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[白い橋は、それは、湖の闇、森の闇とは浮いていた。それを、何かに似ていると感じる。何だっただろう…?]
―――なん、だったかな……
[いつしか―ココではない、どこか。かつていた場所。今もいる場所。そのことを考えるようになっていた。そうしていると―…]
<目を醒ましなさい>
[そんな声が、聞こえるような気がした。]
…だって。
消えたくないの―…
[だから、ココでなら、消えないでいられると思ったの]
<この闇の中では、消えているのと同じこと>
[…その声は、誰のものだろうか。解らないまま、ゆっくり、ゆっくりと橋をわたりきる。橋は踏み出すたびに、踏んでいた場所が消えていく。後戻りは出来ない。立ち止まれば]
…。
[あれだけキレイだった湖が、真っ暗な墨のような色で]
歩かなきゃ、ダメってことだね…
[まっすぐ前を見て。白い橋を渡っていく。橋は―次々と消えていく。そこには誰がいるのだろうか? 誰かがいれば、首をかしげて、力なく微笑むだろうか**]
あら、テッドさん。
[大事なもののように大きなカサブランカの花を胸に抱えながら、近づいてきた人影に声を掛ける。フーと共に湖に入っていった彼が違ったところからやってきた(>>13)のにも、警戒が薄かった]
(不思議。こんなに他人を警戒していないなんて)
[...は彼についてはほぼ何も知らないと言っていい。彼一人に限った事ではないのだが]
マーブノレさんが、急に倒れたまま起きないのだけれど…
どうしたらいいかしら?
[近くに転がっている下駄には言及せず、それでも起きる事も、消えることもなくいる彼に濡れタオルを乗せながら、気安く声を掛けた]
(これが誰かの御伽噺であるのなら――きっと私は)
[まだ衰えゆく視力の隅で、微かに見える白い橋は溶けているのだろうか。消えていくのだろうか。]
(式場を遠く眺めていた私は――)
[きっとあの時もいつも通り、
拗ねる材料でしなかいとそれを、
酷く苛立ちながら、
ただ、
見ているだけの人だったに違いない。**]
この人に頂きましたの。
[この森で手に入れたのではなく、彼が望んで出してきたものだと説明]
フフ、ブーケトスみたいだわ…
[少し浮かれていたのかも知れず、不用意にそんなことを口に出す。白い――だけが共通していただけのそれを]
お礼を言った後あたりから、急に…
目を覚ましてくれればいいんだけど…
[覚ます事がいいことなのか、それは今でもわからない]
この『檻』に、森にいる人を集めているんだろ?
あと、誰がいるんだろうな。
[小屋で会った人、泣いていた人。
見渡しても、もう他に人のようなものはなく、良くも悪くも何かが起こる時は近いのかと思いは馳せて]
[未だに私がここにいる理由はわからない。
望んでいたのか、
巻き込まれたのか、
そもそも、やっぱり私という者はここにもいないのかも知れない状況は変わりない。それでも]
ここは嫌い。
けれど――
[嫌いで終わらせないでくれた、そんな事に今更ながらに気付かせてくれていたここは]
嫌いというだけじゃ、ないのよね。
[ジャラリと鳴る鎖の音すら、今は遠く]
気絶も森の意思かな…[マーブノレに目をやり、すぐ視線を戻す]
ブーケか…、そうえばおいら、結婚式の仕事が入ってたんだよなあ…
[それが死者へ送る花だと告げずに]
(森は人を変えるのかな…、単に異常な状況のせいなのか、好き嫌いは関係なく)
−回想?−
[誰かが近くにきた気配がした。
ピクリと身じろぎしたけれど、誰かは何も言わずに離れていった。
顔を上げ、そちらの方を振り向くと、小さくなっていくテッドの後ろ姿がみえた。
ゆっくりと立ち上がって、]
あなたは、ここで一体何をする気なの?
…の、森で…。
[小さな小さな声だったので、テッドには届かなかっただろう。]
なんじゃ、呼んだか…?
[ベッドからむくりと起き上がった]
もう、腹一杯じゃ。
[また寝た。寝言だったらしい]
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