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(「―え、あ…っ」
細い腰に不意に回された逞しい腕に、びくり、と身じろぎをする。
―が、ふっ、と嗅ぎ慣れた煙草の匂いにその正体を確信し、微かな吐息と共に、そのまま背中を預けた。
「あ…あなたでしたか、ミハイルさん。
ふふ、突然どうされました?」
回された腕に、僅かに紅潮させた頬でくすぐったそうに手を添える。
と、ぐい、と強く、回された腕に力がこもるのを感じ、同時にミハイルの顔が、後から自分の顔のすぐ間近にまで近づいて来る気配に気づく。
「んっ
―あ…。はあっ…。…や…。」
ふっ、と熱い吐息をその耳に感じ、火照った体を、軽くよじらせた。)
うーむ。…色っぽい声、と言うと、こんな感じでしょうかねぇ。
[写真店の男は文筆業の才能もあったようだ。
床にぐったりと横たわったまま、ぼんやりとシナリオを練り上げると、
「まあちなみに、映像は2割増し美化しておくとバランスが良いでしょう。」
と付け加えて、ミハイルに気づかれる前に、今度こそどこかへ消えた。]*
-食堂車内-
[ゆっくりと力をこめ、扉を開ける。物音立てずに、開けられただろうか。息を潜めながら、壁際のオイルランプに照らされた車内を見渡す。誰か、人が居たような。気のせいか…?
人影が見えなければ、ナイフを構えてそろりと中に入る。辺りへの警戒は、怠ってはいけない。
人影が見えたのなら…ナイフは後ろ手に隠し、わざと音を立てて扉を開けよう]
あんたか・・・無事だったんだね。
[...はユーリーの姿を見て、雰囲気が変わった様子なのに違和感を感じる]
・・・どうしたんだい?
[どうも動きが妙なのは、怪我をしているようだと察する。しかし、警戒は解いていない]
[目を伏せて憂いの表情を見せると、じぃとサンドラを見つめた]
あぁ、俺は無事なんだ。
ねぇ、それよりも。
今まで何処に居たんだい?
俺にはさ、もぅあんたしか居ないんだよ……
どうしたって
[1歩踏みだして]
他には考えられない
>>74 ユーリー
[...様子がおかしいユーリーに、思わず後ずさって]
…アナスタシアが気になったから、後をつけてったけど…。
それからしばらくデッキにいて、戻ってきたけど、皆とは入れ違いになったみたいで…。
…あたししかいないって・・・・・・・何が?
[後ずさられれば、さらに1歩近付く]
アナスタシア… あぁ、彼女は死んだって…
そぅ、デッキに居たんだ。
あんなに酷い音がしたのに。あんなに生臭い臭いがしたのに。
ん、分かっているくせに。
[サンドラは体験した事があっただろうか。村人が村人を糾弾する目を…]
[ゆっくりと、歩み寄る]
君が、人狼…だろぅ?
まさか、アナスタシアをやったのもあんた?
何処にも姿が見えないんだ。
落としたのか、それとも…その腹の中…とか?
[ダニールの言葉を信じれば、落ちたとしか思えないのだが]
良い塩梅に隠れてたよね。
ばれそうで、出てこれなかった?
それとも、仲間が討たれたから出てきたの?
[1歩 1歩 また 1歩。壁際にでも、追い詰めようか。テーブルの所でも、構わないが…]
前にもさ、居たんだ。
うまく隠れているようで、でも肝心な時に居なかった怪しい奴。
…結局火で炙ったら正体を現してね…。
ねぇ、サンドラ。
あんたは人狼だろ?
もしも人だというのなら、俺をそぅ信じさせてみてよ
[追い詰められるように、間合いをつめられて、手にしていたウォッカの瓶を固く握り締める。イザという時には武器にしようとしながら。さりげなく周囲を見て、逃げられる場所を探している]
あんたが人間で、まだ冷静な部分があるとしたら、あたしの言うことを、まず聞きなさい。
幾らでも人間証明するから。
あたしはほんとに人間だし、アナスタシアを殺してなんかもないよ。彼女は身を投げたんだよ。
その場を見たわけじゃないけど…。
だいたい、なんであたしが彼女を落とさなきゃなんないのさ。なんのメリットがあって?
隠れていたのは、気を失ってて、気付いたらなんか車内の様子がおかしかったからだよ。
あんたがあたしを疑うのは自由だ。しかし、生き延びたかったら疑いの目を他に向けなさい。
じゃないと、死ぬよ?
>>78 ユーリー
こっちも訊きたいけど、あんたこそ、人狼じゃないの?
あたしに人狼の疑いをふっかけて、罪をなすりつけて…。
あたしも知っている。
率先して狼を探すふりをして、皆の信頼を勝ち得て、人間と信じられていた人狼とそれに与するものの存在を…。
[...はいつのまにか、壁際まで追い詰められている。]
−後部車両・自室−
[ベルナルト達の傷の手当てをカチューシャ達に任せて一人離れてしまった。
怪我の状態を把握している方が良かったかも、と思ったのは
部屋に戻って落ち着いた後で。]
ま、いいか。
[先に用事を済ませておかねば。そのために一人になったのだから。
置きっぱなしの鞄を開けて、スカーフを取り出す。
青が基調を小花柄のスカーフ。
すぐにサーシャの眠る部屋に戻ろうと思ったけれど、
まだ人が残っていたら拙いので、一旦展望デッキへ。]
−展望デッキ−
雪、降ってたんだ…。
[今更ながらに気づいた。冷たい風は散々吹きこんでいたけれど。
闇に吸い込まれていく風花を、飽きることなく見つめていた。]
サーシャさんも、死んじゃった…。
ううん、違う。殺された、のよね。
[ふっ。口を歪めて笑った。
狼を退治しようとした人を、人が殺した。]
よくある話、なのかしら?
[“霊能者”に煽られて村人達が、父さんを殺した。
「これ以上死者を辱めないでほしい。」と彼を咎めたきっかけだったらしい。
霊視のためと言って、見るに堪えない扱いをしていたから。
村人達には「医者が人狼だ。」と煽って、村人達はそれに乗って…。]
[人狼は、あと何人――否、何匹居る。
そも、今この列車に残っているのは何人だろうか]
…………なな、七人。
[夕食時にテーブルに着いていた人数、あまりに多い死者の数。
改めて認識をして、ぞっとした]
もう、そんなに……。
[出来ることなら、怪我を笠にこのままこの部屋に篭っていたいと弱い心が訴える。
獣の爪を受けたと言うベルナルトは人狼では無いだろうから、彼と共に居れば少しは安全に思える]
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