
>>489近づく音、声。気付いた時にはそれらは大分近くなっていたようだ]
――……っ
[焦りか、嫌悪か、恐怖か。
光の届かない方から掛かる声に向けた銃は、大きくぶれた。
それこそ、もう少しで引き金を引いてしまうような指先の痙攣。
唇をかみしめ振り向いたが――想定していた位置に顔がなくて翡翠は瞬いた]
誰、とは―― 体外不躾だな
名乗るときは自分から……とか、言われなかった?
[目に入れた体の小ささに]
……お父さんとかに、さ。
[少し遅れて付け足した。
同時に思い浮かぶのはシェリーが口にしていた少年の事。]
― B1・水場の小部屋近く ―
[眩しい>>464と言われるまで、二人ともが灯りを持っていないことに気付いていなかった。
さっさと先に歩き、そのまま少年が暗順応に優れているらしいことは理解して、吸血鬼のような奴だと思う]
[階段の下、廊下に降りたところでパンドラへ必要ならば灯りを貸すと申し出る。松明ではなく、大きくはない仮眠時用の蝋の手燭]
なるべく、単独行動ではなく灯りを持っている者に同道した方が良いのでは?
[パンドラの暗い双眸を覗き込んだ]
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