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あの時すぐに、吸血鬼狩りとその弟子がいる現場に駆けつけていたら、今頃は俺も、あの猟犬のような男の餌食になっていたかもしれないんだよな―――
[しかし男は理由あってすぐに駆けつけられず。
結果、今もこうしてここにいる――囚われながらも]
……何故、急ぐんすか、人間というのは。人間だった者でさえも。
[城にかかる月を眺めながら、主が眷属達の名を呼んでもすぐには応えるつもりなどなく、男は思いを巡らせている――**]
何か、此処であったのかな…?
[きょろきょろと見回すも遺体は無い。
とりあえずそのことに安堵し、ほっと胸を撫で下ろした。
灰の正体には、勿論気付くことはなく。
ふと空を見上げれば宵闇の月。
月灯りの照らす古の城は、堅牢な様を誇示し――故に何処か物寂しい]
寂しくてもね。
誘ってもいいけどね。
勝手に捕えてばかりいると更に哀しくなるよ、何時かきっと。
[黒の眸に冴えた月を映し、其の侭…城に向かってゆるり戯言を紡いだ]
>>58
(どうやらユーリーさまは本当にただのひとだったらしいわ。)
[何やらフィグネリアが異を唱えているが
自分としてはフィグネリアの言い分の方が
理解出来る気がした。]
(男より女の方が美味しそうに見えた。
それのどこが、血に飢えた獣ではないと言えるのかしら…?
……男と女とでは、どこか
感じ方に差があるのかもしれないわ。…)
[…今となってはもう
隠していても意味が無いのかもしれない。
自分は二種類の祈り―”光の加護”と”浄化の炎”―を
授けられることを。]
[…しかし、この中の誰かが
明日は人ではなくなるかもしれないのだ。
それを思うと安易に打ち明ける事も出来なかった。]
充分気をつけますわ。
[長い沈黙の後、困ったような微笑を素っ気ない無表情の上に乗せた]
迷い込んだ者を捕えるからくりでもあるのかしら…?
……宴を終わらせる方法、確かに聞きました。
御教示に感謝しますわ。
[城主「以外の」吸血鬼。ならば、あと一人。
或いは、望みを貫くならばやはり二人]
私の望みは、二度と城門閉じられぬようにすること、でした。
御城主様、貴方を弑して。
けれど…そう、ね。
聞かせて下さい。ダニールは、私が貴方を殺したら、悲しむかしら。
[圧倒的な力の差の前に、可能とは思えなかったけれど]
さあ、如何だろうね。
[アナスタシアがからくりと称したそれは
無意識の産物ゆえに城主は曖昧な声を返し]
ふ、ふ。
そう、私を殺しに来たのか。
だからそんな目を向けていたんだね。
嗚呼、それも私には分かりかねる。
[ダニールの考えはダニールだけのもの。
その問いは彼に向けたことは無かった]
――…以前、聞いた言葉であるけど。
[ポツと前置きすれば
アナスタシアに少しだけ困ったような表情を見せ]
『あの子が健やかでいられるのなら、離れてもかまわないと思っていました。
それでも、この城であの子に出会ったとき……
安心させに行けなかった我が身を恨んだことは、
白状しないといけないでしょうね……』
[ダニールを思わせる声音で記憶にある言葉を紡いだ]
分からないの?御城主様でも?
[そう、と呟く声は柔らかく変じる。
気が変わった。
喜ぶと聞かされても悲しむと聞かされても、とるべき道は同じと決めていたが]
[城主の唇が音を紡ぐと、ダニールの声がすぐ傍にした気がした。
目を閉じて聞き入る]
……嗚呼…。
それだけ聞ければ充分です。
[作り笑いを消して、どこか褪めた常の表情に戻り、丁寧な会釈を城主へと]
これで漸く、迷わずに進めそうです。
御機嫌ようイライダ様。貴重な時間を裂いて頂いてありがとう。
人の心までは分かりはしない。
私は万能ではないよ。
[アナスタシアの和らいだ声は彼の記憶にあるものだろうか。
変化に城主は瞬きをした]
――…アナスタシア。
少しだけ、触れさせて貰うよ。
[辞そうとするアナスタシアの肩へと手を触れさせる。
これは城主の扱う魔法のようなもの。
城主の目と耳に聞こえる其れを彼女に伝える術]
こんばんは。
それとも…これから宜しくお願いします、の方がいいのかな。
[ゆると小首を傾げながら、微笑ってそんな挨拶をイヴァンへと]
ナースチャ……
わたしがそこで「嬉しい」と即答できる人間でないことは、知っているでしょうに。
……本当に、あんたって子は。
[困惑したような、笑みにも取れる声]
……
――ダニール――
ナースチャ……
わたしがそこで「嬉しい」と即答できる人間でないことは、知っているでしょうに。
……本当に、あんたって子は。
[困惑したような、笑みにも取れる声]
……
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