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へえー…フヅキにも分からないことがあるのでありますなぁ…
[『不明』と簡潔な返答が表示された端末を眺め、感心したようにさっきの黒いのの部下達を眺める]
[ぐぅぅー…]
[と。腹が鳴った]
…喧嘩が収まったら。が、条件でありますから。
さっさと収めてしまいましょう。
フヅキ。リモートによるリトルアースの起動を。
コードサテライトにて至急召喚するであります!
[口にしたのは、操縦者と離れて制御を行うモード。その仕様上、弾幕兵装は使用できないのだが…]
あさると。あそこらへんに。
[フヅキの端末上をとたたたたっと指が踊り、言葉とともに喧騒の坩堝を指で指し示す。
肉弾戦にはちょっと大人気ないくらいの勢いで、喧嘩騒ぎの中心に、3m大の質量を持った球体BFが突っ込んだ。
そのさまは、さながら隕石でも落ちたかのよう。
騒ぎを蹴散らすには十分だろう。
スタッフに怒られるのが誰か、という点を考慮さえしなければ]
さぁ。
先ほどいただいた言質に従い、おごっていただくであります!
[そんなこと欠片も考慮してない操縦者は、リトルアースを傍らにふよふよと浮かべて、期待にきらきら輝く瞳で、喧嘩の火付けとなったもふもふしたいきものをがっちりつかまえていた]
―― 格納庫 ――
[部下が問おうとする言葉を遮る。
クロノが見つめる先は、何処とも接せずに浮いて収まるラント製BFメテログラフトではあるが、思考はリープ。
クロノ以外の兎人達が外に感情を滲ませている一つの事柄だ。
理由分からず滅んだ母星。
先ずは外的危険を全てシャットアウトする装備で2名の部下を調査の為に母星に降ろした。リアルタイムで送られる彼らの映像。その最後の送信データは、同士討ちだった。
遅れて、宇宙連邦がよこした調査隊。調査隊が降り立ち、次第に明らかになっていく事柄。部下達からの志願。
クロノは考えた上で、部下の一人に許可を下した。宇宙連邦の他の調査員達と共に母星に降りる部下。
だが、結果は]
何だ?
[格納庫の何処かより飛び立つ、一機のBigFire。]
「搭乗者ニーナ、BF名リトルアースとあります。」
[凄くアバウトな指示で、隕石のごとく地面にめりこんだBFリトルアース。騒ぎは、ピタッと止まるどころか、一部恐慌に陥っている。]
「ClockWorks.rant」……。
[グレンは、再びツアーを終えた後。格納庫に、何処とも接せずに浮いて収まるラント製BF機体を眺めていた。
ピピッ
と、腕章から通信。
BFが群集に突っ込むという騒ぎが勃発。事態解決の為、召集がかかる。]
―― 格納庫 ――
事態を報告しろ。
[ポイントF-3にて、部下が捕虜となったのを確認しました。]
[捕虜というには緩い拘束ではあるが。]
チッ
[吐き捨てるように舌打ちする。]
お前はここでチキュウ人共が近寄らないよう見ていろ!
[途中、他の搭乗者も見かけたかもしれないが―― 一挙に駆け抜け、]
―― 格納庫→先程の荒れ場へ ――
★登録名:撃墜王 ニック・ブランケット
★所属:無し
★搭乗機:Diable Rouge
嘗て撃墜王と呼ばれた地球の古の下級貴族の愛機・フォッカーDr.Iの複製。ペインティングは当然真紅。
おい、貴様!
ヲレの部下を掴まえるとはいい度胸だな!
死にたいか!?
[ザシュッ。
視認可能ギリギリのスピードで、先程の場に戻る。
砂煙が後脚の先を隠した。剣呑とした雰囲気を隠しもせず。]
ハハァン、それは何か?
ワレワレから人質をとり、大会から辞退しろと。
つまりはそういう訳か?ふざけたクソガキだ。
[BFが減り込んでいるのを見て、クロノはそう判断したようだ。クロノの背後では、酒とつまみを出すかと、先程の店主が用意を始めている。]
〜♪
ふふふ。
こういった場は初めてでありますが、対処法はしっかりとフヅキから聞き及んでいるであります。
『ますたー、れいのあれを!』
[人心の機微など知らぬ気に、周囲の恐慌にも頓着を払わず、黒いのが話しかけていた店主にしたり顔で受け売りの注文を出す。
腕の中の端末はやってきたリトルアースへと預け、代わりに収まっているのは副官らしきもふもふだ]
物資の提供、感謝いたします!…いただきますっ!
[やがて引きつったような笑みを浮かべた店主が運んできた食料をにこにこと受け取ると、上機嫌に口にした。
…その腕の中では、哀れにも囚われの身となった副官が、気丈にも平静を保ちつつ、その実プルプルと震えていた。]
…はぇ?
[ザシュッと猛スピードで飛び込んできた乱入者>>29に、きょとりと目を瞬かせ。
んぐんぐと慌てたように口の中に詰め込んだ食べ物を嚥下した。
…アンドロメダ星雲クラゲのダークマター和えと銘打たれたそのおつまみは、一種異様なほどの歯ごたえ噛みごたえを持っていたために、途中飲み込みきれずにちょっとむせたが]
けへっ…けへっ…
けほんっ。
失敬。
ええと、お言葉ではありますが、『しにたい』とは一体どういう…
[まるで「死ぬ」という概念そのものを理解していないような様子で尋ねかかって、リトルアースに収まったフヅキからフォローが入る]
ああ…なるほど。
まったく酷い誤解ではありますが…
うーん…
…辞退していただけるならそれはそれでありがたい話ではあるかも…けど…
[素直に黒いのの言葉に首肯しかけて。
それを思いとどまらせたのは、以前に食事をおごってもらった男の言葉。
借りは返したつもりだったけど。それでも、こういった取引は『流儀』に反するのかもしれない、と。
そんな考えが頭を巡り、返答が遅れた]
[最早疑う余地はない。他の側近は何か違うんじゃないか的な事を思ったり顔に浮かべたり、大会スタッフ達が集まってきたりしたり、参加者同士の対決かと人が集まってきたりしている。……店主は変わらず酒とつまみを提供している。]
副官、お前は耳を伏せていろ。
ヲレは今から、そこのクソガキをぶちのめす。
[後脚の先に力が篭る。武闘派ではない副官に告げる。
カッと目を見開くと、小さい体を更に丸め、地面すれすれでニーナの元へ脚力だけで跳び、く、と体を屈めると再度跳ね上がり、副官を拘束する力の支点もしくはニーナの肩へと回し蹴りを繰り出した。]
わわっ…
[小さく声を上げるものの、特に動くでもなく飛び込んでくる黒いのを眺め…]
そんなことしたら 危 な い で あ り ま す よ?
[口にした言葉は、自分ではなく相手を心配するような声。
その言葉を遮るかのように]
[キィンッ]
[甲高い音を立てて。回し蹴りを阻むように、リングが展開される。
…それが、リトルアースの弾幕兵装と気付くものはいただろうか。
蹴りかかってきた彼の背後では、フヅキの制御するリトルアースが、ふわりと静かに浮かんでいた]
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