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[そう呟けば…少しずつスティーブの腕に霜がつくのが止まり、冷気も徐々に鎮まっていくだろうか。]
……ーーー……ーーー…
[セーガは目を閉じる。それは何かを思い出そうとするような、それとも何かを覚えようとするような。]
『セーちゃんの手は冷たいね。
母さんが冷たいのなんとかするからね』
[遥か昔、9年も前。今日出会った人々以外で触れても全く恐れなかったほぼ唯一の人物。]
『母さんは、オレがこわくないの?』
『んー?全然。 セーちゃんがいるから母さんはちっとも寂しくないのよ。それに冷たいけどホントはとってもあったかいの母さん知ってるんだから』
[凍えるように冷たい手をとり、笑う彼女の言う言葉を思い出し…]
…スティーブとか、リル、が、いると
トレイン、や、イギーと、いっしょに、いると…
サムく…さびしく、ない……、さびしく、ないから…
あった、かい。たぶん…きっと…おそらく…
[顔の模様がじわりと消えて、冷気が完全に鎮まる。]
[言葉に出来た、ようやく。 ゆるりと目を開くその下の目は普段のくすんだオレンジではなく…輝く星の銀色だろう]
……でも、それ以外の言葉じゃ、わかんない、から
終わったら、もっと、教えて。
[彼の本来の瞳の銀色で、セーガはスティーブの目を見ただろう。]
[笑うスティーブに、にぃーーーとまったく笑えていない笑顔を返しながら*]
[セーガは男の言葉を繰り返し、そうして、]
……
[男の腕に進んでいた霜が止まる。
冷たさも、徐々に落ち着き、セーガは目を閉じる。
その間も男は手を離すことはせず、セーガの顔を真っ直ぐみたまま。]
……ん。
[セーガの口から出る、様々な名前。
さびしくない、あったかいと言い、
セーガの顔の模様は消え、冷気は完全に鎮まる。
目を開く、その目は先程までの色ではなく。
真っ直ぐと、その銀色は男の目を見る。
その変化に少しだけ目を瞬かせ、また笑う。]
そういうのは、俺じゃなくて、
リルに教えてもらえよ。
あいつのが適任。
[このような状況下であっても、リルの下、笑う部下たち。手を伸ばせる範囲なら伸ばすだけ伸ばそうとする、男にまで手を伸ばそうとする、お節介な奴。
リルの方を親指で指し。
笑おうとしているが、まったく笑えていない笑顔。
にぃーーーとその様子に、ふと、良くそんな言葉を言っていた少女を思い出す。]
悪くないけど、
もう少し、だな。
[そう言って、ヴェスもかつてしたように、そこまで強くはないが、
セーガの頬を掴み、ぐいっと、軽くあげようとし、]
探してる奴がいるんだろ?
さっさと、終わらせて見つけるぞ。
[そう言って、エーディは果たして来てたか、
激戦地の方を男は見る。ナトゥーリアの様子は果たしてどうなっていたか**]
[スティーブの呼びかけでセーガが傍に来る>>+150]
セーガ、大丈夫だった?
怪我は?
[一時『死神』と対峙したことも、治療機関に放り込まれたことも知らない。
治しきれていない傷、または追加の傷等があるなら治す心算で聞いた。
例のワイヤーはセーガの氷で移動させる事に成功した>>+151が、異変を感じ取ったらしい]
サムイ…?
スティ、心当たりあるの?
