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[春は、あけぼの──
白みゆく都の空の未だ濃き藍残るに仄白く、浮かび上がるは庭に生いたる山桜。
はらはらと静心なく、真白なる花弁の散り敷く様は、雪と見まごうばかり。
さても不思議な館ではあった。
板敷の床の上には。
彼方には幾巻もの巻物が紐解かれてごろごろと転がり、
此方には珍らかな経を記した折本が無造作に半分ほど広げて置かれ、
という具合に、書の類がやたらと散乱している。
更には、驚いたことに紙縒りの栞が大量に挟まった本──二つ折りにした料紙を綴り合せた冊子本が世に広く認められるのはもっと後代である──が幾つもの小山を成していた。
その真ん中に、これらの書の所有者でもある館の主が、うっそりと横たわっている。]
耳を汚すなんて…その様に仰らないでください。
中将殿の音はとても美しいのですから。
[困ったような音が声に混じる。
続いた場を辞する言葉に影は頷く]
わざわざお疲れのところを、ありがとうございました。
お祖父様にも確かにお伝えいたします。
お気をつけて戻られませ。
[帰ってゆく足音が遠くなれば、今にも沈み行く月を少年の琥珀の瞳が捉え。
傷の少し残る指先は躊躇いを含んで琴の胴を少しだけ*撫ぜた*]
―庭―
[歩めば春から夏へ、秋から冬へ。
庭は移る。ほころぶ若芽や枝先に式が止まる。括る白。
まじない、ひとつ、ふたつ。
ひそり、声がする。
胡散臭そうに見られるも慣れたもの。
それが常である。]
春か、曲水の宴でも見たいものだがね。
[ぐるり、ひととおり何かのまじないを施した後、
改めて櫻の古木を見上げて目を細めた。
琴もいい。和歌もいい。
笛も似合うだろう。
あやかしも舞い踊る春。]
[それが、やおらに起き上がった。不機嫌そうな面持ちで、ばりばりと頭(つむり)を掻く。
年の頃は二十歳から四十の間。
肌の色艶から若くも見ゆるが、目の辺りに尋常でない気色もあり。年齢の定かでない容貌である。
そこそこに整った顔立ちではあるが、それよりも何よりも、眉間に刻まれた深い皺が、この男の気性を良く表しているように見える。]
[誰ぞの遣いの途中であるか、
用など無いのか
おとこは店先を覗いて歩く。
おとこはいま、何を見ているでも無い。
人々の暮らすさまを観るのがこころよいのだ。]
……して、こころの暗きが、あしきものを呼ぶ事もあろうに。
斯様に美しい都を持ちながら、
ひとは何と勿体の無いことをするのか。
[噂の流れるに身を任せ、おとこは大路をゆく。]
ほう?
[笛の音と鶯の声が澄んでからみあう。
見上げる角度をさらに上げ銀糸の揺れるを視界に入れた。]
よい音だねぇ。
[櫻の古木の上の客人に、笑みを向けた。]
御機嫌よう、ってところかい?
[声をかけられて調べは止まり、鶯は枝から飛び立ちました。]
なにはともあれ、陽の下の刻はのどかなものです。
怪しき気配も、今は隠れておいででしょうね。
[自らの事は棚にあげつつ、そんなことを言うのです。]
春は、お好きで?
[羽毛のようにふわりと木から降り、その方を見上げました。]
[宮家を後にし、ふと用事を思い出して戻るのは大内裏。
その道すがら、風に乗ってきたのかどこから聞こえてきたのか、先ほど話題になった大殿のこと。
自身の役割とはあまり関係はないが気になる所はあり、僅かの共を連れ見聞改めにそこへ向う]
[街の大通、道行く人とすれ違い。
そして中に一人、尋常でない気配の赤毛の若者。
見目形、人と変わらぬもその気配だけが気に止まる]
…あれは…たれか?人…であるよな?
―庭園―
あれらは夜のほうが好みであるみたいだしなぁ。
木の上で寛ぐのどかな銀の君よ、
そちらは怪しくないとでも?
[降りてきたその存在へ、
からかい含みでそう声をかけ]
春はいいな。よく眠れる。
[片手を自分の腰にあて、首を少し傾けた]
[視線が、風のように肌を撫でたように思う。
共のものを連れた男が、言った言葉に振り返って頭を垂れた]
これは、失礼をいたしました。
道行を妨げてしまいましたでしょうか。
陽気のうららかなこと、少しぼおっとしていたようです。
[さて、術師の類には見て取れないが。
一体何者であろうか]
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