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人狼退治をしたつもりはない、
君が人を喰らうのを止めたかっただけだ。
[ちりり、と痛む胸をぎゅっと押さえて]
そうだな、迂闊だった、
死ぬつもりはなかったのだけれど。
……呆気ないものだったな。
ぁ……
[ユーリーが何か叫びながら羽交い締めにしてくる。それに逆らう気力は残っていなかった。されるがままに扉から引き離される。
……けれど右手は凍り付いたようにナイフを離さずに。少女の顔を見ればその怒りはもう一度だけ弾けるのだろう。
……燃え尽きる寸前の火が、一瞬だけ明るくなるように**]
……サーシャ。
[考える、もしあの時、集落が滅んだ時、
最初に迎えに来たのが狼だったのなら――
白は容易く、赤に染まっていたのだろう。]
>>47
やれやれ……煮え切らないな。
そして苛立たしくも在る。
お前も、ミハイルも……な。
欲しいものは欲しい。嫌な事は嫌だ。
それで良いじゃないか。
好きだから? エサだから?
敵だから? 味方だから?
そんな事を云い訳にして、本当に求めているモノから目を背けるから、全てを失うんだよ。
願い、求め、努力し続けない者が、全てを手に入れられる訳無いのにな。愚かしい。
>>48
[ユーリーが来るギリギリまで、扉の向こうにそう話しかける。声を話せぬはずの少女が何かを云っているのを、ユーリーは気付いたかも知れない。]
[...は、冷え切った体を起こしながら、周囲を無防備にも見回す]
あれ…あたし?
[どうして意識を失ったかは、すぐに思い出すことができたけれど、どうして目が覚めたのか判らない。その時、過去の人狼騒ぎで覚えてしまった、香りと気配が周囲に満ちているのに気付いた。・・・・・それは血臭と獣の臭い]
……話を聞いていたら、
君は人を食うのが辛いのではないかと思った。
最も、私がそう思いたかっただけかもしれないから、
これは独善と自己満足に過ぎない。
[喰えと言った、
その言葉には、眉根を寄せて訂正がはいる]
襲うなら私を襲えばいい、とは言ったな。
その方が君を止めやすいだろう。
無論、君に喰われてやるつもりはなかったが。
何だ、食わせてくれるわけじゃなかったのか。
ふん
ああ、鉛玉は食らったがな。
辛い?
狼が人食うのを辛いっていってどうする。
ねぇよ。
[そっぽ向いた。]
もう、餓える事はないのだから。
素直になれば良いわ。
[クスクスと。
嗚呼、想いを通わせ躯を重ねるまでの甘酸っぱい頃……懐かしい。]
……私の亡骸なら、
別に食ってもかまわないが。
[“鉛玉”には、
握った衣服の胸元に皺が寄る]
私に出せた答えは、それしかなかった。
許してほしいとは言わない。
[そっぽ向いた横顔を、じぃっと見た。見てる。ずっと]
亡骸食おうにも、死んだんだよ。
どうやって食えってんだ。
[ぶつくさ
でも見られてるのに気がつくと、また目は泳ぐけど、そっぽ向き]
[先刻見た陶然とした瞳とは違う、殺気に澱んだ瞳。
カチューシャとは、夕食時に一人だけ居た少女の事なのだろうと予想は付いていたけれど]
…………知らない。
私たちは彼女に会ってはいないから。
でも、見つけてどうする気だい?
私は何があったか知らないけど、でも、そんな風に子供を追いかけて、何がしたい……!!?
[未だ一等車両内とは言え、列車の廊下の幅など高が知れている。
退路を、或いは進路を塞ぐよう、彼の前に立つ]
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