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[壁を伝いゲルダに姿を見せると小さく肩を竦めて苦笑し]
悲しいかな、好きなんだけどね。
ただ、恐ろしく弱い。
[少しゲルダから離れた場所にもう一度腰を下ろすと、手に持つ枇杷を揺らし]
独りを選んであの詩を詠うのだからきっと、
簡単には言葉に出せないことなんだろう。
君が何に心を痛めているのかは僕には解らない。
けれど…少しでも楽にしてあげたいと思うのは迷惑かな。
何ができるかは思いついていないのだけどね。
[視線を星空の中に浮かぶ月へと移し]
…仕事のことかい?君はよくやっていると思うけど。
ボールドウィンさん、謙遜しなくても。
そして、落ち着いた時間が出来るのは、良いことですよね!
ケヴィンさん、そう落ち込まないで。
折角だし、この島の出会いの中で素敵な相手を見つけちゃうとか!
ギターの演奏について、リハビリしてだと、
一から学ぶよりも、ずっと早く、弾いていた頃の様に
上手く弾く事が出来ると思いますわ。
セロンさん、演歌って確か・・・。
こんな感じの歌でしたでしょうか?
…おや。
[カーラに言われて、いつの間にか椅子の上で眠っていたナタリアに目をやる。]
ここにこのまま置いておくわけにもいかないし、な。
…失礼。
[起こさぬよう気を使って、丁寧に横抱きにかかえる。]
そう言えばゴドフリー様は、お酒をほぼ口にしてませんでしたね…。
私は弱くはありませんが、積極的に好んで飲むという感じではありません。
[目の前にグラスを掲げ、琥珀の液体越しに揺れる枇杷の実を眺め]
………。
ゴドフリー様は、ご自身のお仕事に誇りを持っていらっしゃいますか?
私は……。
[口ごもり、俯き]
ゴドフリー様には、気になる方はいらっしゃらないのですか?
[全く違う質問を口にする]
[一度部屋に戻り、荷物をごそごそと漁ってから、談話室を抜けてバルコニーに出る]
―バルコニー―
[思った通りひんやりとした風が心地よい。見上げると、今日も夜空にはいつもと同じ満天の星が瞬いている]
[外を見ながら、荷物から取り出したオカリーナを口にくわえ、先ほどまで練習していた猫ふんじゃったを吹き始める]
[いつもはこのオカリーナを吹くと気持ちが落ちつくのだが、その夜は、なかなか気持ちの昂ぶりが治まらず]
……いや、原因はわかっているんだけど、ね
[今日のダイビングポイント、そして船着き場の方向へと目を向ける]
[オカリーナの音色は、明け方まで*響いていた*]
[ボールドウィンに抱えあげられるナタリアに一瞬複雑そうな表情をし、視線をそらし]
あ、3号室です。
[と、自室の鍵をあけ、扉を大きく開く]
[くくっと笑って]
これは失敬。音質がちょっと違うが、
そんな感じだな…。
よく知ってたな…?
[ヴィヴィアンにぱちぱちと拍手を]
[ セロンさんに微笑み ]
うふふ。ありがとうございます。
演歌について、これだけ知らないですが・・・
結構有名な歌みたいで、歌詞が好きだったりしますので。
・・・でも、音質がちょっと違ったみたいですね。
[ヴィヴィアンに励まされて]
そうですね、練習してみましょう。
………折角だし、といわれましても……その……
[なんだかモジモジ、そうこうしているうちにヴィヴィアンが歌いだす]
きれいな声ですねぇ……でもなんでだろ、その歌知ってるような気がする。
…おや、隣か。
[自分以外の部屋割りはいちいち確認していなかったようで。
隣の部屋に彼女が寝ていたことも、どうやら知らなかったらしい。
失礼、と小さく言うと、あけてもらったドアの中へと、抱き上げた歌姫を運び込む。]
そっちのベッドで、いいのかな?
あ、そういえばそうですね。
ボールドウィンさん、お隣です。
はい、そちらにお願いします。
運んでいただいてありがとうございました。
[ボールドウィンにお辞儀]
[寝室に引き上げるカーラとナタリア、そしてナタリアを運ぶボールドウィンを見送る]
お疲れ様でした、カーラさん、ナタリアさん。
おやすみなさい、良い夢を…
一口飲めばたちどころにね…寝てしまうんだ。
自分も相手も楽しめないし迷惑を掛けるから、
酒の席では飲まないようにしてるよ。
好まぬ酒を月と影と共に…か…。
君が気付いていないだけで、大きな悩みなんじゃないのかい?
[口篭る様子に心配そうに眉を顰めてゆるりと首を傾げ]
…僕の仕事っていうのは、創作活動のことかな…。
…うーん…誇り…というよりかは、意地…だね…。
僕がこの世界に入ったのはとても捻くれた理由からだから。
他の人には内緒にね…。
それで…、君は?
[訊ねると同時に口に出された全く違う質問に瞠目して]
…さぁ…どうだろう…?
気になる…というのなら、皆が色んな意味で気になるけれど…
それはきっと、君が望んでいる答えではないだろう?
[そっと寝台に横たえ、毛布をかけてやる。]
…女性の部屋に長居するのもなんだしな。
じゃ、お休み。…良い夢を。
[カーラの複雑そうな心境には気づかぬまま、軽く頭を下げて部屋を出る。
ほんの僅か後に、*隣の部屋のドアが閉まる音。*]
[ヴィヴィアンに微笑んで]
偉大な大歌手の最後の曲だそうだから、確かに
有名でしょうな…。
女性歌手だから、それほど違うわけでないのだが
微妙な所かもしれないな…。
有難う。
[にこやかに笑って]
[ボールドウィンの背中を見送り自室のドアを閉めた]
ナタリアさん、今日はここでおやすみでいいですよね?
[ナタリアの布団を整えると、自分は*シャワールームへ*]
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