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[バーサーカーに抱えあげられると、一旦口を噤んだ。月光を受けて、仮面が笑う。
笑っているのに、そうも見えず。
走り出した足。筋肉が揺れているのが分かった。傷口はふさいだけれど、それだけで、まだ痛みはあるはずだった。]
自分で走れる。バーサーカーお前の武器はその身体だ。なら、もっと気を使ってくれ。魔力を削られるこっちの身にもなれ。戦闘と関係ない場所で、それを長引かせるな。
わかってるのか。
この聖杯戦争において、私にできることは魔力の供給だけだ。だから、それについて気にすることはない。
私はお前を頼る。だから、お前も私を頼れ。それが相手を信頼するということだ。
[グラウンドが視界に入る。誰もいないそこに、まだ温かい風が吹く。
落ちないように、その肩に手をかける。気づかれないように、ゆっくりと*+癒し始めた+*]
豆腐は知ってるが、この赤いねばねばしたものは、どうも気色悪いな。
……お、でも結構いけるか、こりゃ。
女の英霊ってのは気がのらねぇが、お殿様にはちょいと興味あるかな。
街を見て回ったが、今は侍も城も何にもねぇ時代なんだろ?幕府だって無くなって随分経っている見てぇだし、侍の末裔ってとこなのかね。
[既に武士という存在がはるか過去のものになっている事に一抹の寂しさを覚えていた左之助は、蒲生の話を聞きやや明るい表情になる。]
今日は遅い。まあ、全ては明日か。
[左之助は、ある程度話のきりがついたところで、ソファに座ったまま眠りにつくことにした。]
――未明・南ブロック・廃工場――
[廃工場へと辿り着く。
日常の残り香を身に浴びたせいだろう。あれほど痛んでいた傷は鎮まり、奥に潜んでいた――が鎌首をもたげる。]
ク。
[それは笑い声となって仮面から漏れた。
腕の中にはおとなしくなった少女。どうやら眠ってしまっているらしい。
バーサーカーは、こっそり癒しの術をかけられていたことも、少女がナヅカヒジリと相対していたことも知らない。]
後先を考えずに走り回るからだ。
魔力の消費を案ずるなと言われた途端にこれでは、先が思いやられる。確かに多少は回復しているようだが、今は――。
[皮肉の言葉が途切れる。
少女の寝息があまりにも安心し切っていたからではない。
廃工場の入り口に、見覚えのあるシルエットが見えたからだ。]
――――。拾ってきたのか。
[まだ乾ききっていないのだろう。風にも靡いていない。
頂点に付着した血もそのまま。
だとするなら、彼女は川に入ったということだろうか。
いつ、どこで、どのような状況で。
――考え付く可能性は少な過ぎた。]
[廃工場へと入り、小さな体をそっとソファに横たえる。
決して起こさないように、そっと下ろした。
平時は魔術師以外の顔は見せないというのに、こうして眠りこけている姿は平穏そのものだ。仮面は暫く見下ろした後、折れた剣を握り直した。
ぐー、ぱー、ぱー、ぱー。
ちょき。
右腕の調子も悪くは無い。
バーサーカーは眠るマスターへ背を向け、入り口へ向かった。]
――古美術店・早朝――
[しばしの睡眠をした後、左之助は目を開けて辺りの気配を探り、特に異常が無い事を確認する。
密かに外を窺うと、「気配遮断」をした上で空の白む街へと繰り出した。
目的地は西ブロックの神社である。]
――西ブロック・神社・早朝――
やっぱりいないか、まあ当たり前だな。
[神社に着くと「気配遮断」を解き、辺りに気を配るが既に切り裂きジャックの気配は無かった。]
そう言えばあの子供はどうなったのかね。
まあ、人が来てたし、あのままほったらかしって事は無いだろうが……。
[そうつぶやきながら、昨日の英霊の痕跡を探すが見つかるはずも無い。
諦めて手元に槍を出す。軽く体を動かしたい気分だった。]
――4日目・西ブロック――
[未明の内に回ったのは、東ブロックのビル群や、新興住宅地のマンションの間。先日、マスターを抱えて走った時に出来なかった戦闘の想定、それと――折れてしまった武器をどうすべきか。
街をうろうろしながら考えていたわけだが、残念ながら打開策も見つからず、空が白んでしまっていた。
迷い込んだのは、この国独特の家屋が立ち並ぶ場所。
飛んで跳ねてを繰り返していたらこんなところに来てしまっていたようだ。バーサーカーは馴染みの無い風景を見回しながら、適当な筋を辿って行く。]
マスターに修理を依頼したところで可能かどうか。
武器が無いのであれば、戦法が無いわけではない。
が…………。
[袈裟に斬られた傷も、右半身を縦断していた傷も、いつの間にか浅くなっている。左掌の傷はいつの間にか塞がっていた。
しかしまだ完全とは言えない。]
いや。万全を望むことそのものが贅沢か。
……どうやら私の感覚も鈍っているらしい。
クク。彼女に毒されたのか、或いは――。
[そこはかとなく朝餉の匂いも漂ってくる。
――平和だ、と仮面は思った。]
[相手の姿をを思い起こし、それを動かして斬り交える。
それは左之助が生前、よくやっていた訓練方法である。
今思い起こしているのは、黒い影の形をした自分。
相対しながら、切り裂き魔が言っていた「我々の中にいる」という言葉を思い起こす。
確かに生前、左之助も人を斬っていた。
それは治安維持のためだったが、人を斬る事に酔う事は無かっただろうか。
元々幼いころから争い事は大好きだった。
喧嘩を挑み相手を負かす事、その延長上に武器を持っての立合いがある。
かつては士道を守るため、今は願いをかなえるため。
そう理由付けて、戦いに明け暮れてきた。]
……もし聖杯を得て、昔の家族の元に戻ったら、自分は争いを捨てられるのだろうか。
[そんな疑問が心を満たす。
もし戦いも戦う理由も無くなったら、自分は容易く闇に沈むのでは無いだろうか。
昨日出会ったサーヴァントのように。]
切り裂き左之助なんて、語呂が悪いってもんだぜ!
