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警備班!!
何をやっているの!?
早くこいつらを撃ちなさいッ!!
[キャロルの叫びがカジノに響く。
だがそれに応える声も、銃声も無い。]
早くしなさい!このクソスタッフ!!!
[しかし、声は無い。当たり前だ。
警備班もまた、今ここで日本刀を握る老人が作った爆弾と、他ならぬキャロルが放った銃弾に撃たれ、あの世とこの世の間をさまよっているのだ……]
[相変わらずカジノ前で様子をうかがいながらモーガンとキャロルのやりとりをじっと聞いている]
賞金も何も、全てパア……ね。契約にはそんなことは一言も書いちゃいなかったように思うが。
だからといってここで連中を止めても死体が二つに増えるだけ、か。
あああああああァァァァァ!!!
[スタッフに対する叫びと罵声が終わるか否かのタイミングで、キャロルは絶叫した。
――彼女の目の前に、鮮血が飛び散る。]
……お前さんの獲物?
[銃口をキャロルに向けたまま、獣の男を睨んだ。]
こいつは、ここに居る全員の敵サ……
「金」だの何だののしがらみさえ無ければ、な。
それともアレか。お前さんも最期に一発キメたいクチか?
[まるで力の抜けた自然体で、男は床に転がったキャロルとそれを囲む3人に近付いていった。――ただし、老人は先程の投擲が当たって負傷して倒れている。]
いや。闘えない人間をやるのは詰まらないからさ…。
「闘えない人間をやるのはつまらない?」
どういうこった?
お前さんはコイツをざっくりやる気は無いってことか?
それとも、今からこいつをロープから解放するって寸法か?
……そうだ。
[男はベンジャミンとケネスの持つ銃に構わず、瀕死のキャロルの傍にしゃがむと、老人が縛ったロープをダガーで断ち切った。
キャロルの目の前の床にそのダガーを突き刺し、立ち上がって数歩下がった。]
[キャロルは、赤黒い血に染まった頭上を見つめている。
ふたつの銃口がこちらを向いている。]
[自分のことを締め上げている老人が倒れているらしいことにも気づいた。]
[……思わず、ほくそ笑んだ。]
……ほう。
[銃口を上げ、若い男の様子を見守る。
反対側に居るケネスに目配せし、キャロルから一歩、二歩、離れた。]
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