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[公開生放送も進み、リクエスト曲を流すのが一段落した頃]
すんませーん
せっかくの公開放送ですし、生リクエストっていいっすかー?
[席から手を挙げて立ち上がる。
公開は見せるためのものであり、時には話題を振ることもあるだろうが、何にしても客席のほうから乱入していいものではない。
ただ要求したのがメイン支持層である地元の高校生ということもあり、今回だけはと甘い対応になり――マイクを渡されれば]
……オレの友達が、この放送聴いてるんです
初めてかけがえのない彼女ができて、初めてのクリスマス迎えて……あ、さっきそんな名前の曲リクエストしてたのがきっとそいつ
オレのリクエストメールは流れちゃったみたいですけど……オレ今日ここで公開生放送やるの知らなくて、こうしてはっぴっぴさんに会えたので、この場でお願いしたくなって
――友達を祝わせてください、お願いします
[あとひと押しのとき要領よく真摯な態度と敬語を使うお調子者が、公開リクエストしたのはラブソングというよりウェディングソングだったりする。
緊張してるだろうふたりを祝いつつもオーバーな曲を聴かせる悪戯だったのだが、実はまさかプロポーズに及んでいようとは思わなかった。
完全に予想外に、彼の悪戯は無駄にタイムリーなものになってしまったが、それは知らぬまま、さておき――]
>>165>>166>>167
わぁ、雪だ!
本当にホワイトクリスマスになったね、千秋っ
[舞い落ちる白い雪。
どこか桜の花弁にも似ているそれ。
店から出たら真っ先に歓声を上げ、子供っぽく空に手を伸ばしたろう。
ぴょん、と跳ねるようにして。
小指にはめられたリングは誂えたかのよう。
イルミネーションの光を纏い、手の動きに合わせ煌めいた。
一頻りはしゃいだ様子を見せた後、ハッとする。
置いていきかけた千秋のもとへ駆け足で戻ると、ごめんねと恥ずかしげに笑って、その隣におさまった]
……あったかい。
[長めのマフラーにして良かったかな。
少し周りの視線は気になったが、今日はクリスマスイブ。
皆、魔法をかけられたかのように気にしないでくれたらいいな、なんて。
そっとそっと、身体を寄せた]
>>168>>169
[光を溢れさせるツリーから、千秋へと視線を移して]
千秋はさ、無愛想の意味を辞書でひいたほうがいいと思うよ?
前から思ってたんだけど。
というか、他のみんなも言ってた。
[くすりと笑う。
心の中に大きな愛を持っているのに。
それをうまく表現することや、他人にも愛を求めることが苦手だったのではないか。
自分の心を抑えつけることが得意だった人。
それでもあんなに人に優しかった、不器用な人。
でも今はそれだけじゃない。
愛をちゃんと求めてくれている、そう感じられる。
やっぱり千秋には、薄紅色の石が似合う]
……あ、
私、だめだ、……千秋の前では泣き虫になるね…っ
[視界がぼやけ、光が滲む。
笑顔の増えた千秋と反対になってしまった]
それは私の台詞でもあるんだからっ
私だって一緒にいたい。
答えなんて、ひとつしか、ないよ。
[ガラス越しではない瞳が見たい。
そっとメガネに手を伸ばせば、それは叶うのだろうか。
熱い涙を拭うことも忘れて、
しあわせを、そのまま表情に浮かべた*]
くっそー
くっそー
もし音源無かったら、そこの隅っこにあるカラオケセットで歌ってやろうって思ったのに
あんなギリギリで見つかるとはなー……
オレの80点の美声がラジオから流れたらあいつにぜってーウケるのに
オレついてねー
[冗談ではなく、どうやら本気で悔しいらしい。
音源あって良かったね。]
キー高くてオレにゃ無理だ?
けっこう練習したんだぜオレ?
ま、それでもダメならそのときは親父さんにも歌ってもらったかな?
あ、親父さんってこういうの意外といけるクチっす?
[蘭を呼べば完全に身内だけだが、ここでパパンを巻き込もうとするのが彼の真骨頂か。]
んじゃ、ちょっとスタッフさんに怒られて来るわ
慣れてるから大丈夫
オレ、ガッコじゃいつもこうなんすよ
[公開生放送が終われば、そう告げて席を立って行った。]
……沙絵。
[胸の中で鳴り響く鐘は速く
流れ落ちる清らかな雫を拭う指腹、
覗きこむは夜でも柔らかく照らす太陽の瞳
其れと同時か、取り払われた眼鏡は彼女の手の中に
笑みを零して、抱きしめて
唇重ねた、その時だった]
…ほんとはお前の事、拓也や大吉みたいに逍って呼びたい。
機会を逸してしまった、けれど。
大切な友達なんだから。祝いたいのに。
いっつもお前、先回りばっかりだ
[呟きつつ、そのリクエスト曲を聞けば――
お前、おまえまさか今の状況見てた!?エスパー!?
そのタイミングの良さに思わず、沙絵の肩に顔を埋めて
ぷしゅうっとなっていたのでした]
いやあ〜絞られた絞られた
やっぱ社会の壁はセンセ方みたいに優しくないぜ
いい経験になったよホント
……え? メシ終わり
うわー、オレ抜けてた
[どこが消耗したのか分からないぐらい楽しげに戻ってきた時にはバイキングの時間は終わっていた頃だろうか。
ただ必要以上に長くかかったのは、何かしらの談笑と交流があったのだろう。
胃袋の事情については読み落としがあったが]
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