[左之助は何かを振り切るように、影の自分をなぎ払った。]
[傷ついたのであればそれは等しく代償だ。
かつて少女は、言った。
これはお前が起こした戦争とは違うと。
だが、こと戦争に於いて無血勝利などあり得ず、戦闘を繰り返せば消耗は必定。武力を以って他者の願いを、未来を蹂躙すると決めた時点で、武力に逸った者には罪が決定している。
ならば身に刻む損傷の蓄積は。
罪と贖いの繰り返しを具現したものに違いないだろう。
それは、日常を変わらず謳歌する街の中にいても同じ。]
……そうだ。
昨日の青年なら何か知ってはいないだろうか。
[歩きながら、マスターの守りを任せた青年を思い出す。
傷一つつかずに帰ってきたところを見ると、きっと約束を守ってくれたのだろう。礼の一つも言いたいと思ったが、昨日の川原へ行けば会えるかもしれないと夢想するほど、バーサーカーは乙女ではなかった。
折れた剣を懐へしまい、辺りを見回した。
通り抜ける風。
鳥が雲と雲を縫って、白い空の向こうへ去って行く。
――仮面は少しの間、時を忘れた。]
[青年に武器をせびるプランを考えながら、やがて珍妙な町並みの中で一際珍妙な建物を目にする。
教会は見慣れていたが、神社は知識としてしか知らない。
厳かに構える門を見上げて、バーサーカーは立ち止まった。]
これは――見事。
[バーサーカーに芸術審美のスキルなど備わっていない。
だからその感想を口にしたのは、無心から。
誘われるように石段を登り、中へと歩いて行く。
僅かに届く、風を切る凶器の音。
聞きなれたものだったからだろう。バーサーカーは特別に驚くこともせず、歩みを進めた。]
[門を潜る――と、人影が見えた。
周りを見渡す。どうやら他には誰もいないらしい。
人影の手には、長物。およそ穏便とは懸け離れた武器。]
む。
サーヴァントか。
[いつぞやは気配遮断によって見逃した相手。
異様な、しかしこの国の人間と然程違わない容姿。
サーヴァントの雰囲気と言えば長物だけ。だからだろう。
懐へ手を伸ばすことはせず、神社を眺めながら言った。]
続けていいぞ。
もうすぐ朝だ。……いや、もう朝という括りになるのか。
マスターも夜以外の時間帯での戦闘は好まないと言っていた。
[少しだけ仮面は男へと向き、]
――君が、戦いを望むなら。
話は変わらざるを得ないだろうがな。
―― 早朝 ――
………。
[ あまり、いい夢見ではなかった。気分が沈む。
隣に寝ていたはずの左之助の姿はない。よくよく、出掛けるのが好きなようだ。]
いや、お墨付きっていう意味じゃなかったんだけどね、一文字。
[ 呆れて呟く。昨夜最後にした行為は、お互いの存在をより近く密にするためのものだった。
まあ、最終的には一対の御守りを互いが身に付けておく事になったのだが。
どうにも、ツカサには左之助に気配遮断を行われるとマスターとサーヴァントという魔力的繋がりさえ追えなくなってしまう。
ならばとツガイの御守りで互いの所在を把握しようと試みたわけだ。]
ふむ。
[ 御守りに意識を集中させれば、左之助が神社の辺りにいることが読み取れた。これならば、まあ、いいだろう。]
[あまり戦いたい意志が無さそうなバーサーカーに左之助は少し戸惑った。]
何でぃ、戦うために入ってきたんじゃないのかい。
しかし話は聞いていたが、本当に仮面つけてるのな。
それで街中を闊歩たぁ、大した歌舞伎者じゃねぇか。
生前は能か何かでもやってたのかい。
[会話に応じて様子を見る事にする。]
[どうやら相手も襲い掛かってくる気配は無い。
見れば、玉砂利の上を小鳥が歩いている。]
クク。それが困ったことに、武器が無いんだよ。
肉弾で戦も出来ないことは無いが。
昨日、織田とやらにやられた傷が芳しくなくてな。
[とても愉快事を語るように、事情を隠すこともなくさらりと言ってみせた。
自身の殺し合いの技術に対する自信の表れなのか、戦い以外については頭がよろしくないだけなのかは、笑みを貼り付けた仮面からは見て取れない。]
これは――伊達や酔狂ではめている訳ではない。
ノー、とやらが何かは知らないが。
――そうだな。
自身への戒め、或いは未練といったところか。
[指で仮面をこつこつと叩いてみせた。]
残念ながら、生前もはめていたわけではないんだ。
―― 中央通り→西ブロック ――
[ 蒲生の屋敷に行くとはいっても、それは勿論、左之助を同伴させてである。一人で行くなど愚の愚。ツカサは左之助と合流するべく移動していた。
朝早くに出歩く事など、しなくなって久しい身として自転車を漕ぎながら見る街の景色はなかなかに新鮮なものではあったが、そんなにのんびりとした気分でもない。]
というか、なんで神社なんかに…て。そういえば槍の鍛錬でどうとか言っていたな。朝錬にでも出たってわけか。
[ 武芸者というのは勤勉だね…と勝手に感心しながらペダルを踏む力を強める。次の角を曲がれば、神社が見えてくるだろう。]
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