[セーガの言葉に反応するスティーブ>>+155を見遣る。
説明されたなら、えぇぇ…、と引く反応を見ることが出来ただろう]
セーガ、
[セーガの足元>>+153に氷が広がる。
制するような声。
スティーブも声をかけていた>>+157ため、諭すのは彼に任せた。
リル自身はエーディとの連絡に意識を割く]
[エーディとの連絡が終わって隣を見れば、スティーブ達の会話も一段落ついたか]
なぁに人にぶん投げてんだ。
[言葉を教えるのに適任だ>>+166と、自分の名前を挙げるスティーブに突っ込みを入れる。
突っ込みは入れるものの、投げられた内容そのものを拒否する心算は無い。
セーガが願うなら、快く受け入れる]
[隔絶空間では激化の一途を辿っていた。
槍を放った発射台の辺りには人が集まり始めている]
「たいちょー、あのワイヤーに攻撃系の異能、もしくは封印系の異能を流し込んでバグ・シングを止めようって腹みたいっす」
「中で戦ってる奴らだけでなく、外からもぶち込むみてぇだな」
「分裂の異能持ちがワイヤーの端を複製して大人数でもやれるようにするとか」
なるほどね、それなら外からでも異能をぶち込める。
動ける奴集めて来な。
「「「「「イエスマーム!」」」」」
[指示を出せば部下達が散らばって行く。
リル自身はその作戦に参加出来ない。
やれるのは、なるべく多く人数を集めること*]
── 中層 ──
[指摘>>+145ではなく、何処か確信を帯びたものだったか]
…………
[『死神』の感嘆の声が聞こえてはじめて、また怒られるだろうというものが過ぎる。
前に【敵意】を見せて貰った時>>+131でさえ、平静時でも衝撃はあったろう。
首元に手をあてさせたのは衝動的な行動。
正気なら、暗殺で名が聞こえている相手に、このような真似はしなかっただろう]
…………、
[『死神』の手に伝わるのは微かな震え。
『死神』の力の使い方はまた違い、意識を電子と化すものとは違ったのかもしれない。
一方的に送られる入力>>0:167に似た使い方か]
[ザ、リリ
[気持ち悪い。
先ず浮かんだのはそんな感想だった。
酷く荒い、ノイズ塗れの、ザラザラしたもの。
『死神』の手に重なる爪/幻視/ ざくざくと切り刻まれた、万力のイメージが、コマ落としのように]
、
[その中でも、何故かクリアな【敵意】/それは一点の混じり気の無いものが故か /酷く安堵する/恐怖する ]
………… ゲ イル?
[ザ、ジラジラ
[入力の記憶の中、今見えている『死神』に二重映像のように「ゲイル」の顔がノイズ混じりで見え]
[初めての試みが通じ、ノイズ混じりでも見ることが出来たのは、異能を留める性質を帯びた素材で出来ていたが故か否か]
[ 『見届けたい』 『目的を手伝いたい』
『行く末』
恐怖に勝る歓喜>>1*26。
その中で零れ落ちるコエ]
『 必要ない 』
[ノイズが入りスムーズなものではないにせよ、膨大>>1:*32>>1:*40なと言ってもよいものに、ぐらりと体が傾ぎそうになるのを留め、そこから強制的な電気信号>>+146が送られて来たのか、過去の記憶が呼び起こされそうとし]
[否、電子的な意識の向け方ならば、思い出すのではなく覗き込まれる方に近くはなるだろうか。
……『死神』の「ゲイル」の手を首から振り払う]
やめろ…
……それには 触れるな
[低く、胡乱な声は送られてきたもの>>+145の影響か。
それでも、あの赤い日のこと>>0:329>>0:330や、20年以上も経ってようやく言葉に出来たもの>>5:+20>>5:21>>5:22は、全てではないにせよ何が起こったかは、"ゲイル"に伝わってしまったろうか。
少なくとも、ようやく言葉に出来たものや内側の無残な精神の有様は]
[剣呑な、死神=ゲイルへ向けて、敵意のような害意のようなものを滲ませ、ふらついて後退し、辺りの瓦礫か建物のようなそれへと凭れ掛かる*]
ー 少し前 ・ 合流時 ー
怪我…? …いや、今は、冷たく、ない。
一度、病院には、行った……
[合流した時にリルに怪我のことを聞かれると>>+168、苦痛はないことを伝える。
2度目の『死神』と対峙した際に顔やコート越しに腕にも氷の破片がつき刺さり>>+45、それを抜いたために突き刺さった後の傷があるが>>+66、それに対しても苦痛は見せない。]
[それをリルが治そうとするならば一瞬触れられることに怯えるかもしれないが…、癒えていくと]
……ぁ、ったかぃ…。…ぁり、が、と…
[視線を逸らしながらかもしれないが、そう告げるだろう]
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