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グラサン 須藤暁 は肩書きと名前を 見習いコック 須藤暁 に変更しました。
―高瀬医院→―
……ええ。そうですね。
[高瀬の言葉を聞くと、懸念を振り切るように頷き。続けられた内容にも頷いて、ふ、と笑い返し]
では、そろそろ失礼します。
[それから、手早く後片付けを済ませ]
お休みなさい。
また明日。
[静かな挨拶を残して、男は医院を後にした]
[神威を見送り、病院の戸締りをする。
その顔からは、先ほどの笑みは消えていた。
男の心になにかひっかかるものがあった。
その正体は分からなかったが。]
……まさか…な。
[疑念を払拭するように頭を振り、母屋に*戻っていった*]
[男は家へと向かい歩いていく。白衣を脱ぎ去り、ビジネスバッグを片手に持った格好で。太陽が沈んだ世界に、日中の焼け付くような暑さはない。ただ、生温い空気が纏わり付くようだった]
……?
[ふと、遠くに何かの光が在るのに気が付いた。家屋から漏れるそれではない光。立ち止まって眺めてみると、どうやらそれは車――恐らくはトラックか、何か大型の――の物らしい事が知れた]
あちらは……
……兼正の? ……
[位置から齎された推測を零す。覚えず訝るような表情になった]
もしそうだとしたら……
……ますます、奇妙な。
こんな夜中に引越しだなんて……
―自宅―
[己の推測が正しければ、明日はその話題で持ち切りになる事だろう。高瀬は大変だろうし、己とてもなかなかの事になるだろう。兼正の住人とは、一体何者なのだろうか?
そんな事を考えながら、家に帰り着いた]
只今、母さん。遅くなって御免。
[己を出迎えた母、房子に帰宅の挨拶をする]
「お帰り、京斗」
[房子はそう言って男を中へと促した。自室にバッグを置いて着替えてから居間に戻る、と、房子は午後にハルとお茶をしていたという話をし始めた。嗚呼、と男が思った通りに、結婚の話題を次いで]
……そのうち、ね。
今はまだ……ああ、わかってるよ。大丈夫。
ずっと独身でいようってわけじゃないんだから……
[などと宥め誤魔化して。男はやがて床に*就いた*]
10人目、水道修理業 遠藤明夫。
[仕事用の軽トラックが事務所の駐車場に置かれた。
隣に座っていた先輩に肩を叩かれつつ歩く。]
お疲れさまです、終わりました。
詳しい事は先輩のほうで…え、僕がデスか?
[事務所に帰ると、本来先輩がやっていた筈の報告をいきなり無茶振りで任された。
社長も先輩の意図を分ってるらしく、さあ君が報告してくれと言った。]
[報告はボロボロで注意されたものの、その後は特段仕事を持つ事も無く一人家路に着いた。]
まったく、いつも先輩達は突然なんだから。
まあそれが長所でもあるんだろうけどね。
[ぶつくさ言いながら、多少の充実感を感じていた。先輩達はいい人たちだし給料も大きな不満は無い。]
やっぱこの職を選んで正解だった。
趣味と実益を兼ねてると言えば良いのかな、あんまり無さそうな―えっと…。
[この前知ったのはフェティシズムという単語、しかし既に忘れていた。]
まあいいやめんどくさ。
さて今日は試合があったっけな。
弱いんだけどつい応援しちゃうんだよなー。
[好きな野球観戦をしようと、ぼんやりしながら歩いていく。]**
― 寺 ―
ハーイ、オハヨウゴザイマーズ、ミナサーン!
ニッポンのお寺、ステキネー。スバラシイネー。
ワァタシィ、お寺ダイスキデース!
今日もお掃除手伝いマスヨー。
[朝もやのかかる早朝の境内に、やたらとハイテンションな大男。こんな光景にも、もう寺の住持やお手伝いの村民たちも慣れっこになった。
毎朝、店を開ける前に寺の雑務を手伝うのは、ほぼ日課になっていたのだ]
お掃除、終わりネー。ミナサーン、お疲れさまデース。
オー、お茶とお饅頭、アリガトウゴザイマース!ボランティアしたあとのお茶とお菓子は、おいしいデスネー。
では、ワァタシィ、お店の準備に行きマース。
[お手伝いの女性たちと軽く談笑し、寺を後にした]
― 寺→クレオール ―
[店への帰りしな、ふと、山の斜面に建つ洋館が彼の目に入った]
…………。
[何とはなしに、眉をひそめる。
彼は、その洋館が好きではなかった。洋館には、洋館が建てられるべき環境や文化がある。この村の中にあの洋館が建っているのは、この場所にあるべきでないものがある、という感じがしてならなかった]
……マア、ワァタシィのような流れ者が、偉そうに言えた義理でもナイデスネー。
『郷に入りては郷に従え』と言いマスネー。ニッポンのことわざ、スバラシイネー。
あの洋館の住人が村の一部になろうと思うのなら、穿った目で見るのはヨクナイデース。
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