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―箱舟内部―
[ぐらり。揺れる、箱舟。]
[――そして。]
[ぐらり、揺れる、世界。]
…………っ、ぁ……
……………………だ、大丈……夫。
[崩れる。終焉(おわ)る。世界。せかい。
膝をついた、少女の幻影が一瞬、透ける。ぶれる。
もう少し。あと、少しだけ。]
まだ…… 終焉(おわ)らせない。**
−喫茶まろん(中立亭)での一幕−
[箱舟で死闘が繰り広げられているかも知れないそんな時、喫茶まろんではDVD鑑賞が行われていた]
『やっぱり第4期はいいね!』
『いや、初期がネ申だろJK』
『るーこ様は時期で区別できるほど浅くねーぞ』
[ニュースに怯えた人たちからの提案で、ナニカ心が落ち着くものを流して欲しいとのリクエストだったが……。
ここのマスター、まじかる☆るーこDVDフルコンしてました]
保存用もどっかにあるのかな……。
「だいじだいじ?」
[そんなやり取りをしつつ、アリア自身も結構懐かしいな〜とか言いながら見てたりして]
[暫くすると、店内ががやがやしてきた]
『4期の良さが判らんとは……』
『そういう区別は無意味だといってるだろうがっ』
いや……店内で揉め事は困ります……。
「けんか、めっなの〜」
[しかし、店内はヒートアップしていくばかり]
『んだと、やんのか?!』
『そちらから売って来た喧嘩であろう?』
や、やめてk……。
『『うるせぇ、一般人は引っ込んでr……』』
[皆まで言わせず、アリアは笑顔で――眼は全然笑ってないが――子猫を引っ掴むと]
どっ☆せい
[投げ放った。
子猫が、くるくると猛スピードで回転して口論していた人々を掠め、尻尾が壁に突き刺さって止まった]
……一般人、舐めんな?
『『『はい……』』』
[びええええとか子猫が泣く以外、店内に音を立てるものは存在しなかったとか]
/*
店内には無論、まじかる☆る〜こDVDは、観賞用・保存用・布教用と3セットあるに決まっておろうが。
と、どうでも良いことを書いてみたくなった。
メイアルにアニュエラは、お疲れさまなのじゃ。
/*
串は実はヤドリギで出来ていたって設定、良いなぁとかふと思う。
竹串が時空を越えたのは、アンクルとドンファンや魔王との間に魂の繋がりがあって、その繋がりを道標にして、竹串という形の意志が向こうの世界へと届いた、ということなんだと信じたい。そんな後付け。
いやしかし、竹串ちゃんとシリアスに使われたのぅ。
ほんとは、シリアスも何もかもぶちこわしてドンファンの後頭部にすこんと刺してみようか、なんてちらと思ったのは、内緒じゃ。
や、少しじゃよ。ほんの少ししか思っとらんからの!
さておき。少しロールを回して一撃離脱するかの。
[何とはなしに気が向いた方向へ歩いていけば、そこにいたのはやはりというか、花見空間の中で異質さをかもしだしている魔王の姿。
隣で三角座りしているエルヴァイラを見れば、自然と頬もほころぶ。>>6;+148]
なにを辛気くさい顔をしておるか。ほれ、食うがええ。
[手にしていたイカ焼きや唐揚げの串を載せた皿を二人に押し付けて、そのまま背を翻して去る。が、離れていく途中、ふとエルヴァイラの声>>+8を小耳に挟んで、振り返った。]
嬢ちゃん、急くことはなかろうて。
所詮、この宴も花と共にいずれは終わるものよ。それまでは存分に楽しむがええ。
善にも悪にも、その間のものにも、休養は必要じゃよ。
ここが世界と切り離された異次元じゃというならば、ワシらもまた全ての重荷を一旦横に置いて休養すべき時じゃ、と思うがの。
それと、これ、ありがとうよ、嬢ちゃん。
[振って見せたのはコンペイトウの袋。>>5;+102
中のものを見れば、エルヴァイラがただの園児でないことは明らかだったが、全く意にも介していない風情でにやりと笑う。]
向こうに戻ったら、トメちゃんのところから山ほどコンペイトウを仕入れておくでな。
またまろんに遊びに来るがええ。
[ひらりと手を振って、今度こそ去っていく。**]
ッ
[ユーリと一緒に駆ける箱舟の中で。世界が一瞬、ぐらついた]
―箱舟内部―
ゆー!
[くずおれ、切れ切れに言葉を漏らすユーリ>>16を、腕の中に抱きしめて。その名を強く呼ぶ。だいじょうぶ?とは、聞かない。
辛いのは、ゆーなんだから。そのゆーがだいじょうぶって言ってるんだから、だいじょうぶじゃなくても、だいじょうぶにさせてみせる]
けど…
[世界だけでなく。箱舟も大きく揺れている。
それは、制御していたものが消えたということなのだろう。舟を。超時空ジェネレーターを、制御していたメイアルが。
結局自分は、メイアルを止めることはできず。予言はまた一歩、滅びに向かった。
自分は、結局。覚悟したとほざいても、その言葉さえ、果たすことはできず。
ならきっと、ユーリエッタとの約束だって、果たせな]
せぃやッ!!
