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[我が目を疑ったが、どうしても確かめずにいられなくて、車をとめ、懐中電灯を持ちその男に近づく]
おい…――
[声をかけた瞬間逃げようとする男を追いかけ腕を掴む]
(冷たい…人間の体温ではあり得ない)
[振り返った男に懐中電灯の光を当てると
照らし出された顔は…――――]
[自分が死亡診断書を書き、葬式もすませ、埋葬されたはずの大田爺の顔が目の前にあった。]
そんな…馬鹿な…!!
[逃げ切れないと思ったのか、襲いかかってきた。
懐中電灯の光でも確認できるほどの長さの牙を剥き、こちらに向かってくる。
男は鳩尾に一撃を加え、相手の体勢が崩れたところを突き飛ばす。
咄嗟に道端にあった直径30cmほどの石を大田の頭に何度も打ち付けた。]
……。
[男は大田を車に運び、病院まで猛スピードで戻った。]
[病院に戻り、大田が前日眠っていた回復室のベッドに運んだ。
頭を見ると怪我がほとんどなくなっていた…―]
これは…まさか…
起き上がり……
[そうこうしているうちに大田が目を覚まし、暴れだしたために、拘束し、血が採れるかやってみると、案外普通に採取できた。
そして……―――]
[山入への道は塞いだ。周囲を野犬がうろつき、凄惨な事件のあった場所。山の中を分け入り登ってまでわざわざ近づきたがる者もないだろう。
拠点を得て、計画は次の段階に移っていた。
とにかく数を増やせ――今はそう命じてある。
山入が狭くなる頃には、その分"空く"家がある]
[瞳が姿を消す前に、兼正の方に向かうのを見た――そういう話が出たのなら、屋敷に声をかけてみようと考える者もいるだろう。
好奇心の強い村人であれば、そのやり取りに注目する。
最大に疑われたその時こそ、信用を得る――好機]
(真相に辿りつく者がいたとして――果たしてその時味方はどれほど、いるかな?)
[そしてゆったりと、ティーカップを傾ける。
その赤い中身は紅茶か――*それとも?*]
―道端―
[医院からの帰り、男は夜道を歩いていた。精神的なものもあり、流石にかなり疲れていた。だがそれでいながら歩みは少しく速かった。焦るように。何かから、逃げるように]
……、
[実際に何かから逃げているというわけではない。ただ、無意識に急ぎ足になっていた。どうしてか、胸にざわざわとしたものが蠢いていた。夜道が、闇が、恐ろしい。何処かしら夜の性質が変わってしまったように感じていた。
仰ぎ見る空には相変わらず星が輝いているというのに。
単に疲れているせいかもしれない、と思う。あるいは、立て続けに起きる不審な死のせいで、神経が過敏になっているのかもしれないと。思えば、昨夜眠りから覚めて医院に駆け付けた時も、焦燥が必要以上に感じられていたような気がする]
……子供じゃあるまいし。
[己に言い聞かせるように呟きながらも、男は帰路を*急いだ*]
―回想・クレオール ―
[マスターのオススメに舌鼓を打ちつつ、暫くマスターから話を聞いていると、不意に後ろから声をかけられ振り向いた>>29]
こんにちわ、はい。兼正に越して参りました瀧華伽耶です。
あぁ、神威さんが勤めていらっしゃる病院の……。
[美男美女のご夫婦と言われ、少し恥ずかしげに小首を傾げつつ笑顔を見せた]
またお世話になる事も有るかもしれませんね、宜しくお願いします。
えぇ、確かに貧血気味ですが、此方に来てからは環境が良いのか、調子は良いですね。
病は気から……と言われますが、気を揉まなくて良くなったお陰かと。
[にっこりと笑みを浮かべつつ、当たり障りの無い返答をしながら、暫し世間話に華を咲かせる。流石医者だけあってか、病院の内情みたいな話は聞くことも出来ず。
チラリと視界に強張った表情を隠すように俯く桜子の姿が目に入ったが、その目線に気が付いた高瀬なら、桜子を連れて店を去っただろうか。]
[暫くはマスターの話に耳を傾けては居たが、店の客がまばらになる頃、自分も店を後にした。
いつも通り、日が暮れる前に屋敷に帰り着き、いつもと同じように紫苑に店で聞いた話を報告*しただろう*]
― 昼下がり ―
[小さな村の中では行く場所も限られている。
なんとなしにクレオールを覗けば、客の中に田辺先輩がいた、そして呼ばれた。]
え、あれが?
確かに、おばちゃんから聞いた話と背格好は合致するけど。
[>>22見たことの無い服装と顔立ちの女性―即ち兼正の人間―が居ると先輩が言った。声を潜め、じっと見詰めぬようにした。]
なんか、すごく…。
[クレオールの雰囲気は普通と違うと思えた。女性のせいだけだろうか。]
[>>20>>28よくよく見れば、支倉さんや先生もいる。
二人は何かを話し合っているようだが、特段耳を立てることはしない。]
先輩、聞きました?山入に野犬が出たらしいです。現場は無惨だって…
それに風邪で、3人亡くなったと言うし。松次さんとか、あんな怖く元気な人が、あり得ない…
そしてあの引越し。何をしに来たのやら…。
何か、どこかおかしいですよ。普通では無いです。
[食事しながら。先輩と噂や事実について、井戸端会議的な話をしていた。]
[>>29>>52先生が女性に話しかけていた。]
あれは…。
[と漏らすと、危ない風邪が流行っていることでも伝えに行ったんだろうと先輩が言う。相手が他所様な人でも関係なく、村の命を預かるからの責任だろうと、そう納得した。]
…僕らは健康のままで、先生のお世話にならないよう努めましょう。
[先輩も、頷いた。]
─回想:支倉宅─
[おそらくお昼休憩だったろうに、先生はわざわざ送ってくれた。先生まで過保護にして、と思いながらも、安心も感じる]
先生、ありがとうございます。
今起こってる変なこと……もうこれで終わりですよね?
そうじゃなくても……終わらせてくれますよね?
─現在:支倉宅─
[昨日よりだいぶ落ち着いて、食卓を終える事が出来た。
部屋に戻ると、ふと、瞳さんの部屋が気にかかる]
やっぱり電気ついてない……。
瞳さん、まだ帰ってないはずだよね?
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