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[従者に話が及べば、僅かに縦皺が深くなったようなようにも見える。]
ええまあ。
遠近(おちこち)を探らせて居りますので。
[近衛中将の後に従い、庭へと進む。
視線の先にそのおとこは居た。
先に話に聞いていた、はぐれ陰陽師である。
──やはり眉間の皺はより深くなりこそすれ、浅くなることはないらしい。]
[凭れていた庭木から体を離し、組んでいた腕を解いた。
頭を下げる。翡翠が揺れた。]
お早いお着きですな。
先程の――中将殿。それから、ああ、やはり安倍の。
早速、検分をなされるのですかな。
[揺れる飾り紐に翡翠。この風体、まさしく、]
……お前か。
また嫌なところで会うものだ。
[への字に曲がった薄い唇が、苦々しげに吐き出した。]
[若い面に似合わぬ皺刻む様]
…変わらずに深い眉間のしわだな。
その溝埋めるには唐の物語のように五色の石を練って埋めねばなるまいか。
[引き出すのは史記の一。そして翡翠揺らすはぐれの陰陽師に目をやると]
その方まだこちらにおったのか。未だ知り足りぬことでもあったか。
[侍従が戻れば、少年は包みを抱えながらあまり足を踏み入れぬ邸の一画へと向ける。
板が軋む音を少しだけ伴いながら少年は扇広げた少女の間へ足を踏み入れる]
失礼致します、弥君様。
今日は、お加減がよろしいとのことですが…
[声に少しだけ不馴れな空気滲ませて、包みを抱えたままで遠すぎず近すぎない間合いを自然と取って腰を下ろす。
香に少し混じる香りや小卓の上の文箱に気付いて]
…何か、手習いでも?
[小さく首をかしげる]
[検分と見張りをおこなうものたちへ軽く頭を下げ――あるじがさきへ来て居るからか、止められることは無かった。侘しきが美しさに取って代わった邸内、その歩みにはやはり音無く庭へと入る。]
[生温い]
[陽気][うららかなる黄色き陽光は邸を妖しげに揺らめかせ]
[顔定かならぬ者達は遠き潮騒のように耳元で囁き合う]
[大殿の眠る処]
[げこり] [庭の片隅 冬眠よりよみがえりし蛙一匹 朱墨で描いたように地から這い出死んでいた]
これはまた、お久しぶりですな。
厄介ごとにはお互い何かと縁があるようで?
[苦々しく謂う陰陽師とは対照的に
白装束は薄笑みを浮かべたまま答えた。
中将のほうを向いて]
おれの役割は此処の怪異を祓うことでして。
昨日の今日で立ち去るわけにもいきますまい。
…お弔いがあるのですかね。
悲しみの匂いがいたします。
[風が焼香の薫りを運んだのか、狐は鼻をくんと鳴らしました。
せせらぎと戯れる一時は過ぎ、鳥達も飛び去って行った後のことです。]
そういえば…あの童も不思議な方だ。
男童かと思うたのに、白粉の香りがするなどとは。
[河辺で見かけた彼の人の事はなんとなく気になってしまっていたのでした。]
[御簾の向こうに若宮の姿を認め、喉を押さえて苦しげに声を出す。震えるように掠れる声は、女性であるかのように]
……、わざわざこちらまでありがとうございます。
わたくしのご機嫌など、若君様のご足労に比べれば、何一つ遠慮することなどございませんのに。
[首を傾げられ、問われると、和紙を手に取り]
少しばかり、歌を詠んでおりました。人に見せられたものではありませんが。
[自分の言葉に、扇子の裏で舌を出しながら向かいの若宮を見つめる。よく見えなかったが、儚いような雰囲気に感じ]
[胡散臭い彼を信じる気にはならないが影居とは顔見知りの様子。
ならば陰陽師であるのは真だろう]
ふん…。ではそなたに問うか。
ここにあるのは一体何か?入った瞬間から何やら蠢く気配がする。
私のような者にも感じるとなれば陰陽師はさらに克明に知れる訳であろう。詳しく申してみよ。
して、そなた誰に頼まれここに来たのだ?私が来る前からおったな?
誰がどのようにしてここを知りそなたに祓いを命じたのか?
[皺についての揶揄には答えず、]
ご忠告申し上げますと、中将殿はこの一件、早々に手をお引きになった方が宜しゅうございますな。
この者が関わって参ったからには。
[ひたりとはぐれ陰陽師に目を据えつつ、寂びた声で述べる。]
[カラカラカラ] [カラ] [カラカラ]
[地を駒如く廻る木の葉] [空を埋める紫と黄金に照らされ]
[春というに 寒々しい音を立てていた]
―――――――羅城門
[晴れる事なき怨念が場]
[絵師が墨を薄めずにえがいたとし どんより濁りこごった斯様な重さを表現できようか 末端より腐敗す醜き肉塊 更には鬼に貪り喰われる貧しき者達を 剥ぎ 剥ぎ 怨嗟は都の空気の中へ 輪ィン 輪ィン と広がってゆく ――其は 水に落とした墨の様に]
[ほんの少し首を傾けて中将を見る。]
此処にあるのは『祟り』。
四辻に埋められた、死のにおい漂う強力な呪い。
大殿様と、この屋敷に向けてですな。
遠くなく屋敷に居るものにもそれが及ぶこと、
疑いようがありますまいな。
[ふ、と眼を細めて]
さる高貴な方から。
なに、皆怪異は恐ろしいのですよ。
それがおのれに降りかかるやもと知れぬなら尚更だ。
[人の弔いの作法など、狐の彼には分かりはしませんでしたけれど、
笛は手向けのつもりか、物悲しげな調べを奏でるのでした。
それはとてもひそやかなものでしたが、遠くの方の心にまで染み入るように届いたかもしれません。]
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