[弱気になりかかる頭を。強引にジャス天号のハンドルにぶつけて、弱い考えをたたき出す。いまは、弱気になってる暇なんて、ない]
[アニュエラからの留守番電話が届いたのは、そんな時]
…ありがと。あにゅー。
[その内容に。一つ一つ、あらゆる状況に対応しようと知恵を絞ってくれた言葉に。感謝して。携帯電話にこつりと、額を寄せる。
チャンスは、見えた]
行くよ、ゆー。
絶対、このままじゃ終わらせないから。
だから、しっかり掴まってて!
[声をかけ、腕の中にユーリを抱えて、走り出す。
予言は、ここまで、止めることはできなかったけれど。
少しずつ、でも確実に、ずれてきている。
人の手が創った超時空の力によって。
魔王から予言の筋書きを奪い取ったメイアルの手によって。
あるいはそれに立ち向かった魔法少女と。彼女に意思を伝えた魔法少女の手によって。
そして。まだ。箱舟には、魔王と人の手で育てられた英雄がいて、自分がいて、ユーリもいて。そして。
今はまだそのことは知らないが。鍵となる赤い薔薇と。彼女を守る花の戦士が、乗っている。
予言を止めるなら。
否。
予言がすべてを終わらせるというなら。
予言が集約し、成就しようとしているいまこのとき。
無理やりにでもテーブルをひっくり返す]
…ぐらじー!
説明してる暇ないから、移動してる間にこれ聞いて!
[告げながら。彼女に留守番電話の入った携帯を押し付けて。
一緒にいたシャルロットごと、横合いから掻っ攫う]
[連れて行ったのは、戦いの後の残る、玉座の間。
そこに残った、硝子の欠片やハートや星型の破壊痕に。そこで何があったのかを、察して。
でも、まだ後悔はしない]
ぐらじー、お願いしたいこと、分かってくれた?
魔力の理屈とかは分かんないけど、中心があるとするなら、たぶん、ここ。
おねーさんが船を動かしてたのが、ここだから。
[ここからなら。アニーの残してくれた種を、一番効果的に芽吹かせることができるだろうと。
口にして、頼む。
おりしも玉座の間は制御の外れた超時空ジェネレーターが光を溢れさせていて。その光を浴びた、シャルロットに。その姿に、うっすらと重なって見えたのは]
赤い…薔薇?
[それは、鍵となると言われた、青薔薇の対]
そう…
[そのことに気づいて。知らず、笑いが漏れたのは。あんまりにもできすぎたこの状況を招いた、世界に対してか]
[そうしている間にも、魔力を吸いだす根は箱舟の中をめぐり。
一時なりとも暴力的に震えた箱舟は、その動きを止めただろうか。それでも、多少のずれはあるものの、それは世界を終焉に導く災厄。抑えられるのも一時のことだろう]
かくて予言は最終節に至り。
果たしてその果てはどうなるものか。
…ねぇ?ドンファンくん?
[向けた言葉は。視線は。遅れて玉座にやってきた、彼に向けて。ユーリをかばうように、その背にしながら。
グラジオラスとシャルロットを、玉座の前に据えて。
答えを待つように、彼に対峙していた**]
[ドサリ、闇は倒れ光が立っている]
ククク…先程まであんな取り乱していたものが、少しはマシになったものよ
[メイアルが消えたからか、この体が偽だからか。もうもたない。
徐々に体が薄らいでいきながらも、ドンファンの言葉には静かに耳を傾けて]
とんだ愚者よ…
主はこの世界にある全てを受け入れればよいというのに
[誰が『魔』まで受け入れろといったのか。という言葉は発することもなく、制御を奪い取っていた偽の体は姿を消した]
―異次元空間(花見会場)―
[アンクルが後を継ぐものを作ったように、己は対抗者を作っていたはずなのだが]
エルヴァイラ…もうよいぞ
お主も消耗しているだろう
[といって、降りているエルヴァイラの頭に一度手を乗せて]
次で抜く。
[最も、必要になるかまではわからないがな。とあちらで最後に浮かべたのと同じ苦笑を*浮かべた*]
[魔王が消え行く姿を頭を下げたまま見送り]
[黄金の闘気を消す]
やるべき事はまだ残っている・・・!
魔王殿、またいつか、必ず会いに行きますぞ!!
それまで、さらばですっ!
[炎の柱でぶち開けた天井の穴を見上げ跳躍する]
[次々と登っていく]
残る使命は次元の力を持つ者としての責務!
[向かう先は次元の歪みを生み出している場へと!]
―玉座の間―
[歪みを発生させているであろう場所に辿り着いてみると、そこには見知った顔ぶれが揃っていて、代表するかのようにカンナギが振り返りながら視線と問いを投げかけてくる。]
[聖女を庇いながらその構えは油断なく]
『かくて予言は最終節に至り。
果たしてその果てはどうなるものか。
…ねぇ?ドンファンくん?』
ふっ・・・決まっておりましょうぞ!
正義と悪とが全力で闘って、死力を尽くした後のお話は必ず決まった結末が待っていなければなりますまい。
俺が未来に向けて残す予言書の最後にはこう記しましょう!
全員笑ってはっぴーえんど!
これしかありますまいっ!!
[快活な笑顔で高らかに言い切った]
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