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≪くじら型のBigFire。≫
[グレンは目をぱちくりした。]
面白いな。もし大会の参加者なら、興味深い。
≪それだけ。≫
……。黒隗。
今回、きみだけ宇宙連邦支部本部に向かったのは、必要な事だったんだ。
≪でもさ、ボクが居れば、紅蓮と一緒に大会出られたかもしれないよ?≫
今回、私はスタッフだときみも知ってるだろう?
それに、ゴードンの雄姿を私は見たいからね。
≪ぶーぶー。≫
[話しているうちに白兎の機嫌も直ったのだろう。アイコンがデフォルメされて、頬がぷくーっと膨らんでいる。]
さ。支部本部に行った行った。ワープにミスるな?
≪ボクを誰だと思ってるのさ。
ボクは――…っと、チャージ完了。またね、紅蓮!≫
[通信終了と共に、ホログラムペーパー上にあった、白兎の顔アイコンは燃え上がって消え、黒いBFの機影が浮かぶ。ワープの瞬間までをミニアイコンで映し出して、すぅっと消えた。]
さて、と――… 水球での騒動は収まったようだし、新しい指示は出ていない。
次の説明ツアーまで時間があるうちに、土産を買っておくか。
売人 マダラ が参加しました。
―大会会場 上空―
[白兎の見た「おもしろい形」のBig Fireが会場上空に現れたのは、
その少し後。
小型の柔らかな曲線で囲まれた白い機体は、泳ぐようにすぅっと空を進む。
下から見上げたなら、雲のように見えたかもしれない。]
ふぅん、ココが会場ネ。
アタシの獲物はどこにいるんだろ。
まずはでも、そうネ。
アンタもアタシも、腹ごしらえが必要だワ。
[操縦席に色の黒い艶やかな肌と小さく尖った唇に燃えるような橙の髪。
声の主は嬉しそうににやりと微笑むと、
ぽんぽんと機体を撫で
操縦桿をぐいっと倒し着陸態勢へと向けた**]
―回想>>56くらい―
はい、なんでありますか?
[ロボドッグからの呼びかけに首をかしげ、リトルアースを降下させる。
AI同士ならではの意思疎通によってロボドッグの意図を汲み取ったフヅキが、壁に映し出される動画を示した]
ぅくっ…これは…
[そこに映っていたのが自分と気づいて、赤面する。口元には、思わず引きつったようなごまかし笑い。
自分でやったこととはいえ、素に返って第三者の目線から見ると、なんだかとても気恥ずかしかった]
あのぅ…可能ならば、でいいのでありますが…動画の配信停止を申請したき所存なのであります…
[消え入りそうな依頼の声に、ロボドッグが無邪気な様子で首をかしげる。
フヅキの通訳で、それは大会実行本部に確認が必要であることを示す動作だと教えられたものの、見た目が見た目だけになんだかやるせないものが湧き上がってきた]
[そして、そんなことをしている間に、リトルアースの周りにちょっとした人だかりが出来上がっていた。動画に映るのと同じ機体が宙にふよふよと浮いているのだ。無理もない]
……フヅキ。
コード、ダスク。指定の帰投ポイントに向かうであります。
[オートで格納庫へ向かうように指示を出して。自分自身はぽんと宙に飛び出す。
辺りにはふわふわと浮かぶ小型のBFや、どういった力が働いているのか自身の力で浮かぶ者の姿>>72も見えたけれど。
そういった芸当を見につけていない小柄な体は重力に引かれるままに自由落下して…その下にできていた人だかりが、わっと小さな悲鳴とともに、割れた]
えーと、えー…と…なんと言いましたか…
そう、すにーくみっしょんでありますっ!
[腕の中に抱えた、プレート型の端末…フヅキを確かめるように抱えなおし。
ずぼっと突っ込むようにして、割れた人垣の中へと紛れ込んでいった。
人騒がせな参加者の起こした小さな騒動は、何体かのロボドッグに後始末という迷惑を残しつつ、そのまま何事もなかったように人の波に流されていった]
…さて、どうしたものでありましょう…?
