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昨夜、烏丸さまは朱さまをみたそうですね
朱さまが存在するということはお狐さまという可能性はなくなったでしょうか?
とりあえず烏丸さまの言葉を待ちましょう
[昨晩みんなが話す声を子守唄に寝てしまった少年は起き上がる]
ふああ…んー、昨日は途中で寝ちゃったけど、甘利のねえちゃんでよかったみたいだね
それで、えーっといなくなっているのは…
[少年は周囲を確認し、昨夜具合を悪そうにしていた青年が見つからないことに気がつく]
ヤガミのにいちゃん…かあ…
1人しかいなくなってないってことは、甘利のねえちゃんもヤガミのにいちゃんもコイはモーモクでなかったんだね
あと、お狐様も退治できてない?って思ったら、烏丸のにいちゃんは俺を視たんだあ
調は…?うん、調はいる…
調も取り憑かれてない、とは限らないかもしれないけど
なんやろなぁ……
昨日も、もう少し抗う事はできたんやろけど、なんかえぇかなー、って思てもうたんよね……
なんやろ、村を見捨てた分、村に見捨てられもしゃあないなぁ、みたいな。
いや、単純にこの村をどうでもいい思てたからなんかなぁ……割りと酷い事言うとるなウチ。アカンわ。
[はあはあ、と息をつきながら]
すきをみて抜け出してきたの。
今日…は……?
[とあたりをきょろきょろ見渡して]
あれ…ヤガミおにいさま……?
そんな。おからだがよくないのに。
で、朱をみたという眼帯のおにいさまは…まだいらしてない…のね。
朱は大丈夫、だから。
……ごめんなさい、またもどらないと。
[と走り去っていく。]
[ゆったりと起きあがる。そして辺りをうろうろと歩く。]
(今日居なくなったのはヤガミ、か)
[纏め役として皆の前に出ていたヤガミが今日誘拐されていた。昨日蔵へと入ったのは甘利。その去り際はあっさりとしていたように見えた、と誰かが言っていた。]
「から……いや花盗人は朱を調べたらしいな。」
「そして、確実に、恋人の二人はここにいる。」
[恋人と聞くと一見なんの害も無さそうに聞こえる。しかしこの二人も自分達にとっては敵…というより味方ではないのだ。早く見つけないと、と心に誓う。]
(なんとなく、最後まで残しておくとまずい気がするんだよな。)
[ぐう、とお腹がなった千代は、リェンの所へと近づく。]
「青菜炒めとココナツジュース貰えるか?」
[こんな状況でも温かいご飯が食べられるのは幸せなことなのだ。リェンに注文を頼むと屋台の近くで座って待つ。]
ふぁぁ〜…よく寝たぁ…………
ちょっと広いしお酒ないか探しつつ眠って、また戻ってきたけどぉ…撫子ちゃん、あなたどうしてここに?
なんか人増えてる…?
ええと…うさぎの仮面のおにーさんとぉ…え!?
甘利ちゃんに、かがちちゃん??
どーしたのぉ?
あ、ゲームでわたしみたいに、みんな“人攫い”にあったってことぉ?
…僕は、そうです。
咳が酷くて昨日は先に休んだんだけど、気がついたらここにいたから…多分攫われたのかも。
でも閉じ込められた人もいるってことはここは蔵だよね。
どうして蔵に攫われた人まで。
…なにか陰謀めいてるなあ。
……あ。
薬、あってよかった。
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