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時計塔の番人 ウートラ がどこかにいっちゃったみたい。
番人の姿は、もうどこにもない。
いったいどこへ消えてしまったんだろう?
誰かの視界の隅で何かが光る。
妖精が追うのは、誰の背中?
のこってるのは、宿屋の女将 イライダ、村長の娘 フィグネリア、修復師 レイス、雑貨屋 ヴァレリー、隻眼の黒狼、細工師 メーフィエ、居候 リディヤ、ラビ、花屋 オリガ、キリル、ナタリー、傭兵 ダニール、服職人 ミハイル、森の魔女 アリョール、死に損ない ロランの15にんだよ。
―森の中―
[鬱蒼と茂る森の中。
おかしな妖精はこちらに手を……いや、ヒレを振り、
泡のようにどこかへ消えた。
おそらくは、次の獲物の元へ。]
[鬱蒼と茂る森の中。
番人は、黙したまま進む。
しんしんと降り積もる雪にも、
吹き抜ける風にも、寒さは感じない。]
[鬱蒼と茂る森の中。
……場違いな白いテーブルクロスと、ティーセット。
そして椅子に座って手招きする、半透明の女が見えた。]
[>>1:232メーフィエに無料でいいのかと聞かれて、優雅に微笑みつつ]
お代をいただくのは宿だけ。
…これはお近づきのしるしみたいなものよ。
[一緒にホールに行くように促す]
―2階廊下―
ああそうだ。ノート見りゃいいんじゃん。
えーっと…確か鞄の中に突っ込んでおいたはず……
[廊下に荷物を広げて行く男。
灯油バーナー、灯油の缶、透明な色彩を放つガラスロッド、
その他細かな工具………だけ。]
あっれ?
ノートは?
[いつだったか、図書館から世界の装飾品の本を借りて
内容を全部書き写した、己の努力の結晶である資料。
今度はそれが姿を消していた。]
うっへぇ…表で見た時はあったのによ。
鞄に穴開いてんじゃねぇだろうな!
しかしどの辺りに落としたんだ…。
[男が足を向けた所は結構ある。
寄り道ばかりの己の行動に、大きな溜息をひとつ。]
……しょーがねえ、後で探すか。
誰か見つけたら俺のって分かってくれるかねえ?
[またしてもブツブツと独り言を言いながら
今度こそ、テラスから一番近い部屋…かつては男に
宛がわれた場所へ向かって行った。**]
―教会のどこか ロランのそば―
[突然降り注ぐ銀]
本当だなんだろう不思議だね
とっても綺麗だ
誰かの涙みたい
[ポツリとつぶやいてもう一度ロランの顔をみた]
…あっ …ああっ ――っ !
ごめんなさい!
[飛びついていた腕をロランの体からすぐに離してぺこりと頭を下げた]
俺 人間違いしてたみたい
[降り注ぐ雪のような銀粉…だけどそれは冷たいものではなくて 澱のように心に溜まっていたものが溶けていく気がした]
―俺 思い出した。
俺殺されたんだった…獣に追い詰められた家畜みたいに
思い出した…。
俺は魔法の剣をもってた、だからおやじを殺した魔物を倒そうって、きっと俺ならやれるって
母さんをそしてこの村を
この村の人たちを助ける
―――そう思い込んで
あぁ…でもそれは間違いだったんだ
俺には力なんてなかったんだ
…弄ばれるように殺されて
まぁそれはいいやっ
俺だって兎や鳥を狩ったりしたもの
弱いものは強いものに食べられちゃうんだ
食べ物なんだもん
生きるためには仕方ない
あきらめられたけど
俺は…もっと
拙くて酷い失敗をしちゃったんだった
[冷たくない雪が少年の上にきらきらと降り注ぐ
目に大粒の涙があふれて
いつかのようにぽろぽろと零れ落ちていく]
ずっと ずっと 後悔しても
ずっと ずっと 消えない苦しみ
――肝心なところで俺はしくじっちゃったんだ
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