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[その一方で、アカデミーの通信士である親友の元へハニエルの現在地を示す信号を送る。
何の為にそうしているのかすら腕の中の“フラン”には筒抜けだろうから、もうわざわざ説明する事もしない]
あの兄貴、気付いたらこっち来るかも知れねーけど一応俺の座標は知らせておかなきゃなんねぇからな。
別に構わねーだろ、人が増えたって。
[彼女からの返答はあるだろうか。
機嫌を損ねる事も多分ないのだろうとは薄々思いつつ、
やがて彼女が示す場所へと降りて行くだろう]
[ジュリエットが、両腕を開いた。天の雨を受けるように。
同時に、司令室が、いや、戦艦の全てが震えた。
パーツのひとつひとつが振動し、生き物のように自ら動き、乗務員の体を包んでいく。
そして巨大な戦艦が「ほどけて」いく]
[パーツの集合体となった戦艦は、そのままダイシチョーへ向かい……そして、再び必要な形へと再構成されてゆく]
フランと、俺デ、帰る。
俺は行ク……フランの処ヘ、行く。
[若干まだ、拙く機械じみた発声の混じった口調で、この部屋に見えた人影から顔を背けて言い放った。
そして相手の話もこの時は真面目に聞こうともせずに、その窓から飛び立とうとして……気づく、違和感。
背に翼が生えている感触が、無い]
……、……。
[フェイトから>>56>>65すれば小さな細っそりした手。
フランはこの手でメカマリオンを、そしてグノーシスを操っていた。]
落ちたら少しは痛いんだよ?
[ぎゅっと握れば、ハニエルが飛翔する。
重力に逆らい両足が浮き、天使の力で詩論シティを駆ける。]
あ、そっちそっち。
詩論シティのセメタリーに向かって。
死んだ場所も知りたいなら、先にそっちに行く?
[そんなやりとりをした後、ハニエル=フェイト>>79が問いかける。]
[全長2kmに渡る莫大ダイシチョーの姿が、覆われてゆく。戦うために造られた人造精霊が、武器として防具として装着され、そしてその体を「自分の体」のように自在に動かす制動装置=意思が与えられる]
……さあ。
[その意思のひとつ、修理工の青年が、市長に話しかけた]
言って。
>>0:74完装を告げる言葉を。
地球救済級たる、この機体の名前を。
──主砲発射後の其、合体迄──
[主砲を関するだけある、超威力の其。
続く様に突撃するAHO号、そのボディに張り付く様に──]
"──オーケー、元よりそのつもりだぜ!"
[少し後、耳に届く通信には快諾の様子を示し。
揺れる戦艦、自身を包み込む《戦艦のパーツ》]
"さあ、行こうぜ、副艦長さんよ!!"
[自身を包む其に身を委ねて───!]
あー、そっか……別に一回開いて終わりじゃないよなぁ。
[ほのかな絶望に苦笑を浮かべながら、自身を呑み込もうとする孔を眺め。
そして気付く。
先程の一瞬、孔の破壊に集中していたはずのメガマリオンに、背後からの攻撃がなかった事に]
"聞いてっ!"
[通信を全員に向かって開放し、叫ぶ]
"今、こいつはメガマリオンに向かって孔を作り出してる――それに集中してる!
今なら、攻撃の手が鈍ってる、はずだよ!!"
[そして通信の向こうからは、明朱佳の、ユージィンの、ルッカの――繋がっている全ての人々の声が聞こえるだろう。
彼らならきっとやってくれる。
それを信じて、もう一つの孔に左腕を向けた]
"リミッター解除!"
[恐らく、これで孔を消し切れなかったら、次はない。
けれど、これに賭けるより生還の道はないのだ。
120%、150%――カタカタと機体が小刻みに揺れる。
装置、どころか、機体の限界が近いのかもしれない]
"オレは……左腕の最後の一撃で、どうにか脱出する。
それに賭ける。
だから後は、よろしく! 信じてるからな!!"
[そしてメガマリオンの機体は、新たに開いた孔に呑まれて消えた]
構うものカ。
とりあエず、やッてみろ。
[自分を"普通の人間"ではないと受け入れた上で、機械の身体に生体の脳を持つ青年は、はっきりと答えた]
[AHO号が接触した瞬間に。否、装い纏い、ダイシチョーーを覆った瞬間に。ダイシチョーと通信が繋がる。懐かしい…まだ離れて間もないのにそう聞こえる声が、少女の耳に届く。
―――けれど、感傷に浸っている時間はない。今は]
『広報課ッ!!この通信を今すぐにダイシチョー全館全シェルターに繋ぎなさいっ!!
たった今!すぐよっ!!』
[そうしている間にも、AHO号は解け、ダイシチョーを包み込む。鬼気迫った少女の声に応じ、通信が行き渡ったことを知らせる声が響く]
『みんな、きこえてる?
こちらは陣桜市市長、石神明朱佳よ。
急な話で悪いけど、説明している時間がないの。よく聞いて!
ダイシチョーは…陣桜市は、これより、宇宙怪獣の親玉をぶち砕くわっ!!
そのために、みんなの力をあたしに貸してっ!!』
[通信機越しに、どよめくような声が上がる。
それは、通信機を介することのない、市民たち全員の反応だろう。少女はひとつ、瞑目する]
―――…そうだなー。
でもね、フェイトくんはわたしがフランじゃないって言うまで、
分からなかったじゃない。
魂、心、意識。
それらは、記憶や考え方や自己認識から成り立つものだと思わない?
精神に刻み込まれた魂《意識》があれば、
成り立つと思うんだけどなー。
例えばフェイトくんが、
その人をその人だって認識するのはどうやって認識するの?
姿・魂・匂いすらも、全て同じ存在は、
その人の紛い物って言えるの?
――槍となりて――
[どうする?さらに”孔”が出来てしまっている事から考えると――、あの孔に干渉するために手をとられるか、それとも自分で干渉しにいくか、
それに、今形作られていっている地から生えるごとくそびえた槍は?
そんな事を悩む間に、メガマリオンが視界から消えていく。]
――――”セカイ”の敵を貫けぇぇぇぇえええええ!!!
[いろんな考えと、不安をふっきり、杖を、肉塊へと指し示す。
迷うな、やれ、そんな風に、受け取った
だから、地から真っ直ぐに、肉塊に向かって、槍を伸ばす。
しとめ切れなくても――縫い付ければ――向こう側で、ルッカが、市長が、何とかしてくれると信じて――]
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