[潜伏したはいいものの。このまま選手控え室として解放された大会本部の一室に向かうか、それとも他の選手の偵察もかねて、格納庫なり展示物なりをめぐってみるか。
決めかねるままに、人ごみの中をふらふらとぶらついていた**]
シルバーコレクター ナサニエル・ウエクサ が参加しました。
[会場に一人の男が颯爽と登場した。]
またこの大会の時期がやって来たか……。
ふふ、今回こそは優勝を狙わせていただく。
[にやり、と不敵な笑みを浮かべて]
さてと、屋台にでも行ってくるか。こういう機会でもなければ食す事のできない物もあるだろう。
[屋台群へと向かう。その途中にファンから握手やサインを求められれば素直に応じたため、目的の屋台へ付くには時間がかかってしまった]
[歩きながら彼の姿を見かけた人が声をかけてきたり、あるいはひそひそ話をしている。
その中に、「見て見て、"シルバーコレクター"ナサニエルよ……」と誰かが話せば、「あそこまでシルバーコレクターを続けられるのももはや芸術の域だよなー」「寧ろナサニエルが準優勝じゃないと、この大会じゃない」との声も聞こえてくる。
しまいには、「ナサニエルが優勝したら面白くもなんとも無い」「俺はあいつが2位になれるのを応援してる」とも。]
……好き勝手言ってるな。
まぁいい、今に見ていろ。
[人々の会話は耳に入ってはいるものの、さりとてそれを気にせずにその場を去っていく。そこにいちいち突っ込みを入れるような野暮な趣味は無いし、万一新聞記者等がその場にいたとしたらさらに面白おかしく「シルバーコレクター」の小物ぶりを書いてしまうだろうから。]
結果でその口を黙らせてやればよいだけの事だ。
それ以上でも、それ以下でも無い。
[小さく呟き、格納庫へと向かおうとする]
登録名称:シルバーコレクター ナサニエル
所属:Silbern(ズィルバーン)
搭乗機体:Silbern(ズィルバーン)
形状としては戦闘機に近いが、戦闘機よりも高い耐久性と高速飛行が可能な機体となっている。もう少し放置をしていれば、飛行不可能になっていたのではないかとされた機体を復元し、かつ大幅に性能を上げた物だ。この機体を復元し作り上げたのは、ナサニエルの自信の元となっている。
機体や弾幕の操作は全てコックピットのキーボードで行っている。BFのコアはこの機体の持つ意志と同化しているため、ナサニエル以外の操作で動く事は無い。
実は二人乗れるがそれは何のためかはナサニエル自身も口外していない。
自称撃墜王(エース) ニック が参加しました。
[ふんふんと鼻を鳴らしつつ、人混みをかき分けて歩くのは、地球でいうところの《イヌ》そっくりの姿。]
ったくよー、こうギャラリーが多いんじゃかなわんぜ。
[ゴーグルに隠された目にはやれやれという色が浮かんでいそうな口調である。]
お、あったあった。
[お目当ての場所に行き着いたらしく、一人ごちる声音は、先ほどとは打って変わった嬉しげな響きであった。]
よう、おねーさん、マスタードたっぷりかけた奴を2個おくれ。
[彼が声をかけた売り子のいる屋台の看板に曰く“銀河系一のホットドッグ”。所謂共食いであろうか。]
[星型のお菓子、ふわっとした綿飴、果物などを中心に見繕い、購入。肉類はなさそうだ。
ピッ。
大会ロゴが入った腕章から通信。腕章に流れる幾十もの光の線に触れると、光は拡散、通信用ウィンドウが目の前に現れる。ウィンドウに映った別のスタッフの話を聞き、]
了解。
保護後、本部に向かう。
[通信は終了。ふいに耳に飛び込んだのは、「シルバーコレクター」という単語。人ごみの話し声の方向からして、格納庫方面に居るようだ。
グレンは通信で受けた、家出少女>>67を保護しに人ごみの中を歩き出す。]
搭載兵装1:ズィルバーンニードル
機体前方に装備。針のような形をしたエネルギー弾が機体の前方から広範囲へとエネルギー弾を撒く。オプションで一瞬残像を見せ、まるで時を止めたかのように相手の目をくらませるという事も出来る。
搭載兵装2:ズィルバーンスター
翼に装備。両翼から多数の星型の弾幕を出す。星型のまま相手に迫るものもあれば、星が崩れてそれからばら撒き弾になる物もある。俗に青の星は星型のまま迫り、銀の星は崩れるとも言われているが、実はそれもナサニエルのサジ加減次第であるため真実ではなく、そもそも星の色はナサニエルの気分次第で変化している。
搭載兵装3:ズィルバーンフライト
機体後方に装備されている。まず相手の後方を猛スピードで飛ぶ。すると空全体を切り裂くようなレーザー光線による軌跡が生まれ、その軌跡から小さな弾が生まれ相手の機体へと迫る。時として小さな弾は観客へのメッセージとなっている事もある。
経歴:優秀ではあるが、欲しい物は手に入れないと気がすまないわがままな性質でプライドが高い。何百年も生きている人狼の血筋を引いているためか、いつまでも年を取らないように見える。
様々な事を行いそこで満足の行く成果を残す。そして大会に興味を持ち優勝を狙うがゴードンに阻まれたり何やらで毎回必ず2位に終わっているため、シルバーコレクターと呼ばれるようになったが勿論本人はそう呼ばれたくは無い。今回のエントリーネームも、スタッフがこっそりと変えた物である。何度も訴えてはいるが、それでもこうなってしまうらしい。
ゴードンへのライバル意識は彼が人狼が多く所属している「Red Wolf」の所属であるのも多少は影響しているようだ。
口には出さないがやや苦労人。努力している所を見られるのを嫌っている。
(こんなにも晴れやかな青空なのに)
[ふいに顔が曇り、グレンの耳に聞こえる喧騒が遠くなる。]
『原因不明。****銀河における***で惑星間戦争が開戦。』
『詳細不明。平和を愛する種族による凄惨な事態。』
『調査隊行方知れず。新たな特異点の発生か。』
[今朝配信されたばかりの電子ニュースを思い起こす。どれも地球からは遠く離れた銀河での出来事だが、いずれも、宇宙の他種族に詳しい者なら、ありえないと言える事件ばかりが、近年、間隔を置いて起こっている。]
何が起こっていたとしても、
時間がかかったとしても、解決は出来る。
今はこの大会を楽しまなければな。
何時また地球に戻れるか分からない。
[何時の間にか拳に力が込められていた。
拳を緩め、呟いて笑みを浮かべた頃には、耳に喧騒も戻ってきていた。人々の活気を心地よく身に受けながら、保護場所へと…]
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