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>>45
少しくらい…何?
(腕を取られ、引かれると足を崩して尻を上げる。
相手のすぐ目の前まで這って、正面から顔を見る)
…よかった?
(至近で囁くように、行為の感想を聞く)
(彼の前から逃げる様にら擦り抜け消えたティラエルは、足早に夜の闇へと傘も差さずに飛び出した。心臓が早鐘をうつ。呼吸があらくなる。………暫くして、少し落ち着いた後、彼は漸く理解した。
何故、ヤブラスに従属を命じられた時にオズマを部屋からだして逃がそうとしたのかを。彼を庇ったのだとハッキリ自覚した今、『彼を守ってやりたい』との一心だったことを。気が付きたく無い気持ちに気が付いてしまったティラエルは脆かった。
今さっきの彼の目を見て、ハッキリと全てが手遅れであり、間違いなく自分が壊してしまったと理解ったからである。)
うぁぁぁぁぁあぁぁぁあ!!(獣の様な慟哭。彼の叫びは雨で煙る暗い森へと吸い込まれていった………。)
(遠く雨の合間から聴こえる声にぴくりと反応する。理由もなく分かった。あれは、あの人の声だ、と。)
…。
(だが、そこまで。無感動な目を上げると、それ以上は何も思わなかった。)
狼の遠吠え?
(森から響く慟哭に、ふと窓の外に視線を巡らせた。2度果てたオレオは眠っているようで。いつものように頭をゆっくり撫でてみた。
2度目に放ったそれで汚れた服を見て)
流石にこれで歩くのはね。…今の内に着替えてくるか。
(部屋を出た後、また会えるものなのかな?そんな自虐的な笑みを浮かべながら、部屋を後にし、自室に戻った)
…あれ。オズマ?
(異様な光景。先ほどの慟哭とオズマが纏う空気に、浮かべたのは歪んだ微笑み)
。o0(ああ、そっか。ヤブラスの一人勝ちって事だっけ
でも奪われて後悔するくらいなら、そもそも賭けに参加しなきゃよかったのにーとか、こんな事言うと身も蓋も無いのか…
まあ、あれだ。壮絶な王様ゲームだな…!)
…
(扉の音と声に振り返る。なんの感情も伴わない目で、微笑した。)
おかえりなさい?ご主人様。
(ふふふと笑う。だが、やはり目は無表情。怒りすら無い。)
…お楽しみだったようですね?
(相手の汚れた服を眺めやって、言った。何の興味も無さそうに。)
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